hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Arteta, Controversy, EPL, Match

【マッチレビュー】20/21EPL アーセナル vs バーンリー(13/Dec/2020)いろいろすごい

試合の論点

アーセナル vs バーンリーのトーキングポインツ。どこからツッ込めばいいのやら。。

チームセレクションに焦点

こういう試合は悪いことばかりじゃない。マネジャーにこれまでの(ファンに不人気な)やり方を強制的に再考させられるのだから。

チームセレクションはその最たるもののひとつだろう。アルテタは、これでチームセレクションを再考せねばならなくなったに違いない。これから3試合、ジャカがいなくなったCMはもちろん、ほかのポジションにも影響はあるのではないか。

今回NLDとほぼ同じ選手を使ったことも試合後にかなり批判されているが、アルテタが自分が正しいと信じていることが少しでも揺らぐなら、歓迎すべきことだと思う。もうそんな状況になってしまった。

ぼくとて、ここで若い選手を使うことが唯一の正しい回答だとは思わない。仮にELのスクワッドとPLのスクワッドとまるまる取り替えてうまくいくほどPLは簡単じゃないだろう。それに、彼らがここでうまくいかず、傷ついては元も子もないわけだし。未来ある子どもたちは大切にしたい。

でも、アルテタが「固執しているように見える」一部の選手を変えることは、チームにポジティヴな変化を起こすのではないかという期待は当然ある。ELでメインでプレイしていたような選手たちは、ちゃんとPLでプレイする準備だってできているだろうし。

ちょうど去年のいまくらいの時期ということで、いまなにかと思い出されているフレディ・ユングバーグ。彼のインテリムマネジャーとしての最後の試合(去年の12/22 エヴァトン)で大幅に選手を入れ替えたことがあらためて注目されていた。そのときのスターティング11がこれである。シティに3-0で敗けたあとの試合だった。

オバメヤンの後ろにマルティネリ、ESR、ネルソン。フルバックはAMNとサカ。

もちろんこのときのユングバーグといまのアルテタでは置かれた状況はまるで違う。ここまで大胆なことができるとは思わない。だが、それくらい大胆に何かを変えなければ現状を打破できないかもしれない。ホームでバーンリーに敗けたということは、それくらいのインパクトがある。

アルテタがこの追い込まれた状況でセインツでどういうチームを選ぶのか、注目しよう。

プレイスタイル?

アルテタは相変わらず自分たちの攻撃プレイが支配的でよかったと考えているようだが、冒頭にも書いたようにぼくには何が「これでよい」となるのか、さっぱりわからない。これまでのうまくいってない攻撃からどこを変えたのか。

この試合はこれまでより少しよかったのはたしかにそうかもしれないが、相手のクオリティの差程度にしか見えない。降格圏にいるチームをホームに迎えて、われわれは試合を支配しましたと云われても。

クロスもそう。最近はもうアーセナルの重要な基本戦術のようになりつつあるが、そもそもクロスボールというものが、いまのチームで大して効果的じゃないことは彼らもスタッツなどで確認しているだろうに。

相手が陣形を整えてゴール前で人数を揃えて待ち構えているときに何ができるのか。そこがいつも問われているわけでせう? その回答は決して単純なクロスボールではないはずだ。

だから相手の守備を崩すアイディアや創造性が問題だとしつこく指摘されている。

今回のウィリアンとベレリンの右サイドでのリンクプレイの拙さと孤立っぷりを見ただろうか。彼らのプレイは毎回完全に相手に予測可能なもののようにしか見えず。どうしてどうして、あんななのだろう。

ウィリアンはボールを持っても前に必ずふたりDFがいて、プレイのバリエイションが乏しく、クロスを放り込む以外にはできず(たまに苦し紛れにカットインサイドする以外では最初からクロスしか狙っていないという残念さ)。

ベレリンはウィリアンとの連携でオーヴァーラッピングするでもなく、中途半端にカットインサイドして無理めなエリアに入っていくが(それも予測可能)結局ボールは来ず。

このふたりはまるで息が合っているようにも見えないし、そもそも相手が用意周到で待ち構えるああいった局面では、よほど素晴らしいコンビネイションがなければ、ふたりだけではできることに限界があるだろう。この状況は、以前ぺぺがそこで孤立していた頃とほとんど変わっておらず、ふたりは右サイドで孤立してしまっていて、サポートしてほしいそのほかの攻撃の選手たちがそのとき何をしているかといえば、ゴール前でクロスが来るのをひたすら待っているという。。

もっとも腹立たしいのは、彼らふたりが右サイドでパス交換をしているとき、彼らに対峙するDFの背後にぽっかり空いているスペイスがあるということ。なぜそこを誰も使わない。

興味深かったのは試合の40分あたり。ウィリアンとベレリンのコンビネイションでずっと空いていたポケットに初めてラカゼットが入ってきてふたりに絡むのだけど、そこで何かが起きそうな雰囲気がある。そのときもサカも右に寄ってきていた。なぜそういうプレイをもっと頻繁にやってくれないのか。おそらくここはアルテタが彼らに指示していない動きだからだろう。

