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オバメヤン、ラカゼット、エンケティアにバロガン。21/22シーズン後半のアーセナルのストライカー事情

昨日、エディ・エンケティアがアーセナルに退団希望を伝えたというニュースが話題になっていた。

先週には、フォラリン・バロガンがプレイタイムを求めて1月のローン移籍をほのめかしたということで、オバメヤンがチームを離れる来年1月のAFCON(African Cup of Nations)期間のあいだ、それとそれ以降のシーズン後半のアーセナルのストライカーオプションは若干不透明になってきた。

現在と今後の状況をまとめてみよう。



エディア・エンケティアがクラブに退団希望を伝えた?

エンケティアは今シーズンいっぱいで契約切れということで、限られたプレイタイムのなか退団のうわさはこれまでにもあったとおりで、今回は本人サイドがクラブに退団希望を伝えたとの報道が。

この記事によれば、アルテタは選手の残留を希望していて土壇場で慰留したい意向ながら、クラブとしてはここまでエンケティアに新契約を提示しておらず。本人はすでにクラブに退団希望を伝え、夏でフリーエイジェントで退団する見込みという。現在ボルシア・メンシェングラッドバックとクリスタル・パレスが、彼に関心を持っている。

それならばということで、1月には最後の売却タイミングとしてアーセナルは安価なオファーも受け入れるかもしれないとかなんとか。

この記事の信憑性は不明ながら、状況からすれば、彼の退団希望もさすがに寝耳に水ということはない。

フォラリン・バロガンは1月にローン?「新しいチャレンジにオープン」

こちらは3日ほど前のニュース。

現在イングランドのU-21スクワッドに参加しているフロ・バロガン。アラン・スミスに語ったということ。『Mirror』より。

バロガン:ぼくは、新しいチャレンジの準備はできていると思う。

ユースフットボールではもうしばらくプレイしてきた。そのレヴェルでゴールもしてきたし、ここに来るまで劇的に成長したとも思う。同時に、そのチャレンジがどうなるかについては、まだよくわからない。

ローンかもしれないし、あるいはアーセナルで必要とされるかもしれない。ガファ(アルテタ)はわかってると思うけど。でもぼくは新しいチャレンジには完全にオープン。どこでプレイするのであれ、準備はできている。

ストライカーとしても若い選手としてもプレイタイムは必要。学び、一貫性を得るにはそれがベストだし。

ぼくはエミールとブカヨともたくさん話した。彼らはぼくに我慢強くいろと云っていたね。それは、一夜にしてなるものではないのだと。彼らもそんなことはなかったと。ぼくがそんなふうに考えるのはナイーヴかもしれないけど。

必要なことは練習をつづけること。そうして、リウォードを得て、準備ができたらそのチャンスを得る。

ぼくも、自分がまだ自分のなりたいレヴェルに到達しているとは思ってない。ぼくがわかってるのは自分のパフォーマンスだけ。正しい方向に進んでいるということは理解している。

(アルテタのプラン?)ぼくはアーセナルでプレイタイムがほしい。彼のプランはわからない。

新しい契約をするまえに彼とは話したし、彼は自分を信じてくれと云った。だからぼくのためのプランはあるはず。それがぼくがここにいて、契約更新しようと決めた大きな理由。ぼくは彼のプランを知っているとは云わない。でも、プランはあるし、アーセナルのいろんなひとたちとそれについては話している。

ぼくはガファを完全に信頼しているよ。そのプランがどんなものであれ、ぼくは100%を出す。残りのキャリアでそれをやってうまくいかせるつもりだ。

この発言のまえには、イングランドU-21のボス、Lee Carsleyがバロガンについてトップレヴェルでのプレイを促すコメントをしていて、そのことも彼の発言に影響を与えたかもしれない。『Daily Mail』より。

Lee Carsley:彼をアーセナルのU-23で観ていて、彼にとってはもはやちょっとばかりイージーすぎるかもしれないと思う。彼はそのレヴェルを卒業している。

彼はおそらくアーセナルでプレイしたくてプッシュしているのだろうが、あのようなビッグクラブではたくさんの競争がある。

アーセナルも彼については、キャリアパスもブレイクスルーのやり方も持っていると思う。彼はすべての能力を備えているから。彼はしっかりした考えがあり、ハードにワークしたい。とてもいい質問もしてくる。彼は情報がほしいんだ。彼はDFに対して、アシュリー(コール)とジョレオン(レスコット)の脳みそをつかえる。

