PSGについて
アルテタがかつてプレイしたクラブ。
彼らは、金にものをいわせてフランスを席巻しながらヨーロッパではいまだ成功しておらず、CLタイトルはクラブの悲願。今回のCLは、かなりタフなリーグフェイズを勝ち抜いてここまで来たこともあり、だいぶ自信もあるようだ。
今シーズンのリーグアンでは、現在2位OMに20ポインツ差の1位。すでに優勝が決まっている。GD+53は、2位と倍以上の差。つまらんリーグという自覚はあるか。
だがCLでは、わりと敗けてる。リーグフェイズでは、アーセナル(A)、アトレチコ・マドリッド(H)、バイエルン(A)に敗け。PSVとはホームで引き分けている。このフォームによって、ノックアウトラウンド進出するためのプレイオフを強いられた。
しかし、R16でリヴァプールに勝ち抜け(ホームで初戦を落としながらアウェイで勝ち。ペナルティ)、QFではアストン・ヴィラに勝ち抜け(ホームで勝ちアウェイで逃げ切り)で、ここまでやってきた。
リヴァプールやヴィラとの試合を観ても、彼らはアーセナルが対戦した10月のチームとはまったく違うチームに見えた。したがって、前回わりと楽に勝てたからといって今回はまったく油断はできないだろう。
彼らが強くなった理由のひとつは、冬の補強で€70mという巨額でナポリからKhvicha Kvaratskhelia(難読すぎウケる)を取ったことがある。彼の加入でチームが変わった部分はかなりあるんじゃないか。
彼らの結果を眺めていると、冬ウィンドウの前後ではっきりとフォームに違いがある。国内リーグではシーズンを通して全般的に安定しているが、すべてのコンペティションで観るとあきらかにポインツを落とす試合が減っている。
それとアーセナル的には、前回の対戦では不在だったOusmane Dembéléの存在がカギになるだろう。彼は、今シーズンのリーグアンでG21 A6。CLではG7 A3。チームのエース。
彼らは当然この試合のスタートも予想されている。
フォーム
リーグアンの直近6試合では、W4 D1 L1。
この敗け1は、リーグでは彼らの今シーズン最初の敗けという。先週末ホームでニースに3-1。この試合のために選手を温存したわけではなく、レギュラーチームだったらしい。
それと、その前の試合もNantesにアウェイで1-1ドロウとポインツを落としている。このポインツを落とした直近2試合の前は10連勝をやっているので、突然にフォームを落としているかっこうだ。もうリーグ優勝が決まったからという理由もあるかもしれない。
とはいえ、われらもCLのことが気になりすぎて、PLではポインツを落としまくっているゆえ、PSGがそうだったからといって、それが彼らのフォームだとあまり真に受けないほうがよいように思う。ましてや、彼らはリーグタイトルも取って国内はもう終わったみたいな状況である。手を抜ける立場がある。
CLについては、R16リヴァプールとQFヴィラのことを上にちょっと書いたが、勝ち抜けたとはいえけっこうギリギリではあった。リヴァプールとはホーム・アウェイで同点だったためにペナルティ戦で勝負を決めたし、ヴィラとはファーストレグでリードしながら、セカンドレグでホームで戦うヴィラの怒涛の追い上げもあり、まさにあと一歩でこれまたペナルティ戦もありえる状況だった。
彼らはCLリーグフェイズではシティにも勝っているため、英国チームにめっぽう強いように見えるが、試合内容を考えれば互角くらいではあった。リヴァプールやヴィラと互角で戦えるというだけでも、そうとう強いのは確かなんだけども。
チームニュース
ケガ人なしの全員フィット。今年のアーセナルの対戦相手では初めて観るかも。

Head to head
アーセナルは、PSGと過去5試合の対戦で、W2 D3 L0。
アーセナルは彼らにはまだ一度も敗けたことがないという。
最初の対戦は、93/94のカップウィナーズカップSF。アウェイで1-1ドロウ。ホームで1-0勝ち。ケヴィン・キャンベルのゴール。
A night to remember at Highbury in 1994 ✨
Kevin Campbell’s excellent header saw us beat PSG and progress to the European Cup Winner’s Cup final ✊ pic.twitter.com/nI8wimbx5A
