日本時間で明日7月27日(木)朝(11:30予定)キックオフのバルセロナ@LA。これがUSツアーの最後の試合。
昨日、アルテタの試合前プレス会見が行われていたので、それを拙訳でお届けしよう。
Arteta and Jesus preview Barcelona clash
今回の会見は、ガビ・ジェズースが同席していた。
アルテタの試合前コメント「チームはフィジカルにもなれるオプションがある」
AFCオフィシャルサイトより。
(チケット需要とその配分について……)
アルテタ:ここ数年のエミレーツで生まれているすごい雰囲気に、みんなが示すべき感謝の気持ちがあるが、わたしもそのことはつねに感謝している。それは、もちろん、困難なときも信念を維持してくれたたくさんの人たちの努力の賜物だ。それは、われわれが非常に感謝していることであり、その大きな要素は、選手たちがサポーターたちに伝達してきたもの。あらためて信頼が始まり、チーム・クラブととてもつながっている感覚が始まる。
だからわたしも、そこはチャレンジになるだろうことはわかっている。クラブは最大限のことをしているし、全員を喜ばせようとしている。みんなが望むものをかなえようと、できるだけフェアになろうとしている。
わたしの観点から云えるのはそれだけ。そしてできれば、われわれがひきつづきそれを築いていけることを望んでいる。もっともっと場の雰囲気をいいものにしていく。
(ペップ・グアルディオラの影響……)
わたしがつねに云ってきたのは、わたしにとり彼が世界でベストなマネジャーということ。いっしょに働いていたときに、かなり学んだ。イルカイ(ギュンドアン)の状況と比べられる。彼がペップのもとに行ったときになんと云っていたか。
わたしの場合は、バルセロナへ行った15才のときだった。ヨハン(クライフ)の下で、彼のやっていたすべてがわかった。あのとき、フットボールがわたしが以前から知っていたものと違うものになった。彼こそが、わたしにこのゲイムをそれまでとまったく違うやりかたで考えさせ、感じさせたひとだ。
(土曜の試合のあと、リサンドロ・マルティネスとはなにを話していたので?……)
ただあそこで彼と会えたのがうれしかっただけさ。彼は個人的な知り合いでね。彼がケガから復帰したのがうれしかったという、それだけ。あとはスポーツのこと。
知り合いに会って、お互いにシーズンの活躍を願いあったというだけ。あの試合は、われわれにとっても、とても競争のあるいい試合だったよ。
(どういうバルセロナ戦になりそう?……)
土曜の試合とは違うものになるだろう。なぜなら、プレイのレヴェルがあり、相手のタイプがあり、ステディアムにはたくさんの観客がいる。彼らも期待をせねばならないし、こちらもそれを期待している。
だから、明日も、とても競争力のある試合になると思う。
(ユナイテッドの試合よりも、もっとポゼッションベイスの試合になる?……)
彼らは違うチームであり、バルセロナのDNAはつねにボールを持つことだ。そしてできるだけ早くボールを取り戻す。わたしはチャビをよく知っているし、彼ならきっとそうしてくるだろうと思う。われわれがやりたいことと同じだ。
(キーラン・ティアニーはプランに入っているので?……)
彼はわれわれのプランに入っている。キミが云うように、土曜の彼はとてもよかった。それは初めてもことでもない。彼はプリシーズンでプレイするときは毎回とてもいい。
それが、われわれがチームのなかで競争をつくりたい理由なのだ。お互いに個人レヴェルを上げ、それがチームにとって、さらなるレヴェルへ行くためのとても大きな恩恵になる。
(エミール・スミス・ロウがイングランドU21で優勝した件……)
みんなが喜んでいる。なぜなら、彼にはタフなシーズンだったとみんなわかっていたから。彼には乗り越えるべき困難がたくさんあった。そして、イングランドでプレイする機会を得て、コンペティションをベストなものにしようと、かなりの努力をした。彼がトロフィを掲げる姿にはみんながとても喜んだ。
彼が違うものを生み出せることはわかるだろう。エナジー、チームへの戻りかた。彼はいまかなり調子がいいし、彼がチームに戻ってきたことはグレイト。
(チームはより経験を増した?……)
イエス。思うに、彼(ジェズース)が、ある時期にそういったナーヴァスネスとか不安とか不確実について話すとき、そこには実際に起きたたくさんのキーモウメンツのことを云っているのだと思う。とくに、われわれの3試合連続ドロウとか。あれが、われわれ自身のなかに、ちょっとした疑念を生み出してしまった。なぜなら、そこからわれわれは、さらに勝つ必要性に迫られることになったから。
わたしは、それがシティに大きなプラットフォームを与えていると思う。自分たちの出自から勢いを築いていくという。
ひとつのことが、もうひとつのことにとても影響を及ぼすし、それがチャンピオンシップの結果に非常に重要な影響になると思う。
(ヴァイスキャプテンの決断……)
われわれには確認するためのちょっとした時間が必要だ。スクワッドがはっきりして、役割がはっきりして、いつその決断をするのか。それが決断だ。
