エメリ初のNLDプレヴューエントリ、前半につづくこちらの後半では、試合展望をお届けしよう。
予想スターティング11
当ブログの予想ファースト11。
3-4-2-1
オバメヤン
イウォビ、エジル
コラシナツ、ジャカ、トレイラ、ベレリン
ホールディング、ソクラティス、ムスタフィ
レノ
今回はボーンマスでも使ったバック3を予想。バック3を採用する理由はもちろん左のコラシナツだ。戦術的な判断じゃないところが苦しい。
バック3はどちらかといえば2トップ向けのフォーメーションで、ケインのワントップなら得意のバック4で臨みたいが、それも致し方ない。エメリは守備の理由で彼をLBにしたくないと思っているに違いないだろうから。
モンレアルならバック4もバック3もどちらでもよかったという意味では、コラシナツしかいないおかげでアーセナルは戦術の幅が狭まったといえる。
ぼくの予想では、守備の保険があるバック3でスタート、それがうまくいけばそのままでよし。もし先行されて追いかけるような展開になれば、攻撃のためにリスクをかけてバック4に変更、さらにストライカー(ラカゼット)を追加し4-2-2-2まで考えているのではないだろうか。
緊急時カミカゼフォーメーション
4-2-2-2
オバメヤン、ラカゼット
イウォビ、エジル
ジャカ、トレイラ
コラシナツ、ホールディング、ムスタフィ、ベレリン
レノ
エジルを使うか?
ファースト11について、今回NLDというひどく大事な試合でエジルを使うかどうかも注目されている。
彼は先週のボーンマス戦ではフィットしていながらも珍しく最後まで出番がなく、ビッグプレイヤーでも容赦なくベンチに置くというエメリの采配が注目を集めた。
エジルはもちろんミッドウィークのウクライナ遠征にも帯同しておらず、インターナショナルブレイクも合わせるとまるまる3週間プレイしていない。
当然この試合ではスタートから使ってくると思われているが、万が一エジルの代わりにミキタリアンをスタートさせるようなことがあれば、これはもう事件である。
しかし、出たら出たでぼくは彼がこの試合、アーセナルにとってのキーマンになると思う。
エジルがボールを持つ時間が長くなればなるほど、タッチが増えれば増えるほど、アーセナルにチャンスが生まれるはずだ。
ToTの予想ラインナップ
念の為、ToTの選手も確認しておくためにフースコの予想ラインナップも。
偶然だがアーセナルの3-4-2-1はまるまるぼくの予想と同じである。というかバック3ならこれ以外は考えにくいか。
ToTは4-2-3-1。
けが人情報
公式サイトにTeam Newsが来ていない。まあ新しいけが人の情報はとくに入っていないのでこれまで通りだろう。
気になるラカゼットについては、日曜にはフィットしているという噂がある。そりゃいてくれないと困る。
ラカゼットは、前回のNLDで最後の最後惜しいシュートを外して戦犯扱い(その後すぐ離脱して、それまでの一連の不調はけがのせいだったと判明)といった苦い思い出がある。彼こそがNLDに格別のモチヴェイションを持った選手だろう。
ToTについて
彼らはエリック・ラメラとキーラン・トリッピアーのふたりが出られないことがかなり痛いらしい。
それとムサ・デンベレ、ヴィクター・ワニヤマ、ダヴィンソン・サンチェスといった守備系の選手たちもいないと。
それであのメンツ。選手層厚くね?
フィットネスについては、彼らはミッドウィーク(水曜)にホームながらインテルとCLの本気試合を繰り広げている(1-0勝利)。
しかし、一時は木曜にELのアウェイマッチを戦うアーセナルのほうがフィットネスの不安が囁かれていたものの、結局ファーストチームの大半の選手がロンドンに残ったためアーセナルにフィットネスの不安はない。むしろ一週間しっかり落ち着いて準備をしている。
直近のフォームについては、6連勝とかなり調子がいいようだ。
このなかには、ホームながらインテルやチェルシーも含まれている。
マッチファクト
- ToTはPLのアーセナル戦アウェイ25試合でたった1勝(W1 D10 L14)。勝利は2010年11月
- ToTはPLでは、アーセナル戦で先行してからもっともポイントを落としている(37ポインツ)
- PLのアーセナル対ToTはもっとも多くの得点をしている対戦(34ゴール)
- アーセナルはPLでは8月にチェルシーに負けて以来11試合無敗(W8 D3)
- アーセナルは今シーズンのPLでセカンドハーフにもっとも多く得点しているチーム(21ゴール)。アーセナルがセカンドハーフに得点できなかったのは最初の2試合のみ(シティ、チェルシー)
- ToTはPLのロンドン・ダービー直近7試合で勝利
- ToTのハリー・ケインはPLアーセナル戦7試合で6ゴール(合計7ゴール)。ゴールできなかったのは昨シーズンのこの対戦
- エメリとポッチェティーノが対戦するのは2012年4月以来。ポッチェティーノのエスパニョールがエメリのヴァレンシアに4-0で勝利。しかし、エメリはラ・リーガでのホーム試合3試合でポッチェティーノに勝っている
NLDの歴史
前回のノースロンドン・ダービーのときも紹介したように思うが、Wikipediaにマッチデータを含めかなり詳細に紹介されている。
North London derby – Wikipedia
それとツイッターでも書いたように、今回Sky Sportsがかなり気合の入った特集ページをつくっている。
Arsenal vs Tottenham – Evolution of Rivalry | Sky Sports
ノースロンドンのライヴァリーについてとても詳しくまとめられている。
アーセナルがワイハーレーンでタイトルを決めたシーンから始まり、リーグポジションの変遷や年表、ベストゴール、ソル・キャンベル(禁断といわれたToTからアーセナルに移籍)や歴代マネージャーなど、グラフィックや映像を交えてトピックは多岐にわたる。
このなかでぼくが興味深かったのは、両クラブが選手獲得に費やしてきたこれまでの移籍金について。
高額選手の記録はそれぞれオバメヤン(60Mポンド)とダヴィンソン・サンチェス(38Mポンド)とだいぶ差がありながら、すべてを合計するとなんとアーセナルのほうが使っているおかねが少なかった(911Mと1.0BN)。とんだ金満クラブである。
ノースロンドンのパワーシフト
こうしてノースロンドン・ダービーの歴史を振り返れば(振り返るまでもないが)、アーセナルとToTのあいだで近年パワーシフトが起きつつあるのはたしかで、ここ数シーズン、ヴェンゲルの下でアーセナルのフォームが落ちているのと時を同じくして、ポッチェティーノのToTが台頭してきたということがわかる。
よくToTはまだ何も成し遂げていない(何のタイトルもない)のだから、パワーシフトとは呼べない的な論調を見かけるが、ぼくにいわせれば現在のようにリーグ順位というかたちで両者の力関係がはっきり現れていれば、それはもうパワーシフトである。
しかしわれわれにはエメリという救世主がやってきた。
この試合、ホームにも関わらず、もっぱら不利と見られているアーセナルが勝つようなことがあればノースロンドンのパワーシフト論に急ブレーキがかかるだろうし、また負けるようなことがあればそれはまたさらに加速することだろう。
それを許すかどうかはわれわれ次第である。
