昨日、AFCインサイダーのひとりと云われるTNATこと@Teamnewsandtixのポストが話題だった。
Football business changes so quickly.
This time last week I’d of expected Toney to be a Arsenal player in the summer.
I’m now quite confident that he won’t be
— Team news and ticks (@Teamnewsandtix) February 18, 2024
フットボールビジネスというのは目まぐるしい。
先週のいまごろ、わたしはToneyは夏にはアーセナルの選手になるものとばかり思っていた。
そしていま、彼はそうならないと確信している。
なんと。
Toney自身は、先日も夏の退団は確実とマネジャーが認めたとかでニュースになっていた。
いや、べつにぼくも彼がぜったいアーセナルに来ると思っていたわけでもないが、いまのタイミングでアーセナルの内部で、すでにそういう話がされているというのはちょっと興味深いと思った(もちろんほんとなら)。夏までは、まだ時間はあるから。
ストライカーレスでも、かなり攻撃がうまくいっている昨今のアーセナルだからなのか、あるいは関心はべつのターゲットに傾いているのか。
2024夏ストライカーのドミノエフェクト。トーニーはアーセナルに来ない
冒頭のtwが注目を集めていたとはいえ、Toneyがアーセナルに来ないというのは、この夏にストライカーの補強を目論んでいるヨーロッパのビッグクラブの状況を注視していると、わりとメイクスセンスだったりするようである。
そこでは、なにが起きているのか。
まず、Mbappe。彼は、夏にフリーエイジェントでPSGを離れる。これはすでに確定している。
彼の移籍先はレアル・マドリッドが本命と云われ、PLならアーセナルかリヴァプールとも。ただし、英国クラブが彼を獲得するにはFFP/PSRもあり財政的なハードルが高く、現実味は乏しい。レアル。
そしてMbappeを失うPSGは、彼のリプレイスメントにナポリのOsimhenに向かうと云われている。もちろん、ナポリは彼に€120mのような巨額の移籍金を要求するはずで、PSGはそれを支払える世界に数少ないクラブのひとつ。
Osimhenは、もちろんアーセナルやチェルシーがねらっていたターゲットでもあるため、ここで彼がフランスへ行くとなれば、別のターゲットに向かわざるを得ない。アーセナルやチェルシーがToneyに向かう可能性が高まる。
いっぽうブレントフォードは、いまだ強気で、夏には残り契約一年の選手に過大な要求をするとみられている。それに応えるのは誰か。チェルシーがToneyを獲得する。あるいはToT。
つまり、Toneyはアーセナルには来ないのである。
……みたいな。
ドミノエフェクト。いや、しらんけど。
トーニーいる?
手に入らなくなったから、手のひらを返すわけでもない。
そもそも、Ivan Toneyはアーセナルに必要なストライカーかどうかという議論はある。
彼は、ここ数年のアーセナルのNo.9議論のなかでは理想に近いプロファイルではあったし、ラヤのロングボールとの相性もいい。いまも彼に期待しているアーセナルファンも多いと思う。
しかし個人的には、正直、想定される彼の移籍金(£60-80m?)には釣り合わないんじゃないかと思っていた。安ければよいだろうが、どうもそうなりそうにない。
これは冒頭に貼ったtwへのリプライで、この意見にはけっこう同意できる。AFCニュースアグリゲイターのZ氏。
We don’t need a taller version of Lacazette, it would set us back for years. Relieved, the club see it that way. https://t.co/tMyt9mVSJa
— Z (@ZRAFC) February 18, 2024
われわれには、長身ヴァージョンのラカゼットはいらない。何年かチームが後退することだってありうる。クラブでそんな観かたがあるなら安心した。
Ivan ToneyはPLでNPGで14点以上取ったことがなく、ドリブルもできないし、ペイスもない。そして来年には29才(※訳注:来月3月に28才になる)。彼の多くのゴールがタップインであり、シンプルなチャンスを逃すことも多い。
夏には彼の契約は残り12ヶ月。アーセナルは£40-50m以上は出してはいけない。
いまアーセナルのチームをさらに進歩させられるストライカーって、めちゃくちゃハードル高いのはたしか。
彼の高年齢への懸念については、イアン・ライトがアーセナルに移籍したのが28才のときだったという事実が反論として利用されることが多い。
