I’ve been thinking about this since yesterday and I think Arsenal have to take control of this situation by amending their image. This is still a totally normalised way of playing against Arsenal, which is why it is treated with such leniency imo. https://t.co/pOxDqDbSBM
— Tim Stillman (@Stillberto) June 21, 2020
ブライトン戦のあと、アーセナル論客のひとりであるティム・スティルマンが、アーセナルは自分たちで(弱い)イメージを変えていく必要があると訴えていた。
「アーセナルには強く当たれ」は、いまでも通用している
BHAとの試合を観ていて多くのファンが感じたのは、彼らのプレイのアグレッシヴさではないか。
アーセナルの選手たちがBHAの選手たちに強く当たられ倒されるシーンは、この試合のなかで何度も観られた。
Yves Bissouma conceded six fouls against Arsenal and did not receive a yellow card.
Only Jordan Ayew has made more fouls without being booked in a Premier League game so far this season (7 vs. Arsenal). pic.twitter.com/URsN6auO5b
— Squawka Football (@Squawka) June 20, 2020
あの日、BHAのYves Bissoumaは、6回ファウルを取られながら、1枚のカードももらうことなく試合を終えたことが、アーセナルのファンのあいだで大きな話題になっていた(※この試合のMOTMも彼である)。
今シーズンのPLで、Bissoumaよりカードなしでたくさんのファウルを犯したのはJordan Ayewしかおらず(7回)、奇しくもそのときの相手もアーセナルだったという。
これが意味することはなにか?
ぼくが知るかぎり、この20年、アーセナルはPLでは多くの相手にずっとこの「アーセナル対策」を取られている(その前は知らない)。
Pulis hated Wenger, we were out of control… no wonder Ramsey’s leg was broken
ラムジーの事案で、トニー・ピューリス(ストーク)のような腐れ外道が、ヴェンゲル憎しでアーセナルに対し、試合前に破壊的にプレイするよう自分たちの選手に発破をかけていたことは暴露されている。
しかし、彼らほどではなかったにせよ、ほかにもアーセナルに対し身体を激しくぶつけていくよう指示が出るような、似たりよったりのチームはきっとあっただろう。これまではプレイクオリティの格差も大きく、そうでもしなければアーセナルのようなチームには太刀打ちできなかったのだし。
以前は、フットボールのクオリティでアーセナルにまるで敵わない下位チームのいわば処世術(?)として、シンプルな肉弾戦という戦略は有効だった。とくにアーセナルはポゼッションスタイルでチャレンジのターゲットになりやすく、またフィジカルバトルが得意な選手より、技術のある選手が好まれてきたので、当たりにも弱かったこともあるだろう。
しかしときは経ち、2020年。いまアーセナルのプレイレヴェルはもはやPLのミッドテーブルまで落ち込んでいるが、それでもやはりアーセナルに対してその戦い方が有効なことは依然として変わっていない。一昨日のBHAでの試合のように、われわれはずっと相手のアグレッシヴなプレイに苦しまされている。
フェアプレイの範囲内ならもちろんなんの問題もない。だが、相手がアーセナルだとそれがときに過度なものになる。
ボールを持つディアビやジャックは格好の標的になり、キャリアを左右するようなケガを負わされた。PLで試合中にひどいタックルで足をぶちおられたのはアーセナルの選手だし(※2シーズン連続)、近年でもドビュッシーが不必要なチャレンジでアーセナルでのキャリアを破壊された。
