アストン・ヴィラについて
23/24シーズンは4位でフィニッシュ。今年はCLもある。
ウナイ・エメリは、間違いなくアストン・ヴィラを再生させた立役者。AFCで落とした評判を取り戻している。このひとは、やっぱりプレッシャーが過大なビッグクラブ(メガクラブ)ではなく、リーグでも2番手、あるいは3番手グループあたりのミッドテーブルクラブがいいのかもしれない。UELでの極端な成功が、それをよく物語ってる。よくも悪くも、個性的なひとだ。
さてヴィラのスクワッドの去年との違いについては、まずアーセナルが数年前に実際にオファーもして断られたDouglas Luizが、€50mもの巨額でユヴェントスへ移籍している。彼は間違いなくチームの中心選手だった。それとウィングのMoussa Diabyがサウジへ。こちらも€60mという巨額。
いっぽうで彼らはエヴァトンからAmadou Onanaを獲得。彼はもちろん長らくアーセナルとリンクされていたターゲットであり。LuizからOnanaのリプレイスでは金額的に多少足も出ているものの、年齢も3才下がってよきスクワッドビルディングに見える。
つまり、彼らのダブルピヴォットは、OnanaとTielemansという奇しくもアーセナルとリンクされていたふたりだったりする。
フォーム
PL初戦は、WHU(A)で2-1勝利。
ぼくもハイライトでこの試合を観たが、実際WHUとは互角くらいに観えた。スタッツ上も大きな優劣はない。せいぜいドロウがふさわしかったのではないか。そういう試合で勝つのは強いチームだ。
チームニュース
Tyrone Mings、Boubacar Kamaraがアウト。
初戦を欠場したセカンドGKのRobin Olssonがダウト。
キープレイヤーズ
アーセナルにとって最大の脅威は、間違いなく9のOllie Watkins。グーナーのひと。夏のEuroでもチームの低パフォーマンスに苛つくイングランドサポーターが、しきりに彼の起用を求めていたことを思い出す。
彼は、これまでアーセナル相手に8試合でG5とわれらの天敵。去年のヴィラパークでもG1を決めている。彼のディフェンス裏へのランに要注意。
それとアーセナルの左サイド守備のチーム事情もあり注目しておくべきなのが、RWのLeon Bailey。本人がリヨン・ベイリーと発音してた。
キングストン出身のジャメイカン。この夏はネルソンやESRらとジャマイカで休暇を過ごしていた。もともとヴィラはアーセナル同様、右サイドからの攻撃が持ち味のチームで、今回もBaileyにボールがわたったときは、緊張感がありそう。
GKのエミマルは……まあいいか。
Head to head
PLの直近6試合で、ヴィラのW2 D0 L4。
ただし、このヴィラのW2は昨シーズンのもの。アーセナルのPLタイトルを阻んだダブル。
アストン・ヴィラの戦術について by エイドリアン・クラーク
AC:戦術的観点から、今年4月にアーセナルを2-0で破った試合におけるエメリは完璧に抜け目がなかった。後半の彼は、ふだんは高く保つハイラインを維持するよりも、バック4を深く落としてライン間にあるオウンハーフのスペイスを消した。
それによってアーセナルは裏へのランを阻まれ、攻撃をスロウダウンさせられることに。わたしは今回もアーセナルの元コーチはそれを繰り返そうとしてくると思う。
カギとなるのは、そのセットアップをアンロックすること。もしヴィラがラインをハーフウェイまで上げてオフサイドを狙ってくるなら、よきタイミングで深くからのランが効果的になる。ハヴァーツとマルティネリのふたりは、ラストDFの裏へのスプリントをしかけることにかけては非常に賢い。
わかりきったWatkinsの脅威のほかには、Baileyが間違いなくもっとも注意が必要だ。このジャマイカ人はヴィラの右翼で高いポジションを維持し、爆発的ランがある。彼は前回のこの試合でも素晴らしいアシストをしたし、ノースロンドンではゴールも決めている。
MFバトルもおもしろそう。わたしはMorgan Rogersが、No.10からエンジンルームの深くに落ちてくると予想する。そしてJohn McGinnが左からインサイドに入ってくる。
もしピッチの中央が混んでくれば、われわれはボールを素早く効果的にウィングに渡さねばならない。プレイを間延びさせて、ヴィラのフルバックを孤立させるのだ。