こんにちは。今日は選挙。アーセナルはリヴァプール。
今シーズンここまでで、すでにビッグゲイムをいくつもこなしているアーセナルながら、今回もまた間違いなくビッグゲイム。エミレーツにリーグリーダーのリヴァプールを迎える。現時点では暫定の2位と4位という間柄で、アーセナルはどうしたってここで離されるわけにはいかない。
リヴァプールは9月にアンフィールドでノッティンガム・フォレストに敗けたほかは、PLもCLもリーグカップもすべての試合で勝っているという超ファインフォーム。
いっぽうのアーセナルは、今シーズンは度重なるレッドカードに悩まされ、ケガ人続出、結果を出すことにはだいぶ苦しんでいる最中。とくに、これまでチームを支えてきたキープレイヤーが軒並みアウトと危機的状況がある。先週のPLボーンマスでは、これまで退場者を出しながらなんとか免れてきた敗けをついに喫した。
そういう不安定な状況があるため、この試合は今シーズンここまでのわれらにとって最大の試練とも。逆境における強さが試される。
アーセナルは、この難しい局面をどう乗り切れるか。今日の試合をプレビューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「“もし敗けたら”などと考えたこともない」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。 AFC公式サイトより。
(サカ、カラフィオーリ、ティンバーについて……)
アルテタ:われわれも、なんとかして彼らが使えるようにベストを尽くすが、かなり不確実である。
(カラフィオーリのケガの度合いは?……)
彼には、あといくつかの検査が必要。昨日も行ったし、今日もまたいくつかを行う。そのあとでわかるだろう。前回も、われわれは非常に悪いと思っていたが、2-3日後には結局プレイしている。だから、どうなっているか観てみよう。
(彼は日曜の試合は出られそう?……)
前回もそれが起きたときに述べたが、今回はちょっと違うかもしれない。
(サカはトレイニングしている?……)
イエス。彼は芝生のうえで少しトレイニングを行っている。日曜までどこまで戻せるか、それはまた違う話だ。われわれにはもう一日あるのはよいこと。観てみよう。
(ティンバーもトレイニングしている?……)
ティンバーもまた、多少加われた最初のセッションになった。彼もしばらく離脱していて、現時点では、いま彼がいるところよりも、もっと遅れていると思っていた。彼もまた待たねばならない。
(サリバをどう代替する?……)
われわれには、オプションがある。そこでプレイしている選手たちもいる。あなたの云うようにそこでのパートナーシップはとても安定していたし、彼がずっとプレイしてきた。
彼は起用できないので、われわれは違う解決策を見出さねばならない。チームとしてうまくやる必要がある。
(日曜に向けて違うことをやってきた?……)
イエス。もちろんボーンマスで10人で敗けたあとであり、われわれは自分たちを持ち上げる必要がある。わたしは、あの試合はとてもよくスタートしたと思う。最初は、とてもよかったので、違うスコアラインにしているべきだった。それがそうならず、最後にはもっとやるべきだったという後悔を念を残した。
選手たちは一日休養をとり、いつものように2日間の準備がある。そしてこれはビッグマッチだ。全員が興奮している大きな機会。
われわれは、エミレーツでのこうした試合が大好きだ。われわれの仲間たたちが雰囲気をつくることはわかっているし、チームはそれをとても楽しみにしている。
(勝負はわずかな差で決まる、リヴァプール相手にどんなエッジをもたらせる?……)
自分たちの思うようなことにすること。自分たちのやりたいプレイで試合をプレイする。つまり、支配的にプレイすること。われわれは以前それをやっていて、最近もそれをやっている。信念、エナジー、コミットメントをもってプレイすることだ。このようなビッグマッチではそれらが必要。
(Arne Slotをどう観ている?……)
イエス。とてもよい。彼らはあきらかによい時期にいる。素晴らしいランがあり、彼がチームに与えているタッチがある。それはすでに非常に力強い。チームには彼の指紋が見えるよ。
(リヴァプールのもっとも危険なところ……)
