台風っすね。こういうときは、なんだか集中して書き物ができる気がする。
All or NothingのEP4-6も公開されているので、この週末にうちでゆっくり観るひとも多いんでしょうな。今回もおもしろかった。
さて22-23シーズン、アーセナルのPLホーム初戦の相手は、レスター・シティ。
この夏のアーセナル界隈でレスターといえば、ユーリ・ティーレマンスの移籍がもっぱら話題になっているところ。ボックストゥボックスMF(No.8)という、アーセナルが現在優先したい補強ポジションでありながら、いまだにこの移籍が成立するのか、しないのか不透明な状況。
われらアーセナルファンにとっては、もちろん初戦のいい時間帯のパフォーマンスがたしかなものか確認したいし、チームには連勝がかかった重要な試合であるが、同時にティーレマンスのパフォーマンスをあらためてチェックする機会にもなりそうだ。
今晩のこの試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「いまの自分たちにとても満足している」
昨日行われた、アルテタの試合前プレス会見。オフィシャルサイトより。
(試合が近づいているなかトレイニングはいかが?……)
アルテタ:とてもよい。ボーイズはすばらしくよくトレイニングしている。もちろん、天気にもかなり助けられている。何人かの選手がクラブを去るなど忙しい一週間だった。まだやるべきことはたくさんある。彼らの成功を祈る。
(トミヤス、スミス・ロウ、ヴィエラについて?……)
彼らは全員、今週トレイニングに復帰している。それぞれが違うフェイズにいるが、そのうち何人かは明日のスクワッドに加わるだろう。
(ティアニーはフルフィットネスに近づいている?……)
彼は先週15-20分程度プレイして、とてもよくやっていた。彼はヒザのケガで長期間離脱していたが、いまはもう完璧なコンディションに観える。やれる準備はできてる。
(リース・ネルソンがケガ……)
トレイニングで違和感があった。検査をしたところ、ドクターが悪い知らせを持ってきた。それは筋肉のケガで、すぐに戻れるといいのだが。
(ネルソンの復帰までのタイムスケイルは?……)
まだわからない。彼は別の検査が必要で、来週になればより詳細がわかるはず。
(今シーズンのレスターは昨シーズンとくらべてどう?……)
比較は難しいと思う。まだひとつしか競争力ある試合をプレイしていないのだから。彼らは、いい試合もやっていた。わたしも彼らのセヴィーヤ戦を観たし、チームももう長いこと一緒にいる。
彼らにはとても強いスクワッドがあり、マネジャーもコーチングスタッフもすばらしい仕事をしてきた。このリーグでの豊富な経験もある。彼らとの試合はつねに難しい。
(土曜午後の試合で暑さは気になる?……)
それがコンディションであり、試合のコンテキストだ。われわれはそれに適応せねばならない。ウォーターブレイクがあるだろうし、選手たちもそれに適応するようベストコンディションである必要がある。それだけだ。自分たちがやりたい試合をプレイしないと。
(暑さによって試合へのアプローチを変える?……)
適応する必要がある。選手たちはそうしたコンディションでも精神的に準備できている必要がある。ふだんやっているのとはすこし違ってくるから。そして、5人サブスもある。それはかなり役立つ。そうした要素の複合だ。
(5サブスはどれほど重要になる?……)
とても重要になると思う。かなり助かるし、スクワッドにも選手個人にも試合に関与できるたくさんのチャンスをもたらす。それは、選手の教育にもなる。90分のプレイは問題ではない。とくに今シーズンはたくさんの試合があるときは。
(あなたはクラブのカルチャーに満足している?……)
いまの自分たちにとても満足している。クラブにいるみんなにも。クラブにいるプロフェッショナルたちにも。自分たちが築いているものにも。このうえなくハッピーだ。
(昨シーズン、オバメヤンからキャプテンシーを剥奪したことに後悔はある?……)
そこからもうだいぶ時間がたった。もうつぎが始まっているのに、わたしがそこに立ち戻ることはできない。それについては、わたしも述べてきたことがある。わたしはとても明快で率直に意見を述べた。起きたことは、ただクラブを守るためだったし、クラブが可能なかぎり透明性を持つために、正直であるために、一貫性を持つためにしたことである。
(オバメヤンのファイルをチェルシーから求められた?……)
オーバは際立った選手だ。彼はわれわれにもたくさんのことをしてくれた。元キャプテンであり、われわれは彼がクラブにしてくれたことにとても感謝せねばならない。
(もしオバメヤンが敵の選手としてエミレーツに戻ってきたときは、歓迎されることを望んでいる?……)
そうされることを望む。彼はそれに値するから。人生やキャリアのなかで、個人の目標や道のりがクラブのそれとは異なることもある。われわれはそのことも尊重せねばならない。
(移籍ウィンドウが閉じるまで、まだ退団するかもしれない選手がいる?……)
ベルント、ルーカス・トレイラ、パブロ・マリーが退団した。フロ・バロガンもローンに出ていった。われわれは、スクワッドをかなり動かしているが、これからもまだ自分たちの望むようにスクワッドをファイナライズする考えはある。
まだ大きな補強をする可能性もあるが、ふさわしいゲイムタイムを探してやる必要がある選手もいる。現時点では、それもかんたんではないだろう。
(キーラン・ティアニーのマンシティ行きの噂についてはなにか聞いている?……)
いいや。それに個人の案件について、わたしがコメントしないとわかっているはず。
(暑さのせいで、今回はなにか変更せねばならない?……)
この国では、すんなり行くことなんて何もない。雨だろうが曇りだろうが、つねに雨か曇りだ。暑いときは、暑すぎる! 「みんな聞け。23℃。ちょっと曇っていて心地よい風もあって最高だ!」 と云わねばならない。われわれは、コンディションに適応しないと。
土曜はうだるように暑いだろうし、そうした状況でもスピードを上げるためにトレインせねばならない。
(あなたがクラブに来て以来、クラブでのカルチャーはどれほど変わった?……)
それを完全に変えることは、当初からのクラブのおもな目標だった。関わっている多くの人間が誇りを持つことができ、ハッピーで、自分たちの仕事に責任を持てること。われわれには、それがあると思う。
サポーターたちに伝わっている、コミットメントや情熱のレヴェルは観ることができるだろう。それがいま、このクラブにこんなにも団結をもたらしている理由だ。
(どの選手もそのカルチャーとマネジャーの‘non-negotiables’を買っている?……)
われわれがまず最初に話すことは、われわれが彼らからなにを期待できるのかということ。彼らがクラブからなにを期待するのか。自分たちの価値とはなにか。どのように行動し、知覚し、楽しむか。それがわれわれの情熱。われわれが楽しんで行うことであり、それをやるためには、そこに乗らねばならない。
たくさんのひとがいる。クラブは毎日どんどん大きくなっていて、ともに楽しむためにリスペクトもしなければならない。
(チームトークで、いちばん影響力があるのは誰?……)
そうした時間はとても個人的なものであり、あるときに起きるものだと思う。どう感じているか、ドレッシングルームのなかの空気をどう感じるか。そのとき選手たちが必要としているものはなにか。どういう状況か。それは、自分自身から自然と出てくるものでなければならない。
もちろん、人生のなかで影響を受けるひとというのはつねにいる。それが自分を育ててくれる。助けてくれる。
(PLの30年の歴史のなかで、いちばんの思い出は?……)
大きな質問だ。クラブとしては、インヴィンシブルシーズンが、この国とリーグの歴史に刻まれていると思うし、それは永遠に残るだろう。できれば、われわれを除いて、誰にも触らせたくないね。
(ウィリアム・サリバには、これからも地に足をつけていてもらいたい……)
