この件に関してはすでに全世界で10億人くらいはツッコミを入れただろうから今さらなんだが。
米ESPN「ごめんアーセン、サンチェスとエジルの契約状況は全然“理想的”ではないです」
Sorry Arsene, nothing about Sanchez and Ozil’s contract situation is “ideal”
ネタにマジレスとはこのことだな。恥ずかしいぞESPNよ。
しかしわれわれがあまり笑えないのはどうもボスのこの「詭弁」が本気らしいからだ。
ヴェンゲル監督はこういった信者以外には理解ができない謎の論理をたまに発動させるけど、今回のはさすがにアクロバティックすぎた。契約が残り僅かな選手の状況が理想的である理由として挙げた「has to perform」を含めどう訳してよいのかわからない。
しかしメディアからはあまり注目されていないようだが、今回のヴェンゲル発言で個人的に興味深かったのは、この一連のコメントの最後のほうで、移籍金の高騰によってこういった契約年数ギリギリまで選手をキープすることが増えていくだろうと語ったことだ。高すぎる選手は買われない。だから契約が切れるまで選手が残る。そういった今回アーセナルが直面しているようなケースが今後増えていくというのだ。
たしかに並の選手まで価格が高騰している現状を考えれば、一理あるのかもしれない。
しかし、よく考えればアーセナルが直面している問題というのは、Oxやエジル、サンチェスといったスター選手たちの放出危機であって、不当に価格がつり上がって移籍金のせいで獲得が躊躇されるような並の選手には当たらない。喜んで移籍金を支払おうというクラブがいくつもあるのだ。ここにちょっとしたロジックのすり替えを感じる。
このESPNの記事では、ケインやアリなどスター選手の契約を速やかに更新したToTのしたたかさについても言及されているが、こういった内政においてもアーセナルのマネージメントが後手後手に回っていることに改めて憂えるのである。
エジルとサンチェスのような契約更新で巨大な金が動くビッグネームはともかく、なんでチェンボとはもっと早くに交渉を始めなかったのだろうか。プレシーズンの活躍を見て、余計にそう思った。
アーセナルの問題はフットボールだけではない。