相変わらず中立のファンにも楽しい試合を提供するこのカード。FAもご満悦である。
でもさ。勝とうよ。まじで。5分かそこらで3点ぶっこんで大逆転。全世界100億人グーナーを絶頂まで盛り上げておいて。まるで魔法みたいに。生きる苦しみもすべて報われたみたいになって。これで今季のノルマは達成したみたいな気分にさせて。やっぱり勝てませんでしたとか。どこまでいってもガナーズはガナーズってことなんですかねえ。あんな瞬間を体験したあとで負けなかったからマシとかいいたくねえ。ベンチに下がったサンチェスのうつろな表情が印象的だったよ。
Arsenal 3-3 Liverpool: Gunners stun Reds with five-minute scoring frenzy
17/18EPL アーセナル vs リヴァプールのスターティン
3CBでゴール前を安定させるのかと思いきや、まさかのバック4。打ち合いで構いませんよ?というボスの殺気を感じたね。その割に前半はめちゃくちゃ引いたけども。後半は3CBだったのかな。
17/18EPL アーセナル vs リヴァプールの論点
リヴァプールつえええ/アーセナルよええええええ
この試合で改めてリヴァプールのプレイを観たが、彼らはアーセナルよりもクオリティが高かった。前半だけでなく。やっているフットボールが効率的だった。そこは認めざるをえないんじゃないか。パス回しなんかを見てもリヴァプールを相手に守るアーセナルは、やすやすとボールを持たれて何度も右へ左へと振り回され、まるでプレミアリーグの下位チームみたいに見えた。キミたちそんな弱かったっけといいたくなるくらい。バルセロナやバイエルンほどではないにせよ。
リヴァプールのキーマンはフィルミーノだろう。うまくてつよくてヘッダーもある。ボールをキープできてシュートもうまいあいつが最前線でうろちょろするからCBがどうしても引っ張られる。するとコウチーニョ、マネ、サラーが使うスペースが生まれる。前の4人があれだけレベルが高いとちょっとタジタジにならざるを得ない。
翻ってアーセナルを見れば、個々の選手の質はともかく、攻撃陣が今シーズン彼らのような高い連動性を見せたことがあっただろうか。ラカゼットはこの試合でも得点できなかったが、ラカゼット、エジル、サンチェス、イウォビ(ウィルシャー、ラムジーがいればラムジー)、このあたりがリヴァプールのアタッカーたちの連動性と比べられるとは到底思えない。彼らは4人で4人以上の価値を生み出していた。
とくにラカゼットは押し込まれる試合では始終前で孤立してしまうし、それに攻撃の局面でもチームとしてまだ彼をうまく使うことができていないという感じがしている。ポストプレイヤーでもないし、ヘッダーが強いわけでもない。彼がひとりだけいる相手陣内にいくらロングボールを入れてもそこから次につながる可能性は低い。
逆にいつも裏抜けを狙っているのに、彼がほしいタイミングでスルーボールが出るようなこともまれだ。もっとも相手もそれがわかっていてラカゼットにはタイトに付くのでなかなかボールを出せないという事情もある。得意プレイに偏りがある選手の場合は、ある程度やりたいプレイを先に読まれてしまうのは致し方ないのかもしれない。
シーズン開幕当初にアンリがラカゼットのプレイスタイルにアーセナルの選手たちが慣れる必要があるという話をしていた。これからアーセナルが浮上するためには、ラカゼットをうまく使わなければならないはずだ。
アーセナルつええええええ(短期集中)
サンチェス(53)、ジャカ(56)、エジル(58)。2点差にされた直後に始まったケチャどば。なにこれ。
いや、フットボールではなにかのきっかけで「流れ」が変わるっていうのは往々にしてある。それは理解している。しかし、彼らはいくらなんでも感情に流されすぎじゃないですかね。今回はいいほうに振れたわけだから文句はない。文句はないけど、あえて文句をいえば、そういう状態をムラがあるとかいうんじゃないかな。
サンチェスの1点で火がついて、久しぶりのジャカ砲が炸裂。そして、ラカゼットとの絡みでエジルが抜け出し技ありゴール。どうしてこれらの得点、とくに2点目と3点目が生まれたのかということをアーセナルはちