アーセナルと2年の契約を残して、先日ニコラ・ぺぺがフランスのOGCニースにローン移籍していった。
Bienvenue chez toi, Nicolas Pepe 🦅🔴⚫️#OGCNice #Pepe pic.twitter.com/AEMm1nEGaC
— OGC Nice (@ogcnice) August 25, 2022
いちおうはローン移籍ながら、ぺぺがもうしばらくアルテタのプランのなかに入っていなかったことを考えれば、今後も彼がアーセナルに復帰することは、おそらくもうないのだろう。
以前には、エドゥが「選手の損切は投資」のように述べており、とにかくアーセナルとしても「パフォームしない/高齢/高給」選手の整理というこの問題を早く終わらせたかった。いまは、この夏の大きな課題を解決し、ようやくひとつ肩の荷が下りた。
ぺぺのアーセナルでの3年間を振り返れば、まさに紆余曲折。フェアに云えば活躍したことだってあった。だが、決して彼のフォームが安定することはなく、全体としてはよくて「まあまあ」程度の評価しかできず、すくなくともクラブレコードの£72mという大きな移籍金からすれば、まったくの期待外れに終わった。エメリもアルテタも、なんとか彼をワークさせようと試行錯誤はしていたものの、結局最後までそれはかなわなかっただろう。結果的に、彼がついぞワークしなかったことは、この期間のアーセナルの停滞の原因のひとつといっても云い過ぎではないと思う。
3年前、この世界であれだけ注目を集めていたスター選手が、なぜアーセナルで全然うまくいかなかったのか。
今回は、『GOAL』(Charles Watts)の特集記事をネタ元にさせてもらって、すこし書きたいと思う。
Nicolas Pepe: How Arsenal’s record signing turned into a £72m nightmare | Goal.com UK
新天地で抱負を語るニコラ・ぺぺ「フットボールの楽しみを取り戻したい」
本題に入る前に、彼がニース加入時に語った会見コメントを紹介しておこう。
(どうしてキミはOGCニースを選んだの?……)
ぺぺ:若い選手たちを使おうとしているスポーティングプロジェクトが野心的だったから。ぼくは、これを後退だとは思ってない。自分自身、楽しみを取り戻したいんだ。コーチとプレジデントに信頼してもらって。Lucien Favre(※マネジャー)は、美しいフットボールをやると評判があるし、それはぼくにも合ってる。それが選択した理由。
(マルセイユ戦でスタートすることになるが、気分は?……)
それは、コーチ次第だ。ぼくはアーセナルで、いくつかの試合を含めてプリシーズンのワークをやってきたし、ケガもしてない。リーグではプレイしてこなかったけど、イエス、マルセイユでプレイする準備はできている。いまはプレイすることに飢えてるんだ。ゴールして、アシストして、全部やる。
(キミはニースに加入するためにお金の面でも努力をしてくれたという。どうして?……)※ぺぺはニース移籍に際して、給与の減額を受け入れたと報道されていた
またフットボールを楽しみたいから。フットボールのことしか考えたくない。お金のことは、二の次。
(木曜のECLプレイオフでは、ニースファンにお披露目もあった。どんな気分だった?……)
ファンからはとても温かい歓迎をされた。とても驚いた。この手のプレゼンテイションをやるのは、ぼくも初めてだったから。ファンには感謝したい。彼らはファンタスティック。彼らがスマイルをもたらしてくれることを願っている。ぼくらはそれをピッチで返す。タフな試合だったが、なんとか勝てたね。予選通過の前にサインしたこと? それについては決めていたわけじゃなかったけど、プラスにはなっている。
(アーセナルでおぼえていることは?……)
浮き沈みがあった。最初のシーズンは、なんとかふたつのタイトルを取れた。FAカップとコミュニティ・シールド。偉業だ。そのつぎのシーズンでは、ELのセミファイナルでヴィヤレアルに敗けてしまった。そのあとは、よりむずかしくなっていった。
でも、いいことしか思い出さないよ。ぼくは、世界最大のリーグでプレイしていた。変わったし、たくさん学んだ。世界ベストなチームスともプレイした。経験もつんだ。
アーセナルでぼくは精神的にたくましくなった。選手としても、人間としても、進化した。プレイはあまりできなかったけど、人生についても学ばせてもらった。子どもも生まれたしね。
いいことしか思い出さない。ぺぺのアーセナルでの境遇を思うと、なかなか涙ぐましいコメントという気がする。
ぺぺのニースデビュー戦はLucien Favreから厳しい評価
そして、昨日はぺぺがOM戦でデビューということで、ぼくもその試合はすこしだけ観ていた。ヌーノがまたゴール。
ちなみに、OMはCFにアレクシス・サンチェス、LWBにNT、ダブル10にゲンドゥージ、LCBにコラシナツがいた。これでニースにラムジーがいたら。ピッチ上の22人中、元アーセナルが6人という同窓会状態に。なんかウケる。
だが、そんな楽しげな試合だったにも関わらずニースはホームで敗けてしまい、ぺぺもマネジャーから厳しいコメントを寄せられていた。『Foot Mercato』via GFFN
Lucien Favre:彼(ぺぺ)は、イングランドで長いことプレイしていなかった。アーセナルではプリシーズンはやってきたが、試合ではプレイしていない。彼は、彼のポジションでリズムとインテンシティを欠いていた。プレッシングでもボールリカヴァリでもそう。全員がそれをやらねばならないのだ。例外はいっさいない。
もし、ひとりかふたりそのワークを怠るなら、チーム全体がトラブルに陥る。全員がいっせいにそれをやる必要がある。全員が守り、ボールを奪い返す必要がある。
あー。このマネジャーはドルトムントのひとか。コメントを観るかぎり、「全員」とか「全体」の言及が多く、コレクティヴなプレイにはかなりこだわりがある様子。
まるで、アーセナルでのぺぺの課題を、またここでも突きつけられているみたいだ。彼にはこの一年で選手として評価を取り戻してもらう必要があるのだが、大丈夫だろうか?
ここからは、ぺぺがアーセナルでうまくいかなかった理由について。
AoNでなんとなく思ったのはペペとNTはなんか繊細なキャラクターが見え隠れしてた気がします。
言語面もあるでしょうがシャイでもありそうで。
反対にハッピー野郎と取材スタッフに言われるロブ、常にプロフェッショナルなエルネニー、そして意外にロッカールームでも周囲と交流し、当時のキャプテン格のラカゼットにも注意してファイトしちゃうような同じくプロフェッショナルなソアレスとか見ると、ぺぺはサブでも重宝される面子と比較するとアルテタのテイストではなかったのかな~と。
プレー面でも日進月歩までいかなくても、それなりに成長はしてた感(最初が驚くぐらい酷かった。。)があったんですが、如何せん競争相手がワールドクラスに片足つっこみ始めた若手ですからね。厳しい。
しかしリーグアン、今こんなアーセナルなのか~~
OMとかちょっと注目しちゃいますね~~