ペペはプレイスタイルもあるが、出れば毎試合のようにラフプレイのターゲットになっているし、一昨日のレノも(それほど強烈なチャレンジではなかったので不運もあるとはいえ)あの試合内容からしてみれば、ファンにその延長線上にあるものとしてとらえられてもまったく不思議はない。
ぼくらがレフェリーを非難することはできる。(必要以上にアグレッシヴになることは)ほかのクラブの問題でもある。
だがこれは本質的には、それにいつまでも対応できないアーセナルが、そういう弱腰なイメージをつくられてしまっているという問題でもあるのではないかという指摘。
「弱腰を覆せ」
冒頭のスティルマンのtweetはこんなふうにつづく。
スティルマン:結果的にわれわれは敗けて、繰り返されたファウルに文句を云っている。また選手が不必要に負傷した。だから、それは効いたんだ。つまり、相手チームはそれをやりつづけるし、オフィシャル(レフェリー)の目にはこれからも当たり前のものとなりつづける。
わたしがひとつ考えていたのは、ポッチェティーノがスパーズでみごとにやったこと。彼の彼らのイメージについての責任のとり方。
それまで彼らは究極のソフトタッチと見られていて、彼はそれを卑劣にやることで変えたんだ。いまの弱さはともかく、誰もスパーズに対して、蹴飛ばすアプローチをしようとはしない。
もうひとつ考えていたのは、ルール(law)があると思いこんでいればいるほど、それに裏切られるということ。だってほら、それがノーマルと見なされてしまっているわけで。これこそがアーセナルが解決しなきゃならない問題だと思う。オフィシャルに助けてもらうことなど期待せず、やりかえすんだ。
アーセナルに相手を蹴飛ばせと云っているわけじゃない。でも、そういうやり方で、もしMaupayやBissoumaみたいなやつをひっぱたくことが必要なら、ひっぱたいてやればいい。個人的には、それでおかしなレッドカードになったとしても、われわれのソフトタッチなイメージを修正できるなら、受け入れられるダメージだと思う。
基本的に、ソフトタッチ認定されていることを止めさせる手っ取り早い方法は、ソフトタッチであることを止めることだ。
ソフトタッチ(soft touch)は「弱腰」みたいに読んだらいいかなと思う。
これは「やられたらやりかえせ」という、ある種のマチズモであり、黄金時代を築いたアーセナルOBたちが繰り返しチームに求めてきたことでもある。だから、お前らはいつもやられっぱなしなんだと。
もちろんやりかえすやり方は問われるだろうが、この場合・状況では正当な主張ではないだろうか。
アーセナルになら多少ラフにやってもいいと思っているレフェリーたちに、その間違いを思い知らせる方法は、こちらも同じくラフにやりかえすしかない。一般的に「やりかえす」ことは処罰の対象になりやすいが、一試合のなかで、片方のチームだけファウルを厳しく取るような、ダブスタ判定が続出するようならそれこそ問題が広く露呈するだろう。
ところでぼくは、ブライトンとの試合があんな結果になるのを知る前に、たまたまその前にやっていたワトフォードの試合を観ていて「やっぱりディーニーみたいな選手がアーセナルに必要だよなあ」となんとなく考えていたところだった。
ここで彼の有名な「玉なし」発言を振り返ってもいいかい?
トロイ・ディーニー:(アーセナルに勝利した試合)おれは試合後にヴェンゲルがあれはペナルティだったって騒いでいるのを聞いて、それこそが奴らが敗けた原因だと思ったよ。いや、ミスター・ヴェンゲルがどうだとか云いたいというわけじゃないんだ。でもそここそに彼らが敗けた理由がある。ひとつのペナルティのせいじゃないんだよ。
こう云うのは少しはばかられるんだけどさ、ちょっとしたタマ(cojones)の問題なんだ。おれがアーセナルと戦うときはいつだってこう思うんだ。「さあやったるぜ、最初におれの餌食になりたがってんのはどいつだ」ってね。(中略)
おれは奴らほどテクニックも恵まれてないしクイックでもないってことなんて百も承知さ。でもあいつらがおれとファイトしたいってんなら容赦はしない。いつだってぶちのめすよ。もしおれの世界に来るってんなら、それもいいだろう。でもボール扱いのうまさ、スピード、ポジション取りなんかは全部フィフティ・フィフティになる。だっておれはでかくて強いんだ。
おれはあいつらが誰もやりたがらないような汚れ役を全部やる。そういったことがおれを相手にするのが恐ろしい敵にするんだ。
いつだってぶちのめす。容赦なし。アーセナルに必要なメンタリティじゃんね?
