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【マッチプレビュー】24/25 EPL ToT vs アーセナル(15/Sep/2024)オーデガード、ライス不在を乗り越えて

試合結果予想

BBC Sport (Chris Sutton’s prediction) 3-2

Sky Sports (Jones Knows) 1-1

WhoScored.com   2-3

三者三様。アーセナルの敗け予想はひさしぶりに観た気がする。ゴールは多い予想。

Chris Sutton(BBC Sport):アーセナルのボス、ミケル・アルテタは新契約にサインしたばかり。だから、もしかしたら彼の頭の中はNLDのことよりも、新契約のことや新居をどう飾るかでいっぱいかもしれない。

と、冗談はともかく、ライスとオーデガードというかなり大きな不在が、彼らに大きなインパクトになるのではないかと感じずにいられない。アーセナルには、ジョルジーニョやパーティといったクオリティある選手もいるし、彼らをミドフィールドにいれることもできる。だが、不在のふたりは彼らのベストプレイヤーだ。

ガナーズはこの試合でもチャンスをつくるだろうし、ゴールするとも思う。彼らは昨シーズンのこのフィクスチャを3-2で勝ち、エミレーツでは2-2のドロウだった。わたしは似たようなものになると予想する。

しかしながら、今回はスパーズを推す。これを読んでいるひとは、わたしがドロウを予想するだろうと思うだろうこともわかる。しかし、そうはしない。わたしは「Angeball」が上回るほうで行く。

今シーズンのスパーズは試合を支配し、チャンスもつくっている。しかし、あとは彼らはボールをネットにいれる必要がある。それがおこで起きそうな気がしている。もしわたしが正しければ、そのときは同時にタイトルをマンシティに手渡すことになるかもしれない。

Jones Knows(Sky Sports):オーデガードとライスが不在で、アーセナルにはミドフィールドにセレクションの問題がある。わたしは、アルテタがこの試合をCLのアウェイのノックアウトゲイムのように扱うように思える。敵対的雰囲気のなかで、ポイントを得られたらそれは悪い結果ではない。

アーセナルが、どの場面でもロウリスクなフットボールでホームの観客を黙らせようとすれば、わたしはそれが可能だととても思う。アーセナルには際立つアウェイ記録があり、スパーズをイライラさせることができる。

アーセナルは2024年、アウェイ試合から取得可能な30ポインツ中28ポインツを取っている。そして、今年はアウェイでいまだに追いかけたことがない。彼らのアウェイ10試合での失点はわずか3である。

Ange Postecoglouのチームを苛つかせるには、人数をかけて守り、ワイドからのオーヴァーロードをブロックすること。スパーズはロウブロック守備を破ることについては、とてもストリートワイズというわけではない。

彼らは多くのショッツを放つチームにはなったものの、彼らのxGリターンはそれに見合わないものだ。その問題の本質は、ハイクオリティなチャンスをつくること。

わたしは、アーセナルがこの試合をロウスコアリングゲイムにすることができると思う。

ちなみに、今回の試合の舞台となる2019年にオープンしたTottenham Hotspur Stadiumは、PL史上でもっともドロウの少ないスタジアムらしい(9/101試合でたった9%)。しかも、スコアレスはまだやったことがない。

試合のみどころ

今回はいっぱいあるなあ。メディアでも取り上げられているようなキーポインツをいくつか挙げよう。

オーデガードとライス不在にアーセナルはどう適応するか

これは、オーデガードのケガが発覚してからもうずっと界隈では議論されていることである。

シーズン開始直前にメリーノが負傷し、ライスが前回試合のレッドカードで1試合バン。さらにIB中にはオーデガードまでケガをしてしまうという。

メリーノはまだチームでプレイしていないのでインパクト云々はともかく、ライスとオーデガードは昨シーズンもほとんどのPL試合でプレイしていた完全なるレギュラーであり、中心選手であり、影響は極めて大きい。このチームは、このふたりの不在にまったく慣れていない。

彼がいない試合がいた試合の1/10しかないのでこの比較はあまり参考にならない

ここは、この試合の大きなみどころになるだろう。ToTはその不安定さに付け入ろうとするだろうし、アーセナルはそれに適応せねばならない。

チームセレクションについては、いろいろなメディアを観ていても、やはりMFの足りない部分はジョルジーニョを起用するアイディアが人気のようだ。アルテタは、これまでビッグゲイムではしばしば彼を信頼し起用してきたということもある。

