BBC SPORTSがブレイキング。
Theo Walcott: Everton in negotiations to sign Arsenal forward permanently
エヴァートンのビッグ・サムことサム・アラダイスが(エヴァートンにいたの?)、シオ・ウォルコットがほしくてほしくて震えているらしい。ローンなんかじゃなくておまいのすべてがほしいんだと。ネゴシエイション中とはいえ、BBC様にブレイキングされちゃあ、もう決まりかも。
ウォルコットの思い出
ウォルコットもあまりグーナーに人気のない選手だったなあとぼくは思う。実際この12年間アーセナルでなにか記憶に残るような出来事を成し遂げたともいえず、調子がいいときも長く続かないし、いつも期待を裏切られ、がっかりさせられ続けてきたという印象しかない。
17才でワールドカップにデビューするなど華々しく登場し、将来を嘱望されていたにも関わらず、結局アーセナルでは最後まで中途半端な選手として終わってしまった(終わってない)。もちろん、獲得した当初はとんでもない少年がやってきたと思ったものだが。彼もまたアーセナルで期待されたとおりの成長できなかったひとりということだ。見た目はだいぶ男っぽく成長したけどね。
そしてグーナーの心象を悪くしたのは、やはり2015年に契約更新したときの騒動?だろうか。
あのとき、ウォルコットはいまのエジルやサンチェスのように契約の終わりが迫っていることを盾に、だいぶいい条件を勝ち取った(当時は破格の週給140kポンドと報道された)といわれていた。ファンのなかにもなかなか期待どおりの活躍ができないウォルコットに対して、高給での契約更新に否定的な売却賛成派が多数いて、一連の騒動についてはネガティブに捉えたファンが多かったはず。
そしてその後の3年間は、そのような強気な態度で交渉に臨んだにも関わらず、20ほどゴールしたシーズンもあったものの、おおむね高給に見合う活躍をしたとはいえないのではないだろうか。ファンはウォルコットにアーセナルのエースになってもらうことを期待していたんだから。失望されるのも無理はない。
彼はまた、契約更新の際にはセンターフォワードをやりたいと自ら志願して、実際に何度か起用されたのに結局期待に応えることはできず、その結果ポジションを失いかけ、やはり自分にはフランクでのプレイが似合っていると、とぼとぼCF争いから自ら脱落していった。あれはちょっとかっこ悪かった。
ウォルコットの客観的評価は?
ちなみに、いま話題になっているエヴァートンやサウサンプトンなどのクラブは、彼を獲得するにあたって、20Mポンド程度で獲得できると考えているようだ。このインフレ時代に残り契約が1年半とはいえ、28才のスター・フットボーラーに対してずいぶんと控えめな額である。
彼の獲得を希望する各クラブも、現在の彼の報酬と同程度を支払う意向はあると伝えられているがそれ以上を支払う気はないようだ。現状維持というのが、彼への評価を物語っている。
所属クラブで出場機会を失い、イングランドでもチームから外れている選手。アーセナルやイングランドでもレギュラーでプレイしていた時期もあったなかで、フットボーラーとしていまは落ち目トレンドという評価をせざるを得ない。
カウンターのチームなら輝ける
とはいえ、彼のスピードやときおり見せるシュートセンスなどは、カウンター攻撃が主体のチームならもっと輝けるはずだ。しばしば指摘されるように、アーセナルでは多くのチームとの対戦で、彼のような選手が使えるオープンスペースがあらかじめ消されてしまっている。
その点、堅守速攻のようなプレイスタイルのチームであれば、アーセナルで持ち腐れていたウォルコットの才能が最大限活きるに違いない。アーセナルが苦手としているような「引いて守ってカウンター」のチームのほうが、もっと彼に適しているというのも皮肉な話しだ。そういう意味では、サウサンプトンやエヴァートンよりももっと極端にカウンターをやるクラブのほうが適しているといえるのかもしれない。
だから彼のためにはアーセナルからの卒業はきっといいことなのだ。新しいクラブでそれなりの結果も残すだろう(少なくともアーセナルにいたころよりは)。彼だっていまのままの状態でフットボーラー人生を終わるつもりはないはずだし。EPL後半戦、移籍先でもし彼が大活躍するようなことがあれば6月のワールドカップに向けてイングランドチームへの復帰だってないとはいえない。
クラブに一番長くいる選手がまたいなくなるのはさびしいが、幸運を祈らずにはいられない。
でもアーセナルの選手としてもっと成長できた未来があったのかもと思うとモヤモヤする。フィオが成長できなかったのはいったい誰のせいなんだ。