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【試合前記者会見】23/24 EPL マンチェスター・シティ vs アーセナル(31/Mar/2024)

AFCオフィシャルサイトにはない会見のつづき……

(アーセナルはトップにいるのにタイトル争いの本命と云われないことに不満?……)

いいえ。彼らには(本命と云われる)理由がある。それを7-8年もかけてやってきて、誰もが彼らがまた勝つと信じている。それが無理だと思われる理由もない。

(そういうナラティヴを変えたいでしょう?……)

われわれはまだそれをやっていないから。現時点でわれわれがシティやリヴァプールのように語られるとは思えない。

(選手たちのマインドセットを変えるためにYNWAをかける必要がなくなるほどチームは強くなった……)

それについては、わたしはホームでマンシティを倒したときにもあることをしたんだ。勝つためにそれが必要だったから。そして彼らは、ベストなマインドセットにあったし、どんな相手でも行けると確信した。われわれは、そのためにいろいろなツールを使うことができる。

(エミレーツでしたように、フィジカルにアグレッシヴに行く必要がある……)

アグレッシヴに行かねばならない時間はあるし、彼らにはピッチのほかのゾーンにいく能力があるので、それには適応せねばならない。そして、われわれにも同じクオリティがある。

だから、結局はセットピースや彼らがやってくることに対して守らねばならない。ピッチのどのゾーンでも同じようにふるまうことはできない。

(アーセナルはシティと同レヴェルだと認識されるべきだと思う?……)

PLを4-5回勝って、CLも勝って、こんなにコンスタントにこの位置にいるのに?

(シーズンのこのタイミングでこの試合。どれほど神経が試される?……)

まだたくさんの試合が残っているし、われわれはこうしたビッグゲイムをプレイすることで学んでいる。久しぶりのCLでもほとんどの試合がビッグゲイム。そうした経験が必要で、早く学んでいくことが必要だ。

(PLとCLを競うために去年の経験を活かしている……)

間違いない。できればコンスタントに学び、ブレントフォードやポルトの試合から学び、それがつぎのバイエルンに役立つ。すべてにおいてよりよくなれる。

(去年ホームでリヴァプールを倒し今年も倒した。シティの試合も10月の勝利が精神的に役立つ……)

心理的には重要だと思う。それが自信になり、そうした試合をプレイすることでチームのなかに違う種類の信念が生まれる。実際に彼らを倒した。

われわれがベストなら、それをやるキャパシティはある。

(去年エティハドから立ち去るときの気持ちはおぼえている?……)

ナイスではないね(笑)。これは保証するが、わたしはあれはもう体験したくない。なぜなら、あのあととても難しくなったとわかっているから。われわれは、何ヶ月もファイトしてきたというのに。

(日曜にはどこがカギになる? サカ、サリバ vs ハーランド……)

これとこれとかひとつづつ云えたらよかったけど(笑)。でもそうじゃない。たくさんのことがある。たくさんの細かいことがあり、個人パフォーマンスがあり。こうした試合で勝つには、個人がベストでいる必要があるし、チームも同じ。

相手の弱みを利用するために準備をしていく。そこは間違いない。

(シティに勝つにはタレントが問題になるのか、メンタルが問題になるのか……)

どちらもかな。彼らには個人クオリティも集団クオリティもあり、クラブとしての経験もある。リソースがあり、かけてきたハードワークがある。

精神的には、ひとつかふたつ勝つのはOK。だが、コンスタントに繰り返し勝つのはなにか他のものだ。それが、われわれがやらねばならないこと。

以上

 

会見に参加した多くの記者が、シティと対戦するチームとして、いまのアーセナルはかつてないほど充実していると感じているようである。これは、世間一般の印象とそう変わらないだろうとも思う。これまでも、結果こそ出なかったがアーセナルはシティ相手になかなかの試合をやってきていて、今年はすでにPLで勝ってもいる。

もはや両者の実力やクオリティは伯仲しつつあり、もうどこかで立場が入れ替わってもおかしくはない状況が来ようとしている。ただ、現実的にはアーセナルがその実力やクオリティを彼ら相手に発揮できるかどうかがカギで、最大の問題といえよう。

会見でもやりとりがある「ナラティヴ」については、この試合に向けてメディアでもPLのタイトル予想が盛り上がっていたなかで、どこでもだいたいアーセナルの3位フィニッシュが予想されていたことについて云っているのだと思う。わしが以前このブログで取り上げたThe Atheleticのアーセナルライターたちの予想(ほぼ全員が1位を予想)など、完全なるアウトサイダーであった。アーセナルの実際のクオリティをまだみんな信じていないという。前日セスク・ファブレガス氏も「みんなが考えているよりアーセナルは強い」と警鐘を鳴らしていたぞ。

Optaなどのデータプロヴァイダ系の予想だと、過去実績がもとになっているのだろうから、突然に強くなったアーセナルのタイトルに説得力が不足していて、不利な予想になるのは当然でしょうけどね。

あとは、この会見ではタイミングのおかげか、シティのチームニュースについてのやりとりがほとんどないようだが、彼らもキープレイヤーたちにシリアスなケガ人が出ている模様。そこも結果に影響を与える可能性がある。

この試合の話題以外では、この会見ではベン・ホワイトの代表チーム招集拒否についてのやりとりがけっこう多い。関心が高い。

彼と英国代表のあいだに起きた件について、このブログを読んでいるようなコアなファンで知らないひとはあまりいないと思うので詳細は書かないが、それも含めて今回の試合に向けては、ナショナルチームとクラブに関する話題が盛り上がっていた。今回は、招集を断ったホワイトのことで、アーセナルがとくにナショナルチームを軽んじているというような風潮さえ一部メディアが扇動していたようだが、実際はどのクラブ・選手も似たようなことをやっているという。

今回のIBで、シティのStonesとWalkerの英国代表ふたりが2試合連続で試合が始まってすぐ交代になったことも、この議論がアツくなるのを助けた。まあ、実際彼らはほんとに負傷したみたいなので、この論争に巻き込まれたのは事故っぽいが。

ところでこの件では、ジェイムズ・マクニコラスが、こういう明らかな「クラブ>NT」という風潮は、イングランドでも15-20年くらい前なら考えられなかったと述べていて、興味深かった。昔は、一般的に選手が栄誉あるNTを軽んじるなんてけしからんと云われていたのに、最近では、もはや選手が国に呼ばれることが多くのファンに疎まれるほどになり。クラブでタフな試合がつづくなかで、マイチームの選手が国の代表選手として呼ばれることが、あまり喜ばしいことでなくなってしまっている状況がある。

代表チームが最大の人気コンテンツみたいな日本みたいな国ならともかく、イングランドみたいな国でも昔はそうだったのかと興味深く思った次第である。

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