あらゆるコンペティションで9年間も最高レベルで競っているチームだ。だから、彼らはどう競うかを知っている。彼らが知っているのは、とくにボールがとても遠くにあるとき、ボールがユニットの外側にあるとき、いかにして脅威になれるか。
彼らには相手を苦しめる個人クオリティがあるし、セットピースもうまい。9年間安定したチームがそこにある。つまり、彼らはなんでもかんでもとても優秀ということだ。
(サリバの不在に対応できるデプスの強みについて……)
そうだね、いまはとくにバックラインに多くの問題が出ている。シーズン最初の数ヶ月で、われわれはそれに適応せねばならなかった。だからこそ、われわれのチームにいる、何人かのヴァーサタイルな選手たちがとてもとても役立った。
しかし、理想としてはほかのオプションも持てたらより安定する。だが、それがいまのわれわれにある状況だ。
(多くのケガ人にやりきれなさを感じる?……)
これもゲイムさ。こんな状況にはなりたくなかったが、こういうスクワッドがあり、選手がいるということはじつに幸運でもある。そういう姿勢もある。
困難な状況に立ち向かわねばならないとき、自分たちを気の毒に思っている場合じゃない。向き合うのだ。
われわれは、自分たちがどれだけ良いチームかをわかっているチームでもある。相手にとり、どれほどやっかいになれるかも。チームのなかに、そのような無慈悲なメンタリティがあることは、わたしが愛すところだ。
(この試合は違うメンタリティが要求される?……)
そうだね、われわれはつねに自分たちになる。そうしたことでも、アイデンティティでも、自分たちのやりたいプレイでも、勝つためのアプローチでも、そこは変わらないものだ。
そして、当然ながら、いまいる選手たちのクオリティにフィットするために、適応し、変更を行っていく。選手に最大の強みを活かせられるようにする。それが、われわれのやりたいことだ。
(日曜はルイス・スケリーやワニエリがスタートする?……)
彼らはそこにいる。彼らも争いに加わっている。彼らはつねにチームにオプションを与え、試合でスタートする可能性がある。マイルズは、先日の夜もプレイしたし、とてもよかった。イーサンも同じ。
彼らもファーストチームの選手であり、チームとともにある。ほかの選手たちと同じ価値があるし、同じように扱う。
(若い選手たちはビッグゲイムでも恐れずプレイできる?……)
イエス。間違いなく。そこは彼らがあまり気にしないところだ。とくにあのふたりは。そこはとてもポジティヴなんだ。それが観客に一体感をもたらす。チームのなかにエナジーを生み、とてもいい働きをする。
つまり、最高の瞬間に活躍するということ。正しい選手たちが周囲にいることも、非常に重要なことだ。彼らが相手を恐れることはない。それは先日のCLでも見せたこと。
(リヴァプールはマンシティとともにタイトル争いができる?……)
そうだね。わたしには彼らはこの10年におけるベストチームのひとつ。そして間違いなくPLの歴史でも。なぜなら、彼らが競ってきたチームは記録を更新しつづけてきたから。
彼らは安定していて、それが示すのは粘り強さとウィニングメンタリティだ。そこにたどり着けない気がしても、一貫して自分たちを信じること。そこが彼らのすごいところだ。
そして、彼らはそれをとても明快なアイデンティティをもちやってきた。わたしの意見では、そこが際立っている。
(この試合はあなたにとって最大のテスト?……)
ハードドライブを確かめる必要があるが、わたしもチームはとてもとても難しいときだし、チャレンジングなときだと思う。最大のテストのうちのひとつとは思わないが。
われわれはとてもエナジーがあるし、ホームでのリヴァプール戦だ。とてもプレイしたい試合。われわれには、素晴らしいスクワッドがある。雰囲気もすごいものになるだろうし、わたしは試合をとても楽しみにしている。
(もし敗けたら7ポインツ差になりますが……)
(遮るように)勝つつもりだが!?
(敗けないように準備する……)
わたしは、もし敗けたらなんて考えない。われわれのやることはすべてが勝つためにやることだ。だから、わたしの準備においてもし敗けたらなんてことに1秒たりとも使わない。
自分たちが勝つかどうかだ。どれだけ自分たちが試合に勝つ信念を持てるか。結果、自分たちがどう感じるかはあとのこと。
(タイトル争いのこともまったく考えない?……)
考えない。アストン・ヴィラに勝ったとき、みんなが同じことを云っていた。もしこの試合で敗けたら、もし2試合で敗けたら、つぎはどうする?