それにしても、若いほうが安全なのは間違いない。よほど優秀である場合をのぞき、30を超えればリセイルヴァリューは自ずとかなり減るから。高齢選手との契約は、財政的にもリスクがある。それが安くないとなれば、なおさら。
アーセナルのストライカーへのニーズの変化
いま、かなりうまくいっていると思われるチームの現時点でのCFのオプションは、
- ジェズース
- (エンケティア)
- ハヴァーツ
- トロサール
がいる。ここにマルティネリやESRを加えてもいい。けっこう幅がひろい。エンケティアを( )に入れたのは、彼がこのチームの中長期プランのなかに含まれていると思えないので。
ジェズース不在のいま、ハヴァーツが好調で、MFとしてもFWとしても使えるヴァーサティリティはアルテタの大のお気に入り。彼を気に入らないファンもだんだんと認めざるを得なくなってきたという感じはする。
そしてトロサールは、9のオプションとしてはサードか4thあたりに過ぎないものの、この2試合は彼が9でプレイし、チームは11ゴールをぶっこんでいる。
だいぶ潮目の変化を感じる昨今。
Toneyがもっとも期待されていた時期のアーセナルの理想のストライカー像は、長身でフィジカリティのあるオールラウンダータイプだったと思う。ボックスでの存在感。が、それ以来時間もたち、身長やフィジカリティの部分では、すでにハヴァーツが多くを担えていたりする。とくにロングボールのターゲットとして。
そう考えると、いまのアーセナルがストライカーに求めるプロファイルは、以前とはちょっと変わってきているんじゃないかとも思える。
つねに変わらない9への期待は、もちろんゴール。だが、それ以外の部分は現状のオプションで十分まかなえているような状況があるなかで、ここでゴール記録が中途半端な選手を取るとすれば、それはジェズースのような高い付加価値(ゴール以外のサムシング)があると認められる選手に限られるんじゃないだろうか。
その点で、Toneyのストロングポインツは、いまのアーセナルにはややアピールが弱まっているような気はする。もちろん彼は悪い選手じゃないが、大金を投じるリスクをかけてまでほしいかどうか。
ストライカーよりウィンガー?
直近のジェズース不在でゴールを量産している流れから、アルテタの「ゴールはシェアすべき」という信念はますます強まっているような状況で、なんなら夏はストライカーよりウィンガータイプに目が行くなんてことにもなりかねない。
最近もちょうどウォルヴズのPedro Netoの夏の退団が示唆されているとかで、アーセナル界隈では彼のうわさが再燃していたし、Nico WilliamsやTake Kuboもアーセナルとリンクされているウィンガー。もし彼らを取るなら、それなりのコストがかかることは必至。
あるいは、いま飛ぶ鳥を落とす勢いのサカが、いずれ中央での役割にステップアップする将来だって、ぜったいないとは云えない。彼はなんでもできる。マルティネリだって、ゆくゆくは9でプレイするかもしれない。若い彼らには無限の可能性があり、これからティエリ・アンリの足跡を追うことも、そこまで非現実的とは思わない。
だから、大金をかけてゴール記録の中途半端なストライカーを取るくらいなら、その予算はウィンガーに回すというのはけっこう現実味がありそうに思える。予算をウィンガーへぶっこみ、ストライカーはミカ・ビエレスでいいか(笑)。
優秀なストライカーを探すのは難しいと、アルテタはこれまでも何度か話している。実際、この世界でビッグクラブの眼鏡にかなうストライカー(市場に出ている)というのは非常に希少価値がある。だから高い。
いまのアーセナル界隈で取りざたされる名前としては、以前このブログでも取り上げたボローニャのJoshua Zirkzee、RBライプツィグのBenjamin Šeško、スポルティングのViktor Gyökeresなどがいるが、逆にその程度しか名前が出てこないのは、いかに優秀なストライカーが少ないかを物語る。
それにアーセナルも、もう中途半端な選手を買ってお茶を濁しているフェイズではなくなった。なにせタイトルを狙っているのである。取引のひとつひとつが超重要。
そういえば、昨日今日でニューカッスルへ行ったIsakのうわさも見かける。またアーセナルとリンクする報道でもあったのかも。
ということで、夏のストライカー補強がどうなるか。残りシーズンの攻撃パフォーマンスも影響するはず。
ひとまずToneyが来ないっぽいことはわかったということで、今後どうなるかみてみよう。
じつは、Mbappeへ行くのかも?
おわり
今のメンバー、プレス上手い選手多いなあと思うジェズス以上に上手くやってくれる9番となるとまたかなりハードルが上がりそう
ウイングなら全く噂ないけどアルミロン(30歳)推し