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ダヴィド・ラヤの契約はローン+買取OPと判明

すでにアーセナル移籍が決まったと広く報じられていたブレントフォードのGKダヴィド・ラヤ。昨日(日本時間今朝)、彼の契約で驚きのニュースが。

なんてこった。



ダヴィド・ラヤの契約は「ローン+買取OP」だった!

すでに数日前からオーンステイン、ロマーノらトップTierジャーナリストたちが認めていたラヤのAFC移籍成立。

本人は以前からAFC移籍希望と伝えられ個人条件は問題なし、ブレントフォードがアーセナルのオファーを受け入れたと。

もちろんまだアーセナルから発表はないものの、すでにセカンドGKであるマット・ターナーのノッティンガム・フォレスト移籍が告知されており、ラヤの加入はほとんど疑いないものとなっていた。

その移籍金は、総額で£30m(£25-28m+アドオン)あたりというのが多くのニュースが伝えるところであり、ファンのあいだでは、アーセナルはその金額でPLのトップGKを手に入れたのなら、とてもよいビジネスだったとも云われていた。ブレントフォードは£40mを要求すると公言していたのだから、なおさら。

ところが昨日、この契約内容についてオーンステインが驚きのスクープ。

オーンステイン:独占。アーセナルはDavid Rayaを£3mのローンと£27mの買取オプションで獲得する。ブレントフォードは彼の契約を延長した(それによりブレントフォードはローンフィを得て、もしアーセナルが買い取りせずとも価値は保たれる)。水曜にクラブに別れを告げ、木曜にメディカル。もう書類を処理する段階にきている。

これは正直びっくりした。ブレントフォードに支払われるであろう総額こそ変わらないが、われわれにとっては、ここで獲得を決定するのと、買取オプションつきの一年ローンではまったく条件が違う。

まず、どうしてそうなったのか見当がつかない。なにしろアーセナルにとっては多方面で都合のよい条件であり、むしろよすぎると云ってもいいほどである。

またあなたなのですか、エドゥ?

アーセナルに極めて好都合な条件はなぜ成立した?

基本的に、GKはローテイションはされないポジションであり、ふたりのNo.1クラスを抱えるクラブはほとんど異例だろう。ふつうは、どのクラブでもだいたいはNo.1とそのバックアップという組み合わせであり。

それがGKというポジションの難しさで、だからどのクラブもレギュラーのNo.1と、No.2の立場を受け入れられる実力のやや劣るか、あるいはヴェテランのバックアップという体制にせざるを得ない。

だから、アーセナルがラヤを獲得するにあたっては、懐疑的な見方というのはあった。現在のNo.1であるラムズデイルがいるのに、もうひとりのNo.1をここで? それでも、もうひとりのNo.1候補を連れてくるということは、アルテタがラムズデイルを完全には信頼していなかったか。

もし、ラムズデイルとラヤがアルテタの要望どおりにNo.1ポジションを争うにせよ、かならずどちらかいっぽうが、いずれ不幸になるのは目に見えている。GKとはそういうポジションであり、ひとつのクラブがふたりのNo.1を両方ハッピーにしておくことはまず不可能。

この夏にラヤが来てまず心配だったのは、その部分だっただろう。来年また売却で悩むことになる。

ところが、これが一年ローンとなると、話が変わる。

この一年で、ふたりが競争して、ラヤがポジションを奪えばそのまま買い取ればいいし、もしそうならなければ彼を買わなければそれで済む。

もちろん、ラムズデイルのNo.1が変わらなくてもラヤがその後もひきつづき競争を望むなら、£27mで買ってもいい。彼がこれまでどおりのクオリティを見せるなら、高すぎる金額でもない。これほどのクオリティのセカンドGKを持つクラブはさすがにないのでは。

つまり、ローンになることによってアーセナルには選択肢ができる。これはアーセナルにとっては、最大のメリットになる。また、ローンフィが£3mで買い取りを先延ばしできるなら、この夏のヘヴィな投資をすこし節約できる。どちらも、われらには願ってもない都合のよすぎる条件。

疑問なのは、なぜこういうアーセナルにとって最大級に都合のいい条件が成立したのか。

まず、ブレントフォード。結局、彼らは望みどおりラヤと契約延長できたので、ここで現金化できなくともまあ最悪ではないかもしれない。

仮に一年後にアーセナルが彼を買わない場合のことを考えると、残り契約一年の今年ですら、これだけの金額で引き合いがあったのだから、もっと長い契約を残していれば、もっと高く売れるチャンスだってある。あくまで今回は買取オプションで、買取オブリゲイションではない理由がそこにあるかもしれない。

ここでの現金化と未来の可能性。

彼らには、じつはけっこう悩ましい選択だったかも。そこでエドゥがそっと背中を後押し。

つぎに選手サイド。個人的には、クラブよりも選手のほうがその条件を受け入れたほうが不思議だった。

そもそもラヤはアーセナル移籍を望んでいたというのだから、ここで移籍が確定してほしかったと考えるのが自然だろう。一年後に自分がどうなるかわからないローンになることで彼が得るメリットはなにか? ちょっと思いつかない。仮に来年ブレントフォードに戻るとしても、そこからまた別のビッグクラブへ行けるなら、彼にとってはそこまで悪くないということか?

あるいは、それによるデメリットのほうをあまり感じていないということかもしれない。自分のクオリティに自信があって、アーセナルは必ず自分を買うと確信しているとか。ラムズデイルがいるアーセナルに移籍を志願する時点で、No.1を奪う自信は満々なのはあきらかなわけだが。

とまあ、そんなこんなで各パーティの思惑がありながらも、こうした条件の取り引きが成立したなら、それはやっぱりアーセナルよくやった!としか云えない。エドゥ、ガーリック、そしてもちろん彼の説得にも大きな貢献をしただろうアルテタ。

アーセナルは、またどえらい交渉をやったものだ。

ブレントフォードがアーセナルのFFPを慮った?

ロマーノがそれを示唆している。

ロマーノ:ブレントフォードはアーセナルのFFPを助けるためにこのやりかたを受け入れた。

これも興味深い。この夏はすでに£200m以上を使っているアーセナルは、当然少しでもそれを削減したいのだから。

が、アーセナルがFFPで問題を抱えているというのはじつは諸説ある。ぼくが知るかぎりジャーナリストでこれを指摘しているのはロマーノだけで、オーンステインのリポート(The Athletic)でもそのような指摘はない。

AFCインサイダーのひとりである@AFCAMDENによれば、「(アーセナルがFFPに問題を抱えているとは)聞いてない」。

ちょうど、Sky Sportsがアルテタがこれまでに移籍ウィンドウで使ってきた金額についてまとめていて、それがr/Gunnersなどでも話題になっていたところだった。

ちなみにそのサブでシェアされていた獲得した選手ひとりにかけた平均金額の情報。

Arsenal 23 players at an average of ~€33m a pop.

In the same period:
Chelsea 26 players at ~€45.5m
United 14 players at ~€47m
City 16 players at ~€36.5m
Tottenham 21 players at ~€27m

まあアーセナルが突出して多いというわけではない。むしろビッグ6のなかでは少ないほう。チェルシーなんて去年夏のひとつのウィンドウだけで、アルテタのこの期間の総額を超える金額を使っているのだし。

アーセナルはFFPでは優等生という説もあるし、それはこの夏の£200m以上の散財や既存選手が軒並みよい条件で新契約を結んでいる最近以前のことだという話もある。

まあいずれにせよ、ビッグクラブとして、FFPは気にするにこしたことはないのはたしかなので、もしブレントフォードがそのようにアシストしてくれたのなら、この恩はおぼえておこう。

バイエルン、ToT

この一件で、最高に笑えるのがバイエルンやトトナム。

ラヤに強い興味を持っていた彼らがオファーを断られているのは、ブレントフォードが£40mを要求しているからとか、ローンのオファーを受け入れないからなどと云われていたのに。

最初からこの条件なら、彼らだって十分手が届きそうなものだったのではないか。

結局この移籍案件を決めたのは、選手の希望であり、クラブ間の交渉だったということなのだろう。ありがとうエドゥ。

彼らのぐぬぬという表情が観えるようだ。痛快このうえなし。

 

おわり



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One Commnet on “ダヴィド・ラヤの契約はローン+買取OPと判明

  1. これ割とものすごいディール
    なんと有難いことか。ラヤは(元)GKコーチに「お前ならいける、来い」みたいに説得されたんですかね
    ラヤとしてはアーセナルで勝負の1年で もし万が一戻ったとしても後釜との勝負に勝てる、もしくは来年の移籍先は容易に決まるって感覚なんですかね。

    いや~ なんと恐ろしいほど充実した陣容。。。。
    歴代最高レベル、、、これはリーグ、欧州どっちも期待しちゃいますね。。。
    あとはアルテタがターンオーバーをしっかり覚えつつ、プランA2 A3をしっかりチームに浸透させれば。。

    本当になんか恐ろしいです この面子 (笑)
    エドゥ あとは少しでも売却できればもう満点の夏

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