スターリングやワニエリはやはり試合の流れを変えるためのサブとして、ベンチに置いておきたいと考えるほうが自然かもしれない。

ToTのハイプレスへの対応。しかしハイラインにチャンスあり

AngeのToTのもっともわかりやすい特徴は、インテンスなハイプレスとかなり高いDFライン。今年もそれは健在のようだ。

以下、キャプチャ画像はSky Sportsの動画からとったので、色味変でごめん。

彼らは、今シーズンに入ってからのHigh turnovers(高い位置でボールを奪う)のスタットがPLでもダントツ。それだけハイプレスがインテンスということ。もちろんサンプルサイズは小さいけれど。

プレスの強度を示すPPDA(Pass per defensive action)は少ないほど強い。アーセナルもアグレッシヴだが、ToTはそれを上回る。

この試合でも、アーセナルはバックからのプレイには細心の注意を払う必要がある。ラヤは前回それでやらかしてゴールを奪われている。今回はもっと安全にロングボールを選択すべきかもしれない。致命傷を回避できる。

ハイプレスとセットになっているハイラインについては、もちろんアーセナルには同時に彼らの高いDFライン裏の広大なスペイスを使えるという利点がある。彼らにはハイリスク・ハイリターンな戦術であり、ハイプレス&ハイラインのチームにダイレクトプレイは効く。

ToTの守備の脆弱さ。とくにセットピースに問題あり

彼らとのスタッツ比較では、概ね彼らのほうが優れている数字が多いのだが、こと守備に関しては、かなり大きな隔たりがある。

昨シーズンのスタッツ。ポゼッションや前方へのパスは、ToTがアーセナルを凌駕している。

それが守備になると、突然ToTはガタガタになる。かたやアーセナルはほとんどリーグベストの数字。

なかでもさまざまなところで繰り返し指摘されているのは、ToTのセットピースのまずさ。セットピースからの失点はリーグワーストに近い。この部分に関しては、ほとんどリーグベストとリーグワーストのクオリティ差になるため、アーセナルとしてはそこを利用しない手はない。

以下BBC Sportから。

昨シーズンのセットピースからのゴールは、アーセナルがToTのちょうど2倍。

同じくセットピースから失点では、ToTがアーセナルの2倍以上。

彼らのセットピース問題は昨シーズンから疑問視されていたそうで、今年5月昨シーズンの終盤、これについて問われたAngeは以下のように答えたという。

興味がない。そう思ったことがない。

わたしのコーチングキャリアで、セットピースについて問われるのは初めてではないが、そこには、わたしがそれをまったく気にしていないという理由がある。

ビリー・ジョエルを引用すれば、正しいかもしれないし、狂っているのかもしれない。しかし、追い求めているものがおかしいのかもしれないじゃないか。

わたしは、最終的に成功できるチームをつくるつもりであり、それはセットピースに取り組んだおかげにはならない。

ビリー・ジョエルを引用されたら返すことばがないね! ただ、少なくともアルテタはこの意見には賛成しないだろうと思う。われわれはセットプレイでタイトルを取りかねないチームであるからして。

 

ということで、われわれは彼らのハイプレスには十分注意して、リスクの低い慎重なプレイを心がけ、守ってはいつものようにゴール前で厚いブロックをつくり、攻めてはハイラインの裏が狙えるカウンター状況や、セットピースで彼らの息の根を止めればよろしい。あのブライトンの後半でたっぷり守備練習したと思えば。今度こそ、少ないチャンスでも容赦なくゴールを決めないと。

アーセナルのキープレイヤーは、やっぱりハヴァーツ。9だろうが8だろうが、彼が攻守に輝くなら勝機が見える気がする。おそらくいつもより増えるであろう、ラヤからのロングボールのターゲットとしても大きな期待がかかる。

それと、ジョルジーニョ。アーセナルに来てからも数々のビッグゲイムでチームを救ってきた。彼がプレイするなら、おそらくボールを持つたびに相手が殺到するはずで、そんななかでもゲイムメイキングできるレヴェルの高さを見せつけてもらいたい。

サカも忘れちゃならねえ。最後に違いをつくるのはもちろんゴール。今週は、あろうことか、あのロバート・ピレスが「(Dokuと比べて)サカにはまだ一貫性が足りない」と述べて、アーセナル界隈は軽く炎上状態であった。もちろん、実績的にもそれにはまったく当たらぬ不当な主張なのだが、だからこそここでサカがゴールでも決めるようなら、よりいっそう気持ちいいものになる。

 

 

キックオフは、日本時間で9月15日(日)22:00。今晩。

この超重要な一週間のはじまり。なんとしてでも勝っていただきたい。応援しよう。

COYG!



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