ワールドカップ盛り上がってますな。
まさかドイツに勝つとは。
トミヤスとかミトマとかミナミノとか、あんなに優秀な選手がつぎつぎとサブで出てきて、アーセナルよりスクワッドデプスあると思ってしまった(笑)。日本代表は未来が明るいよ。
アサノのゴールも、アーセナル界隈で「2人のガナーが日本を勝たせた!」みたいに盛り上がっていた。あいつら、それまでは「アサノの顔も観たことない」とか云ってたのに。まあいいか。
さて、今回のワールドカップでアーセナルのファンが注目すべき選手のひとりに、ヘイルエンド育ちで、いまはスペインのヴァレンシアでプレイするYunus Musah(ユーナス・ムサ)がいる。
ぼくは、じつは名前以外彼のことをほとんど知らないのだが、世界的には若い注目選手のひとりとして認識されているようだ。
彼は、19才で今回のアメリカ代表スクワッド(※通称USMNT)にも選出され、とくにアメリカでは若きスター選手としてかなり注目度が高い様子。マット・ターナーとともに、先日ウェールズ戦でもプレイしていた。※ワールドカップ直前の日本代表とのフレンドリーにはケガで出場せず
また、彼はアーセナルを離れたあとも、しばしばアーセナルのターゲットとして名前が取りざたされていて、先月にはあらためて、アーセナルが彼に興味を持っているビッグクラブのひとつとして伝えられていた。
Report: Yunus Musah in the radar of several teams in Europe
明日には、ワールドカップでUSMNTがイングランドと対戦するため、アーセナルだけでなく、イングランドでも彼があらためて注目されることになりそうだ。
今回は、そんな彼について。
イングランドと対戦するユーナス・ムサ「いつかアーセナルに戻る可能性はある」
今月の初旬に、USのメディア『CBS Sports』(James Benge)が彼のインタヴューを行っていた。USMNTでの彼の役割についてが主題になっているインタヴューだが、そのなかでアーセナルについても語っているのが話題に。
(イングランドNTとアメリカNTから引き合い……)
ムサ:ぼくはいつだってナショナルチームでプレイしたかった。できれば早くに。若いときにビッグプレイヤーになりたかったし、そういったものになりたかった。だから、焦っているという気持ちもなかった。
(アーセナルに戻りたい気持ちはある?……)
これからのことは誰にもわからないけど。ぼくは、ぼくが育ったアーセナルですばらしいときを過ごした。まだ友だちがそこにいるし、コーチたちもグレイト。アーセナルの選手でいるというのは、すごいことだ。ぼくはアーセナルでプレイするのが大好きだったよ。
クラブに恨みなんかない。もしいつの日か、そこへ戻るようなチャンスがあるとわかったら、その可能性はある。
いまのところは、ぼくはヴァレンシアでハッピー。今シーズンのこれからも楽しみにしている。いまやっていることをこのままつづけたい。
以下は『ESPN』より。
(イングランドとの試合……)
この試合は、ぼくにはほんとに特別なものになる(とロンドンなまりで答えた)。ぼくはイングランドNT(※ユース)でプレイしていたし、住んでもいた。だから、その試合は特別だ。勝たなきゃいけない。
むこうのチームには知ってる選手も何人かいる。サカとかベリンガムとか。だから、試合では彼らをやっつけるためにガチンコでやらないと。マジで。これはプライドさ! 友人たちにも帰ってくるぞと伝えた。もしぼくらが勝ったら、彼らにも祝ってもらわないとね。パブだろうが、どこだろうが。そうなったらナイスだ。
ナイスだ。
ユーナス・ムサのプロファイル
TMより。
- 名前: Yunus Dimoara Musah
- 誕生日: Nov 29, 2002
- 年齢: 19
- 身長: 1,78 m
- 国籍: United States, England
- ポジション: midfield – Central Midfield
- 利き足: right
- 契約: Jun 30, 2026
誕生日もうすぐだ。20才。おめでとう。
NTは、イングランドU-15からU-18まで各年代すべてに招集。そのあとは生まれ故郷のUSMNTを選んだ。
契約が2026年までとかなり長期。ヴァレンシアは、彼には€100mのリリースクロースを設定しているとか。現在のMVは€20m。
ドリブル、ドリブル、そしてドリブル。アダマ?
ポジションは基本的にはCMで、そのほかにCAMやRWでもプレイできるという。
ちなみに、アフリカ系の親、ニューヨーク生まれでUS国籍を持っていてロンドン育ちというのは、フォラリン・バロガンとかなり似たプロファイル。年も近いので、ヘイルエンドでもいっしょにプレイしていた期間がかなりありそう。なかよしなのかもしれない。
ユーナス・ムサはなぜアーセナルを去ったのか?
9才でアーセナルに来て7年間アカデミーに在籍。16才のときにアーセナルに慰留されつつヴァレンシアに移籍。このときユヴェントスも彼に興味を示していた。
ヴァレンシアでは、17才でシニアデビューし現在に至っているので、あのときの選択は正しかったのかもしれない。
イングランド戦を前に、『Evening Standard』にあらためてアーセナル退団の経緯について語っている。
ムサ:(シニアフットボールのためにスペイン移籍を決断した?)それも理由のひとつだった。当時は、アーセナルのファーストチームにはそんなに早く入れないと感じていたのかもしれない。
ヴァレンシアのチームはすごくよかったし、ぼくの年でもファーストチームでプレイできそうだと感じた。そしてそこに移籍するチャンスがあった。結局大成功だった。それには感謝してる。
もうちょい時代がズレてれば、ミケルのチームで自分も!って思えたかもしれない。
ユーナス・ムサを狙うビッグクラブ
冒頭に貼った『AS』などの報道によれば、ヨーロッパの複数のクラブが彼の成長に注目していて、そのなかに含まれるビッグクラブとして、アーセナル、リヴァプール、ユヴェントスの名前が挙がっている。
この『AS』の記事には、「ヴァレンシアは、現在のリリースクロースがアーセナルやリヴァプールなどのビッグクラブには低すぎる設定だと考えていて、契約を更新したがっている」のようなことが書いてある。CBS Sportsだとその額は€100mだから、ビッグクラブにもさすがに低すぎるということはないはずだが、もしかしたら実際はもっと低い金額が設定されているのかもしれない。
アーセナルにムサは必要か?
アーセナルの現在のプライオリティは、RW(サカ)とCM(パーティ)のバックアップ、あるいはポジションを争える選手で、両方のポジションでプレイできるというムサは、一見悪くないオプションに思える。
ただ、CMといってもパーティのポジションにほしいタイプはCDM(6)なので、CMとしてのムサはターゲットから外れるか。シングルピヴォットがあんなふうにドリブルをやり始めたら、リスキーなんてもんじゃない。ジャカかオーデガードのポジションは、現状いちおう間に合っている。
アーセナルとしては、どちらかといえば、現在のニーズというよりも、もうちょっと長期的なプランのなかに彼を含めるかどうかということになりそうだ。
彼のはっきりした長所のひとつはドリブルで、そういうタイプのMFのいないアーセナルにはいいオプションになりそうではある。以前にもレナト・サンチェスやルーカス・パケタのようなMFとリンクされていたということは、アーセナルはこのタイプの選手もほしがっているということなんだろう。
あるいは、もう右サイドの攻撃の選手として考えるとか。サカとポジションを争う。CMでもプレイできてお得。守備もできるアダマ・トラオレだと思えば、けっこういいかも?
ヴァレンシアで、今年は11試合中まだ1試合しかRWでプレイしていないが、去年はRWが3、RMFで8試合プレイしているので、ワイドでのプレイに慣れていないということもなさげ。
本人も今後の課題としてゴールとアシストについて述べているように、そこは若干心もとない。今シーズンは、アーセナルでもオーデガードやジャカがゴールしているように、MFだからといってそこに無頓着ではいられない。
ワールドカップでの活躍やヴァレンシアでの成長によっては、今後さらに注目を集める存在になるかもしれない。
ということで、明日のイングランド戦はムサにも注目しよう。彼のドリブルでスタンドがどよめくみたいなシーンが観られるんだろうか。
おわり