hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Arteta, Match, UEFA CL

【マッチレビュー】24/25 UCL アーセナル vs PSG(1/Oct/2024)欧州巨人にみせた成熟した大人のパフォーマンス

昨日のCL PSG。いかがでしたか。

アーセナルはエミレーツでヨーロピアンジャイアンツを相手に、最初から最後まで冷静沈着にプレイし、見事2-0勝利。大人の、プロフェッショナルな、ということばがぴったりなパフォーマンス、まさに横綱相撲であった。爆発的攻撃力があるはずのPSGをシャットアウトし、ひさしぶりのクリンシートもキープした。

PSGは、若干肩透かしではあったか。

HTにはジャーナリストのジェイムズ・ベンジが「云っちゃ悪いがエミレーツでPLのミッドテーブルチームと戦っているようだ」と前半の感想を述べていて、わりと納得してしまった。そして、結局後半も含めて最後までそんな試合になったように思える。もちろんPSGはべつに弱くはなかったし、失点の危機が皆無だったとは云わないまでも、最初から最後までアーセナルの勝ちを疑う時間はなかった。

それと、この試合でミケル・メリーノがアーセナルデビュー。彼は、トレイニングに復帰したばかりだったのだから、これはさすがに驚いた。おめでとうだ。

試合を振り返ろう。

Arsenal 2-0 Paris Saint-Germain: Kai Havertz and Bukayo Saka score as Gunners claim Champions League win



アルテタの試合後コメント「選手たちにはビッグチーム相手に証明すべきことがある」

試合直後のアルテタのインタヴュー。AFC公式サイトより。

アルテタ:われわれは、レヴェルの高い相手にも対等に戦うことができる。とくに、ビッグチームのひとつがここに来たときでも、相手を倒すパフォーマンスをすることができるし、勝ちにもふさわしかった。これはよい兆候だ。

われわれがプレイしたのは、世界でもベストチームのひとつであり、彼らはリーグでは超支配的である。大いにクオリティがあり、戦術もオプションも多彩だ。われわれは、それにたくさんのパーソナリティをもってとてもよく対処した。

われわれは、非常に決意があり、ピッチを自分たちのものにしたかった。自分たちのやりたいプレイをしたかった。そして前半、チームは非常に素晴らしかったと思うし、2ゴールを決めた。

チームはとても期待していたと思う。たくさんの勇気を見せ、それはわたしが要求するものでもあった。相手がここに来たとき、相手もそれを感じなければならない。われわれにはフロウがあり、前へプレイし、チャンスをつくりたい。観客もまたすばらしかった。

そして、当然これはヨーロッパだ。彼らには相手を深く守らせる能力があり、こちらがやりたくないプレイを強いることもできる。しかし、われわれはそれを強いられようとも、それを喜んでやる。

全体的に、プレイしてきた試合の量など、われわれのこれまでのことを考慮すれば、とても喜べると思う。

(CLのスタートから2連続クリンシーツは2007以来)先日起きたことは、学びのプロセスになった。それは理由があって起きたことであり、最初の5分で失点し、そして2枚のイエローカード。チームはそれを改善する必要があるし、ときには好まないことからも学ぶ必要がある。わたしは、チームがやったことに非常に満足している。

試合に勝つ正当な権利を得るには、両方のボックスが基礎になる。今日はとても効率的だったし、後半ですらそう。われわれは、あともう1点は決めているべきだったと思う。

試合後の記者会見。AFC公式サイトより。

(前半に2ゴール決めたあとのゲイムマネジメントについて……)

アルテタ:われわれのとくに前半のプレイは、いかに覚悟があり勇敢だったか。こうした相手に対して今回もまたクオリティを示したし、支配的だった。2ゴール決めた。

そのあと後半は違うハーフにしたかった。その支配を継続し、ボールを持って前半よりも落ち着くこと。われわれには、3点めを決めるビッグチャンスが3回あったので、もしそれを決めたら試合を殺していただろうが、そうならず。

相手がよかったこともある。彼らの変更や適応によって、こちらはピッチの違うエリアでのプレイを強いられ、前半よりも多くの問題を起こされた。

(ハヴァーツのパフォーマンス……)

非常にパワフルだった。しかし同時に賢い。彼のスペイスの占領のしかた、ほかのすべてとのつながりかた、彼のワークエシック、そしていまや彼のボックス周辺。彼はゴールを決めるんじゃないかという感覚はあった。

あのゴールはスーパーブだった。彼のパフォーマンスは全体的によかったし、彼には非常に満足している。

(ティンバーがHTで外れたのはなぜ?……)

