4-3-3へのスウィッチとハードル
さて、今回のブログエントリのテーマは彼のリーダー適性についてではなく、上記インタヴューの彼のコメントで太字にした部分。彼が4-3-3でプレイしたいと明かしている。
われわれは4-3-3に移行したい。だが、どのポジションにもスペシャリストが必要で、だがいまは5-6のポジションでそうした選手がいない。
“We want to move to a 4-3-3 but for that you need a lot of specificity in every position but now in 5/6 positions we don’t have it.”
a lot of specificityは直訳すると「たくさんの特異性」。スペシャリストと訳してみた。
アルテタはほかの機会にも、自分はシティでやっていた4-3-3に習熟しているといった旨の発言をしているように、もうそのこと自体は隠さなく?なってきた。
そしてもっとも興味深いのはいまのチームには「5-6のポジションが足りてない」ということ。5-6といえば、11あるポジションの半分である。かなり多い。
この、このチームに足りてない(アルテタが満足していない)というポジションはどこなのか、考えてみようではないか。
1月のターゲットはクリエイティヴMFとRCBとオーンステイン
昨日デイヴィッド・オーンステインがアーセナルの1月の補強について「プライオリティはクリエイティヴMFとRCB(右CB)」だと伝えていた。
“That release clause seems incredibly low for a player of his talent and future potential.”@David_Ornstein tells @markchapman that Arsenal’s priorities are a creative midfielder + a right sided centre-back.
LISTEN NOW 🎙️ 𝗧𝗛𝗘 𝗢𝗥𝗡𝗦𝗧𝗘𝗜𝗡 & 𝗖𝗛𝗔𝗣𝗠𝗔𝗡 𝗣𝗢𝗗𝗖𝗔𝗦𝗧
— The Athletic UK (@TheAthleticUK) December 1, 2020
アーセナルがクリエイティヴMFを探していることについては、もうさんざん取りざたされているし、今年の夏にはOLのホッセム・アワーの獲得に動いていたことからも確定である。
1月に獲得可能なそういった選手(ソボスライ、エリクセンetc)にアーセナルが動くだろうことは、Here we goのひと、ファブリツィオ・ロマーノも指摘しているところである。
アーセナルに足りないのはそこだとファンなら誰もが感じているが、アルテタも当然そう思っている。
もうひとつのRCBについては、ここは夏に大量退団が見込まれるポジションだということがある。
そもそもアーセナルには現在8人ものCBがいるが、ケガやクオリティ不足でとても満足と云える状況ではなかった。
来年夏に退団が見込まれるCBは、ムスタフィ、ソクラティス、ダヴィド・ルイス。もしかしたらマヴロパノス、チェンバースとホールディングの退団もありうるのではないかという憶測もある。
CBの8人のうち5-6人、全員がRCBという。まあ後者の3人は積極的に放出しなければならないほど、クラブの負担になっているわけではないだろうから、いいオファーがあればというくらいかもしれない。
というわけで、RCBは余剰在庫を抱えた状況から一気に品薄になりかねないということがもう見えているわけだ。
それにしてもなんというバランスの悪さなのか。。こんな無駄なチームビルディングをやっているからいつまでたっても(以下略
433でプレイするために足りない5-6のポジションとはどこか?
それも踏まえて、あらためてアルテタが4-3-3を採用するうえで足りていないという5-6のポジションを確認してみよう。
と、こう見てみるとこのなかで仮に6つのポジションで満足できないとなると、いまのスクワッドにかなり厳しい評価をしていることになりそうだ。
- GK:レノ
- LB:KT
- LCB:ガブリエル/マリ
- RCB:ルイス/ホールディング
- RB:ベレリン
- No.6:パーティ/ジャカ/エルネニー
- No.8:セバーヨス
- No.8:ウィロック
- LWG:サカ/マルチネーリ/ネルソン
- CF:オバメヤン/ラカゼット/エンケティア
- RWG:ぺぺ/ウィリアン
チームを攻撃的にインプルーヴさせるうえで、もっとも決定的に足りないのはNo.8のふたり。
ウィロックはまだレギュラースターターになるには経験を積む必要がありそうだし、セバーヨスは悪くはないがグレイトとも云えそうもない。いまのままだとよほど安くならない限りは来年に買い取りもされないだろう。
ふたつのNo.8は、シティで云うところのKDBとシルヴァ(シルヴァ)。アーセナルのミドフィールドには、かつて泉のようにあふれていたクリエイティヴ成分がまるっきり足りない。
そしてRCBは前述したとおり。これで3つ。あと3つ。
どこでしょうねえ。スクワッドデプスのことも考えているのなら、薄いところはかなりあるのだが。
ドーナツ化はやむを得なかったのか
ほんとうにやりたいシステム/フォーメイションがあるのに、ふさわしい選手がいないため、やむを得ずいまのように戦っている。
つまりそういうことなのか。
中央の密集地帯でボールを預けて良いと信頼できる選手がいないから、いっそ中央をぽっかり開けてピッチの周囲にひとを集めた低リスクの戦いかたをしている。いくらなんでも極端に思えるが、彼の発言の裏を返せばそういうことになる。
ロングボールに依存したリヴァプールスタイル(※皮肉)はチームのストロングポイントを活かすためではなく、欠点を隠すためだった。
不健全だなあ。
アルテタがシティで成功していて理想が非常に高いところにあるのはいいとして、個人的にはもうちょっといまのアーセナルの選手を信頼してあげてもいいのではないかと思う。セバーヨスをRBに落として使うって、このチームにとって最高のオプションなのか?