そしてそのあとシティへ行っても、そういうことをあれこれ云われた。10月にそんなことは考えられない。
(クラブの内部情報のリークを防ぐことの重要性……)
とくにチームニュースについてでしょ?(笑い) それはわたしも理解している。(ソーシャルメディアを使う)多くの子どもたちが自分のチームをどうにかしたいし、マネジャーになりたがっている。
できるだけそれを守るのはわれわれの仕事だ。なぜなら、なにも漏らしたくはないからね。ふつうのことだ。
(リークを止めるために取り組んでいる?……)
それはわれわれの仕事の大きな部分で、たくさんの情報があるし、センシティヴ情報もたくさんある。多くの人たちが知ってシェアしたい情報がある。だから、クラブとチームをできるかぎりのやりかたで守るために、これはわれわれの義務であり、やらねばならないことだ。
(なぜケガ人が続出しているので?……)
たくさんのケイスがある。とても不運だった。難しいヒザのケガがあり、トラウマティックなケガがあり、ナショナルチームで3人ケガしたり、それはコントロールが難しい。運(luck)だよ。なんでそれを“luck”というのかわからない!
先日リカルドに起きたことは、トミヤスにも起きたことで、起き得ることだ。しかし、重要なことはわれわれがそれにどうリアクトするか。そこは変えるつもりはない。
(Slotのリヴァプールでのスタートに驚いた?……)
ノー。なぜなら、あのチームがあるから。すでにインフラがあり、個人もいる。それに彼はとても優秀なマネジャーだから。
彼は、すでにかなり成功しているチームを引き継いで、それを維持し進化させるために彼のタッチを加えた。おそらくは彼が信じる正しいやりかたで。
もちろん、始めから、あのスクワッドを見れば、彼らにはよいミックスがあると考える。
(もうラインアップは決めている?……)
日曜の? ノー。
(この48時間はどのように過ごす?……)
たくさんの絵を描く。たくさんの可能性、たくさんのifを。なぜなら、われわれがスタートさせるチームで試合を終えることはないだろうから。
それは毎週起きる。だから、自分たちが置かれるであろうシナリオや状況のために準備をしなければならないし、必要な変更を行ったあとのための準備もする。誰が90分プレイできるか、誰ができないか。それはつねにそうなる。
(ケガ人には準備ができていた?……)
直接的に、あるいは数人の選手たちに起きたやりかたではなかったが。ベストなフィジカルとメンタルのコンディションのなかで休ませること、そこには大いに取り組んできた。なぜなら、そこがカギになるからだ。
そしてそのあと、チームと組んで準備をする。キャプテンを失うことはとても大きなことだから。そして中央のDFを失い、フルバックを失い、またひとりフルバックを失い、ストライカー、ウィンガーを失い。
しかし、チームにはリソースがなければならない。まず第一に精神的にそれに適応し、そして以前と同じ信念を維持する。われわれはグレイトなチームだ。
(チームのキャラクターから学んだこと……)
わたしはひと観ること、個人を観ること、リアクトするチームを観ることが大好きで、わたしはチームが「嫌だな」と云うのを一度も観ていないし、スタッフも、2階にもいないし、そういうことを話しているひとを観たことがない。
とにかくやることだ。歯を食いしばれ、どれだけほしいか見せろ。誰にとっても素晴らしい機会があり、チームとしてある状況に抗うこと。
われわれにはもっと観客が必要だ。日曜にはもっとほしい。きっと彼らは来てくれるだろうし、やってくれるはず。
(ネガティヴにならないようにするには?……)
ゼロにすること。次回、翌日、つぎの準備はゼロ。そうしたことを自分からただ排除する。そして、排除したら、今度はスタッフからも排除する。彼らはわたしの近いところにいるから。そして選手、そして信念。
そんなものは投げ捨ててしまえ。それだけだ。
会見後半。
サマリー。
- Positivity: That’s the way we try to behave. We’ll learn from it as well. Let’s have a beautiful day on Sunday.
- Results against big rivals: it tells you we are capable of doing it. We won at Villa, played against city with 10 men. The team have done it.
- Kiwior: he’s one of the options.
- Keeping an eye on Slot: We are all there fighting for the same thing.
- How stressed do you get: The only stress I have is the midfield and front line. You make a decision, positive of one, and not for the other.
- Taking risks: We want to understand the risk and consequences. You don’t always get it right. The player is a great indicator on how you’re feeling.
- Decision on team: normally I like to go to bed with the line up in my head so I can go to bed like a baby.
- Knock on effect without Saliba: it has a knock on effect in the team.
