Hey.
NLDでローカルライバルを粉砕するという週末の興奮から、早くもビッグマッチがやってきた。
UCLのバイエルン@エミレーツ。
われわれは、その日程の半分を消化した現時点でのリーグフェイズテーブルでも、1位(バイエルン)と2位(アーセナル)という関係性であり(※PtsとGDで並ぶも彼らがゴール数で上回る)、大げさにいえば、事実上の世界一決定戦みたいな。
歴史的に、アーセナルにとって彼らはヨーロッパでもっとも多く対戦している相手であり、過去14戦で3度しか勝ったことがないという相性最悪の天敵でもある。
直近5試合でも一度も勝てておらず、そこには一昨年23/24シーズンのコンペティション敗退となったQFでのホーム・アウェイ2試合も含まれるし、もちろん、われらにとって忘れられない16/17シーズンのアグリゲイト10-2と大敗したときの試合も含まれる。あの屈辱たるや。あれも、もうそろそろ10年も前になるのか。
今回はそういう相手との対戦である。
とはいえ、ヒートアップしがちな頭をここで冷やしておかねばならないのは、この試合は両者にとっておそらくマストウィンな試合でもないということ。UCLではリーグフェイズ4試合を消化し、お互いここまで全勝。ひとまずはノックアウトラウンド進出にプレイオフのないトップ8での勝ち抜けについては、そこまで心配されていないだろう(現時点では95%以上の予想)。もちろん勝ちたい試合だが、これより重要な試合はある。
そうしたコンテクストも踏まえつつ、どのような試合になるか。ざっくりプレビューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「バイエルンを倒すつもり」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。AFC公式サイトより。
(トトナムに4-1勝利した強い余韻がまだある……)
- イエス。そして、われわれはそのエナジーを明日のステディアムに再びもたらさねばならぬ
- どの個人も、同じ支配とアグレッションでプレイすること。相手はトップサイド
(マルティネリとマドゥエケは明日のスタート候補? ほかに復帰する選手は?……)
- 彼らはスタート候補になる
- マーティンについてはこのあとのMTGで決める
- 彼は前回の試合でもとても近かったので、明日のスクワッドに入ることを期待している
(ヨクレスとハヴァーツのリハブは?……)
- ふたりともとてもよい
- 週末の試合に向けて、このあとの数日で全体を再検査するつもり
(この試合へのアプローチ……)
- 勝利への意志は変わらない
- とても短い時間ながら非常によい準備をしている。とても効率的にやっている
- われわれはこの試合の重要性はわかっている
- いまわれわれはとてもよいポジションにいて、それを維持したい
- この試合はとても美しく、とても要求される試合になる
(バイエルンのチャレンジを楽しみにしている?……)
- 間違いない。このコンペティションで、この類の試合をやりたかった
- われわれはいまふたつのコンペティションでとても安定していて、それは相手も同じ
- 明日はわれわれの現在地をみる素晴らしいテストになる
(エミレーツでの日曜の雰囲気はベストだった?……)
- あれはたしかにベストのひとつだった。あの試合前の雰囲気とエナジー。素晴らしかったと思うし、あれが違いになった
- 選手たちもそれについて話していた。サポーターたちには自分たちがもたらしたものを実感してほしい。喜び、自信、エナジー
- われわれはそれを維持し、つねにもっとよくしていかねばならない。なぜなら、それはとても大きなスーパーパワーだからだ
(スパーズでの4ゴールがすべてオープンプレイからだった件……)
- わたしには(セットプレイと)同じ価値。それは変わらない
- すべては試合の一部であり、それは自分たちのプレイのポジションによるし、どう守るか、どんなオプションがあるかによる。われわれはどの場所でもとても効率的でなければならない
- わたしはセットピースでゴールしなかったら困るよ(upset)。セットピースでもゴールがほしい
- そして、失点も困る。だから、自分たちが行うすべてのことでベストでいることだ。それが目標
(今回の試合が今シーズンここまでで最大の挑戦?……)
- どの相手にも違うチャレンジがある
- 彼らはいま絶好調で、彼らのリソースにある安定、パフォーマンスのレベル、すべてのスタッツ、それはとてもとても素晴らしい
- われわれはそれをわかっている
