マルティネリのイコライザーが90分+3。また「フィニッシャーズ」がやってくれた。
ホームでゼロポインツさえ覚悟した絶望のなか、まるでリヴァプールのお株を奪うような劇的な最後となったマンシティ@エミレーツ。しかし、あのようなゴールに対してアーセナルファンとして本来は狂喜すべきところなんだろうが(いやたいへんに喜びましたけれども)、試合が終わってみれば、それよりも消化不良な気分のほうが残ったのだった。
試合のスタートからいい感じにプッシュしながらカウンター一発で失点。その後はシティのような相手にもほとんど一方的にプレイしたというのに、結局最後のあのゴール以外では十分にクリエイトできず。ロウブロックでひたすら守る相手に、圧倒的にボールを持って攻めあぐね。なんだか、まるでミッドテーブルチームと対戦しているような錯覚に陥った。
試合後は、アルテタのチームセレクションに対する疑問の声が少なくない。先月にアンフィールドで敗けたリヴァプールのときと似たような議論が再燃している。
試合を振り返る。
アルテタの試合後コメント「試合のどの側面も支配した」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFC公式サイトより。
アルテタ:わたしは、選手とチームがとてもとても誇らしいと云わねばならない。
スコアライン以外、われわれのプレイも試合のどの側面でも見せた支配も際立っていた。わたしのようなコーチ、わたしのような人間からしてみれば、マンシティ相手にあのようにプレイすることがいかに難しいか知っている。だから、この結果には非常に失望していると云える。
(フィニッシャーズ)信じられない。ガビはビルバオでもいいチャンスがあったし、今日もあった。彼はスタートしなかったが、それと同じエナジー、コミットメントがあり、さらなるグレイトなときをつくった。
エブズも同じく、彼は試合でスタートしなかったことにきっと失望していたはずだが、わたしはこれは長い試合になるとわかっていた。だから、試合の流れが変わる時間がきっとくるはずだった。そして、それが大きなインパクトになった。
われわれには、彼らが必要だ。ノニはケガをしていて、ブカヨは準備できていた。彼もまた試合を通してとてもいいプレイをしていた。それにわれわれは、ガビーやカイのような重要な選手を何人か欠いているし、マーティンのようにまだ起用できない選手がいる。われわれには全員が必要だ。
試合後の記者会見。AFC公式サイトより。
(あなたのチームに対する評価……)
- わたしは選手とチームがとても誇らしい
- それが全体的なフィーリングだから、結果にはとても失望している
(昨シーズンのエティハドでの試合との相似……)
- ノー。なぜなら、あの試合でわれわれは54分間を10人でプレイしたのだから話が違う
- わたしが感じている誇りは、11人のチームに対して、あのように支配的にプレイしたこと
(HTでの交代はチームセレクションの失敗を認めるもの?……)
- それを云うのは簡単なこと
- わたしはチームがやりたいことは明確だと思うし、試合のスタートもとてもよかった。試合を完全に支配した
- 彼らがゴールを決めたあとも、その前も、彼らはまったくなにもできなかった
- あのゴールのあと5-7分はやや不安定だったが、また試合をつかみ直し、支配を始めた
- 後半はそのつづきになった
(スターティング11は「安全第一」だった?……)
- どうとでも
- しかしわたしには、あのチームになかにはたくさんの攻撃の選手がいた
(マンシティのドン引きに驚いた?……)
- 誰もがほしい結果を得るためにベストをつくすのだから問題ない
(マドゥエケのHTでの交代……)
- 彼は試合の序盤で問題があった。あのまま試合をつづけるには十分ではなかった
(エゼは中央で試合にインパクトをもたらせる選手?……)
- イエス。だから今日の彼はあのポジションでプレイした
(またしてもDonnarumma……)
- 彼はボックスで非常に支配的。6ヤードボックスの周辺で、どんなボールが入ってきても
- 彼のタイミングや行動の実行は超効率的
- 今日も彼は試合に敗けないために重要な貢献をした
(マルティネリを入れたタイミングについて……)
- われわれにはとてもいい勢いがあったし、その時間をつづけたかった
- 彼はビルバオの試合からまたとてもよかったので、もっと時間を与えるにふさわしかったかもしれない
- しかし彼のエナジーや姿勢はとてもよく、だからこそ彼はまたチームにインパクトを与えることができた
(マルティネリのベンチからのインパクト……)
- われわれはそれが継続してほしい。試合でスタートしないどんな選手もそれができてほしい
- なぜなら、試合は長く、相手を倒すためのレベルがあるから
- われわれは、彼にとても満足している
(あの3MFをスタートさせた理由について……)
- この試合でスタートさせるに最良の3人だと思ったから
- ビルバオではMFについて誰もわたしに訊かなかった
(ヨクレスのパフォーマンス……)
- ボックスにはたくさんのとてもいいボールが入り、とくにそのなかの3つはとてもとても惜しかったと思う
- 大きなオープンチャンスを得るのは極めて難しいことだ
- しかし、彼は間違いなくベストをつくそうとしていたし、チームは彼にもっと供給する必要があるというだけだ
