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どうなるキーラン・ティアニー【2023夏】

プリシーズンフレンドリーのマンUでも、レフトバックでスタートすることはなかったKTこと、キーラン・ティアニー。ジンチェンコが不在であっても、キヴィオールやトミヤスがスタートに選ばれ、あいかわらずアルテタの冷遇はつづいているように観える。

ジンチェンコがLBのレギュラーポジションを確保した昨シーズン以降、KTはチームのなかでもすっかり存在感が薄くなってしまっているのは否めない。そのため、メディアなどでも彼はアーセナルのこの夏の有力な売却候補だと云われていた。

ところが、一説によればアルテタは彼のチーム残留を望んでいるとも云われ、現在具体的な彼の移籍のうわさは、一時期よりも減っているくらいだ。

アルテタはチームに彼がいることを望んでいるが、レギュラーで起用するつもりもなく。なんならジンチェンコのつぎのセカンドチョイスであるかどうかも疑わしい。なんなんだこの状況は。

マンU戦のあとに、ティアニーが単独インタヴューに応えていたので、それをネタにすこし。



23-24フレンドリー・マンU戦。キーラン・ティアニーの試合後コメント「(移籍は)自分次第ではない」

試合後のインタヴュー。『football.london』より。

KT:(Inverted FBへの適応)それは去年もやっていたこと。ぼくはそれを学んでいるところだ。

いかにそれをやるかはアレックスが好例で、誰から学ぶかといえば、それはほかでもないジンチェンコだ。ぼくは彼に学んでいて、質問もする。でも、かなりいろいろなプレイがある。この数試合では、ぼくはそれをやっていない。

なにがワークするかは千差万別。ぼくはそれをピッチ上でやる。動画も役に立っているし、ベンチにいるときだって彼がインサイドへ行くのも、そこから出てくるのも観ている。自分にはまったく新しいものとして、それらすべてが学びになっている。

ぼくはピッチの中央でプレイしたことは、これまで一度もなかった。以前にはぼくがプレイするような場所じゃなかったんだ。だから、それがいいプレイの学びになっている。それは自分のためじゃない。チームのためだ。チームに勝つベストなチャンスをもたらすこと。

ぼくは去年一度だってケガで試合に出られなかったことはなかった。毎試合でプレイできたし、いつお呼びがかかってもいいように準備してきた。それがフットボールだ。毎試合、毎シーズン、毎年欠かさずプレイすることはできない。ぼくだってそこまでは期待していないし、それでも去年は多くの試合でプレイした。

ぼくは毎試合で準備できていたし、100%で取り組んでいた。それは誰もが同意してくれると思うよ。プレイしていようがいなかろうが、ぼくがそれ以下であることは決してなかった。試合のなかでは、チームのためにベストを尽くせるようトライした。昨シーズンはベンチから出ていくプレイが多く、試合を観ていたし、ゴールを取るのを助けることもした。

(デクラン・ライスが馴染んでいる)デクランがこのまえ云っていたのは、まるでもう長いあいだここにいるみたいだということ。とても仲が良いグループで、グレイトなチームメイツとスタッフがいて、みんなそれを愛していると思う。

いくつか歌も聴いたな。デクランはいつものIce Ice Baby。彼らはとてもよく馴染んでいるし、チーム活動もいっしょにやっている。それこそ新入りに必要なものだ。

(今後について)それは、ぼく次第ではないんだ。ぼくはハッピーだよ。毎日ハードに取り組んでいるし、プレイ時間も得ている。ぼくは自分にできることをこれからもやっていくだけだ。

昨シーズンの彼はケガをまったくしていなかったというのは、ちょっと驚いた。ケガ履歴を確認したところ、たしかに彼の最後のケガは2022年のことで昨シーズンはケガをしていなかった。

それと「多くの(プレイ)時間もあった」と述べていることについては、さすがに多くはないだろうと思ったが、昨シーズンはすべてのコンペティションで36試合でプレイしていた(そのうちPLは27)。ただしプレイ時間は全体で1458分。平均すればおよそ40分/試合。PLでスタートした試合は5試合しかなかった。

せっかくずっとフィットしていたのに、アルテタには使ってもらえず。ほとんどの時間ベンチでくすぶっていた。にもかかわらず、彼はベンチからジンチェンコのプレイを観て学んでいたと云う。なんというプロ意識だろう。もはや涙ぐましいほど。

移籍については、「自分次第ではない」と云っているのは、どういうことなんだろう。アーセナルとの契約は2026までとまだ長期に残っていて、アーセナルが移籍を許していないということか。それとも、彼を適正金額でほしがるクラブがないとか。KTほどの選手なら、多くのチームが手を挙げそうではあるが。これいかに。

彼には依然としてニューカッスルが興味を持っているとも云われるが、最近はニュースにもならない。KTが移籍するにしても、まだ時間がかかるのかもしれない。

アーセナルでKTの生きる道

この前このブログで、ベン・ホワイトの役割について、それを左右で反転させればKTも活きるのではないかみたいなことをちょっと書いた。

そのときに書いたベンジャミンの役割というのは、逆サイドでフルバックがインヴァートしているときに(※そのときはLBのキヴィオール)、残りの3人のCBで形成される3CBのRCBでありつつ、オーヴァーラップで攻撃参加もやる役割のこと。RCB兼RWBみたいな。

あれはKTにぴったりじゃないかと。彼はもともと3CBのLCBでプレイできるのだし、オーヴァラップしてクロスを上げるウィングバック的な振る舞いは、まさに彼のストロングポイントなのだから、左右を逆転してやればうまくいくのではないかと。まあ、DFの攻撃参加は前の選手だって影響があるから、うしろだけ左右反転するだけじゃなく、前のことも同時に考えなきゃいけないのだろうけど。

(ところで、アルテタは両フルバックを同時にインヴァートさせるつもりはないのかもしれない。彼のこれまでのやりかたを観ていると、両方を同時にインヴァートさせるのは守備のリスクが高いと考えているのかも。だからフルバックひとりがMF化したとき、もうひとりはCBとしてうしろに残る)

というようなことがあって、その後に、ジュリアン・ティンバーがチームに合流し、彼が右サイドでInverted FBをやるようになると、redditでもまったく同じ議論がされていて興味深かった。

ジンチェンコ(Inverted↑)、ガビ、サリバ、ホワイト

あるいは

 KT、ガビ、サリバ、ティンバー(Inverted↑)

これはまったくKTの活きる道のように思えるが、どうなのだろう。

アルテタはKTをどう考えているのか?

問題は、そもそもアルテタがKTを活かすためのプランをちゃんと考えていてくれているかどうかかもしれないとも思う。外野がいくら騒いでも、当事者がなにもしてくれないのではお話にならない。

このジンチェンコをケガで欠いているプリシーズンですら、キヴィオールとトミヤスがLBで優先されているという現状があるので、アルテタがKTのことをそこまで気にしているかどうかは怪しい。

もちろん、アルテタにとってKTは、キヴィオールとトミヤスに比べたらよく知っている選手だから、この夏はテストを優先しているという見方もできるだろうが、昨シーズンの実績を観るに、それもちょっと信じがたいように思える。

いまアーセナルのLBは、人員過剰な状態だろう。

ジンチェンコのフィットネスはあまり信頼できないので、クオリティあるバックアップが必要だが、それでもレフトバックには、KT、トミヤス、キヴィオールと3人もオプションがあり、おそらくとくにキヴィオールはこのプリシーズンでも、かなり存在感を増していると云える。マンUでひさびさにプレイしたトミヤスも、アルテタは満足したのではないか。彼はLBとして、リヴァプールのようなかなり重要な試合で、すでにKTより優先して起用された実績もある。

多くの状況が、この夏のKTの移籍を示唆しているように思えるが、それでもKTはチームに残るのか。

せめて、アルテタがこの「左サイドのBW化」のようにKTを活用するそぶりでも観せてくれたら、納得もできるのだが。いまのところ、状況はちぐはぐなままだ。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

One Commnet on “どうなるキーラン・ティアニー【2023夏】

  1. いつも読ませていただいています。ありがとうございます。

    この手の話題になるとアルテタがティアニーを活かせるかという事ばかり言われるけど、ティアニーのパフォーマンスに言及しないのは何故?
    ユナイテッド戦だってトーマスが絞って、ティアニーが大外でボールを持つ場面も多かったけど前にスペースがあっても運ばずに、自分のタイミングでフリーで上げてるのにクロス精度が低すぎる
    データ上でも昨年のクロス成功率は確か12%程度でかなり悪かった
    ジャカやホワイト、トーマスはじめ皆んなが進歩して強くなったのに、ティアニーだけそのままどころかパフォーマンスが落ちてるのに監督だけ責められるっておかしいですよ

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