ウィリアンのマインドセット
複数ポジションをこなし、テクニックがあり、ハードワーカー。いかにもトップコーチに好かれそうな、モダンゲイムにマッチするタイプに見えるが、本人のメンタリティはどうなのか。2015年11月の『FourFourTwo』より。
Willian: The industrious playmaker
質実剛健(Get strong to the core)
ウィリアン:インターヴァルトレイニングはやらないし、ぼくは上半身を鍛えるようなタイプの漢じゃないんだ。ぼくがフォーカスしているのはもっとコア(※体幹)のエクササイズさ。それがぼくの爆発力を高めるのを助けてくれる。
少なくとも週に1度か2度、ぼくはジムで体幹強化に取り組んでる。これは腹筋、腰部、腰椎を強化するエクササイズも含まれている。コアが強くなれば、もっとボールを奪われにくくなるし、ケガのリスクも減らせる。
充電するための休息
試合やトレイニングのあと、泳いだり、サウナに入ったり、マッサージを受けることで回復をする。しかしぼくの意見では、試合のあとは休むことが選手が行える最善策だ。バランスの取れたダイエットをすることも重要だね。ぼくは何でも少し食べるようにしてるんだ。パスタ。お肉。あと野菜。
ストレッチングもすごく重要。アイスバスは全然好きじゃないけど、ときどきは逃げられなくてやらなきゃならなくなるね!
いつも心がけているのは睡眠の質。トレイニングセッションのあとの昼寝も。
賢くプレイ、やりすぎない
自分のチームがピッチ上でよくオーガナイズされているとき、エナジーを浪費しなくて済む。ブラジルでは、ぼくらはこう呼んでたよ「running wrongly」。チームがコンパクトでないときは、余計に走ることになる。非効率的に。すぐにばてちゃうね。
経験ある選手は、いつプレスするか、いつ攻撃するか、守るかわかっているからエナジーを節約できる。若いときは、野心があったり自分の可能性を示したがるのはふつうのことさ。でも、やりすぎれば、自分自身が燃え尽きてしまうんだ。
コーチに耳を傾けろ
コーチングで受けたアドヴァイスは決して忘れない。ジョゼ・アウグストは、ぼくがコリンチャンスにいたときのユースチームのマネージャーで、そこから何年もぼくをピッチ上で助けてくれることになるふたつのことを云った。
ひとつはこう「ボールを受ける前、キミはつぎに何をするかわかっていなければならない」。もうひとつは「いつでも自分の背後を見ておきなさい。ボールを受ける前には」。
自分をマークしている相手が来るまでどれほどの時間があるのか、知っていなければならないんだ。
戦術的に柔軟であれ
ジョゼ・モウリーニョの下で、ぼくは戦術的に成長した。いつマークしていつプレスするのか知ってから、守備でいい選手になれたんだ。スペイスを圧迫して相手のミステイクを誘うことの重要性を理解した。
イングランドのフットボールはもっとフィジカルで、レフェリーはすべてのコンタクトをファウルとして見ない。ぼくがイングランドに初めて来たときのことを思い返すと、いまはより試合を読めるようになったと思う。いつドリブルすべきか、あるいはいつチームメイトにパスすべきかすぐに判断できる。
チームのためにハードワークする
フットボールはすごく変わった。いまどきはプレイメイカーとてボールをプレイするだけではいられない。攻撃の選手の役割だってより多くの責任が伴うようになった。
ハードにワークしようとしなければならないし、守備でも助けなければならない。どちらのウィングでもプレイの仕方を理解していなければならない。トップで成功するためには、ヴァーサタイルな選手にならなきゃいけない。
ベストのプレイメイカーはなんでもできるということだ。戦術を理解し、ポゼッションもでき、フィニッシュもできる。そしてとてもいいフィジカルコンディションがある。
以上。
体幹の話ばっかりしてるからユート・ナガトモかと思った? 残念ウィリアンでした。
さてこの記事、インタヴューというよりは、それまでのいろいろなquotesをまとめた発言集みたいなものかもしれない。リードでも説明がないのでわからない。
なかなか興味深い発言がいくつかあるんじゃないだろうか。
アーセナルのウィリアンに期待すること
ひとつはもちろんプレイで。
どこでプレイすることになるかはまだわからず、ファンのあいだでも意見も分かれるところだ。ペペより先んじて右で使われるのか、あるいはオバメヤンをセンターにして左にはいるのか。あるいは。
ウィリアンが得意なポジションでかつアーセナルが手薄なポジションはどこかと云えば、じつはNo.10(中央の攻撃的MF)だったりする。チェルシー以前、シャフタール時代はLWから始まっても試合中は中央でプレイすることが多かったそうだ。
エジルのリプレイスメントという見方があるのはそのためだろう。
個人的にはチェルシーでもあまり中央でプレイメイカーをやっている印象はないが、うまいことやってくれそうだと云うなら期待は大きい。たくさんチャンスをクリエイトしていただきたいものだ。
あるいは、ハードワーキンなプレイスタイルということで、4-3-3のNo.8でもきっとハマるのだろう。
さまざまなポジションでハイレヴェルでプレイできるということは、ほんとうにすばらしいことだ。
19/20EPLウィンガーズのなかのウィリアン | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
それとプレイ以外で期待したいのは、やはり若いチームに経験をもたらしてくれること。
ダヴィド・ルイスが来てからは、すっかり若い選手たちのメンターのような存在になっているが、きっとウィリアンも本人が望もうが望むまいがそういった役割を期待されるに違いない。18才のマルチネリやサカにしてみれば、32才はだいぶ大人だろう。
とくに現在のアーセナルのスクワッドは数年前からはだいぶ若返っていて、経験ある選手の存在は貴重になっている。
キャリアのなかでEPLを含むタイトルをいくつも取っている彼の大舞台での経験は、きっとこの先、若い選手たちにも受け継がれていくに違いない。
32才ということで、どこまでハードワークしてくれるのか、どこまで期待していいのかは正直わからないが、ぼくはミケル・アルテタを信じているので、彼が信じるウィリアンを信じる。
おわり
ブラジルの人って、リオのカーニバルがある度に絶対に国に帰るようなロナウジーニョみたいな人ばかりだとちょっと前まで思ってましたが、うちのブラジリアンは真面目な選手ばかりで最高ですね。
なんかネガティブなニュースが多いですが、早くシーズン始まってほしい。
4-3-3のIHはいろいろと難しいだろうけど。
もしラカにいいオファーがあったら、CFオーバにしてトップ下ウィリアンは面白いかなって思う。
相性が良かったCFオーバとトップ下ミキのコンビと少し似てる感じがする。(そうでもない?)
3バックのままウイングの一角に使っても機能するだろうけど、あまり想像したくはない。
それは後ろの補強が進んでないって事でもあるだろうから。。。