- たくさんの状況とチャンスがありつつ、今日はファイナルパスを欠いていた
- 多くの時間でとてもとてもオープンだった
(エゼのポジションのヴァーサティリティ……)
- 今日の彼はすこしだけ右寄りでプレイしたのは、理由があってのこと
- 左からプレイするときは、AMとしてもWGとしても、そのスペイスに入っていくことになる
- 彼はとてもとても効果的でクリエイティヴな選手。それがわかっていてわれわれも彼をここに連れてきた
- だから、われわれは彼をいろいろなスペイスで使っている
(スクワッドデプスがチームセレクションで考慮されている……)
- セレクションにはたくさんの要素がある
- まずひとつは、パフォーマンスレベルとチームに入ったときの感情の状態
- そして、相手に対してベストだと信じられること。どのような試合になると想定されるか
- そのあとにケミストリ。お互いを理解する関係性。それを理解する必要がある
以上
デクラン・ライスの試合後コメント「ガビのランとフィニッシュは信じられない」
試合後のインタビュー。AFC公式サイトより。
DR:(ネリがベンチからインパクトを出すのはこの一週間で二度め)60、70、80分という時間でベンチから入ってくるとき、試合はスタートしたときとはまったく違うものになっている。
試合はオープンになり、もっとも間延びする。そしてガビのような選手は信じられないようなことをする。彼らが入ってきて、ペイスやドリブルといった強みを活かし、チームを大いに助ける。それはたくさんのスペイスがあるからで、最後のあのランとフィニッシュは信じられなかった。ぼくらは完全にそれにふさわしい。
ぼくはピッチに立つもののフィーリングとして、仲間もチームも、マネジャー、選手の考えもわかる。そしてぼくがここに来てからは、おそらく初めてじゃないだろうか。マンシティのような相手にあれほど支配的にプレイした。
ぼくらが彼らをあのように釘付けにし、彼らのふだんのプレイとはまったく違うやりかたにした。あれは、ぼくらに対する彼らの大きなリスペクトの現れだと思う。ぼくらやっていることへの。
もちろん、最初の失点はちょっと残念だった。彼らのボックスの際で始まったのが、最後にぼくらのネットに入ってしまったのだから。いつもは、ああいうカウンターアタックはぼくらがやることだ。だが、ぼくらはファイトをつづけ、要求されるメンタリティを示した。最後にはガビの素晴らしいゴールが決まっていて、ぼくらが試合から得るものがあるのは当然だった。
(5試合終わってテーブルで2位)間違いなくぼくらのスタートはリーグでタフなものだったと思う。もうすでにいくつかのベストチームと対戦している。来週のニューカッスルもだ。そのあとのウェストハムだって全然楽じゃない。
だからソリッドなスタートになっている。もちろんリヴァプールにアウェイで敗けたことは痛かったけど。それにもし今日敗けていたら、かなり打撃だったが、1ポイントでも得たことが重要だった。
このリーグでメインのことは勝ちをつづけること。ぼくらはそれをしようとしている。ポジティヴでありつづけ、これからも試合を支配しようとしていく。だから、今後もプッシュをつづけて、みんなで助け合っていこう。
Pep Guardioraの試合後コメント「(守備アプローチ)10年に一度なら悪くないだろう」
Sky Sportsの試合後インタビュー。
PG:今週起きたすべてのことを分析するのは難しい。われわれにはユナイテッドのような試合があり、木曜にはCLがあり、そして今日。相手はどの面でも非常にパワフルだった。
レジリエンス。もちろん、ハイプレスに窮すれば難しくなる。効果的なビルドアップができない。
それをやるのはいつもタフだし、かなり難しいのだ。いくつかのトランジションもあった。わたしはこの結果はフェアだと思う。だが全体的に、アーセナルのほうがよかったね。
もちろん、スケジュールの影響がある。それでもマインドセットは強くあらねばならない。われわれにどれほどのケガ人がいるか。
試合後会見では興味深い発言も。
(93分のイコライザー)さらなる記録。わたしはこの国で起きていることが信じられない。でもわたしは誇らしい。
わたしはアーセナルを大いに称賛するね。たとえ望んでも、勝てないときだってある。
とてもよかった。とくに5人で守ったこと。われわれはそういうチームを築いていないから。だが、それを受け入れる必要がある。もしチームにそういった%があるなら、それは彼らのほうがよかったからだ。
あのとき、アーセナルのほうがよかったし、われわれはそれは望まなかった。しかし、そういうこともときどきは起きる。べつにいいじゃない。10年で一度なら悪くないだろ?
わたしも、その戦略で自分を証明しなきゃならないんだ! これでわたしもトランジションコーチになった。
わたしもほかの方法でプレイしたかった。だが、10年のあいだにはたくさんの試合があり、ときには深く深く深く守って結果を得なければならないときもある。これは素晴らしいパフォーマンスであり、マインドセットであり、戦略だった。
われわれも守らねばならないこともある。なぜなら、正直相手のほうがよかったから。われわれはそれを受け入れる必要があるし、そのようにして生き残らねばならない。それをやったのだ。