その一方で、ラカゼットやウィリアンなど、彼は信頼している選手にことごとく裏切られているということが最近云われがちであったりもして、よりいっそうモヤモヤするのである。結果的にではあるけれど、信頼すべきところを間違えてしまっているのではないか。
シニア選手を重用して裏切られるくらいならいっそ若い選手をもっともっと抜擢してほしいと思わずにいられない(なんかおれこれをずっと云い続けているな)。
キャリアの終盤にあるシニアプレイヤーズに大きな未来はないが、若い選手たちはうまくいけば大きな未来とリターンがあるのだから。それに非常に優秀だ。リスクをかける価値はある。先日のELで試合後にアルテタはネルソンやESRを称賛していたが、本心でそう思っているのなら本番のPLでチャンスを与えてもらいたい。チームがどん底にいる今ならなおさら。去年このチームがサカを発見したように、ESRやバロガンを発見してもらいたい。
いまいるシニア選手を使ってしぶしぶ不本意な戦いかたをするよりも、ほんとうに自分がやりたい戦いかたがあるのならば、そっちをどう実現するかを考えるほうがよほどポジティヴに思える。「若い選手たちとの取り組みを愛している」とつねづね述べているアルテタなのだから、そのチャレンジで彼自身もハッピーになれるのではないかね。
とくに最近はヨーロッパでは若い選手たちの大活躍が目立っていて、アーセナルもサカやマルティネリといったU20が大活躍しているのでその一部であるのだし、もっとこのビッグウェイヴに乗らないといけませんな。
おわる
アルテタは若手へのプレッシャーを取り除くことを重視しすぎてると思います。
思い切って若手を使って育てる名将ではないのでしょう。
今のプレミアリーグとチャンピオンシップは資金が潤沢すぎて
監督が望むタイプの完成したベテランを獲得する傾向が強いと思います。
資金が無いから仕方なく若手を育てることはどこもしてないので
アルテタの望む選手を5人6人とは言わず連れてきてほしいです。
ジャカを引き留めてオーバメヤンも延長して、その上ウィリアンを連れてきてパパとエジルはベンチ外に居座って試合に出れないとゆう。さらにエリクセンとろうとか、もう未来なさすぎて悲しいッス。
ラカゼットも夏にオファーがあったの引き留めたらしいし、その上で半分足りない発言、もうどうしたいんでしょうね。
マルティネリもどってもどうせすぐには使わないだろうし、サリバもなんで出さないのでしょう。
ブエンディアの噂が出てますね。YouTubeめっちゃ見てますよ。ほんとに来てほしい。
思うにアルテタって誰でも彼でも引き留めすぎじゃないですかね
クラブの財政考えたら売却やむ無しの選手沢山いますけど、それをせずあと5.6人欲しいってのは無理かと
4-3-3やりたいのはわかりましたけど、現状の選手の個性に合わせたフォメや戦術取れてないのはいただけないですね
右CBが必要、という意見は同感。
ホールディングがその人だ。というのが今の僕の見解(願望)だけども。w
左WBを削ったため、今コーナーフラッグ付近はLBと左ウイング(!!)で守ってる。
あれは4バックならCBとLBが挟んで守るところで、ティアニーとガビにはその能力があるのに、右がルイスだとそれが難しいと思う。
ネルソンやペペの成功も、CBがきちんとサイドを守れてこそという気がする。
彼らの攻撃の才能は強烈だけども、さすがにコーナーフラッグまで下がったら役に立たないだろうから。
あとウィロックにはもう少しチャンスをやりたい。
ホールディングも悪い時期をガマンして使ってもらって良くなってきたんだし。
エジルとサリバは、1月にはリストに戻ってくるんじゃないでしょうか。確かにエリクソンはなぁ。それよりESRがKDBに近づく過程を見てみたい。バロガンなんて、あのでかさと機敏さ、もうラカよりも序列上でもいいと思うのですが。もうね、時代は既に、アンスファティやハーランド、ヴィニシウスな訳です。代表レベルのAMNはサカは、必ず毎回、PLで先発させてほしいなあ。さー、明日はすっきりするぞ!COYG