バイエルン・ミュニックについて
現在国内リーグでは2位に6ポインツ差のトップ。そこはアーセナルと似た立場。
違うのは攻撃力。ここまでの11試合で41ゴールはさすがにパない。アーセナルは週末にあの4ゴールがあって、やっと24ゴールである(※リーグトップタイ)。
そしてUCLのリーグフェイズテーブルでは彼らがトップ。昨日MD5を消化したチームもありながらなので、これはかなり強い。ちなみにこちらでもアーセナルとほとんど並んでいる。冒頭に書いたように、ポインツとGDで並び、その差はゴール数のみという僅差。
Opta Power Rankingsの現時点でのテーブル。アーセナルがトップでバイエルンが2位。ここでもトップ2。
つまりこの試合の、現在のワールドフットボールにおける最強の2チームの直接対戦という前評判は、わりと大げさでもなかったりする。
アーセナル vs バイエルン。ゆかりあるものたち
この2チームには、ゆかりあるものたちがいる。
まずは、アルテタとバイエルンのボスVincent Kompany。
このふたりはもちろん、アルテタはアシスタントコーチとして、Kompanyは選手として、マンシティで長らくいっしょに仕事をしていたあいだがら。彼らのコメントのはしばしからわかるように、お互いにとてもリスペクトしあう仲。Kompanyがバーンリーにいたときにアルテタのアーセナルと対戦しているが、バイエルンではもちろん初めて。今回は、お互いをよく知るコーチ同士の対戦でもある。
そして、Michael Oliseとエゼ。ともにチームのキープレイヤーとしてパレスでしばらく過ごした。彼らのオンとオフでのパートナーシップはよく知られるところであり、エゼがOliseにチェスを教わったというエピソードは有名(ふたりは4才くらい年齢が違うのだが年長のほうが教わったというのがおもしろい)。
パレスから移籍したあともだいぶ活躍しているふたりであり、お互いの成長っぷりを確かめあう試合になりそう。
セルジ・グナブリ。元ガナー。30才になった。アーセナルでは13/14シーズンにPLで11試合プレイしたものの結局ファーストチームに定着することはなく、ローンを経て移籍へ。その後のバイエルンでの活躍はご存知のとおり、2020年にはMVが€90mまで高騰した。まあいまとなってはアーセナルファンとしてとくに思い入れもない。
Harry Kane。アーセナルとの21試合で15ゴールをぶっこんでいるアーセナルキラー(エミレーツでは10で6)。彼は8才のときにアーセナルアカデミーを放出されているということで、元ToTという以外にも、われわれとはかなり深いゆかりがある。
今シーズンはブンデスリーガとCLの14試合で19ゴール3アシストと32才にして絶好調。バルセロナが狙うほど(笑い)。今回のアーセナルのテーマのひとつは間違いなく「Kaneをどう止めるか」。
試合前、バイエルン内部にあるアーセナルへの恐れ。バイエルンファンのマインドゲイム?
とあるバイエルン系のアカウントがこの試合前のバイエルンチーム周辺の空気についてつぶやいていた内容がちょっと話題だった。それはこんな内容である。
水曜のエミレーツ遠征について、バイエルンの内部では静かな不安が拡がっている。
いまアーセナルは、ほとんど敬意のような、異例なほどのリスペクトをもって語られているのだ。Säbener Straßeのなかでは多くのものたちが、彼らが現時点での世界ベストのチームだと述べ、CLでも明らかな本命だと云われている。
舞台裏の雰囲気は落ち着いているので、内心ではこの問題はすぐに解決すると予想しているが。
Luis Díazのサスペンションに、スクワッドはシーズン序盤の負荷やIBにより疲弊していること。それが懸念を増幅させている。
バイエルンの長らくの脆弱性であるセットピースも会議室ではフラストレイションをもって言及されている。そして何人ものスタッフたちによれば、最近のバイエルンが対戦しているチームのなかでも、アーセナルはとくにそこが洗練されていて容赦ないチーム。
バイエルンとVincent Kompanyが完全な明晰さ、集中力、規律を取り戻さなければ、ノースロンドンでの夜は長く厳しいものになる恐れがある。
クラブ内部では、この試合はKompanyにとって最初の、本物のベンチマークになると捉えられている。多くの指摘があるように、PSGはバイエルンと対戦したときいいフォームではなかった。そこが、アーセナルとの試合をまったく違う試験にする。
人々が云うように、この試合はKompanyが昨シーズンの教訓を学んだかどうかを示すことになり、彼がようやくビッグゲイムでピークの対戦相手から確かなものが得られるのかどうかが示される。
なんというか。褒め殺し?
