ヨクレスはなにもできなかった?
事実だけを云えば、90分プレイしてショッツがゼロなので、ストライカーとしてはたしかにそう。彼にはタフな日になったとは思う。最後のゴールは彼が決めたかっただろうに。今回もヘイターには格好の揶揄のターゲットになっている。
でも、試合を観ていれば、彼のチームへの貢献は云うほど小さくはなかっただろうと思う。
Guardioraも苦しまされたと認めていたハイプレスにはかなりがんばっていたし、ロングボールのターゲットにもなった。何分だったか失念してしまったが、トロサールの低いクロスが、マンシティの選手たちが満員電車みたいに密集するボックスのなかを通り抜けていったとき、もしそれが相手選手のひとりに当たらなければヨクレスにたどり着いて、大きなチャンスになっていたかもしれない。
それに忘れちゃならないのが、Haalandだって決定的なゴールこそ決めているものの、この試合の彼のショッツは「2」である。もしあのゴールがなければ彼もまた大して仕事のできない試合だった。もちろん、それでも結果を出すからあいつはモンスターだし、そこが並の選手との決定的な違いではあるんだが。
だから、これはリヴァプールのときと似たようなものだ。あの試合、ヨクレスだけでなく、Ekitikeとてほとんど何もできずピッチを去った。ストライカーにあまり機会が訪れないタイプの試合。お互いある程度慎重にならざるを得ないビッグマッチゆえの難しさ。
彼の批判でよくあるテクニックの未熟さに対するあれこれも、もう聞き飽きた。そんなことはアルテタも百も承知だろう。彼のパスやタッチの精度は、おそらくいまのアーセナルのチームのスタンダードには達していないが、それを差し引いてもプラスがあるから彼を連れてきた。
だから、こうした批判についてはアルテタの云うとおり、「チームは彼にもっと供給する必要があるというだけ」に賛成。ひたすらそれを繰り返すしかない。今後も彼は突然にうまくなったりはせず、彼でありつづけるだろうし、それを活かすも殺すもチーム次第。
この試合で彼のことを責める気にはあまりなれないし、特別がっかりしているというほどでもない。
ところでハヴァーツが戻ってきたらどうなるのか興味ある。というか、ふたりいっしょにいるチームが観たい。
サカとマドゥエケの違い
マドゥエケはこの試合でも、前半いいパフォーマンスだと思ったし、HTに交代と知ったときにはけっこう驚いた。ケガ理由ということで納得した。
そして、後半のスタートからブカヨ・サカ登場。彼はハムストリングの故障で約一ヶ月(35日間)の離脱からの復帰。あまりブランクは感じさせなかった。
興味深く注目したのは、このふたりの違い。マドゥエケも期待以上に活躍してチームに貢献しているが、あらためてサカのプレイを観ると、同じRWでもかなり違うなあと。
マドゥエケがつねに対峙するDFに挑んでいくのにくらべて、サカは行くときと行かないときがあるし、またマドゥエケがクイックネスやペイスを武器にしているのにくらべ、サカはもっと緩急をつけたテクニックを使うみたいな。
ウインガーとしてタイプが違うというだけで、どちらがより優れているということもないが、単純なスタッツ比較ではブカちゃんが格の違いを見せたという感じはある。
マドゥエケ vs サカ。同じ45分間のプレイ。
- タッチ:32 vs 41
- ドリブル:0/2 vs 3/3
- パス:10/16(63%) vs 22/25(88%)
- クロス: 0/5 vs 2/4
- 地上デュエル:0/5 vs 6/10
- ポゼッションロスト:18 vs 7
まあサカがプレイした後半のほうがアーセナルが相手を圧倒していたので、そこは割り引く必要はあるけれど。
ふたりのタイプの違う、優秀なウィンガーが同じポジションにいるというのは悪くないと思う。
マルティネリはスーパーサブ
マルティネリはスーパーサブ。
この試合については以上。