試合の隠れ敗者はラカゼットとロコンガ
ゲイムには勝者がいれば、敗者もいる。チェルシーのことはどうでもよくて、アーセナルのチームのなかのことである。こうした勝利で浮かれているところでも、ぼくはどうしてもピッチの外側にいるひとのことを考えてしまう。
アーセナルのスクワッドのなかであきらかな敗者は、まずラカゼット。
彼不在で、攻撃に問題を抱えていたチームがいきなりトップチームに4点ぶっこんでしまった。これはチームがワークしたと云わざるを得ない。また、エンケティアもラカゼットの代役をうまくこなしていて、とくにハイプレッシングはラカゼットよりもしつこく、かなりよかったんじゃないかと高評価の声が多い。
このパフォーマンスで、アルテタはこのあとの試合では、ラカゼットよりエンケティアを優先するかもしれない。それほどにこの試合の彼はインパクトがあった。アルテタが土下座するくらいである。
もともと、彼はPLではチャンスもなく(スタートは2試合のみ全362分)ゴールもゼロだったが、すべてのコンペティションだと、今シーズンはスタートした7試合でG7ということで(カラバオカップでハットトリックをやったりしているからでもある)、ラカゼット役ができるうえに、深刻なゴール不足の解決策になりうることを示した。
彼の最初のゴールはミスした相手をちぎっただけでなく、右側から来ていたべつのDFが勢いで引っかけそうなところにわざと進路を取るいやらしさ。あのスピードはラカゼットにはない。
ラカゼットからすると、自分が退いたとたんにチームがうまくいってしまったのは、あまり気分はよくないだろう。それでもチームメイツのゴールを祝福しているところはさすがキャプテンだった。
それと、今回、夏に退団が濃厚と云われるエルネニーにスタートを奪われてしまった、サンビ・ロコンガ。
彼は見方によっては、ラカゼットよりも立場が悪くなったかもしれない。ジャカのパートナーとして、ロコンガにないものをエルネニーは観せた。それは、ハードワーク、ボールをもったときの落ち着き、それに守備。彼はよくボールリサイクラーのように云われるが、あのチームのなかだと、ジャカやオーデガードとの相性もよさそうだった。
ロコンガはセンスや才能の片鱗を観せつつも、PLのトップレヴェルの試合では、とにかく経験が足りていないという印象で、ファンには準備不足の烙印を押されつつあるように思える。もともとそういう背景があったため、今回は、シニア選手で経験豊富なエルネニーとの違いが、より顕著に出てしまった。
このポジションも、今後アルテタは選手のピックアップに頭を悩ませることになりそうである。
エルネニーは、ファンに大人気ということもあり(“ピラミッド・ピルロ”とか“エジプシャン・カンテ”とか、彼の愛称は無数にあっておもしろい。個人的にいちばん好きなのは“エインズリー・メイトランド・ナイル”)、ファンとのつながりを重視するアルテタが、今後はエルネニーの優先起用に傾く可能性はわりとあるかもしれない。すくなくともいまのロコンガより安心はできる。
ぼくはこのタフな期間こそ、成長を見据えて、アルテタはサンビ・ロコンガに信頼を与えるべきと思っていたが、こうなってしまえばやむをえまい。
あとは、セドリックがどうなるか。ベンジャミンRB&ロブホRCBは、悪くはなかった。ロブホの不安定さは、今後つづけて試合でプレイしていれば、いずれ解消するものだろうと思う。トミヤスが万全のフィットネスになるまでのあと数試合は、アルテタにとってはここも悩みどころだろう。
今日のヌーノウォッチ
さてお待ちかね、弊ブログ恒例のNTの成長を見守るコーナー「ヌーノウォッチ」。今回のNTはどうだったかな?
うーん、なかなか評価が難しいね。
いいところもあれば、悪いところもあった。
なぜそこでひとりでドリブルで突っ込む? みたいなシーンがいくつか。ぼくのメモには「28 NT アホ!!!」って書いてあったよ。
でも空中戦で何度か勝利したり(2/4)、LBとして及第点なところも観せた。
エンケティアの2点めは彼のアシストは記録されていないが、ボックス際の彼に鋭いパスを送ったのは紛れもなくNT。いいオーヴァーラップもあったと思う。
SofaScoreでは、アーセナルのスタート11人のなかではワーストの評価6.2。
ひきつづき、彼の成長を見守ろう!
その他試合について
- こういう結果になり、チェルシー的にはあまりチームの状態もよくなかったのかもしれないが、それでも二度のリードを二回とも5分で追いつくというトップチームのレジリエンスを観た気がした。われらも、ああでないといけない
- サカのペナルティはEUROのアレ以来だったということで、あそこはわりと感動的なシーンだった。誰かが壁を乗り越える姿はいつもうつくしい
- Sky Sportsの中継グラフィックによると、オーデガードは、11月以降でチャンスクリエイションがリーグトップ。KDBよりもTAAよりも多い。なんてクリエイター。それでなんでこれまでゴールできなかったん(以下略
- エンケティアの今回の最初のゴール距離16.3ヤーズ(約15M)は、彼のアーセナルでのゴールで過去もっとも遠い距離からのゴール。彼はどれだけ至近距離のゴールしか決めてないのか
- 試合に勝ったためか、試合後は誰も話題にしていないようだが、21分のNTへの足裏タックル。あれはジャカがやっていたらレッドでは? NTはあんなに痛がっていたのに、ジョン・モスは関心を示す様子すらなく。もちろん相手もおとがめなし
- アーセナルはこれでPLのアウェイ8試合で6勝。急にアウェイで勝てるようになった。問題はホーム
- そしてアウェイファン
この試合については以上
まさかのヌーノとンケティアで2点取るとは!
ただンケティアは、得点シーンのプレスと決め切るところは素晴らしいかったけれど、降りてボールを散らす役目がまだそこまで上手くないのと、守備時に集中力が切れる場面はやはりあったように思います。たまに爆発するバチュアイやオリギ枠なのか、じつは大器なのかはまだ判断がつかない。ンケティアの得点力をラカゼットに移植するのが一番いいのですが。ジャカはほんとに安定してきたな。
前半のあの一喜一憂、楽しむとゆうよりホント試練でした。
しかし、やってくれましたね。
タバレスは確かにいろいろありますが、あの高速グラウンダー直角パスはしびれました。何度かありましたね。
スミスローがこけつのもピッチのせいなんでしょうね。
この試合のグラニトはこれまでとは全くの別人のようでした。ずっとこんなプレイだったなら、ホントのレジェンドになってたろうに。でも、これをずっと続けてほしい。
オーバのかわりにスタメンに入ったラカゼットの覚醒
そのオバロスブースト終了とともにエディ覚醒。いいタイミングですな。
さぁ、最終章。ユナイテッドを粉砕してほしい。
アーセナルのルーニー、ホールディングの『ふさふさ』が気になって・・・
これからのホールディングの活躍が、アーセナルをCLに導くと確信してます!
お疲れさまです。
SBでの勝利は格別ですねー。今季はほぼ全試合リアタイしてるんですが、今回見るのを躊躇いました。見ることが怖かった。でもそれでも見てしまった。彼らと来たらこういうタイミングでこんな試合見せてくれるんだから、アーセナルはやめられませんな!必ずCLへ行きましょう!次も必勝!COYG!!