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【マッチレビュー】22/23EPL アーセナル vs ニューカッスル・ユナイテッド(3/Jan/2023)フラストレイション。だがクオリティの高い試合

試合の論点

アーセナル vs ニューカッスルのトーキングポインツ。

ニューカッスルの強さを実感。PLにつぎの時代が来る

ひどいフラストレイション。

アウェイであのレヴェルの相手と内容なら、0-0という結果も、まあしょうがないかと思えたかもしれないが、この試合はホームだった。その点は、残念極まりない。ホーム11連勝ならず。

あのような試合だったのだから、1ポイントを受け入れるべきという論調もあるが、スタンダードが著しく上がっている今シーズンのわれらだからこそ、2ポインツを失った失望が大きい。

アーセナルは、いくつかのチャンスでもう少しだけでもうまくいけば、試合に勝つこともできたと思う。だが、そうはならなかった。

今回はとにかく相手を褒めるべきだろう。アーセナルはフィニッシュにやや難ありではあったが、全般的に競争力もクオリティも十分発揮していた。観ていて、アーセナルは全然悪くなかったし、アルテタも試合後に述べているように、ボスがちゃんと満足できるようなチームパフォーマンスだった。

ニューカッスルはとても強かった。オーガナイズとレジリエンスがあり、とくにライン間を使わせまいとするブロック守備は際立っていた。

意図的に?アーセナルの勢いを断とうとニューカッスルの選手が試合中に何度も倒れたりしたからか、プレス会見で「アーセナルしか勝とうとしていなかった」みたいな質問もあるが、彼らはアウェイでとくに守備を重視していたといっても、いわゆるパーク・ザ・バスをやっていたわけでもなかった。下位チームにありがちな、攻撃を犠牲にして殻に閉じこもるような守り方ではけしてなかった。プレスもインテンスだったし、ボールを奪えばアーセナルのカウンタープレスをかわすプレス耐性もあり、とにかくチームプレイ全体にレヴェルの高さを感じた。

正直、いまのアーセナルがアウェイで彼らとプレイしたら、勝つのはかなり難しいんじゃないだろうか。少なくとも、楽な試合にはなりそうにない。

個人的には、今回の彼らのプレイっぷりを観ていて、PLのサードベストチームと云われる理由が、よくわかった気がする。タイトル争いはともかく、トップ4フィニッシュには十分現実味がある。18試合で11失点というのも並じゃないが、あの守備クオリティならうなずける。

この試合でリーグリーダーに対して観せたニューカッスルのパフォーマンスは、今シーズンの彼らがまぐれ当たりじゃないことを強く印象づけただろう。『BBC Sports』は、このような特集記事をアップしていた。もうニューカッスルをPLの一大勢力と認めるときだと。なんだかんだ彼らは今シーズンまだ1敗しかしていない。

‘Newcastle are now a serious Premier League force’

なんでアーセナルのブログなのに、こんなにニューカッスルについてアツく書いているのかと云えば、それは新勢力の台頭はトップを狙うアーセナルにも影響がかなり大きいから。

シティとリヴァプールが独走していたここ数年のEPLにおいて、今シーズンのアーセナルの躍進(とリヴァプールの低迷)は、いかにも時代のうつりかわりを感じさせる。そして、そこにニューカッスルも入ってきているように観える。もしかしたらブライトンさえ。彼らは、ニューカッスルにくらべれば、まだグッドチームの域を出てないかもだが。

これからビッグ6がビッグ8になるのか、あるいは既存のビッグ6から脱落するクラブが出てくるのか。シティとリヴァプールのビッグ2みたいな枠組みで、あらたなビッグXが生まれるのか。

アーセナルをはじめPLのトップクラブは、今後ニューカッスルのことも大きなライヴァルとして意識しなければならなくなってきた。

金で優秀な選手を集めるだけではだめなんだよね。やっぱりコーチ。短期間であのチームをつくったエディ・ハウはすごい。

薄いスクワッドデプスの代償

この試合にアルテタが行ったサブはひとり。しかもDF(トミヤス)。1点を求めて攻撃のギアを上げたいチームにとって、とても理想的ではなかった。

以前、アルテタはPLの5サブズルールの恩恵を語っていたが、いまアーセナルはその恩恵をまったく受けていない。アルテタのサブは、毎回消極的に観えるが、今回はさすがに極端だった。それだけ、レギュラーとベンチのクオリティ差がある(とミケルは考えている)。

逆にニューカッスルは、86分のような時間にドリブルモンスターのASMが出てきた。それが、よりいっそうアーセナルのプアなベンチ、とくにアタッカーのオプションのなさを痛感させた。

プレス会見でそのことを訊かれたアルテタは、少し腹を立てたような回答をしているので、いまのアーセナルのベンチ状況(あるいはアルテタの認識)については、あまり触れられたくないようだ。

試合後のギャリー・ネヴィルは、アーセナルはベンチにオプションがないことの代償を支払ったと述べている。

ネヴィル:結局、アーセナルは回答を持たなかったのだ。彼らは相手をブレイクダウンさせられず、試合の流れを変えるオプションを持っていなかった。そして、フラストレイティングな、スクラッピーな試合になった。

ニューカッスルのファンは誇っていい。

わたしは、アーセナルが今晩悪いプレイをしたとは思わない。だが、これは彼らの現在地を示してもいる。もし彼らが、リーグのトップでこうしたタイトな試合をやるなら、彼らにはあともうちょっとが必要になる。