フェアに云えば、フロのクオリティにはたくさんのヨーロッパのクラブスがすでに気づいていると思う。あとは、彼が彼自身成長をつづけていけるかどうか。

彼だけだよ。鏡で自分自身を観て、自分を感動させなければならないのは。彼には際立った能力と素質、ワークレイトがある。みんなが観たいと思うような選手だ。

べた褒めである。なかなか代表チームのマネジャーが自分のチームの選手について「彼だけ」なんて云わないだろうに。

バロガンも、サカやESRの最近のめざましい活躍にあせるところがあるのだろうと想像される。とくにESR。今回は当初同じくU-21スクワッドに招集されながら、その後シニアスクワッドにステップアップして、あれだけ注目されているのだから。自分だって、と思ってもおかしくはない。

アルテタとアーセナルには難しい判断になる冬の移籍ウィンドウ

現時点でのアーセナルのシーズン後半展望として、まずAFCONのある1-2月をどう乗り切るかは大きな課題になるはず。オバメヤン、ぺぺ、パーティ、エルネニーのようなシニア選手が不在の予定。それと、来シーズン以降を見据えて、シーズン後半をどのようなスクワッドでプレイするか。

※AFCONは1月9日スタートで、2月6日までの開催予定。

アルテタにとって喫緊の課題は、FW(CF)とMF(CM)か。

新しい選手を補強して解決できるならば大きな問題はないが、新しい選手の適応リスクはある。アルテタとしては、できるだけ現在のスクワッドを維持したいはず。

ジャカの復帰具合によってはMFも危機になる可能性があるが、逆にジャカさえ戻れば1月は乗り切れそうではある。

一方、ストライカーの判断は難しい。現在はチームのメインマンでありつつ、オバメヤンもラカゼットもチームでの未来はすでに見えている。かといって、エンケティアとバロガン(とマルティネリも)もすぐにもプレイ時間がほしい。若く経験が未熟な彼らをどこまで信頼するかという問題もある。

そう考えると、いまはちょうど移行期であり過渡期であり、退団を考えているというエンケティアも、ちょうど難しい時期に決断のタイミングを迎えてしまったものだと思う。ここで決断したことをあとで後悔するかもしれないし、ある意味気の毒。いや絶対気の毒。

そしてラカゼットとエンケティアは夏までの契約だが、彼らも100%退団が決まっているわけでもないということも、事態をややこしくしている。ふたりともアルテタは気に入っているにも関わらず、クラブが彼らに新契約をオファーしていないというのが、問題の難しさと複雑さを物語っているように思える。

現実問題として、冬の移籍ウィンドウではどのようなことが起きそうか。

ラカゼットについては、ぼくが知るかぎりでは、最近もとくに決定的な情報というのはない。夏にフリーでアトレチコに行くとか、ユーヴェに行くとか。そういうとくに新しくないこまかいニュースは観たが、本人が何か云ったりはしていないはず。シティがほしがってるとかウソくさすぎる。グアルディオラが最近のラカゼットを観て、彼に興味が出てきたというなら、それはそれでおもしろいが。。

だから、オバメヤン不在を乗り切るためにも、1月の移籍ウィンドウでは、やはりラカゼットを夏のフリー移籍覚悟で残すというのがいちばんありそうに思える。そのときによほどのいいオファーがあればべつだが、半年後にフリーになる選手にそのようなことがあるとも思えない。ましてやこのCovid世界で。

問題はセカンドか。

仮にラカゼットに何かあったとき、あるいはFAカップのようなカップ戦で誰がセンターフォワードでプレイするか。

現状でのセカンドの理想は、もちろんエンケティア。だから、彼が移籍希望をクラブに伝えたというニュースは(それが事実なら)興味深い。本人サイドが退団に積極的なら、クラブの動きにも小さくない影響を与えそうだ。

ちなみに前述の記事では否定されていたが、エンケティアは来年夏のフリー退団になってもアーセナルは彼に対していくばくかの保証金(compensation)が得られるはずと、先日The Athleticの記事で指摘されていた。その条件が複雑なようだが、ダニー・イングスなどの例によれば、国内での移籍ならばその金額は£10Mにも達する可能性があるようで、だとするとけっこうでかい。