試合展望
まずは、WhoScored.comによるスタッツデータを元にした分析から。
まずToTの今季のキャラ(右側)。
ダイレクトフリーキック、カウンターアタック、セットピース、ウイングからの攻撃がストロング。意外にもヴェリストロングがない。
スキルフルなプレイヤーの守備、リードを守る、チャンスをつくられる、危険なエリアでのファール。このあたりがウィーク。そして空中戦がヴェリウィークだ。
アーセナル的に気にしなければいけないのは、まずはカウンター。
今季のアーセナルはヴェンゲル時代に比べてカウンターでやられているイメージはあまりないのだがどうだろう。それでもケインがいるので鋭いカウンターアタックには当然注意するべきだろう。
また彼らはリードを守ることが弱いということは、セカンドハーフチームのアーセナルにとっては有利になる。先行されてはいけないが、もし先行されたとしても落ち着いて逆襲の機会をうかがうことだ。
試合の展望については、
ToTが、ファストブレイクのシチュエイションから得点、ダイレクトフリーキックから得点が「ありそう」。
アーセナルが、しばしばオフサイドにかかる、ダイレクトフリーキックから得点、先行されたところからのカムバックが「ありそう」。
となっている。
ケインのミドルシュート
Sky Sportsがおもしろいデータを紹介していた。
今季のハリケーンは、直近6試合でボックス外からのシュートが急に増えているという。最初の7試合が0、直近6試合が12とここまであからさまだと、遠目からでもシュートを打てと指示が出ていると考えたほうが自然だ。
コンヴァージョンは低いとはいえ、ミドルシュート、ロングシュートには気をつけたい。ファインゴールを取られるのがぼくは一番イヤだ。
デレ・アリのCMマーク
アリは、ポジション的にも相手のCMをマークする役を与えられていて、先日のチェルシー戦ではハイプレスだけでなく、彼がジョルジーニョを自由にプレイさせなかったことが勝因といもいわれていた。
アーセナルでいえば、ジャカ/トレイラがアリにマークされる選手ということになるので、アンカーポジションでのボール扱いには、プレッシャーのなかでいつも以上に細心の注意を払わなければならない。
ボールの出しどころを抑えるという意味では、ジャカがやはりターゲットになるだろう。彼がプレッシャーに弱いということも当然知られているはず。
中盤の攻防。ムサ・シソコに仕事をさせない
どうもCMのムサ・シソコという選手が最近メキメキとパフォーマンスを上向きにさせているようだ。アーセナルは中盤をコントロールできないと苦しくなる。
ジャカ・トレイラ・イウォビ・エジルの四角形がいかに中盤でイニシアティヴを取り、サイドやトップにボールを展開できるかが、この試合のキーになるだろう。とくにジャカとトレイラの果たす役割はかなり大きくなる。
マイク・ディーン問題
ちょっと忘れかけていたが、今回のNLDをグーナーのパブリック・エネミーNo.2といえるレフェリー、マイク・ディーンが担当することになったときはだいぶ界隈はざわついていた。
ディーンといえば、一般的にもカードを出しすぎるレフェリーだとか、レフェリーなのに自分が試合の主役になりたがるとか、アーセナル絡みでなくともとかく批判を浴びているレフェリーであり、NLDにのこのこ出てくるとか最悪~どんだけ~と思ったファンも多かろう。
しかし、むしろアーセナルのファンは喜んだほうがいいよという指摘もある。
Why Arsenal should be happy Mike Dean is refereeing the north London derby
こちらのTelegraphの記事よれば、たしかにアーセナルの試合をディーンが担当した場合の勝率はそれなりに低いのだが(ダントツで低いのはマイケル・オリバーで25%)、ことNLDに関しては、ディーンが担当したほうが勝率が高いというデータがあるそうな。
ほんとかこれ?
試合結果予想
BBC Sports (Lawro’s prediction) 1-2
SKY Sports (Paul Merson) 1-1
WhoScored.com 1-2
Metro (Michael Owen) 2-2
リヴァプール戦では軒並み負け予想だったし驚かない。むしろドローで善戦するという予想もある。得点が入らないという予想はないのね。。
マーク・ロウレンソン(BBC):アーセナルが説得力のあるチームであったことは、わたしが最近見ているなかでも一度だってない。しかし誰も彼らを倒すことができていないということは逆にすごいことだと思う。彼らは18試合負けなしでいまは問題なく進行している。
しかし日曜のスパーズにとってはそれもただの事象に過ぎない。3ポインツを取れるというだけでなくアーセナルの無敗を止めることもできる。そして彼らはそれをほんとうに楽しむだろう。
ポール・マーソン(SKY):もしこれが先週末で競馬だったらトテナムを見過ごすことはできなかったろう。アーセナルはとてもいいというわけじゃなかった。グレイトな結果だがどうやって彼らがラッキーを掴みつづけているのかわたしはよくわからないんだ。リヴァプールもたまにラッキーで、ウォルヴズ、ボーンマスもそう。でもそれが尽きてしまうような試合は望まれていない。
アーセナルにいくらかのスピリットはある。ウォルヴズ戦ではとてもオープンにしてしまったけれど。でも昨シーズンなら負けてしまっていたような試合に負けていない。トテナムにハンディを与えるのはイヤだろうが、もし彼らがノーマルなエナジーでプレイしたとするとアーセナルの最大限望めるのはドローだ。いくつかの試合はひっくり返してもきたけどね。
トテナムは先週のようにプレイしなければならない。でなければアーセナルがチャンスを得る。しかしトテナムがうまくやるならアーセナルのボールプレイヤーたちを遊ばせておかないだろう。アーセナルはエジルをスタートから使うべきだ。なぜなら彼らは持っているすべてのパッサーを使わなければならない。
マイクル・オーウェン(Metro):勝てば3ポインツ差が埋まるし、トップ4フィニッシュに近づくということで、ガナーズのほうによりプレッシャーがある。アーセナルは頼りなかったが、それでもボーンマスでは最大ポインツを取ってきた。PEオバメヤンはノッているし、彼はリーグ1の殺し屋のひとりといってもいい。
両チームともにたくさんのゴールを取るし、ハイスコアリングゲイムになりそうだ。わたしは彼ら両方ともこの試合に勝つように思えないが、ゴールがたくさんのドローを喜んで予想するよ。
「マイクル」って書くのなんかムカつくな(笑い)。
試合のみどころ
アーセナルの喫緊の課題はもちろんスロースタートの改善だけど、この試合では当然ToTは序盤でハイプレスをかけてくるだろう。それにうまく対処するのがまずは課題。
しかしアーセナルに必要なのは、とにかく自信だと思う。もし先行されたとしても、絶対に最後にはひっくり返すという信念とか自信。それが必要だ。
この18戦無敗というフォームの最中にありながらおかしなことだが、彼らにはまだ確固たる自信はついていないと思う。どちらかといえば、きっと、自分たちが内容よりいい成績を収めていることについてラッキーだと感じてもいるだろう。
リヴァプール戦はすごかった。なぜ彼らがタイトル候補のビッグチーム相手にスタートからああいう自信に溢れたメンタリティ(そうとしか見えなかった)で試合に臨めたか、もちろん外野からはわからないが、もし秘訣があったのだとしたら、もう一度あれを再現してほしい。
そうすれば、満足のいく結果が得られるに違いない。
キックオフは日本時間明日12/2(日)23:05。勝て。COYG
おまけに、DAZNの解説が戸田さんみたいなので最高です。大一番で戸田さんの解説が聞けるのが楽しみです。
そしてかつゾーーーーー!!
COYG!!
whoscoredを見ても、ムスタフィのレーティングは高いんだよね。
スカッド内でエメリの要求にこたえられる現時点で唯一のCBだと思われるけど、日本のファンに評価低い気も。
まあ悪い印象のミスもあるけど。
勝て!
COYG !
トレイラ、レノ、パパは初のノーロンダービーですね。ここ数シーズンはトッテナムに嫌な印象しかないので、今日はそれを忘れさせてほしい!エジルの奮起とオーバがセンターで暴れるところを見たい!!