彼は前半は素晴らしかったが、筋肉に違和感があり、彼も不確かだったので、わたしはリスクをかけたくなかった。彼は一年も離脱していて、そこからたくさんの時間をプレイしている。おそらくは、この数週間はわれわれが望むよりも多かったので、彼のプレイ時間は管理する必要がある。

(CLテーブルを見るにはまだ早すぎる……)

早すぎる。誰もが、まだたくさんの違う、難しい試合をホームとアウェイでプレイする。われわれもそれに適応せねばならない。

(グループ勝ち抜けに)まだどれくらいのポインツが必要になるのかはわからないし、唯一自分たちが集中できることは、パフォーマンスと自分たちの試合に勝とうとすることだけ。今夜はそれをやった。これからもそれを継続し、ここからはPLに集中だ。

(今シーズンのCLにおける危険性の違いについて……)

わからない。われわれ全員が試合が減るよう、よりよいドロウが引けるよう、トップになりたがっている。まだ長い旅になると思う。

(今シーズンのブカヨ・サカのチャンス時の自信について……)

選手たちは、自分たちが正しい方向に向かっていると感じているし、自分たちのやることを信じている。それは素晴らしい兆候だ。今夜は非常にうれしいものになった。なぜなら、われわれは世界のベストチームのひとつとプレイしたから。今日やったようにパフォームし試合に勝つためにも、これはチームにとってとてもよい兆候だ。

(ミケル・メリーノがデビュー……)

とてもよいこと。なぜなら、彼はアーセナルに加入して最初のセッションでケガをしたのだから。たったひとつのセッションしか行っていない。彼は準備ができていて、今日のスクワッドに入りたくてしかたがなかった。もちろん、ケガもあるし、必要な変更もあったが、われわれは彼がこのフェイズでチームを助けてくれると信じた。彼はとてもよくやっていたと思う。

(PSGのようなチームに勝利したことはスクワッドに何をもたらす……)

それは、自分たちがヨーロピアンコンペティションでどんなレヴェルのどんなチームとも競えるという、自信と信念を上げたと思う。試合のスタイルはPLとはかなり違うものだ。

われわれは、プレイで大いに成熟したところを見せたと思うし、ヨーロッパのトップチーム相手に自分たちがやりたかった振る舞いで足跡を残した。わたしはそれをとても好ましく思う。

(今日のチーム内でのカラフィオーリの役割……)

彼には、いろいろなスペイスを占領できるキャパシティがある。彼はそれをとても楽にやる。彼はそれをイタリーでもやってきたし、だからわれわれは彼とサインした。

まずなにより、彼は素晴らしいディフェンダーだ。彼にはその存在感とエナジーがあり、リアクションにはフルコミットメントがある。とても勇敢だ。

彼はどんな状況でも気にせずボールを欲しがるし、ボールを持てばことを起こしたがる。守備の役割でも喜んでプレイする。

(今シーズンのデクラン・ライスのパフォーマンス……)

わたしはとても満足。われわれも自分たちがプレイしてきた試合の状況を理解する必要があるが、たとえば先週の土曜の試合、われわれはボールを持って非常に支配的にプレイしたが、たぶん彼はわれわれがPLで出してきた記録のなかでもベストなスタッツのひとつをつくったと思う。

そして、当然われわれはいろいろな状況でもプレイするし、選手はいろいろな試合でプレイするキャパシティを持たねばならない。それはチームにとりとてもとても重要なのだ。

今日、後半にわれわれは彼を6として使い、彼はグレイトなクオリティを見せた。彼がもたらしたものは多い。

(今シーズンと昨シーズンのこのチームの違いであなたが気づいたことは……)

わたしは昨日との違いだって気づいているがね。われわれが試合の準備をし、いかに彼らがそれを望み、集中することを愛しているか。わたしは、彼らには今夜証明すべきことがあったんじゃないかと思う。ホームでトップチームに対し、自分たちに自身になり、とても支配的になること。それはさらなるステップであり、それをやるためにわれわれも継続していかねばならない。

(ビッグクラブを倒し信念を気づいていく……)

そう思う。それが、ビッグクラブ相手の特別なヨーロッパの夜をつくる。その信念は、全員のエナジーとスピリットを上げるものだ。まずなによりも、そうした素晴らしいチームに対峙することができると信じることであり、相手を倒すかなりよいチャンスがあると信じること。自分たちは相手を倒せるくらいには十分強いと信じることだ。それが、非常に役立つと思う。

(チームが見せたコントロールのレヴェルに感心している……)

そう思う。結果もそうだし、HTは数日前の試合と似ていた。そのあとに何が起きたかと、感情面を管理し、自分たちがやるべきように試合に残ること。わたしは、とても感心しているし、そのことに喜んでもいる。たとえ、とくに後半、チームはもっとうまくできる余地があったのだとしても。