ぼくはマテオ・ゲンドゥージにはいまも期待している。
彼はまだまだプレイは成熟していないし、これからアーセナルのレヴェルにふさわしい選手になるかもわからない。あの試合中ずっと暴言をはいていたというのが事実なら性格もかなり悪い(笑い)。
今回のモーパイに対する「のどわ」(笑い)はもちろん褒められたことではないし、ジャカのようにすぐカッとなる気性もいただけない。いくら選手として優秀でもカードやバンでチームに迷惑をかけたら意味がない。彼らのポジションならいつだってスーパークールじゃないと。
でもね。敗けて悔しいところを隠さずストレイトにおもてに吐き出したり、絶対に敗けないという気持ちをプレイで見せられるメンタリティは、あのチームのなかではやっぱり貴重じゃないかと思うのだ(将来性についての異論は認める)。
ぼくはティアニーもそういう選手だと思う。だから好きだし、チームに必要だと思う。
ゲンドゥージは今回のことで、事後の反応によってはアルテタの信頼も失うかもしれない。でも、アルテタはここで諦めず、なんとか彼を更生させて、成長を助けてやってもらいたい。プレイと同じくらいメンタリティの素質は重要に違いなく、彼の稀有なメンタリティをどうか、いい方向へ導いてほしい。
ということで、アーセナルは、今回のことを含めてしっかりPLに抗議する必要がある。ひどいファウルをしてもなかなか相手選手にカードが出ないデータだって、きっと揃えられるだろう。何度ファウルを受けても相手がお咎めなしではそもそも不公平だし、こちらにはそれが死活問題になっているのだ。
そして、自分たちの戦士としてのメンタリティをあらためて問うていく必要がある。
いまアーセナルに必要な変化はたくさんある。問題はもう山積しているといっていい。
しかし、この相手が必要以上にラフになる「弱腰(認定)問題」はもうずっとこのチームについてまわっており、どこかで終わりにしなければならない重大すぎる問題のひとつだ。敗けるたびに相手のダーティなプレイに文句を云うのも飽きた。
スティルマンの云うとおり、自分たち以外、誰にも期待できないと思ったほうがいい。そのほうがずっとポジティヴになれる。
おわる
なるほどなと思いながら読ませていただきました。
アウェイでの弱さもそういった部分が絡んでいるのかもと。相手のホームで当然積極的にラフにガツガツ攻めてくると弱さが出てしまうんですかね。
パパとかコラシナツとか武闘派もいますがレギュラーじゃないし…試合前にハカとか踊って威圧する…わけにもいかない(笑)
レノが不運な怪我をしているのに、アーセナルの選手から「勝ってやる」という気持ちが伝わらなかったのが敗戦よりもショックでした。
ゲンドゥージの行為は褒められるものではありませんが、ティアニーと共に強いメンタルを持ってこれからのアーセナルを導いて貰いたいです。
この問題。ついにもっともらしく自己正当化し始めた。イングランドという国の、品性の問題。EU離脱する為、殺人までした。ベンゲルは、そしてアルテタはそれでもイングランドを信じ続けようとする。はっきりいうが、もうプレミアはスポーツではない。
気持ちはわかるしファイターは必要だと思いますけど、一番足りないのは選手のクオリティだと思います。
弱いイメージって言うより、悲しいですけど実際弱いんですよ…
でも、アルテタが復活させてくれると信じてます。。。
賛成。選手生命を奪う大ケガをする恐怖を感じさせることで相手チームは多大な恩恵を受けてるのに、アーセナルだけがその手段を使わない。
アルテタは「壊す目的でプレーする選手はいない」というけれど、「早くボールを離さないと大ケガする状況」に追い込むことはPLでは認められてる。
実際に大ケガして選手生命が絶たれても、せいぜい3試合のバンで済む。
問題は、実際に相手に大ケガの危険を感じさせるには、運動量と体幹の強さが必要だということだと思う。
その意味でゲンドゥージののど輪は何の役にも立たない。
激高せずに淡々と相手の選手生命を奪い(そのリスクを強い)、汚いプレーを普通にできる選手でないと。
正直、オーバ、ぺぺ、マルティネッリ、サカ、ティアニー、レノ以外は全員放出でいいくらいの出来の悪さですよね。
アーセナルに今一番必要なのはヴィエラのような絶対的なキャプテンな気がします。
更新お疲れ様です。