- これはわれわれにとっては、自分たちに何ができるかを示す大きな機会でもある。
(Vincent Kompanyはいいマネジャーになると思っていた?……)
- わたしは、Vinnyなら何をやっても素晴らしくうまくいく気がしていたから、彼がいまうまくいっていることはとてもうれしい
- 彼にはあれほどの存在感や知性があり、ゲイムへの愛情、ワークレイトがある
- だから、わたしは彼が何に触れようと、彼ならとてもうまくやるとわかっていた。まったく驚きはない
(このような高いレベルにケガ人を復帰させる難しさ……)
- とくに長期間だったからね。6、7、8週間。これはとても長い
- しかし、彼らの今日のトレイニングを観ていたら、彼らがどれほどプレイしたがっているかわかった。全員をスタートさせられたら理想的だったのだが
- だから、彼らは調子が良さそうにみえる
- だが、彼らをマネジする必要もある。いまはとても要求される週であり相手だから
(ピッチに戻りたくてうずうずしている選手たちをどう落ち着かせる?……)
- われわれは個人をよく観なければならない。彼らがこういう試合でスターとできるかどうか
- そして、彼らが復帰までどれだけ長くかかったか
- そういう選手をピッチにいれるときは、とても注意しておく必要がある。彼らの多くは90分プレイできないかもしれないから
- だからサブに気を配るし、それをどう使うか
- ウィンドウでは、試合を通しての意思決定がとても効果的であるために、計画していく
(エゼやオーデガードのような高いクオリティの選手たちはどうやって起用を決めていく?……)
- 優先はチームがいかに効果的になれるか。試合に勝てるか。そこがプライオリティNo.1
- 彼らもそうした状況に対処しなければならなくなる
- 選手たちはプレイするメリットを自分で得なければならないし、個人のスタンダードはより高くなっていき、チームのレベルもそうなる
- だから、われわれはそれと付き合っていく必要があるということ。とてもポジティヴなやりかたで。なぜなら、それはとてもすごいものだから
(チームのどのポジションでも競争があるべき?……)
- それはいまあるし、そうでなければならない
- ありがたいことに、スクワッドにはデプスを増し、去年とくらべてクオリティもある。それはかつてないほど必要になるものだから
- 今シーズンのフットボールを昨シーズンとくらべれば、つねに違うものになっている。3シーズン前などもう違うリーグだ。わたしはそのことに気づいていたかった
- このリーグでは、ほかのチームもスクワッドも同じようにやっている
(ガブリエル・ハインツェがコーチングスタッフにもたらしているもの……)
- 経験。彼は勝者で、彼は多くのクラブで勝ってきた
- 彼はとても違う教育を受けている。われわれは知り合ってからもう23年にもなり、とても親しくしているが、それがさらなるなにかをもたらす
- ガブリエルが示す情熱のレベルがあり、他者はまた違うやりかたでそれを示す。モリーナ、あるいはニコ、あるいはイニャキ。それとここにいる全員
- それは素晴らしいし、わたしもとても満足しているのは、それが完全にお互いを補完しあっているから。全員に違う洞察があり、違うキャラクターがあり、違うパーソナリティがある
- それを彼らがテーブルにもたらしチームをとてもよくする。わたしのこともよいコーチにしてくれている
- それは選手たちにとっても、ベストなリソースになる
(ジェズースはいつごろスクワッドに含まれそう?……)
- そうだね、彼はかなり近づいていて、われわれの想像よりも早い
- ここ数日で彼はさらなるステップを踏み、彼のために組む試合もある
- そのあとに彼はドアを叩くことになる。彼はウィナー。それがいま起きていること
(ガブリエルにかわりデビューしたヒンカピエについて……)
- ピエロの大きな功績。あれは彼にはとても大きなチャレンジだった
- PLデビューが最大のライバルとの試合で、ガビの代替としてトッププレイヤーたちと対峙した
- それはまったくイージーではなかったが、彼はとても納得できるやりかたでそれをやった。それが彼のパーソナリティ
- 以前にも云ったように、彼は戦士。彼はどんな挑戦があっても、間違いなく受けて立つ漢
(アーセナルはすでにヨーロッパのエリートのひとつなのか、それともそれになるにはバイエルンのようなチームを倒す必要があるのか?……)
- わからない
- パフォーマンスや一貫性について云っているのなら、イエスと云いたい
- だが、そのレベルでのトロフィという話なら、われわれはCLを一度も勝ったことがない。バイエルンは6度勝った
- われわれはレアル・マドリッドともくらべられない。彼らは違う別世界にいる
- だからわれわれは、そこにたどり着くつもりなのだ
(バイエルンに勝利すればどれほどの信念になる?……)
- 日曜の前にも同じ質問があった。そして素晴らしいことにわれわれは勝った
- その後、今回の試合が終わって、彼らが勝っている。それがバイエルン・ミュニックだ
- そして、いまわれわれはバイエルン・ミュニックとやる。間違いなく彼らを倒すつもり。そのあとはチェルシー。これが現時点のわれわれのスケジュールの無慈悲さ。要求
- だが同時に、6日間のあいだにこのようなすごい3試合をプレイできるのはなんという特権か
会見後半。
サマリーがないので、自力でサマライズする。
- (Harry Kaneを恐れる?)そのワードfearは使いたくない。彼は素晴らしい選手。彼の功績
- (彼をどうやって止める?)準備している
- (ケガ人が多くとも守備が安定。これまでの守備補強を正当化できる?)この4-5年のチームの変化は大きく、その中核を築くのに1-2回のウィンドウでは無理。特に互いを補完し合える選手たちを獲得し彼らは最高レベルでプレイしている
- (NLDのTifoに意見は求められた?)サポーターがあれを決めてそれにクラブが協力した。あれで素晴らしい試合のスタートになった
- (これから3人のストライカーが戻ってくる)チームにさらなるオプションとエッジがもたらされる
- (NLDで素晴らしかったメリーノはバイエルンでも輝ける?)間違いない。彼は過去にもそうしてきた。それは当然と思われているが、まったく当然ではない
- (23/24シーズンにバイエルンにCL敗退させられたときと違うチーム)より優秀なチームだということを明日見せたい
- (バーンリーでは苦労したコンパニについて)バーンリーでの彼の仕事ぶりは素晴らしかったし、あのときの環境や状況も考慮する必要がある。バイエルンが彼に声をかけたのも彼が非凡である証
- (シティやアーセナルで将来コーチになる選手を見分けられる?)(笑)。何人かは明らかにそう。自分でもそれがつぎのステップだと云っている。でも絶対にマネジャーにならないと云える選手もいない。Vinnyは明白だった
以上
ジュリアン・ティンバーの試合前コメント「バイエルンに勝つのは大きい」
今回選手側からはジュリティンが会見に応じた。AFC公式サイトより。
JT:ぼくは、ただいつもうまくなろうとしているだけ。毎試合。毎日。でも環境や文化もあると思う。
全員がお互いをプッシュしているとも思う。ぼくらにはビッグスクワッドがあり、お互いをプッシュせねばならない。勝ち取ろうともしている。
だから、ぼくは自分の向上のためにも正しい環境にいると思う。自分のベストヴァージョンになるための。
チーム全体が団結している。ピッチのオンオフでいっしょに楽しんでいる。この一体感と団結をぼくらは利用すべきなんだ。それを毎試合でピッチに持ち込む。
テーブルで1位のチームだろうが2位だろうが、バイエルンはビッグクラブだよ。彼らには素晴らしいチームと選手がいて、素晴らしい文化がある。いずれにせよタフな試合になる。
どちらのチームもお互いにプレスしたいし、自分たちのやりたいプレイがある。ファンにもワクワクする試合になるだろうね。
バイエルンに勝つということは大きなことだ。彼らはとてもいいチーム。タフな相手。いい試合になるはず。
AFC公式のトランスクリプトにはないが、おもしろかったのはこのやりとり。なぜか埋め込みできない。
(これを云ったひとを当ててください……)
JT:誰か当てるの? わかった。いいよ。
(「現在リーグベストのフルバックはジュリアン・ティンバーである」……)
……うちの母さんかな?(一同笑)
答えはギャリー・ネヴィル。これはウケる。ママは絶対云ってるから間違いじゃない。
しかし、何度も同じことを書いてしまうけども、わたしはクエンティンがアーセナルのターゲットとして全然噂にならないのが信じられないよ。『balatro』ってゲームあるじゃん? あれの「右のカードの能力をコピーする」超強力なレアカードあるじゃん? 超優秀なジュリアンとクエンティンは双子じゃん? 超優秀がもうひとり出現。どうしてクエンティンをデッキに入れないんだよお! まさかひとりがケガするともうひとりもケガするから? 昔『ブラックジャック』(©手塚治虫)でそういう話あったな。















