ローマがAMNをほしがっているというニュースを最初に観たときは、けっこうばかばかしい話だと思っていた。夏にはジャカの件もあったし。
それが、昨日アーセナルとローマが彼の半年ローンで合意間近という報道のあと、そう時間をおかずに取引完了の報道が。
今月は、ただでさえAFCONでパーティとエルネニーというふたりのシニアCMsが不在の厳しい期間。おそらくは強い本人希望があったとはいえ、アーセナルがここでAMNを行かせる決断をした背景はなんなのか。
事実関係ともろもろをフォロウしよう。
アーセナルとローマがAMNのローンで合意。ローマが希望する買取オプションは含まれず
昨日の『ESPN』ジェイムズ・オリー。
Things have moved at pace today – told this is now agreed. Maitland-Niles will join Roma on loan until the end of the season. It is a straightforward loan, no option/obligation to buy. Formal announcement expected in due course. https://t.co/L5AEvSHeFA
— James Olley (@JamesOlley) January 4, 2022
オリー:(1日2日のあいだと聞いていたが)もう今日にも動きがあった。これは、もう合意したと聞いた。メイトランド・ナイルズは、ローンでシーズン終了までローマに加入する。これはただのローンであり、買取のオプション/義務はない。正式な発表もいずれ行われるだろう。
デイヴィッド・オーンステイン。
🚨 Roma agree deal with Arsenal to sign Ainsley Maitland-Niles. Straight loan until summer. Personal terms not done but won’t be an issue. Medical expected in UK in next 48hrs as needs to visit Italian embassy to get work permit @TheAthleticUK #AFC #ASRoma https://t.co/JBmCdmhDg0
— David Ornstein (@David_Ornstein) January 4, 2022
オーンステイン:ローマとアーセナルがエインズリー・メイトランド・ナイルズの夏までのストレイトローンで合意。個人条件はまだながら、問題にはならず。48時間以内にUKにてメディカル。ワークパーミット取得のため、イタリアン大使館へ訪問する必要あり。
ローマはAMNの半年ローンに買取オプション付きが希望で、アーセナルは買取オプションのないただのローンならいいよと。それをローマが受け入れたという。
これまで伝えられていた情報だと、ローマの買取オプションの希望額は€10M、アーセナルの要望は€20M。そこには大きな開きがあったため、成立するとは思えなかったが、結局こういうかたちで着地したようだ。そもそもローマの意向としては、この冬にAMNを買いたかった。だが経済的な理由でそれもかなわなかった。
オーンステインの記事によれば、この案件が実現したのはやはりAMNの強い希望があったということ。まあ、なんだかんだ夏の熱心な慰留のわりには、今シーズンもアルテタの愛情は感じていなかったろうから、彼の年齢を考えても当然か。
もうひとつ懸案になっていたローンフィについては、ファブリツィオ・ロマーノによればイニシャル€0.5Mにボーナスが同じ額の€0.5M。おそらくはプレイタイムによって、アーセナルが求めていた€1Mまでアップするような条件と思われる。
ディ・マルツィオは、ローマが当初渋っていたローンフィを、アーセナルが求めた条件に合わせたことで取引が合意に近づいたと云っていた。そして、夏の移籍に関してもひきつづき交渉中ということ。
それにしてもイタリアンクラブはほんとうに金がないのか、だいぶ細かく刻んできたな(笑い)。いっぽうで、英国からの輸入で成功したタミー・エイブラハムには€40Mのようなコストをかけているので、ジャカでもAMNでも、アーセナルはなんだかコケにされているような気がしないでもない。
アーセナルはそれでも受け入れた。いくら本人希望があったとしても、許されない移籍というのはある。この移籍が許された理由はなにか。
アーセナルの現在のCM事情。1月のAFCON期間がありつつ、なぜAMNの移籍は許されたのか?
まず前提として、アーセナルは今月のAFCON(アフリカン・カップ・オブ・ネイションズ)で、トマス・パーティとモー・エルネニーが離脱しているということは、ファーストチームでのシニアのCMがジャカとサンビ・ロコンガしかいなくなっている。ゆえに、ここでAMNを、とてもいい条件というわけでもないのにわざわざ行かせた理由はなんだろう。
考えてみた。
1 すでに決まったリプレイスメントがいる?
これがあるならもちろん納得。AMNの不在を埋める誰かとすでに話がついているとしたら。
アーセナルには長期で何人かCMの獲得候補がいる(に決まってる)。アーセナルファン界隈では、今回の件であらためてOLのブルーノ・ギマラエシュら新CMの話題で盛り上がっているが、ここで彼のような本命に行く可能性はかなり低いとは思う。ほかの有力候補も同様。
比較的可能性があるとすると、以前からすこし話題になっているPSGのジニ・ワイナルダム。PSGは彼をローンに出したがっていて、アーセナルとしても、ここで半年だけヴェテランを雇うのは理にかなっている。ただし彼はPSG基準の高給だそうで、ローン中のサラリー負担やローンフィなど条件次第になりそうだ。
それと、アーセナルが内部的な解決を考えている可能性も当然あるに違いない。
ひとりはオーデガード。あまりうまく行っている感触はなかったような記憶もあるが、彼がこれまでCM(ダブル・ピヴォットのひとり)としてプレイした試合もあった。4-3-3の3MFみたいなもので、アルテタがそれを試したかった気持ちもわからないでもない。ジャカとサンビに何かあれば、彼がそこにそのまま入る。ESRの居場所があくのも悪くない。
もうひとりは、チャーリー・パティーノ。しかし、そこまでの冒険をやるかどうかは微妙なところか。攻撃の選手ならともかく、守備を重視するアルテタだから。
あるいは、まさかのジャック・ウィルシャー復帰??
正直、これはあまり笑えなかった。。
Jack Wilshere is looking for a new club, and our top marketing team is on the case…
(18+ Gambleaware) | @jackwilshere pic.twitter.com/B3wMgdnSIV
— Paddy Power (@paddypower) January 4, 2022
2 そもそもAMNがいなくても乗り切れるフィクスチャ?
パーティとエルネニーがいないAFCONは、予定されているファイナルが2月7日。最悪そこまでを乗り切れればいいわけだ。彼らは、もっと早く帰ってくる可能性だってある。
これがこの期間中のアーセナルのフィクスチャ。PLバーンリー以降はIBに入る。
カラバオカップの2レグスに、FAカップがひとつ。あとはPLが2試合。ひとつはホームのバーンリー。このなかで本気中の本気試合は、じつはPLのNLD(A)という1試合しかなかったりする。これは盲点(よく観てなかっただけ)。
これ以降は、ヨーロッパのないアーセナルはまた週1のようなペイスでの試合になっていき、ここでヘヴィな補強をすると、逆に選手があまりかねないという。ヨーロッパのないシーズンで試合数がすくなく、なかなかプレイできない選手のモラル低下は、アーセナルにとっては新鮮な問題になっているだろう。
それと、最新情報では、リヴァプールがCovid理由で明日のファーストレグの延期を要求していたり(現在検討中で延期の実現はありそう)、またFAカップのノッティンガム・フォレストもおとといのリーグ試合をCovidでキャンセルしたということで、今週末の試合が延期になるおそれがある。
🚨 Latest on Arsenal v Liverpool 👇
— Arsenal (@Arsenal) January 4, 2022
そうなれば、かなり試合は減る。
基本は、ジャカとサンビ。彼らになにかあれば、オーデガード。あるいは緊急事態でパティーノ。そういう想定でも、この期間を十分乗り切れるとクラブは計算したのかもしれない。
たしかに、それで非常に危険というほどでもない。なんならチェンバースもホワイトもトミヤスもいるし。
そういえば、若干話はそれるが、カラバオカップとFAカップはガブリエルの3試合バンを消化できるということで、これらの試合がないとNLDに彼が出られないという。それは痛い。
3 アルテタはAMNをまったく信頼していない?
アルテタは、いずれにせよAMNを使うつもりがなかった。いやしらんけど。
でも、そういう側面もいくらかはあるだろう。
とにかくプレイタイムがほしいと本人はずっと移籍希望で、夏にアルテタの説得でチームに残ったと云われる今シーズンながら、満足できる時間を与えられていたとはとうてい云えず。
記者に問われたさいに、アルテタはそれでも彼は時間を得ていると何度か釈明していたが、ここまでPLで8試合に出ているといっても、総時間は263分。試合平均で33分ほど。PLでは13試合でプレイしておらず、そのうち4試合はベンチにも入らなかった。過密日程の12月は一度もプレイしていない。24才でイングランドNTにまで呼ばれたことのある選手が受け入れられる状況ではない。
また彼が唯一90分プレイした11月のPLワトフォードでMOTMの活躍をしたにも関わらず、その後プレイしたのはつぎのリヴァプールのみ(37分)。あのようなパフォーマンスを見せてすら、評価が変わったようなところが観られなかった。彼が、アルテタの下で自分の将来を悲観してもしかたなし。
そういうわけで、AMNは去ることになって(残り契約1年になる夏には、いずれにせよローマかどこか別のクラブに移籍だろう)CMの席がひとつ開いたが、アーセナルが今月にそこに投資をするかどうかは微妙なところ。誰も補強せず、なにかあれば内部で解決というのが、もっともリスクが低く、ありえそうなシナリオに思える。
あるいは、誰も想像しなかったような補強があるかどうか。
ひきつづき、緊張感をもって状況を注視してゆくとしよう。
たいせつなたいせつなヘイルエンド産がまたひとり、こうしてクラブを去ってゆく。さびしいものだ。こんどはモウリーニョの下で。AMNに幸あらんことを。
おわり
スピードや対人守備、偽SBへの適正を考えるとRBとして見たかったです。
しかし遅刻癖や中盤への固執、SNSで移籍志願等の問題を起こす選手をチームにコミットしてるチェンバースやセドリックを差し置いて起用するのは難しいと思います。
中盤としても意図的というよりは出せる場所にパスした感じが否めず、下位チーム以外に通用しないのかなと感じたので、残念ですが移籍は仕方ないと思いました。
マガリャンイスはイエロー2枚で欠場は1試合とどなたかのtweet等で拝見しましたので、FA主催のFA杯は何とか開催を祈ってます
カラバオは優先度低いのと、FAは対戦相手のレベルを見て、フィクスチャ的に乗り切れそうと判断したのでは?と私も思います
何とか4位以上を確保して、夏に良い選手を獲得してほしい!
とりあえず、ロコンガ、ナイルズみたいな地獄の中盤を見なくなっただけいい。層が薄くなれば、逆にホワイト、冨安、ティアニーあたりをCMにコンバートする口実にもなる。ジャカのことを考えるとカバーリング範囲の広い相方がいたほうがいいと思う。ギマランインス?はどうなんだろうか。ワイナルドゥムはリヴァプールの時のままなら最高ですけどね。アンカーからトップ下まで水準以上にこなせる。
アルテタって非エリートながらファイトしてポジション確保してた現役時代だから、やっぱサブにも優しいというか、トレーニングで120%見せれば試合で起用するスタンスなのが、こうやって人員整理が上手くいかない要因なんですかね。
もう以前コメントさせていただきましたが、正直、AMN、エンケティア、ネルソンはリプレイスメント次第ですが、国内に高く売りつけるべき逸材たちであったわけで、、、
こうやって国外から安く買い叩かれる存在ではなかったと思います。
イウォビがある意味モデルケースではあったと思うんですけどね。
まだ本決まりではないですが、高水準なフィジカルモンスターのAMNはチーム次第で大ブレイクするような気がするので、是非ローマで活躍して欲しいです。
AllorNothing見てから、なんだかんだモウリーニョを嫌いになれない(笑)
もうAMNをアーセナルで見れないのかなぁ
好きな選手だったので残念ですが、イタリアで大活躍するのを楽しみにしたいと思います。
今月のNLDでサンビがスタメンで見れそうなのは楽しみです。
競争すらさせる気なかったように見えますのでキープしてたのが謎です
エディとネルソンもそうですね。バログンのローンも遅い
選手の売買とクラブとのネゴシエートが向上しないと結局お金足りなくて選手層は厚くならないのでこれは来季以降の課題ですな
ユース上がりだけでやりくりするのは不可能なので
何でもモウリーニョはWBを探してるそうで、それならAMNは適任だと思う。ウチとしても少々DMFの枚数が足りないが、もし1月末まで待ってくれるならいいんじゃないかと。レンタルだし。
本当はじっくりCMFとして競争してほしいんだけども、チーム事情で長いことRBやらせてしまったからそろそろ選手としてのキャリアも考えなきゃいけない。3バックのチームを探してWBとしてのし上がるのは、AMN本人としては最短距離で成功する道だと思う。
スモーリングとかでもそうだけど選手が成功すれば本人もクラブも状況は好転する。その先のことは先になって考えればいいと思う。とにかくこの選手をプレーさせないで座らせとくのはもったいない。