— Arsenal (@Arsenal) April 28, 2025
つづいて16/17は、CLのグループステイジ。PSGのボスはウナイ・エメリで、アウェイで1-1、ホームで2-2。
そして、もっとも最近の試合は今シーズンのCLリーグフェイズのこの試合。
前回の対戦について
エミレーツでかなり相手にボールももたれながら、危なげない勝利。
【マッチレビュー】24/25 UCL アーセナル vs PSG(1/Oct/2024)欧州巨人にみせた成熟した大人のパフォーマンス | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
Luis Enriqueの試合前コメント「EPLが世界最高のリーグかはわからない」
PSGボスの会見コメント。
LE:われわれは(リーグフェイズのときより)より完成されたチームになっている。いま歴史に1ページを書き加えたいと思っている。(アーセナルに敗けた)10月1日の試合はもう7ヶ月も前のことだ。チームには大きな違いがあると思う。わたしはあの試合を見返して、チームの進歩を観た。
われわれはよりよいチームになっていると思うし、それはこのコンペティションを通して見せてきた。われわれは、もっとも難しいリーグフェイズであり、いまセミファイナルにいる。最初はひどいと思ったが、結局それもよいことだった。なぜなら、われわれの成長を助けたから。
アーセナルとパリは似ている。彼らは攻撃と守備をともにできるチームであり、われわれのようにハイレヴェルの個人がいる。そして、彼らに頼ることはない。
(すでに英国チームに勝ってきたことが有利になる?)それはミスター・アルテタに訊く質問だと思う。自信という意味では、われわれにはとてもポジティヴだが。
われわれは今年PLを勝ち取ったリヴァプールを倒した。だが、それにはなんの意味もない。なぜなら、どの試合も違うから。みんながPLが世界でベストのリーグだと話しているが、わたしはそれに賛成できるかどうかはわからない。だが、われわれも自信にあふれているし、セミファイナルを楽しみにしている。
アーセナルがベストチームなのか? そのひとつだということはなんの疑いもないがね。彼らはPLで2位で、それを過去3シーズンやっている。ベストチームかどうかはわからないが、間違いなくベストのひとつではある。
ミスター・アルテタ。こういう場では、アルテタなんかはわりと相手のファーストネイムを呼びがちだが、このひととは仲良くないんかね。ふつうに、バルサつながりもありそうだが。
PSGの戦術について by エイドリアン・クラーク
AFC公式サイトより。
AC:Enriqueはチームを4-3-3でセットアップ、クオリティあるポゼッションを通して試合をコントロールする。彼らの平均61%ポゼッションには、エンジンルームの内側にプレイメイカーのVitinhaの存在感がある。彼はボールを悠々と回しつづける。
PSGは相手を自分たちに引き付けてから、トランジションで罰することもできる。彼らはヨーロッパでの14試合で、317のドリブルを行った。178に過ぎないアーセナルと対称的。
彼らの脅威の基本には、速さ、流動性があり、フロント3は非常にエキサイティング。通常はOusmane Dembeleがラインを率いるが、彼は頻繁にワイドに流れるし、ウィンガーが中央に現れ、彼らを捕まえにくくする。
フルバックのNuno MendesとAchraf Hakimiは、ふたりとも高く上がるタイプで、スピード、ペネトレイション、クリエイティヴィティがある。ポルトガル代表のMendesは、今シーズンのヨーロッパで4ゴール決めている。そこにはヴィラでのホーム・アウェイでのゴールが含まれる。また、モロッコ人のHakimiは7つのゴール関与がある。これは、今年のCLではDFとしては最多。
彼らはボールがないときもうまい。彼らは現在のクラブフットボールでは最高のFBペアかもしれない。だが、プレッシャー下では守備のひび割れが見えることもある。ヴィラがアグレッシヴでハイテンポなプレイを大いに楽しんだように、彼らの14失点のうち9は、ハーフタイムの前後15分以内で起きている。
スキッパー、この大一番で目に見える結果を出してほしいぜ。
今年は温存してる?か知らんけど、ミドルシュートたのんだ!