以前は強く当たってきても、個人技やパス回し交わす形を持っていましたが
チームの形を模索している段階であるため、囲まれたら手詰まりになっている印象です。
ケガで選手が入れ替わってるせいでもありますが、
いいポジションを取ったり、他の選手の位置を把握したり、
そういった部分が上手くいっていないように見えました。
監督が指示するにも限界はあるので、
選手達自身が勝ちパターンを見つける必要があるんですが、苦しんでいますね。
ブログ更新おつっす。
ちょうどBHA戦を観ながらディーニーのタマなし発言を思い出していたのでビックリ。
ずっと前から似たニュアンスを感じてました。誰かが怪我で退場したゲームも非常に弱い気がしますが、同じ問題と思っています。
だからこそ、個人的にはジャカとティアニー (もち、ゲンにも)に凄い期待してます。
来季からティアニーキャプテンでも良いんじゃねくらいに。
賛同します。
正直私としては仮に今回のどわ(とも言えない)で処分されたなら毎節の様に処分対象は出るでしょうと思ってました。もちろん褒められる行為ではありませんが。FAにはもう少しレフェリングの差を縮める様な指導をしてほしいと思います。
因みにレノに対するモペイのチャレンジはアフター気味に見えましたけどね。。
モペイのチャージは許されるものでもないし、
アトキンソンのジャッジにも納得はいかない。
でも、ゲンドゥージが本当にチーム間の給与格差を持ち出したのなら、
彼の教育を、ピッチの外で長時間行うべき。
モペイみたいに相手に手を出させたり、カードにならないようなダーティーというと語弊があるかもしれませんがそういうプレーを勝つためにやる選手って居ないのかな
でもモペイはレノが痛みで叫んでるのに審判にハンド要求するような人間ですからね。勝ちにこだわってるから出た行動なんだろうけど、正直人間性を疑う行為だし、こういう人を応援したいとも思わない
汚れ仕事をやる選手ということでいうとマンチェスターシティにもリバプールにもそんな選手居ないと思うしアーセナルの選手にもそういう選手は居て欲しくないかな ガチムチでダーティーなプレーするチームにテクニックで勝って欲しいし
それでも勝ったら誰も文句言わないんですよね。
やっぱり負けるし負け方も悲しすぎるからいつだって試合後は絶望的になるとゆう。
ハートの強い選手っていえばジャカ、ルイス、
パパらシニアにもいますし、かなりダーティなプレイもしますが、うちの選手がやったらいつもカード出されるから逆に批判の対象になるってゆう。
おとがめなしの選手と何が違うのかというと、なんともいえないですが、一つ間違いないことはわれわれがアーセナルだとゆうこと。試合はほぼ見てますが、そりゃないだろってジャッジをされるのはだいたいうちの方とゆう印象です。
選手の刷新も必要だとは思いますが、審判もそうしてもらいたいですね。
「ソフトタッチ=弱腰」かなるほど。
まったく文脈と関係ないんですが、アーセナルのプレスが文字通りソフトタッチなの何とかして欲しい(笑)
現状(特にこの記事が出た時点では)形だけプレスに行くようにはなっている。アルテタになって守備への姿勢は変わった。
ただまだ形だけな部分が多い。個人個人がそれぞれそれとなくプレスっぽい位置まで行くけど、正直ボールを奪うというアクションではないように見える。
ボールを奪うポイントも明確になっていないし、何となく個人個人がプレスに行った結果、ボールホルダーの相手1人に対して3人集まって囲う状態になっても明確にボールを奪うアクションをする人がいなく、いても1人でボール奪えないという場面は何度もある(笑)主さん風にいうと笑えない。何のためのプレスなのかと。
もう少し体をぶつけるくらいのプレスをして欲しい。というかぶつけて欲しい。ほんとソフトタッチなんだよ(笑)
ただその中でAMNがCMで出ていた時(記事と時系列合ってないかも)、彼だけは相手へのチェックに対するアクションがソフトタッチではなかったのはポジティブだった。ポジショニングがぎこちないことは多々あったんだけど。
この試合は交代が遅かったし交代のメンバーも自分には適切には見えなかった。これは蛇足だ。
まぁなんだ、ソフトタッチなプレスはやめて欲しいのと、どの試合だったかCMでのAMNは部分的にいいもの見せてくれたのは良かった。