先日、Covid-19で母君を亡くしたルーカス・トレイラ。気の毒にもほどがある。最近はAFTVのClaudeも亡くなってしまい、アーセナル界隈では訃報が続いている。
Lucas, our thoughts, love and support are with you and your family at this difficult time
We are all with you ❤️ pic.twitter.com/ijTZkhtru4
— Arsenal (@Arsenal) April 1, 2021
彼のソーシャルメディアでもたびたび登場し、仲睦まじいところを見せていた最愛のお母さまだけに、ファンのあいだでも彼のハートブレイキングはいかばかりかと心配されていた。
そして昨日、本人が南米メディアに語ったところによると、どうも彼のホームシックはもう限界に来ているようである。
トレイラ「もうヨーロッパではプレイしたくない」
『ESPN Argentina』のインタヴュー。スペイン語わかりたい。
“OJALÁ QUE SE PUEDA DAR”
El jugador del Atlético de Madrid expresó su deseo de jugar en Boca y la necesidad de volver a estar cerca de su familia. https://t.co/fuC5p3iPBR
— ESPN Fútbol Club Argentina (@ESPNFCarg) April 2, 2021
Arseblogのテキスト起こしを拝借&Chris Wheatleyのtweetからも。Respect。
トレイラ:ぼくは自分の家の近くに、家族のそばにいたいんだ。ぼくにはアーセナルとの契約があるし、いまはアトレチコにローンの身だ。でもぼくはボカに行きたい。クラブが合意してくれることを願うよ。
個人的には自分自身楽しんでいたときから、もう2年は経ってる。それは続けられていないんだ。自分がやりたいようにプレイしていない。
チームがあと1年ローンしてくれることを願っている。ぼくは自分の価値がどれだけのミリオンか知らないが、ボカにとっては大きな金額だろうから。
(母の死去)ぼくは何が起きたのか理解しようとしているところ。対処するのは難しいね。でもときが経てば、ぼくたちもこの悲痛を受け入れられるようになるだろう。
ぼくの母さんは53才だったんだ。Covidで亡くなった。Fray Bentosでもアウトブレイクがあって、母さんは11日間の闘病があったけど、月曜の朝には最悪のしらせがあった。
母さんが亡くなった夜、最初に聞いたしらせのうちのひとつはエイジェントからだった。だから、ぼくは云ったんだ。もうこれ以上ヨーロッパではプレイしたくないと。ボカでプレイしたいと。ぼくはどうしてもボカでプレイしたい。いまじゃないなら、6月かそのあとでも。
ぼくはもう決めている。父さんのためにそうするんだ。彼がそう願っているし、ぼくもそうするつもり。
べつに思いつきで決めたわけじゃない。ぼくは17のときにはイタリーに行かなきゃならなくて、もう長いこと家族から離れている。ぼくは家族から離れていると、独りだと苦しいんだ。そういうことですごく凹む。
だからそれが実現することを願っている。
以上。
ママ53才。。若すぎる。RIP
しかし、ここまではっきりと退団希望を口にするとは。。
アトレチコでも満足なプレイタイムが与えられておらず、きっとそういうフラストレイションもあるんだろう。チームの一員になっているという意識が希薄。
一方のアーセナルでも、あまり楽しめていなかったのは明白。「もう2年も楽しんでいない」というのはまさにアーセナルに来てからのことを云っているに違いなく。残念なことだ。ウーナイのせいかな?
素朴な疑問。ウルグアイ人の彼がなぜアルゼンチンクラブに?
ところで、彼はウルグアイのひとで、家族もウルグアイの地元(Fray Bentos)に住んでいるからそこに帰りたいというのに、なぜウルグアイのクラブではなく、アルゼンチンのボカ・ジュニアーズに行きたがるのか。
この疑問はr/Gunnersでも話題になっていたが、あるコメントによると、彼の地元からボカのブエノス・アイレスまでは飛行機で30分とか、そういう距離感覚だそうである。すぐに実家に帰れる。
ぼくのデスクの前に張ってある世界地図でも、たしかにMontevideoとBuenos Airesは海(湾)を隔ててすぐとなり。東京・名古屋みたいな?
そこに地元感があるということなんだろう。
それと単純にボカのファンなのかも。おぼえてないが、たしか以前彼が自分は熱狂的なボカのファンだと述べていたような気がするようなしないような。
追記:以前このブログでその件は書いていた。ルーカス・トレイラがボカ・ジュニアーズへの憧れを語る やっぱり彼はボカの大ファンだった。
トレイラのボカ移籍の実現可能性
これは現状ではかなり難しそうだ。
財政的な理由がもっとも大きいだろう。
このCovid禍でどのクラブも余分な金はなく、ボカも例外ではないはず。
それにそもそも、南米クラブはヨーロッパクラブほど潤沢な補強予算を持っていない。これまでボカ・ジュニアーズが獲得にもっとも多くの移籍金を費やした案件は、€12M(リケルメ)が最高だとか。
財政難のアーセナルはトレイラには少なくとも£20Mはほしい。
乖離が大きすぎる。
解決策として、トレイラの代わりにボカの選手を譲り受けるスワップにするというアイディアはあるかもしれない。
以前エメリの時代に、アーセナルがパヴォンを欲しがっているというニュースもあったが、アーセナルファンのあいだではどうもパヴォンは評判が悪い。
ボカのプロスペクトに、Exequiel Zeballos(エゼキエル・ゼバーヨス?)という18才のウィンガーがいるそうな。
Exequiel Zeballos: Boca’s teenage magician being linked with Europe’s biggest clubs | Goal.com
今年2月の『GOAL』の記事によれば、かなりドリブリングアビリティがあって、アルゼンチンの未来を担う逸材。バルサ、レアル・マドリッド、マンシティが狙っているということ。愛称はLittle Monkey。
そういう選手ならとも思えるが、ボカがそういうヤングプロスペクトを手放してまでトレイラを欲しているのかどうかという問題もある。
ボカが考えるトレイラの評価とアーセナルが考えるそれとが合わなければ、けっこう悲惨な結末が待っているかもしれない。セカンドオプション、サードオプションがないというのが厳しい。
これで、アーセナルはまた夏に難問を突きつけられることになってしまった。
資金難のアーセナルが、今年の夏にトレイラを売却するのは既定路線にせよ、その売り先がこんなふうに極端に限定されれば、交渉はかなり難しくなるんじゃなかろうか。どうしたってどこかで妥協は迫られる。
このままでは、トレイラに見込んでいた利益が皮算用になりかねない。なんてこった。
傷心のトレイラの気持ちを汲んで格安で移籍させてあげる? いやいや。そんなことをすれば、ますますオーデーガードが遠のいてしまう。
頭が割れるように痛い。
おわり