彼は地に足をつけていると思う。そこが問題だとは思わない。
もちろん彼とはローンに出るまえから、彼への期待については話していた。彼も自分の周囲で起きていることにはとてもよく気づいていた。われわれは、それを内部だけでとても静かに対処しようとしていた。
わたしは、彼とそのようにやってきたのはいいことだと思う。なぜなら、彼はまだ21才で、たった1試合しかPLでプレイしていないのだから。
(サリバのドレッシングルームでの様子?……)
選手たちは彼をすごく気に入っている。なぜなら、彼はとても覚悟があり、集中していて、謙虚なボーイだから。彼はこのクラブを前進させたがっている。
彼も、彼に話したいことがあればなんでも話そうとする。彼の目標は、もっと上達することで、チームをもっとよくすること。
(ESRがチームに戻るためにしなければならないことは?……)
彼はフィットしつづける必要がある。そしてよくトレインし、彼ができるレヴェルでパフォームすること。彼がそれがやれているときには、彼を選ばないことはかなり難しいから。
(サリバはフランスから戻ってきて、どれくらい変わった?……)
ファーストチームの選手たちはとてもポジティヴだ。彼の態度、存在感、自信、彼のふるまいは非常に大人びている。
(サリバの長期契約は検討されている?……)
われわれはつねにそうしているように、すべてのそうした課題を解決するだろう。だから、ボードとエドゥが、直面する可能性のあるすべてのシナリオについて準備している。
(複数のポジションでたくさんのオプションを持つこと……)
いろいろな脅威をもたらし、相手にいろいろな問題をつくれる。なぜなら、同じことをやっても、かなり違うクオリティがあれば、違うシナリオを生み出すから。また、同じ選手でも違うやりかたでプレイすれば、かなりの柔軟性をもたらす。
(試合前の選手たちへのインストラクションを減らしている?……)
それは理想的であり、夢だ。彼らが自分たちで決めることでき、自分たちで決断を下す。そして、そうした決断が正しいタイミング、意図で実行される。それは、当然われわれが望む方向性だ。
(ファビオ・ヴィエラはどこでプレイする?……)
それは選手が教えてくれるはず。トレイニングでも、すでに彼をいろいろなポジションで試していて、左でも右でもフォルス9でCAMでも。いいことだ。
彼も特定のポジションで固定されたくない。なぜなら、彼もそれにとても慣れているから。だから、それはチームにとってもとてもポジティヴなこと。
(ヴィエラはPLに適応するまでに時間がかかりそう?……)
いまは、答えるのが難しい質問だ。そこにたどり着くには時間がかかるかもしれないし、それは、彼が誰といっしょにプレイするか、あるいは試合がどうなっているかにも依る。適応にまったく時間がかからないことだってありえる。
わたしが云えるのは、彼がすべてにおけるプロセスをかなり短期間でやっているということ。
以上。長い。
今回の会見コメントのなかでは、「選手へのインストラクションを減らしている」というやりとりが興味深かった。
選手に1から10まで指示を出さねば気が済まない(笑い)コントロールフリークとも呼ばれたほどのアルテタが、ある時期からピッチ上の選手に判断を委ねるよう考えを変え始めたのは、AoNでも描かれていた。
昨シーズンのその後を観ても、それによって、いいことも悪いこともあったのだろうが、現在のより成熟したチームパフォーマンスやストラクチャのなかに、それまではほとんど観られなかった自由の成分が観え隠れしていることを思えば、やはりあそこはチームの成長にとりキーモウメントだったように思える。より、自由と規律のバランスを模索するようになり、ポジティヴな影響をもたらしている。
現在のチームでは、チームの成長プロセスだけでなく、アルテタ自身の成長プロセスも垣間見ることができるという。
AoNを観ていると、ときどきフラッシュバックしそうになるし(いやまじで)、あれを撮影するなら、もっと競争力が増した今シーズンのほうがよかったんじゃないかとも思えたが、やっぱり昨シーズンのほうが、より生々しいプロセスのコアの部分を観ることができてよかったのかもしれない。今年は去年より、もっと安定しているだろうから。
サリバについてアルテタ「若い選手には対価を支払う必要がある」
それと、初戦でMOTMパフォーマンスのサリバについても多くの質問がある。
そのサリバについて、オフィシャルサイトのトランスクリプトでは漏れている発言も。毎回追加発言を報じてくれる『Evening Standard』より。
アルテタ:(サリバにはマルセイユ行きの噂もある)現実は、彼はとても納得しているし、覚悟をもってここに来ている。彼にはほかの選択肢はなかった。(アーセナル以外)彼がほかをほのめかしたことなど一度もない。
わたしは彼との最初の会話から、彼がたったひとつの意図しかないことがわかった。ここへ来て、アーセナルのためにプレイすることだ。
わたしがつねに云っているのは、とくにわれわれのスクワッドにいる若い選手のポートフォリオの今後については、対価を払わねばならないということ。
そしてその対価とは、どこかでミステイクスをやらかしたり、初めての経験をしたり、そうしたプロセスを通過することだ。
21才でも35才でもミスはフットボールの一部。それは起きる。そしてそういったミステイクスは、できるだけトレイニングフィールドのうえにしたい。もしそれがピッチ上で起きても、失点の理由にならない。それが目標だ。しかし、それが起きるのは避けられない。
思うに、ポジティヴな期待というのは、選手のなかに特別ななにかを観たときに生まれるもので、それは当然でもある。アーセナルのファンはそれを彼に観ているし、その才能を観ている。
わたしが云えるのは、そういうことをする代わりに、選手を守る。彼を守ろうじゃないか。彼は自分の可能性をかなえる正しい環境にいると思おう。そこでなにかうまくいかなくても、うまくいくときと同じでいよう。
うむ。そうしよう。
オーデガードのコメント「あれは悪い判断だった」
この試合のマッチデイプログラムにキャプテンのインタヴュー(※本人の手記とある)があり、その一部がAFCオフィシャルサイトで公開されている。
オーデガード:新加入の選手は、みんなとてもよく馴染んでいる。ぼくも、ガブリエル・ジェズースと早く相互理解を築くことがが重要だとわかっている。
パレスでは、あまり多くのコンビネイションはなかったけど、セカンドハーフには彼はぼくもチャンスをくれた。あれは、ショットを打つべきで、そうすればいっしょにすごくいいスタートになっていたかもしれない。
しかし、ぼくらのコンビネイションはプリシーズンでもとてもよかったと思う。トレイニングでもとてもいいつながりがある。彼とプレイするのはとても楽しい。だから、つぎの試合ではもっと観られるといい。
パレスでのチャンスでは、ぼくは左に向かってタッチをしようと考えていた。そして、代わりに右を観ると、実際よりも相手がもっとぼくの前にいるように感じた。そこで、クリップバックをしようとして、ダメだった。でもつねに成長するためには、そこから学ばないと。つぎは、ショットを打ってゴールするよ。あれが悪い判断だったって、もちろんわかってる。
重要なことは試合に勝つこと。これからもつづけていきたい。
個人的には、パレスのあのシーンはそこまで気に病むことはないような気がするけど。
まあ、ストライカーならあそこでパスは選ばないか。そう考えると、あそこでオーデガードももっと利己的でよかったと反省する気持ちはわかる。
チャンさんのワクワク感が伝わってきます。
今季のアーセナルには本当に期待しかないです。
あの無敗優勝からその期待は悉く裏切られてきたので耐性はついてますが、今年は本当にやってくれるのではないかと思います。
ヴィエイラ早く観たいですね。
あの肩幅でプレミアの強い当たりに耐えられるのか。
涼しい顔でいなしてスタンドを沸かせて欲しい。
あの悪役顔なのに優しそうな感じがなんともそそります。
Bシウバみたいになる事を期待してます。
今夜も勝ちましょう!