それも、エンケティアを冬に売却せずキープする理由になるかもしれない。

そうなると、やはりバロガンは1月には半年のローン移籍の可能性が高まりそうだ。オバメヤンがいなくても、ラカとエンケティアがいればシーズン後半もプレイするチャンスはそれほど増えないだろう。

ただ、彼は冬からローンに出ても、来年夏にクラブに帰ってくると、違う光景になっているかもしれない。もはやオバメヤンしかシニアストライカーがおらず。あらたに補強するストライカーとセカンドを競うか、少なくともサードは確保。ヨーロッパも確保。プレイタイムもばっちり。みたいな。そして、オバメヤンは来シーズンで3年の契約が満了。バロガンにはアーセナルでの未来も見える。

エドゥとアルテタは、今後を見据えてもろもろを調整、1月にはかなりうまいこと動いていかねばならない。

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6 Comments on “オバメヤン、ラカゼット、エンケティアにバロガン。21/22シーズン後半のアーセナルのストライカー事情

  1. 冬の補強に期待しよう。夏の補強を見る限りアーセナルには明確な補強戦略とプランがありネームバリュー以上の実力者を引き連れてくる可能性がある。誰を連れてきたとしても興味深い

  2. サカもバログンもぎりぎりまで契約更新しなかったし、エンケティアもぎりぎりまで評価を上げたいんじゃないかと僕は思ってる。願望もこめてw。

    あんなに小柄なのに生粋のストライカー。あれが選手として成功できる場所って考えると、アーセナルはけっこう良い選択肢だと思うんだけども。最近ラカがやってるプレーはいかにもエンケティアが得意そうなプレーばかりで、もしこの先もうまく行くようならエンケティアにも朗報じゃないだろうか。来夏以降にしてもどっちかが残ってくれれば、少なくとも有力なオプションの一つにはなると思う。

  3. バログンはホント早くローンしないとですよね。ほんと大器なんですが、どうなるか。。
    ユースにエンケティア以前の各世代では「フィジカルに優れたCF」ってバログン的な選手数多くいましたけど結局トップリーグで活躍できるレベルまでみんな大成しなかった、、
    早めに揉まれて欲しいです。

    エンケティアは、、どうでしょうか??
    技術あるし、リンクアッププレーはできるけど得意ってほどではないし、、
    アーセナルでポジションが無いと思う。
    今夏補強したビエレス君がなかなか器用でゴールも決めてる大器っぽいし、マルティネリも勿論いるしで、、
    ただ既にトップリーグでレギュラー争えるレベルだと思います。サイドとかでも。
    同年代のMavididiも今季活躍してますし、移籍しての活躍になるんじゃないかと思ってます。

    冬の補強は読めないですよね。
    ただアルテタには師匠を見習わずに、フォルス9という劇薬に手を出さずに、しっかりとCFを補強/起用して欲しいです。
    (ホントいつかやりそう。。。)

    1. 師匠を見習わずに=補強をちゃんとやるって所で吹きました。グーナーの既視感というべきかw。

      エンケティアが厳しいのは僕も同感ではあるのですが(体格的に)、あの5ヤードショットの上手さとか見てると「もしかしたら?」って思ってしまう自分がいます。トップレベルのGKが「絶対抜けるはずない」って思ってるコースを平気で撃ち抜きますから。細身の170cmがPLでバカスカ点を取りまくったら痛快だろうなあ。。。みたいな妄想が、ついw。

  4. 冬の補強に期待ですね
    現実的に移籍金なんかも考えると、難しい冬移籍ではターゲットも限られてしまいます
    個人的にはバーゼルからカブラルを狙って欲しいところです
    リーグは落ちるけど、彼のストライカーとしてのスケールは明らかにスイスでは物足りなくなっている
    野心のあるブラジル人とそこまで喧しくないバーゼルというクラブなら、オファーも面白いかもしれないと期待しています

  5.  ベンゼマなどが33歳であの活躍しているところを考えると大きな怪我がなければラカゼットもあと3年はトップレベルで活躍できると思うんですけどね。仮にラカが冬にいなくなったとしても、サカとかスミスロウとかウーデゴールは0トップできると思います。

    それよりもCM。パーティいなくなったらやばいメンツしかいない。ロコンガとナイルズがアルテタによって少しずつ成長するとしても、彼らの理解度では、プレミアのトップレベルになるまで時間がかかる。ジャカは柱になれるほどの選手でもない。パーティレベルがもうひとり必要。アフリカネーションズのことを考えればザカリアが良さそう。

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