もしそれをあまりにも安易に行うなら、途中で変更をせねばならなくなる。なぜなら、マーケットはとても予測不可能であり、そういうことはわたしはしたくない。
(ミドフィールドは十分フィジカル?……)
Brilliant answer from Arteta about Havertz being “physical”. He has a plan for us. pic.twitter.com/syZERQAx2y
— Asad🇵🇸 (@asxd_98) July 25, 2023
われわれは、いずれ正しいバランスを見つけねばならなくなる。しかし一年前ならグラニトがアタッキングMFとしてプレイすることはなかったかもしれない。だから、ワークを済ませよう。
われわれが、インサイドに4人の選手を入れてプレイするのは初めてのことだ。しかも、そのうちの3人はまだチームでプレイしたこともなかった。4人のうち3人はともにプレイしたこともない。
だから、tranquillo(落ち着け)だよ! 一日づつだ。正しいことをやりつづけて、ひとには正しいことのなかに慣れる機会を与えること。そうすればわれわれは大丈夫。
キミは“physical”という単語を使ったね。だったら、わたしが仮にグラニトとカイを使ったとして、さあどっちがよりフィジカルか? どうなんだい? (※記者が答える「グラニト……」) へえ、カイは1メーター91あるけど? だから、フィジカルと云っても場合に依るんだよ。
フィジカルというのは、ランであり、フォワードの後ろへのランだったり、タックルだったり。場合に依る。だからわれわれは、自分たちのもつクオリティーズにフィットしていくだろう。そこは間違いない。
そしてありがたいことに、われわれにはオプションもある。よりフィジカルが要求される試合なら、チームはよりフィジカルにもなれる。われわれには正しいオプションがあるよ。
(今シーズンのモチベイションと渇望について……)
それはあるし、そこには信念があると思う。それはわれわれがチームとしてとても成長したところだ。彼らのなかに自分たちが試合を取れるという信念があり、自分たちのオプションを違うレヴェルにまでもっていける。
われわれの前には、とてもチャレンジングで未来の明るいシーズンがある。
ミケルはリサンドロ・マルティネスと知り合いだったのかあ。。それでも彼にユナイテッドを選ばれてしまったのはなぜゆえに?
さて今回の会見でもっとも注目されている部分は、動画でも貼った、MFのフィジカリティについて問われたアルテタが「tranquillo!」と記者に返すところ。トランキーヨというのはスペイン語で落ち着く(=stay calm)という意味なんだそうで。アルテタはトランキージョと発音しているように聞こえる。
このやりとりについては、アルテタが一気にまくしたてるといっては大げさだが、早口にいくぶんイライラした様子がうかがえる。要するに、彼もまたここ最近のちまたにおけるハヴァーツや新MFsに関する議論を目にしているということなんだろう。あるいは、自分でもすこしは感じるところがあるのか。
だから「落ち着け」というのはこの記者への返答というよりは、ひろくファンやメディアのようなアウトプットを性急に求めがちな世論に向けたことばのようにも受け取れる。チームがフィットするのに時間がかかることは、彼もことあるごとに強調している。
なんか思い出した。ミケルはまだ冷静さは失ってない。
ガブリエル・ジェズース「去年の経験が違いになってくる」
会見でボスと同席したジェズース。
(ペップの下でのプレイについてと、ギュンドアンがペップ以前のフットボールには学びがなかったとコメントした件……)
ジェズース:イェア。ぼくも彼に大賛成だ。ぼくはクラブに加入したときは、彼よりは若かったけど。それが、当時のぼくがなぜマンシティに加入したかの理由のひとつ。
ぼくは若かったし、学びたかった。それに何人か経験豊富な選手もいたがスクワッドも若かった。だから、彼の意見に賛成だ。
(今回のプリシーズンを前回とくらべて……)
まったく同じ。エナジーがあって、みんながフィットネスのためのワークをしたがって、そしていいシーズンのスタートにしたい。ぼくらが昨シーズンにやったみたいに。
The PLだよ。とても強いコンペティションで、とてもむずかしい。だから、フィットネスのことを考えるのは、とても重要だ。
(今シーズンのアーセナルでの期待……)
ぼくらがそれをつくっている。(昨シーズンの)ぼくらはとてもよくやった。残念ながら、メインターゲットのPLを勝つことはできなかったが、すくなくともぼくらはそこまで行った。仮に世界のベストチームではなくとも、そのひとつと戦った。最後まで戦ったし、だから同じようになると思う。
いまや、ぼくらはもっとみんなに信じられるようになった。なぜなら、去年ぼくらのピッチでのワークはトップだったから。だから、当然ここにいるみんながそれを継続したがっているし、レヴェルを上げたがっている。
(ケガについて……)
そうだね、2017にやった足のケガとくらべると、だいぶ違う。それはぼくの初めてのケガだった。だから、ヒザをやるのは最後だと願いたい。いまも、ちょっとだけ足は痛いけど。
だからキツいが、フィットネスのためにハードワークしているよ。強くなって戻る。
(いまは違うアニマルになったと感じる?……)
間違いない。ぼくは助けたい。ワークしたい。ミケルから学びたいし、ほかの全員からも学びたい。
(リーダーシップグループの一員になっている……)
なにも変わってないと思うよ。ぼくは、たくさんしゃべるタイプのキャプテンじゃないけど、それを行動で示す。走り、ファイトし、勝ちたい。ぼくはかなり感情を出す。
もちろん、若い選手たちのこともつねに助けようとしている。ぼくもまだ若いが、ここではぼくが経験豊富な選手だとみんなに観られていると思う。だから、自分の行動でみんなを助けたい。話すことでも。
(ゴールの目標はある?……)
ぼくの人生にはいつでも、ひとつのターゲットしかない。最後にみんなといっしょにタイトルを祝いたい。タイトルを勝ち取ることが、ぼくのメインターゲット。
もちろんぼくも、もっと得点もしたい。それがターゲットを得るのに役立つから。でも、気にしないんだ。もっとゴールしたいけど、タイトルがほしい。それがメインターゲットだから。
(アーセナルには勢いがある?……)
外からどう観えても、ぼくはアーセナルはいま始まったのではないと思っている。それは一年前に始まったんだ。そしていまそのワークが報われている。
もちろんチームを助けに選手も入ってきているが、ぼくらにはいい選手もたくさんいる。だから、そういう新加入の選手がいて、ミスターには(セレクションが)とてもいい問題になっていると思うよ。
(アーセナルとマンシティのギャップは一年前よりも小さくなった?……)
それ以前ですら、ぼくはそう感じていた。ギャップはそこまで大きくない。もちろん、彼らはもう何年もいっしょにいて、それが違いになっている。彼らは何年も勝ってきていて、そこも違いになっている。
しかし、ぼくがここに来た初日から、ぼくはこのチームならファイトできるし勝てると信じた。残念ながら昨シーズンは勝てなかったけど、ぼくらが勝つのは間違いないと思う。
(昨シーズンはなにが悪かったので?……)
それを知るのは難しい。でもぼくがシーズンの終わりにときどき考えたのは、ぼくらはチームとしてちょっとばかりナーヴァスだったこと。彼らはナーヴァスではなかった。なぜなら彼らが勝つのはふつうのことだから。だから、そこも違いになった。
今年のぼくらはより経験をつんだし、それが違いになってくると思う。
ガビー、いいこと云うな。今年は去年の経験が違いになるというのは、確実にあるだろう。トップを競うことはシティのチームにはふつうのことでも、われらのチームには完全に特別なことだった。彼のようなシニア選手がチームにいるのはたいへんに心強い。
バルセロナといえば、もちろんアルテタの古巣であり、グアルディオラの古巣であり。フットボールフィロソフィの直接・関節の影響という意味でも、このチームともとてもゆかりが深い。アーセナルFC的には、CL時代のライヴァルクラブでもあった。両クラブでプレイしたスター選手もたくさんいる。
バルサとの試合は、マンUのとはまた違う楽しみがある。
追記:デクラン・ライスのインタヴュー@BBC Sport「ミケルならぼくのベストを引き出してくれる」
ライスのコメントを見つけたので、それを追記しておこう。LAでのインタヴュー。※今回の試合についてのトピックはない
ライス:(アーセナル移籍の理由)トロフィを勝ち取るため。それがこの選手たちがここにいる理由だ。
たった一度のキャリアだ。最後にはどれだけ多くのトロフィを勝ち取ったかで決めてもらいたい。ぼくは、このスクワッドがとても勝利にハングリーだと知っている。われわれは若く、ハングリーで、エナジーに満ちている。
昨シーズンを思えば、彼らはかなり学んだ。今年は参加しているすべてのコンペティションで、目標はひとつだ。それは勝つこと。参加するだけでなく。
(シティやバイエルンが興味を示したなかでアーセナルを選んだ)フィーリングだったんだ。とてもいいフィーリングが腹の底にあった。ぼくはまだたったの10日間しかここにいないが、もうその選択がが報われているみたいな気分になっている。
個人的には、ぼくが自分のゲイムに加えたいものがいくつかある。成長したいし、もっとよくなりたい。いろいろなことを学びたい。ミケルならぼくのベストを引き出せるとも感じている。
(16-17ぶりのCL復帰)最高だろうね。そこがフットボールの頂点だ。CLでプレイできる選手はそれほど多くはない。今年そのチャンスを得て、シャツに手をあててアンセムを聴くのはとても特別なことだろう。
フットボールでは、グレイトなことを成し遂げたり、グレイトなクラブに加入できるのはひとつのチャンスしかない。それが自分の場合アーセナルだった。
CLに参加するにふさわしい、大きな夜にふさわしいクラブだと思う。それを経験するのが待ちきれない。
ところで、このひとの“Ice ice baby”を歌ったというイニシエイションの動画が流れてこないね。チームの誰かがアップしちゃうやつ。やっぱりクラブが情報の流出を厳しく管理してるんだろうか。見たいけど。
※追記ここまで