40分のこのシーンは、ふだんの彼らが局面で数的優位になることと、空いたスペイス(空けたスペイス)を活用するという、それこそシンプルな攻略法をあまり考慮していないということがよく分かるシーンだと思ったものだ。

ぼくはいまのアーセナルの最大の問題はアルテタの云うようにボールをネットに入れられないことではなく、ハイクオリティなチャンスをつくれないことだと思っている。そんなん云うまでもない。当たり前じゃないか。なぜアルテタはそのことにもっとフォーカスしないんだろう。

いまのアーセナルの一連のプレイを見れば、重要なのはゴールが決まるまでのプロセスにおける最後(シュート)ではなく、その前であり、その前だということ。なんならそのさらに前だということ。それがわかっていれば、チャンスをつくるために選手たちがどう動くべきかに取り組むはずだと思うのだが、どうもそこに取り組んでいる様子はないように思える。少なくともこれまでの試合と違いがまったくわからない。

これはNo.10とかクリエイターがどうこうとはまた次元の違う話だ。

ぼくはアルテタが何を考えているのか、ますますわからなくなってきた。

エメリ末期には、選手たちが自分たちだけでMTGをしたことがあった。選手は一度アルテタと離れて選手たちだけで議論をしたほうがいいのかもしれない。そうすれば、マネジャーだけに責任を負わせることなくチーム全体で責任を負うことにもなり、より団結できるんじゃなかろうか。

アルテタがマネジャーキャリア1年めのルーキーだということも忘れるべきではない。彼とて選手とのコミュニケイションも学んでいる最中のはずだ。彼なりのフィロソフィだって、経験に裏打ちされたものではない。

もう、Non-negotiableなんて云ってる場合ではなく、このチームは選手、あるいはほかのコーチたちなど他者の意見も受け入れていくべきフェイズにいるのではないだろうか。こういうときに柔軟に対応できなければ、結局フットボールクラブのマネジャーなど務まらないのかもしれない。

 

試合については以上。



つぎの試合はもう明日、水曜のPLセインツ(H)。もうこの状況では絶対勝てとも云いにくい。とにかく、改善のきざしだけでも見せてもらいたい。何に問題意識をもって、どこを改善するのか。

COYG

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

10 Comments on “【マッチレビュー】20/21EPL アーセナル vs バーンリー(13/Dec/2020)いろいろすごい

  1. まさか負けるとは…と言いたいですが、そんな予感も半分くらいありました。
    クロス戦術って、本当はやりたくないけどアルテタがやりたい戦術を実践出来る選手がいないから渋々やってるものだと思ってました。
    でも現状その場凌ぎすら出来ていないのだから、続ける意味って全く無いんじゃないかと…。

    ベジェリンはもう厳しそうですね…。
    かつての俊足を活かしたオーバーラップも見られないですし、守備も寄せが甘い。セドリックにしてサイド攻撃抑えた方がいいのでは。
    中央も使わないと攻撃出来ないっていう意識を持って欲しい

  2. 恐ろしい結果に恐ろしいプロセス…オバメヤンのゴールで負けるとか、これは解任されたエメリの呪いかなにかという位酷いですね。
    アルテタは結局アワール獲れず今の選手層ではやりたい事が出来なくて、選手のクオリティにも不満で、もう攻撃はクソクロスでも上げとけよってなってるのだろうか。ELの予選では無双でもプレミアのレベルでは厳しいと。
    選手は選手で内情をリークしてる輩がいたり、このチームには腐ったリンゴみたいなヤツがいるんでしょうか。もしチーム内が悲惨な状況だったとしても、ティアニーとかガブリエウとかサカとか必死で戦ってるメンバーもいるし、何とか良くなってほしいと祈る事しか出来ません。

  3. ベジェリンが惨かったですね。攻撃も守備も。トレント・アーノルドがいるリバプールが羨ましくてなりません。フォーメーションや約束事が多すぎて、選手が窮屈そうにボール回ししている印象なんですよね。ガブリエウ、ホールディング、ティアニーとサカは良かった。他は次第点はもらえないでしょう。攻撃時の数的優位や自由度、それです。もうクロス放り込みややめてほしい。このサッカースタイルは勝ち負けよりも、みていて面白くない。リースネルソンはどこにいったんだろう。AMNを真ん中で使ってほしい。水曜はスタメンみて、見るかきめよう。COYG

  4. 開始時のフォーメーションにどこまで意味があるのか分からないですが、3-4-3から4-2-3-1に変えたのにやってること(戦術)が変わってない感じです。

    そもそも3-4-3の時から感じていたアルテタの攻撃時におけるフィロソフィとは何なのか?がよく分からない。

    髪型ばりのカチッとした性格も嫌いじゃないですが、マネージメントは飴と鞭だよねーと(社会人の先輩として)思ってしまいました。レベル違うけど!

  5. まさか一年後にさらに状況が悪くなるとは。
    同じフットボールなのに、よそと何が違うのでしょうね。なんでアーセナルだけあんなに退場者が出るのでしょう。
    ジャカって、ほんとにいいイメージがない。彼がいてくれてよかったってゆい試合ってそんなに記憶にないのに、なんてことしてくれたんだってゆうのはたくさんある印象。
    バーンリーに負けるとなると、年末まで格上との連戦で、どうなるんでしょう。
    最後まで見届けます。

  6. やりたいサッカーやる前に現メンバーで最適解を出すのも監督の仕事なんですが、やはりアルテタは若いという所でしょうか
    内部リークしてるモグラやレッドカード連発してる現状は内部崩壊してる様相が一年前とそっくりです
    今のフロントはどう動くんでしょうか…

  7. まあショーとしては最低の試合だったけど。

    2CBはだいぶ良くなったと思う。
    ガビのクサビの存在感が試合ごとに増していて(他の選択肢がショボいという噂も)、そろそろこの武器でゲームを作ろうという話にならないか、期待してる。

    僕はこの試合のクロスは前節よりもずっと良かったと思うし、そこは評価してるのだけど。
    しかしそれをやるためにジャカをサイドに開かせていて、ガビのクサビをラカに当てるチャンスが失われてると思う。
    じっさいCBからラカやオーバに直接ボールを当てた時は大きなチャンスになってるのに、ハーフがサイドに開いてるためにそれができる状況があまりにも少ない。

    3バック時代のように「中央でプレス回避→サイドに持ち出して一気に加速」という攻撃は、やれて悪いことはないと思う。順目の攻撃として。
    しかしそれだけだとベジェリンとウィリアンは永久にタテ関係のままだし、相手のマークはそう簡単にはずれない。

    やっぱりCBからのクサビだと思う。もっとハーフがガビとホールディングを信頼すべきだ。

  8. >なぜアルテタはそのことにもっとフォーカスしないんだろう。

    それを落とし込める経験も素養も皆無だからですよ。いい加減そろそろ気付こうよ。3敗しかしていないエメリにはあれだけ強く批判しといて、7敗もしているより酷いアルテタには甘々なグーナー多すぎ。
    何がtrust the processだ。これだけ相手が変わっても人を入れ替えても内容悪いままなのが無策っぷりを象徴してるし。下位クラブがポイント拾い始めてまっせ、このままグズグズいって年明けには降格圏ですよ?

  9. 個人的には一応少しは改善の努力が見られる場面はあったと思います。
    ただチェンさんが挙げてる右サイドの例のように孤立であったり空いてるスペースを使わない、オーバやラカが絡みに行かないなどすぐわかる問題点もあるのも確か。
    努力は見られるんですけどすべてを網羅的には落とし込めてない、1試合に1つくらいのものしか進んでない感じ。これがもどかしいですね。
    結局ラカもCFの選手だからなのかファイナルサードまでボールが持ち上がるともうCFとしての役割になることが多い。以前よりビルドアップでの役割の頻度が上がったりという改善もあるにはあるんですが。
    流れのプレイの中におけるクロスもグラウンダーを増やす意図も少しあるようにも。逆にセットプレーではCBを使う割り切りもありましたけど、まぁ決定的ではないですしね。
    アルテタの責任もあるように思うしでも選手の問題もあるようにも思います。
    ベジェリンも空いてるスペース使わなかったタイミングも1つは直前にスプリントしたから休んで動かなかったのもあるし。そういう癖は守備の時にもある。
    まぁ終始右サイドは孤立気味だったし、左サイドのティアニーの攻撃参加も前半は特にワンパターンで予測しやすかった。
    ただ後半はそれを修正しようとした意図も見えた。そう後半も一応最初改善の意図は色々見られたんですよね。ただし意図どまりでしたけど。

    アルテタの言う事が以前の監督より細かいという選手のコメントはあるけどそれをやることだけに留まっているのだろうか?それとも言われたことをこなすのが出来てないのか?という印象もないでもない。オーバやラカの集中力欠いたパスも多かったのも難しい。でもアルテタの選手起用含めてもどかしい部分もある。

    まぁ就任直後のことを思うと試合を通して試合を支配することすらできないインテンシティだったり、ボールを前に運ぶことすら苦労してたのが少しマシになったりと1つずつ改善もしてるんだろうとも思うんですけど、、、あとは下手に試合を支配出来てしまうようになったのも新しい局面なのかもしれないですけど、でも結構前から引いた相手に対する課題は言われてたのでね、、、って感じですよね。
    ただその部分の取り組みというか改善の努力がようやく見れたようにも思うんですよね。この試合でやっと。やっと取り組み始めたかのかな?とも。今まではとりあえず前にボールを運ぶが目標だったというか。選手の裁量に任せている印象。
    でもそれでは遅いという気持ちも否定はできないしなんとも言い難い感じです。。。まぁ引いた相手にはどこも苦労している印象もありますが。

  10. あとジャカ。攻撃でジャカの良さというか役割も見えなくて。ロングフィードがそうかもしれないですけど最近は相手が引きつられないからか、サイドで短いパスでも運べてしまうからか機会が少ないし、守備でいいかというと必ずしもそうではないし、退場前から10人で戦っているのか?と言いたくなってしまうくらいの印象もありました。それがアルテタの選手起用におけるもどかしさのトップかもしれない。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *