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ロマーノ「ロカテッリはアーセナルを拒否しているわけではない」

この夏もますます大忙しのHere we goのひと、ファブリツィオ・ロマーノがアーセナルとリンクされるサッスオーロのマヌエル・ロカテッリについて、アーセナルとユヴェントスのファン向けに選手の現在状況を説明する動画を公開していた。

いまも彼についてファンから何度も繰り返し同じ質問されていることは想像に難くなく。こういう動画を公開したい気持ちはわかるよね……

いっぺんに説明してやるから、ちょっと待ってくれとでもいいたげでちょっとおもしろかったので内容をシェアしたい。



ロカテッリとサッスオーロとユヴェントスとアーセナル

本題に入る前に、まず前提として、EUROでも活躍し、この夏の人気物件のひとりであるマニュエル・ロカテッリについて。彼の移籍について、昨日までにこのような情報がソーシャルメディアでいきかっているというのをまとめておきたい。以下、ロマーノがソースの情報も含まれる。

  • ロカテッリ本人はユヴェントス移籍希望
  • 本人サイドとユヴェントスは個人条件で合意済み
  • 本人サイドはアーセナルへの移籍を拒否。この夏にユヴェントス移籍がかなわないのならサッスオーロ残留希望(ディ・マルツィオ)
  • アーセナルは€40M+5Mアドオンでサッスオーロにオファーした
  • アーセナルは実際にはオファーしていない、サッスオーロがユヴェントスとの交渉にそれを利用している可能性(クリス・ウィートリー)
  • ユヴェントスのオファーはローン+€30M買取義務(※2年ローン説も)
  • ユヴェントスがサッスオーロに若く有望な選手を含めてオファーする可能性
  • サッスオーロはキャッシュがほしい。ユヴェントスのオファーがアーセナルのオファーに並ぶのを待っている

などなど。

ロカテッリのユーヴェ希望については、イタリアンな選手はもともとあまり海外に出たがらないなんてこともよく云われている。そうなのか。

このなかで一番アーセナルのファンにとってインパクトがあったのは、本人がアーセナル移籍を拒否しているという件。ユーヴェ移籍がないならサッスオーロに残りたいという情報は、ディ・マルツィオがソースということで信憑性も高い。アーセナルのファンにしてみれば、プライドを傷つけられるようなことだから、あまり好意的に受け取られないのは当然でもある。

サッスオーロとアーセナルのかけひき?

ちなみにサッスオーロ的には、アーセナルがロカテッリに対し大金をオファーしたというストーリーはかなり都合がよすぎるため、でっちあげも疑われている。ファンだけでなく、クリス・ウィートリーのようなジャーナリストもその立場のよう。

だって、ロカテッリのユーヴェ移籍はほとんど既定路線だと思われているなかで、移籍先としては可能性が低い第三者がこんなふうにわざわざ価格を吊り上げてくれるなんて、彼を売ることが避けられないクラブにとっては願ってもないことだから。最高にありがたいはず。

そういう意味では一時ジャカについてユーヴェからの関心が伝えられたときには、アーセナルも同じような状況だったが、残念ながらその噂はそれ以降とくに発展しなかった。(ユヴェントスが€20Mを支払ってロカテッリのかわりにジャカを取ってくれたらすべて丸く収まるのに……)

ただ、アーセナルからのオファーについて話していたのは当のサッスオーロのチーフエグゼクティヴだったりするので、もしこのオファーが実在しないものだとすると、アーセナルはそれをわかっていて世間に広く伝えられたことを黙認していることになる。アーセナルの利益になるような、なんらかの取り引きがあるとか? あるいは否定する必要もないという判断か。

参考までに、6月末にサッスオーロのCEO(Giovanni Carnevali)のロカテッリとアーセナルについての発言というのは以下。Sky Sports Italia via Football Italia

Carnevali:われわれは選手を騒がせないようにしているところだ。だから(移籍について)まだ彼とも彼のエイジェントとも話していない。われわれはロカテッリの将来を考えることはできる。だが、いまはEUROについて気にするときだ。

ユヴェントスがわれわれとロカテッリについて話をしている唯一のイタリアンクラブだね。彼らは興味を持っている。先週にはディレクターのFederico Cherubini とも話した。お金について詳細はまだ議論していないが、いい感じに話したし、またすぐ再開するだろう。

海外からのクラブスからの興味もほんとうだ。アーセナルが含まれる。ここまでは彼らが先行していて、マヌエルに現実味のある重要な提案(proposal)をしたのは彼らだけだ。

proposalとofferで、違いがあるとか。そもそもイタリア語から英語への翻訳だから、そのあたりはよくわからない。だが、多くの英国メディアがこれをもってアーセナルがサッスオーロにオファーを行ったと理解したのだろうから、やはりイタリア語のニュアンスでも実際にオファーがあったと理解できるような発言だったのだろう。

 

というようなここまでのコンテキストがあり。今回ロマーノはどんなことを伝えているか。

ではHere we go.

「マニュエル・ロカテッリはアーセナル移籍を拒否しているわけではない」by ロマーノ

本人のYouTubeチャンネルにアップされた動画より。

ハローみんな。ファブリツィオ・ロマーノだよ。今日は特別な選手について話そう。なぜなら彼はイタリアンだからね。マヌエル・ロカテッリ。サッスオーロのMFで、セリエAでも何年にもわたりもっとも興味深いタレントさ。

でもいま彼はEUROでの活躍によって、国際的にも検討される存在になっている。イタリーの優勝においてはすばらしいスキルも見せてファンタスティックヒーローだった。

彼はクオリティがあってとても興味深い選手だ。ミドフィールドのふたりでもプレイできるし(4231)、3人のプレイでもとてもいい(433)。スキルフルな選手。

そして、いま彼の状況はどうなっているか。

たくさんのアーセナルとユヴェントスのファンから、マヌ・ロカテッリの状況についてこのところずっと質問されている。だから、まず彼の最新情報から始めようか。

ロカテッリの最新情報

数時間前にサッスオーロとユヴェントスが直接ミーティングを行っている。これは2回めだ。そしてユヴェントスがオファーしたのは、彼のローンにおよそ€30Mの買取義務をつけたもの。30・ミリオン・ユーロだよ。

そしてサッスオーロはこれにノーサンキューを云った。そのような条件は受け入れられないと。自分たちの要求はあくまでパーマネントディールであり、買取オプションつきのローンではない。そしてパーマネントディールでも、支払いはただちに行われることが保証されること(※分割なし)。そして、移籍金の要求は€40Mほどであり€30Mではないとつけくわえた。

つまり、サッスオーロの要求とユヴェントスのオファーにはかなり大きなギャップがある。

ロカテッリ移籍のポインツ

ロカテッリの移籍についてのポイントは、彼がユヴェントスでプレイしたがっているということ。彼はユヴェントスに移籍したい。彼は子どもの頃からのユヴェントスファンであり、彼の家族もそう。だから、彼はユヴェントス行きをプッシュしている。

ユヴェントスは選手にはリスペクトフルになるクラブだ。この交渉もEUROが終わるまで待った。ロカテッリを尊重したし、イタリアンNTも尊重した。そしていまようやく動き始めた。

解決策として何人かの選手を交渉のなかに含めるかもしれない。何人かのヤングタレンツは、サッスオーロはいつもかなりほしがっている。しかし現時点ではサッスオーロとユヴェントスのあいだに合意はなにもない。

アーセナルの戦略は「待機」

ロカテッリのプライオリティはユヴェントス。だが、本人もアーセナルの本気の興味をわかっている。

アーセナルはおよそ€40Mのオファーを準備している。サッスオーロもそのことはすでに知っている。しかしアーセナルもロカテッリの意向を尊重している。彼がユヴェントスに移籍するかどうか。

だからアーセナルは待っている。アーセナルの戦略は「われわれは待つ。もしユヴェントスとの取り引きが頓挫するならオファーする準備はできている」。だが、現時点では選手がユヴェントスに行きたいことを理解しているので、待つしかない。

したがって、これはロカテッリ次第であり、ユヴェントス次第ということになる。

アーセナルは待って準備している。サッスオーロが要求している€40Mというたぐいの大金も支払う準備がある。

だがユヴェントスが依然としてフロントランナーである。なぜなら彼らは選手とは合意しているし、本人もユヴェントス行きをかなりプッシュしているから。

ロカテッリはアーセナルを拒否していない

ここで明確にしておきたいのは、ロカテッリがアーセナル移籍を拒否しているわけではないということ。彼はアーセナル移籍のチャンスを断っているわけではない。

彼にとっては、ただユヴェントスがプライオリティだということ。彼はクラブのファンであり、CLでプレイしたいし、彼はイタリアンでもある。だからわたしもそれはふつうのことだと思う。

ただ、ユヴェントスは彼の唯一の選択肢というわけではないのだ。彼はユヴェントスに行きたいと云っているし、それがプライオリティだと云っている。それが選手の立ち位置。

ふたつのクラブスのあいだで何が起きるか観てみようじゃないか。彼らはさらなるミーティングを行う予定で、ユヴェントスとサッスオーロは強い結びつきがある。だから数日後には解決策を見つけている可能性もある。

ロカテッリはユヴェントス移籍を望んで待っている。そしてアーセナルも待っている。アーセナルは彼をPLチームのフットボールにとって完璧なMFと考えている。

わたしもなにが起きるかとても興味深く思っているんだ。なぜならわたしはこの選手が大好きだし、ユヴェントスにとってパーフェクトになるとも思う。彼らはああいうタイプのMFを必要としている。アレグリも彼にファンタスティックな価値を与えるだろう。

いっぽうで、PLで彼を観ることについてとても興味深いと思っている。なぜならフィジカルの観点でも彼はパーフェクトで、PLでプレイできるすべてを備えている。とても才能があり、23才ととても若い。だからロカテッリがこのレヴェルでプレイすることはとても興味深い。

彼がこの夏にサッスオーロを去るのは間違いない。ユヴェントスとどうなるか、アーセナルとどうなるか、あるいはなにか驚くことが起きるのか。

ロカテッリはユヴェントスに行きたいが、アーセナルもまだレイスにいる。

どうなるか観てみよう。

以上。

 

内容的には、これまでに伝えられていることから、さほど目新しい情報はない。

ただ、アーセナルがオファーを「準備できている」ということは、まだ実際にはオファーはしていないということ。そこはすでにアーセナルが総額€45Mパッケージでオファーをしたとされる、ちまたの噂とは違いがある。

今回のロマーノ解説の最大のポイントは、報道されていたように、ロカテッリ本人がアーセナル移籍を拒否しているわけではないということ。アーセナルのファンは安心しろと。

つまりユヴェントス移籍が実現しなければ、アーセナル移籍も選択肢に入るという。本人がユーヴェ移籍がかなわないならサッスオーロに残りたがっているという噂については、ロマーノとしてはこの夏の彼のサッスオーロ残留はないということなので、やはりアーセナル移籍の可能性はわずかでもあるという見立てということになりそうだ。

まあもっとも、そうであっても、その可能性はかなり低いというのがロマーノの本音ではないだろうか。なんでも起きるというのは真理だが、そんなことを云ったら、あらゆることが何でも起きる。明日世界が終わる可能性だってゼロではない。

ロマーノは「ロカテッリのアーセナル移籍がありえる」とは、この短い動画のなかでもひとことも述べていない。

アーセナルのファンは、その程度の現実味だと思っておいたほうがよいかもしれない。

ロカテッリ本人は?

一週間前(EUROファイナルの前後くらい)の本人コメント。

ロカテッリ:まだつぎのクラブは決めてないんだ。いまはNTに集中している。明日から何が起きるかだ。ぼくがユヴェントスをサポートしているかって? いまぼくらはNTのためにここにいる。だからぼくはイタリーをサポートしているよ。

そうかそうか。

そして昨日の本人。

ロカテッリ「おちつけ」。

だな。

 

おまけ

現時点(7/19)でのS ky Bxtのオッズ。ユヴェントス移籍が1/5。

アーセナル移籍は5倍。現状をかんがみて、これが高いのか低いのかよくわからんね。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
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お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

2 Comments on “ロマーノ「ロカテッリはアーセナルを拒否しているわけではない」

  1. ロカテッリが入れば今すぐ4位以上になれるのだろうか
    プレイスタイル含め、ジャカの代わりなんだろうが、ジャカスタイルのチームは8位なんだし
    アルテタはジャカの力を引き出したが、その結果が今の順位で、アルテタは今のサッカーの延長線上にPLの優勝があると考えているんだろうか
    確かに後半は盛り返したけれど
    この夏で選手が多数代わり、システムにフィットするまでの間、勝ち点を落とすような気もする
    その躓きを盛り返せるほどアーセナルは強くなれるのか

    イタリア人はセリエで完結して、余りPLで価値するほどのトップ選手はいなかったが、最近のヒットとしてチェルシーのジョルジーニョ
    彼も適応まで時間がかかった
    PLの中盤のプレッシャーは厳しい

  2. 恥ずかしながら海外のオッズの表記をはじめて知りました
    ユベントス 1 +1/5 (=1.2)
    アーセナル 1 +5/1 (=6.0)
    ほぼほぼユベントスですね
    上の方もおっしゃってるようにリスクもありますし他のPLクラブの選手にターゲットをしぼってほしい

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