どうも。IB中でアーセナル界隈はいと静かなり。元気ですか。
さてそんななかで、アーセナル世界でもおなじみのフットボールジャーナリスト、デイヴィッド・オーンステインが『The Athletic』にて、読者からの質問に答えるQ&A企画をやっていた。定期的にやっている「Ask Ornstein」シリーズ。
Ask Ornstein: Wilshere eyed by Rapids, Ferguson’s future and manager Rooney
PLやフットボール全般の内容ながら、アーセナルにまつわるトピックも一部あるので、今回はそちらを紹介しよう。
※この記事にはPLを中心にほかにもたくさんのトピックがあるので、ぜひThe Athleticにご登録あれ
オーンステインに訊く by The Athletic 2023年10月
アーセナルに関する部分だけ。
有望なアーセナルユースのプロスペクトとジャック・ウィルシャーの頭角
Q:アーセナルは選手育成が自慢だけど、最近はもっとすぐに成功できる経験ある選手を買うようになってきた。つぎにファーストチームに入っていくのは誰になる?
オーンステイン:アーセナルは最近Myles Lewis-Skellyのプロ契約を発表したね。Ethan Nwaneriとも契約締結した。Max Dowmanも、わずか13才にしてU-18でプレイして話題になった。ルイスケリーとワニエリという、英国フットボールにおいてももっともエキサイティングなプロスペクトたちは、ウィルシャーの下でよく成長している。ドウマンを先月デビューさせたのも彼だ。
ウィルシャーは2022年7月にU-18のヘッドコーチに就任して以来、力強い印象を残している。一年未満でFAユースカップファイナルまでチームを連れて行った。アーセナルの人たちも彼の素晴らしいワークエシックについてよく話している。水を得た魚のように仕事をしているとね。
彼の進歩はほかのクラブからもすでに注目されていて、いま空きの出そうなクラブが彼を候補にしようとしている。そのひとつは、Colorado Rapidsだ。
このMLSクラブは、9月に解任したRobin Fraserの後任候補にウィルシャーを含めている。彼らはアーセナルと同じくクロンキスポーツ&エンタテインメントが所有するクラブで、許可を得て正式に彼にアプローチをしている。面接でもいい感触があったと思われているし、あとはRapidsの決断。
ヨーロッパのいくつかのチームもウィルシャーのインパクトには気づいていて、状況を注視している。わたしが聞いているのは、彼の意向としては、正しい機会があれば、シニアフットボールへの移行に乗り気だということ。
質問者はアーセナルユースの有望株について尋ねているが、半分以上ジャック(31)の話題に。そしてこの調子だと、彼は行ってしまいそうである。
たいへんに失礼ながら、おれはなんとなくジャックはコーチとして大成しそうには思っていなかったが(ほんとに失礼)、彼にそのようなセンスがあったとは。グッドラックだ。
ニューカッスルとスミス・ロウのリンク
Q:エミール・スミス・ロウがニューカッスルへ行くことはありそう? だとしたらそれはいい移籍になる?
オーンステイン:ニューカッスルでもほかのどこかでも、スミス・ロウに引き合いがあることにわたしは驚かないね。彼はトップタレントであり、ケガから復帰したあとアーセナルでは彼の思い通りにいっていないから。
最近いくらかいい兆しはあったし、アーセナルのファンも彼がまた中心的な役割でプレイするところを観たいだろう。しかし、そうなってはいないことはあきらか。退団の話題は増えていきそうだ。
彼は価値ある資産でもある。2026年まで契約があり、バランスシートもゼロ。だから、売却されれば純粋な利益になる。
わたしも今朝の報道は観たし、仲間であるジャーナリストたちの仕事はまったく尊重するけど、ニューカッスルが彼を買おうとしているという話は、わたしは知らないな。
エディ・ハウのチームで誰かが去らないかぎりは、彼がどこにフィットするのかもさだかでないし、関係者たちは誰も接触していない。
彼の状況からすると、いずれにせよ、注視すべきひとりだが。
オーニーは現時点ではニューカッスルとESRの噂は否定。ただし、移籍可能性は否定しないという。
わしは、彼をもっと観たいんだがなあ。
アーセナルが狙うストライカー。オシメン?
Q:アーセナルがVictor Osimhenを獲得するチャンスはある? 彼じゃなくても、アーセナルが狙っているストライカーは?
オーンステイン:金額やプロファイルからして、わたしはアーセナルがオシメンへ向かうとはみていない。どのトップチームへ行ってもおかしくない彼ながら、彼らのリストに載っているかさえあやしいものだ。
クオリティあるストライカーの在庫はかなり少なくて、どのビッグクラブも1月か来年夏に狙っているのは、だいたい同じ名前だ。Osimhen、Lautaro Martinez、Ferguson、Benjamin Sesko。Victor Bonifaceもそのなかに入る。
わたしは、アーセナルが1月にストライカーを補強することに集中しているとは思わない。むしろ、来年夏の課題だろう。
必ずそうだとは云わないがね。たとえば、ケガや既存選手へのオファー、あるいはほかの要素。しかし、アーセナルにはすでガブリエル・ジェズースやエディ・エンケティア、カイ・ハヴァーツがいて、ゴール貢献できる選手として、サカ、マルティネリ、オーデガードもトロサールもいる。
アーセナルは今シーズンは彼らの貢献に期待して、そのあとは状況と観ていくことになるのだろう。
いまアーセナルファンが知りたいストライカーは、オシメンというよりは、アイヴァン・トーニー? 彼については、今年9月の同企画にて質問に答えている。
アイヴァン・トーニーとアーセナルのリンク
Q:Ivan Toneyのアーセナル行きというニュースは正確?
オーンステイン:アーセナルがトーニーに好意的なのは当然のことだろう。ほかのクラブと同じだ。
アーセナルは夏にストライカーの補強はせず、ほかのポジションに集中した。そのことが、つぎの課題がストライカーにあるのかどうか、みんなを知りたがらせている。
いまのところは、わたしは彼らがマーケットでストライカーを探しているとは知らない。たとえそれが変わることがあっても(当然ありうるが)、この先のチームの結果やチーム/個人のパフォーマンス次第ということになるし、それがトーニーという保証もない。
彼の契約は2025年夏で切れるので、ブレントフォードは延長したがっているが、その兆候はいまのところない。それが変わらないかぎり、彼らは売却の検討を強いられる。それと、彼がCAA Stellarにエイジェントを変更しているということは、彼のほうは1月か夏には移籍したいということなのかもしれない。
しかし、彼の価格は非常に高いので、果たしてアーセナルに買えるのか?(もし彼らが欲しがったとして)。ダヴィド・ラヤの取り引きのやりかたで示されているように、アーセナルではFFPに抵触する懸念がある。クロンキ家は、ヘヴィな投資も厭わない姿勢をみせているけれど、そう簡単にはできないのかもしれない。
おそらくは、ほかのクラブもフレイムに入ってくる。チェルシーがストライカーを探すかもだし、マンUも彼らのFWのパフォーマンス次第でマーケットに参入する可能性がある。
トーニーが移籍するにふさわしいクラブは、ほかにもあるとわたしは思う。
オーンステインは、トーニーのアーセナル行きには消極的意見をお持ちのようである。これもずっとそんな主張をしているような。
ちまたで騒がれているブレントフォードが求めるという彼の金額は、£60mから高いのだと£80m。そんなのチェルシーかマンUにしか買えない。
しかし、最近のアーセナルにおけるストライカーのうわさって、ほとんどファン主導だなと思う。ファンがほしい情報をメディアに書かせているみたいな。
「アルテタのチームにはゴールが取れるストライカーが必要」というのはファンが思っているだけで、ぼくが知るかぎりアルテタがそう主張をしたことはないし(あったっけ?)、いまアルテタのチームでNo.9に課されている仕事を考えると、彼にそういう理想があるのかすらも疑問に思えてくる。
もちろん、9がゴールしてくれれば最高だけど、アルテタは9にはあきらかにゴール以外の貢献を要求している。下手をすると、そっちのほうが重要と考えているフシすらある。
まあ、今後どうなるか観てみよう。
移籍市場の話題ついでに、最近とくによく報道を観るウォルヴズのPedro Neto。彼については、これを云ったのはオーンステインじゃなくてワッツだったかもしれないが、アーセナル界隈から出た噂というよりは、いわゆる代理人主導の噂だということ。彼の代理人というのはもちろんJorge Mendes。さもありなん。
おわり