フォーム
ブンデスリーガでは、ここまでの11試合でW10 D1 L0。唯一ポインツを落とした試合は今月のUnion Berlin(A)で2-2。
GF41、GA8でGDが+33という凄まじい数字。
CLはここまでW4で、チェルシー(H)やPSG(A)も含まれる。つまり、われわれが彼らに勝つと、自動的にチェルシーやPSGより強いことになる。
チームニュース
Jamal Musiala、Alphonso Davies、Hiroki Itoがアウト。
Luis Díazがレッドカードでサスペンション。
わりとキープレイヤーがいない。そしてまた日本人がいた。
Kompanyの試合前会見によると、ケガで不在の恐れがあったSerge Gnabryはフィットしているようだ。
Head to head
直近6試合。アーセナルはバイエルンにW1 D1 L4。この6試合のアグリゲイトスコアは、7 vs 18。
- Bayern Munich 1-0 Arsenal (17 Apr 2024, Champions League QF)
- Arsenal 2-2 Bayern Munich (09 Apr 2024, Champions League QF)
- Bayern Munich 5-1 Arsenal (07 Mar 2017, Champions League RO16)
- Arsenal 1-5 Bayern Munich (15 Feb 2017, Champions League RO16)
- Bayern Munich 5-1 Arsenal (04 Nov 2015, Champions League Groups)
- Arsenal 2-0 Bayern Munich (20-Oct-2015, Champions League)
Vincent Kompanyの試合前コメント「アーセナルはもっとも難しいタスク。だが望むところ」
ボスコメ。
VK:われわれは、最初の4試合に勝っている。そこが重要だった。ここまでは自分たちがやろうとしてきたことをやってきたし、今後もそれをつづけたい。
だが、あのチームを相手にプレイするのは、現時点ではわれわれにももっとも難しいタスクだろう。だがそれがうれしい。だからわれわれはここにいるのだし、それこそ望むところだ。
(アルテタについて)われわれコーチはトロフィを勝ち取りたい。もちろん。だが、われわれはチームをどうセットアップし、トレインするかを観ていく必要もある。ペナルティエリアで守れるチームは少ない。
セットピースについては、あそこまでオーガナイズされているチームはほとんどない。彼らはもう長い間アルテタの下でプレイしている。
わたしはチャレンジを楽しみにしている。われわれもいい調子だ。
Harry Kaneの試合前コメント「これは世界ベストの2チームの対戦」
彼も試合前会見に同席。
HK:トトナムでは、アーセナル戦はつねにシーズン最大の試合だった。ぼくの友人には両方のチームのファンがいるよ。
バイエルンではもちろんいつも対戦するわけじゃないから、同じじゃない。2年前にQFで彼ら相手に勝ち抜けたことは重要だった。ぼくはあのステディアムではたくさんゴールしている。ただ、多くの試合で勝ったわけじゃない。それを明日変えたい。
当然ぼくがトトナムにいたとき、NLDはつねに大きな試合だった。でも、それはぼくとアーセナルの戦いではない。バイエルンとアーセナルだ。ぼくはいい調子で、ゴールしてチームを助けたいだけ。
彼らはCLでも経験を積んでいて、それが彼らをどんどん強くしているし、成長させている。だから、彼らはいまあのポジションにいるのだろう。明日はぼくらにはいいテストになる。
タフな試合になるだろう。アーセナルにはCLとPLでいる場所の理由がある。彼らはソリッドだ。
ぼくらは全般的に警戒しておく必要があり、ボールを奪い取って彼らに困難を強いないと。ぼくらはほかの強みも使う必要がある。プレッシングだ。これは世界でふたつのベストチームの対戦。

