以上
AFCの情報漏えいについて
今回のやりとりで情報漏洩についての質問が出ているのが興味深かった。会見の映像をみると“Sam”と指名されてから質問を始めたので、それを訊いた記者はおそらくThe Telegraphのアーセナル担当Sam Deanと思われる。さすがナイス質問。
その質問に対し、アルテタも「チームニュースのことでしょ?」と、先日のオーデガードのセットバックのデマを意識したであろう反応をしている。
ソーシャルメディアのアーセナル界隈にもいろんな事情通(ITK)がいて、日々出どころのあやしげな情報がもたらされているが、なかにはそれなりに真実が含まれていることがあとで判明して、内部の関係者がソースとしか思えない情報もあったりする。クラブとしては、公にされることを望まないものも当然あるだろう。
その情報の精度の高さをいちばん理解できるのは、アルテタはもちろんインサイダーの人間。自分たちしか知らないはずの情報は、自分たちしか知らないはずなのだから。そして、意思決定にさほど大人数が関わっているとは思えないので、そうした重要な漏洩が続けば、いずれリーク元も特定される運命にある。いやしらんけど。
だから、BellとかTNATみたいな謎の事情通アカウントは、本来は長くは保たないはずなのだよね。人づてじゃなく、不正にサーバにアクセスしてるとか、そういうレベルならまた話は違うだろうけど。それはもはや犯罪である。だから、彼らがしばらく活動をつづけられる理由を知りたいという気がする。あるいは、こちらが思っているほど、情報は隠されていないんだろうか。
クラブにとって、こうしたリークの実害のひとつは、秘密裏に動いていた移籍ターゲットをさらされることだろう。だが、その点ではエドゥ以降、相手とかなり交渉が進んでから初めてニュースになる案件も少なくなく、それだけ内部情報が守られるようになった感じはある。そういう部分も、この件でアルテタが楽観的でいられる理由かもしれない。今回のやりとりの雰囲気だと、アルテタにあまり差し迫った印象はない。
アルテタといえば、Sky Sportsの“Unpacked”というシリーズ番組に彼が出演していた。彼のクラブでの一日の過ごし方など、フットボールマネジャーの日常に興味あるひとにはおもしろコンテンツ。
マーティン・オーデガードの試合前コメント「どうしてもプレイしたい試合」
いつものマッチデイプログラムのキャプテンノーツ。AFC公式サイトより。
オーデガード:ぼくらがどうしてもプレイしたい試合というのがある。絶対に燃えたぎるやつであり、ステディアムのなかはトップな雰囲気になる。
ぼくらのこの2試合は、違うチャレンジがあった。ボーンマスでの敗け、シャフタールで見せたキャラクター。ベストのレヴェルでなくとも、チームは大きなパフォーマンスでやってくれるとわかっていた。レヴェルを上げ、高みに到達する。
みんながワクワクしているし、準備ができている。ぼくらはベストパフォーマンスを出したいし、リヴァプールにはそれが必要になることもわかっている。
彼らはとてもよいシーズンのスタートをしている。自信満々だ。ぼくらは、彼らとはプリシーズンでもプレイしたし、先週のチェルシー戦も観た。どうも彼らは、Kloppのときからいくつかの変更をしているようだ。
ぼくは、もう何週間も離脱していて、できるだけ早く復帰できるようハードワークしている。火曜のキャプテンノートでも語ったように、ぼくはもうかなり復帰に近いと感じている。でも、まだ試合にはずっと関わっていないから、その時間を有効活用できると思う。
正直、ぼくの日常は以前とはかなり変わった。いまも毎日トレイニンググラウンドにはいるし、もうそれもしばらくたつ。ぼくは、そのあとはだいたいすごく疲れてしまうんだ。だって、かなりのワークを行うから。ぼくらには素晴らしいメディカル/フィットネスチームがあり、ジムでも多くの時間を過ごす。
それに、ぼくはそこで起きていることにつねに関わっていたいんだ。だから事前のミーティングにも参加するし、近くにいるようにしている。
でも、試合の日は当然違う。遠征には加わらないので、家で過ごす時間が増える。休養もたいせつだし、それも悪くない。
できれば、ここから抜け出すときはフレッシュで強くなっていたいね。残りシーズンのために。それがいまの目標。ポジティヴな面を観て、時間をうまく使う。ぼくが復帰するときは、かなりいいフィーリングがあるはずだ。
でも、とにかく勝つことだ。今回もみんなが応援してくれる。ぼくは、チームがホームでお仕事完了できると確信している。