最初の質問は、記者の意図がわかるような気がするな。2-0は危険なスコアだから、ほんとはあのスコアで勝った気になってはいけなかったんじゃないかとは思う。結果的にはそれも杞憂になったんだが。

カイ・ハヴァーツの試合後コメント「エミレーツはホーム」

素晴らしいゴール、そして9としてのパフォーマンス。MOTM。AFC公式サイトより。

KH:(エミレーツステディアムが好き?)ホームだと感じているね。ここでプレイするのは気持ちいいよ。雰囲気も応援も素晴らしい。うまくいかない試合もたまにあるけど、チームにはこのすべてのサポーターが重要だ。ピッチでもそれをすごく感じるし、ぼくも助けられている。すごく自信になる。

ぼくはまだ進歩できる。試合ごとに、ふたつかみっつのいいチャンスがあるから、そこでもっとうまくやりたいし、もっとゴールを決めたい。

今シーズンはいいスタートになっている。多くの側面でぼくももっと成長できる。

(ゴールについて)ボールを持っている味方を観て、相手は外側にいる。そしてぼくは背が高い。ぼくはスペイスに入るのが好きだし、そうしたランでチームを助けられる。今日は、それをとてもうまくいった。それはたくさんトレインしていたんだ。

自分の周囲にそういう選手たちがいれば、フットボールをプレイするのはただ楽しみなる。これはシーズンの始まりであり、ぼくらはもっとよくなれる。みんな、このあとの数週間もとても楽しみにしていると思う。

今日はみんなが楽しんだと思う。とくに前半。こちらのほうがいいチームだと思ったし、自分たちに何ができるかを見せた。素晴らしかった。雰囲気もナイスで、プレイするには最高だった。

ハヴァーツはエミレーツでのホーム試合で6連続ゴール。週末のPLサウサンプトン(H)でゴールを決めて7試合連続をやると、11/12シーズンのRVPの記録に並ぶらしい。

ブカヨ・サカの試合後コメント「PLタイトルを取るのは今年だと思う」

こちらもG1。フリーキックからの直接ゴールは、アーセナルでは3年ぶり(前回は2021のMØ@バーンリー)だそうである。CBS Sportsのポストマッチショウでティエリ・アンリ氏の質問に答えて。

BS:(アーセナルがPLタイトルを取るのは今年だと思う?)チームにプレッシャーはかけたくないけど、ぼくは今年だとは思ってる。この2年はすごく惜しかったし、どんどん近づいてるから。だから今年だったらいいなとは思う。

(アーセナルのアタッカーたちのボールがないときの貢献が素晴らしい)そこに気づいてくれてうれしい。アタッカーもクリンシーツのためにたくさんのワークをしている。でも、それは当然のことだ。ぼくらはディフェンダーを助けるために自分たちの仕事をする必要がある。

攻撃の選手には簡単なことじゃないし、ぼくもピッチの高くにいたいし、トランジションに備えて自分の足を温存したい。でも、この結果や今シーズンのぼくらの結果を見れば、ぼくらにはたくさんのクリンシーツがあり、それがそのワークを示している。

ほとんどの試合で、ぼくらはオープンプレイからでもセットピースからでもゴールできると思っているし、試合に勝てるとも思ってる。

ルイス・エンリケの試合後コメント「わたしに責任がある」

PSGは今シーズン初めての敗け。試合でひとつもゴールできなかったのも初。CLでも、今回の試合をゼロゴールに終わるまで、彼らグループステージでは51試合連続でゴールも決めてきたらしい。その記録も途絶えた。PSGボスコメント。

エンリケ:個人を責めるのは間違っている。この敗けはわたしのせいだ。わたしに責任がある。

Gigi(Donnarunmma)だって、チームメイトたちと同じレヴェルにいた。試合に勝つために必要なスタンダードからはだいぶ遠かったが。

われわれは、彼らのプレッシングを乗り越えることができなかった。彼らはあらゆるデュエルに勝った。われわれは完全に敗けだし、アーセナルの勝利がふさわしい。

デュエルに負けるようでは競うのは不可能。彼らのディフェンスは、われわれのストライカーたちの行動を予想していたのに対し、こちらは彼らのストライカーたちをまったく予想できなかった。最初からずっとかなり差があったよ。

ここまでいさぎよく完敗を認めるひとも珍しいような。

ちなみに、エンリケは試合前に「アーセナルのオフザボールはヨーロッパのベスト」と述べていたそうで、こちらの守備の固さはある程度想定されていた。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *