「意気消沈のトミヤス」
こちらのサブは『東京新聞』のトミヤスが大粒の涙を浮かべる写真を引用していて、よりエモい反応になっている。
みんな彼が「フットボールから離れて少し休みたい」と話した会見コメントもチェックしていたようで、それへの反応もかなりある。まずはそれを振り返っておこう。『The Athletic』より。
トミヤス:もちろん、結果にはみんなかなり失望している。今日はぼくのパフォーマンスも最悪(disaster)で、チームには申し訳なく思う。
チームを助けるために、ぼくにはもっともっとうまくやる必要があった。それは十分じゃなかったし、チームも勝利にはふさわしくなかった。
ぼくらも目標達成までかなり近づいていた。相手のほうがこちらよりよかったということ。
これを誇ることはできない。起きたことについてはぼくは満足していない。これもフットボールだし、強いチームには勝つために、もっともっとよくならねばならない。
(このあとすぐアーセナルのドゥバイキャンプに合流する?)わからない。できればすこし休めるといいのだけど。ぼくにはフットボールを忘れる時間が必要だし、すこし時間がほしい。
パーティがワールドカップで敗退したあと、すぐにドゥバイに向かったというニュースがあったので、トミヤスもそうなる可能性はあったのだろうが、本人はかなり意気消沈の様子。いまはフットボールから離れたいなんて、普段の彼なら云いそうに思えないことばだった。
この敗退に、彼がどれだけ傷ついたかがうかがえる。
以下、当該サブからめぼしいものをピックアップ。
これはマジつらい(303)
日本の選手は、自分たちに厳しすぎるのはよくないな。彼らがスペインやドイツに勝ってグループを突破するなんて誰も思ってなかった。そして、前回のワールドカップのファイナリストとのペナルティ戦。ひとりひとり全員がピッチのうえに国のプライドをかけた。ピッチの外でも、彼らは国のすばらしい大使になった。尊敬と品があって、プレイするときはいつでも楽しませてくれた。彼らは、うなだれて足元を観るんじゃなく、顔を上げるべきだ(444)
↑それでも同時に、スペインとドイツに勝って、クロアチアに敗けただけ。これは痛い(80)
↑↑クロアチアは前回のWCのファイナリスツだよ。彼らに敗けるのは恥でもなんでもない。ましてやペナルティだから(40)
↑↑↑そして昨日のクロアチアははるかにひどかった。だからよけいに日本は痛い(46)
↑日本人は、基本的に完璧主義者として知られている。それがトミーのエリートメンタリティを説明しているよ。彼自身ほしいのは完璧だけ(151)
↑↑わたしもトミーの試合後コメントは読んだ。彼はすごく悪かったとか、十分じゃなかったとか云っていた。彼が今シーズン、自分をそんなふうに云うのは、これが初めてじゃない。彼には恐ろしく高いスタンダードがあって、完璧にベストじゃないと満足しないんだ(50)
↑↑↑トミーは失点に罪を感じてるのかもしれない。あれは彼のせいとは思わないけど。彼らはマンマーキングをやっていて、ペリシッチは彼の責任じゃなかったから。前半に悪いバックパスでゴールを与えそうになったこともあった。でも全体的に彼のパフォーマンスはグレイトだった(13)
↑↑これは間違いない。わたしは仕事で日本に数ヶ月住んだことがあって、休みの日に高校野球の練習を観たことがあるが(わたしがいたところにはフットボールクラブはなかった)、あんなハードに基礎練習に取り組むチームを観たことがない。よくないプレイをしたときに自分たちを責めるのも。完璧に見えても、正しく足をセットできなかったと自責の念にかられたり。そういうパフォーマンスレヴェルなんだよ(12)
ペリシッチのいるチームが勝ったのがよけいに痛い(122)
彼のこんな姿を観たくなかった :((96)
ノー……(49)
かわいそう。彼らはあんなにハードに戦ったのに😞(51)
彼の泣き顔を観るのがつらい。日本はすごくいいプレイをしていたし、もっとよくなるだろう。トミーのためにPLを勝つ(13)
彼はとても正直で純粋なやつだな。彼のようなひとはあまりいない(7)
トミーさん😭😭😭(21)
落ち込んではいるけど、きっとトミーならそれをモチベーションに変えてつづけていける。クラブのフォームにもそれをもたらしてほしい。愛してる(7)
アームチェア社会学でそこでなにが起きたか知ることができるかわからないけど、そもそも日本というのは、失敗に対する恥の文化があることで知られてる。トミと日本チームは、どうも必要以上に自分たちのパフォーマンスを恥じているみたいだ。彼らには間違いなくグレイトなWCだった。ラウンド16で敗退してしまったのは残念だが、クロアチアは経験豊富なチームで、そんな彼ら相手に120分間互角に戦った。彼らがそうすべきじゃないとは云わないが、基本的には彼らはみんなの期待を上回ったのに、自分たちに厳しすぎる。できたら、ぼくらがいま彼のメンタルヘルスに必要なものを与えてやりたいね(18)
↑だな。あのPKはチームとしてひどかったけど(8)
彼は落ち込んでいるけど、日本は思ったよりよくやったよ! 喜ぶべき(13)
こんな彼を観るのは忍びない。サカがやらかして人種差別のアビュースをやられたのを思い出してしまう😞(5)
日本人が完璧主義者で、うまくいかないことがあると、それを恥だと感じてしまうことも知っている。それでもトミーのこんな姿を観るのはつらい。日本チームが経験したことはほんとに気の毒だと思う。彼らにわかってほしいのは、わたしも誇らしかったということ。落ち込むより練習するべきだね。誰でもミスはやる。誰も完璧じゃない。みんなすこしづつよくなっていくんだから……(2)
わたしもこころが張り裂けそうだ。でもこれはなんて美しい写真なんだろう。一粒の涙があたえるインパクト(1)
クロアチアとの違いはペナルティシュートアウトの経験だけ。そんなに自分を責めないでトミ!(1)
つぎの試合とかでトミーのバナーを出せないかな(1)
シーズンの終わりにはPLトロフィでトミーの笑顔が観れる!(1)
エリート競技者のメンタリティ(1)
わたしがクロアチア人で勝ってうれしいのが、よけいに痛い(1)
トミーが悲しんでいるのを観ると、まるで自分ちの子が悲しんでるみたいだ(1)
以上
やっぱりあの写真が印象的。大の大人が涙を流して悔しがっているんだから、こころを揺さぶるものがある。
今回、ワールドカップのトミヤスも日本代表もおおむね高く評価されているなか、興味深かったのが「日本人は完璧主義」「日本は恥の文化」みたいな主張があったこと。複数人がそれを指摘していたので、それも日本らしさと思われているのかもしれない。だから、すばらしいワールドカップを経験したはずの日本人がこんな反応をしているのだろうという。
トミヤスの反省コメントはとくに、彼は自分に厳しすぎると感じるひとが多かったみたいだ。多少のミスがあったとしても、彼のパフォーマンスにはみんなそれだけ好印象を持ったということでもあるだろう。
どうなんすかね。日本人の完璧主義。トミヤスのスタンダードが高いのは間違いないが、日本人(アスリート)全般の話に落とし込んでいいのかどうかはよくわからない。でも興味深い話ではある。
いずれにせよ、こういうとき、周囲の大人たちが彼らを励まして、持ち上げていただきたいものだね。選手たちがよくやったのは間違いないんだから。つぎはもっといい結果を目指すだけ。今回の日本代表のワールドカップスクワッドは称賛に値する。
完璧主義自体は、アスリートのメンタリティにとっては、いい面も悪い面もありそうに思える。ときに利益になるし、ときに邪魔になる。もしトミヤスにそういう傾向があるなら、大人がうまくガイドしてあげてほしい。
トミーもすこし休んで充電したら、よりいっそう強くなっているといいな。彼には、まだアーセナルでやるべきことがたくさんある。
おわり