いまのアーセナルのベンチは、ただ万が一のときのために人数を埋めているというだけで、アルテタが戦術的に使いたいオプションがない。スーパーサブもいない。ジェズースのケガがそれに追い打ちをかけている。5人も使えるサブをひとつしか使わないというのは、その現れだろう。ネヴィルの云うように、本来は流れを変えることができるようなサブがいるべきだった。フレッシュな脚を入れたかった。その点は、アーセナルのタイトル争いにとって大きな懸念になっている。

この試合でも、ESRがフィットしていたらまた違ったのかもしれないが。

もう1月の移籍ウィンドウはオープンしているので、1月15日のNLDまでに新しい選手が決まるといいのだが。ムドリクとESRがこのチームに加われば、攻撃のオプションは、いまよりはだいぶマシになる。そして、3月くらい?にジェズースが戻ってくれば、かなり心強い。

アルテタはサンビ・ロコンガを信用していないのなら、彼をローンに出して、この冬にティーレマンスに動いてもいいんじゃないかとさえ思える。

ペナルティ?

しかし、この試合は、とてもレフがコントロールできているように思えなかった。Andy Madleyというよくしらないひと。

かなり速い試合のテンポについていけていないというか、ひとつカードの基準をつくってしまったために、その後もどんどん出さねばならなくなったみたいな。マイク・ディーン的な。

前半にカードが立て続けに5枚。26分、27分、31分、39分、41分。後半も合わせると両チーム合計で9。

アーセナルは、サリバなど、あと1枚でサスペンションの選手が何人かいて、カードに神経質にならねばならなくなってきたところだったのに。NLDに向けては、とりあえずそれを回避できたのはよかった。

そして、90分のアディショナルタイムが5分。これもアルテタがタッチラインで激しく怒っていた。「ワールドカップなら20分だった」とチャールズ・ワッツも。彼らは時間稼ぎとおぼしき行為がけっこうあったもんな。

全般的に、あまりいいレフェリングではなかった。

そんななかでペナルティ疑惑。

アルテタは後半のふたつのハンドボール事案について(87分と94分)、あれを「スキャンダラス」とまで述べているのは、彼にしては珍しく熱くなっているようにも感じた。

というのも、87分はまああれをハンボー認定されたら、ちょっとかわいそうと思うし、94分はありえそうでもあり、なさそうでもありという。微妙なところに思えたから。

それよりももっとはっきりファウル/ペナルティだったのは、57分のアーセナルのフリーキックの場面でのビッグガビが受けたものだろう。

本人が試合後にtweetしている。相手のDFがシャツを引っ張ってガビを倒していて、どう観てもボックス内のファウルでペナルティ&カード対象。

わりと最近、ああいうプレイでいつだったかアーセナルの選手がペナルティをもらったことがあったような。

さすがに、カメラにもばっちり映っているし、あれが見逃された理由が逆にわからない。

ニューカッスルはラッキーだった。

フロント4が沈黙

まあこれはしかたがないね。毎試合でゴールが続くなんてことはできないのだし。

フロントの4人のなかでもっとも光っていたのは、やっぱりサカだろうか。試合のなかで、継続して危険でありつづけている。

ちょっと残念だったのは、オーデガード。ラストパスも少しずれたり、いくつかショッツを大きく外してしまった。あのうちのいくつかが枠に飛んでいれば。

ニック・ポープにセイヴされたエディのショットは惜しかった。

ジンチェンコの重要性

ニューカッスルの固いブロック守備を、ボールでなんとかこじ開けたいという、ああいう内容の試合だったので、パーティとともにジンチェンコの重要性がより際立っていた。

瞬時の判断力と、覚悟ある縦へのパス。ボールを持ったときの落ち着き。

あのような試合のなかで、KTならまた違った良さを出していたのだろうが、総合的に観てジンチェンコを優先せざるを得ないアルテタの気持ちはわかる。

 

この試合については以上。

そういえば、この試合を観にエドゥアルドが来ていたようだ。

お久しぶり。楽しんだかな。

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4 Comments on “【マッチレビュー】22/23EPL アーセナル vs ニューカッスル・ユナイテッド(3/Jan/2023)フラストレイション。だがクオリティの高い試合

  1. ジンチェンコは足元はいいけれど、ビルドアップの時の立ち位置が微妙な気が。ブライトン戦は向こうがボールを持っていたから、そのような問題が起こりにくかったけど、今回はガブリエルがボールを持って、どうしよう?、みたいな時間があって、それはマルティネッリ、ジャカ、ジンチェンコの立ち位置が原因だと思います。そこは、シーズン序盤から放置されている問題。

  2. スクワッドデプスを常に意識されていますが収入の関係上レアル・マドリーやマンチェスターの2チーム、バイエルンと同じレベルは不可能だと思うのです。CL収入をあてにしない部分で構築すると現状は結構頑張っているのではないかという所感です。若手のブレイクでサラリーが安い選手が何人かいますから。もっとも、使われていない選手の整理でもっと浮くかもしれないですけど、その点はここ数年改善の兆しですね。

  3. ここは同意見ですね。
    マルティネッリが下がって受けられるといいかもしれないけど、下がらないし、むしろ前に置いておきたいタイプ。
    ジンチェンコはもう少し外にいないといけないタイミングがあると思います。
    アルテタ的には、ネガトラ時のセンターを固めたい意図があるのかもしれませんが。

  4. セドリックはアーセナルユースでコーチング研修を受けていたのを12月の頭で知ったのですが移籍してしまうのか
    どうなるのだろうか

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