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アーセナルがGKマット・ターナーの獲得を発表。MLSでもっとも優秀なショットストッパー

アーセナル移籍の条件

アーセナルがニューイングランドレヴォリューションに支払う彼の移籍金は、TMによると£5.73m。これが、ボーナスで£7.5mまで上がるという報道もあり。そしてニューイングランドは、この契約にセルオン(※将来の彼の移籍金%を得る権利)をつけているようだ。

契約期間は3年。くわえて1年の延長オプション。長期契約というほど長期でもない。外国での経験のないアメリカ人GKに、クラブの慎重さがうかがえる契約年数ではある。

サラリーは不明。

Who is マット・ターナー?

彼の基本プロファイル。TMより。

  • 名前:Matthew Charles Turner
  • 誕生日:Jun 24, 1994
  • 出身:Park Ridge, New Jersey United States
  • 年齢:28
  • 身長:1,91 m
  • 国籍:United States, Lithuania
  • ポジション:Goalkeeper

NTは2021年2月にデビュー。18試合でプレイしている。現在UNMNTのNo.1であり、本人もワールドカップでNo.1としてプレイすることを当然期待しているだろう。

NTは、ユース世代ではまったく招集されていないようなので、そういうところもやはり遅咲きプレイヤー。

彼の紆余曲折のキャリアについては、このブログでも書いた

アーセナルにもたくさんいるフットボールエリートたちに比べると、フットボールを始めるのも遅いし(14才)、高い評価を得るのにもたいそう苦労している。逆に、あのグループのなかではユニークな経歴であるので、そういった意味でも、また違うものをチームにもたらしてくれそうである。

いまのチームのなかに大学を出ている選手はほかにいるんだろうか?

マット・ターナーがアーセナルにもたらすもの

ターナーは基本的にはセカンドGKということで、当面はPLではベンチ、ELのグループステイジやカラバオカップでのプレイになりそう。そこでアルテタをどれだけ納得させられるか。

ラムズデイルもワールドカップでイングランドのNo.1を目指しており、クオリティの高い競争になることを期待したい。

そして、彼はチームになにをもたらしてくれるのか。

ラムズデイルとの比較。

『Squauka』の記事によると、ラムズデイルにくらべると、ターナーはより古いタイプのGKらしい。彼が得意なのはショットストップ。

下の図は、赤がラムズデイル(21/22EPL)で、緑がターナー(2021MLS)。

わりとふたりで長所と短所を補い合っているようにも観える。

ターナーがあきらかにラムズデイルより優れているのは、セイヴ成功やロングボール成功率。ターナーがいいというのもあるが、ラムズデイルがおもったより悪い。

いっぽうでターナーが悪いのは、パスやタッチ。このあたりはチームのプレイスタイルが大きく影響している可能性が高い。

全体的には、ラムズデイルがパスやタッチの多いいわゆるモダンGKなのに対し、ターナーはセイヴ(ショットストップ)や、クロスやハイボールへの対応が優れていて、より古典的なスタイルのGKと。

アーセナルでのターナーの課題

したがって、彼は自分でも述べているようにアーセナルでの最初の大きな課題は、いわゆるモダンゲイムへの適応ということになるのだろう。

GKであっても、バックラインではフィールドプレイヤーのひとりのようにプレイし、ときには攻撃的なパスの出し手にもなる。

まあとはいえ、そこまで高望みできるGKはこの世界に何人もいないので、まずはアーセナルでバックからのプレイに慣れることだ。ゴールキックで毎度ロングボールを蹴っていたら、話にならない。

チェフやレノのような優秀なGKですら、これに慣れるのにだいぶ苦労してきたところを思い返すに、ターナーも時間がかかってもおかしくはない。バックからのプレイもやっていたというUSMNTでは、彼のそれはどの程度のクオリティだったのだろう?

ターナーは類まれなショットストッパー?

かなり優秀だという彼のショットストップについては、各種予想でおなじみの『538』が、去年彼の特集記事をアップしていた。「アメリカでいちばん価値あるサッカー選手はゴールキーパーだった」。2021夏の記事なので、アーセナル移籍が決まる前のもの。

The Most Valuable Soccer Player In America Is A Goalkeeper

この記事によると、2018以降(2021まで)の彼は、実際の失点がxGAより22もすくなかった。これは、もちろんMLSでトップ。2位が+15なので7も差をつけたダントツの成績。ゴールを防ぐ能力が半端じゃない。

以下、400本の被ショッツの時点で、ターナーのショットストッピング率はMLSのGKのなかでも際立って優秀なことがわかる。300本を越える前後からはずっとトップ。

こちらも同記事より。見慣れないスタッツだが、ポジションごとの平均ゴールからどれだけ多くゴールしているかのランキングのようだ(GKは平均よりどれだけ失点を防いだか?)。

2018-2021で、ターナーがMLSのこのランキングでNo.1。トップ10のなかには、見慣れた名前もちらほらある。カルロス・ヴェラがいる。

つまり、マット・ターナーは、現在のアメリカンサッカーを代表する極めて優秀な選手なのである。

よかったよかった。

 

さて、ターナーの現在の状況をおもえば、よくぞ思い切って来てくれたと思う。

彼にとっては、ワールドカップイヤーでの海外挑戦は、代表チームでポジションを失うリスクになりかねないものだったから。まだMLSに残るほうが、冬のワールドカップでNo.1としてプレイするには無難だったかもしれない。いくらアーセナルのファンとはいえ、それなりに難しい決断だったと想像される。

しかし、アーセナル行きも一期一会。このタイミングを逃せばアーセナルへの夢の移籍がかなったかはわからない。この夏のレノ退団で、いずれにせよアーセナルはセカンドGKを取っていただろうから、その席が埋まれば、おそらくしばらくは彼のアーセナル移籍のチャンスはなかった。

だから、彼はここでアーセナルでの自分の成功に賭けた。GKのキャリアのなかではまだまだ若い28才とはいえ、一生に一度かもしれないチャンスでリスクを取った。

成功するか失敗するかは、まだ誰にもわからない。アーセナルにとってもMLSでの彼の評判が、イングランドで実際どれほど発揮されるのか、未知数でもあるだろう。GKというポジションの特殊性もあり、これからかんたんな道のりにはならないはず。

ただ、彼がキャリアを通してやってきたように、ちょっとやそっとの障害ならへこたれないんだろう。何度でも逆境を乗り越えてきた。

まずは、プリシーズン。彼のプレイが観られる試合もあるはず。とくにUSツアー。

彼のアーセナルでの旅が楽しみだ。ファンの仲間としても応援したいですね。

Welcome to The Arsenal マッティ!

 

おわり



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One Commnet on “アーセナルがGKマット・ターナーの獲得を発表。MLSでもっとも優秀なショットストッパー

  1. ナイスガイ感がハンパないですね。そして既にコンタクトしてるラムズデールのスーパー陽キャ感。
    以前の記事も拝見しましたが、なかなか面白いキャリア。
    ただ俗に言うゴールデンエイジにサッカーと触れてないってことは、果たして今後足元は向上するのか。。。
    割と初めて見るケースかもしれません。興味深いです。

    英語、やっぱ聞きやすいなあ。。アメリカ。。

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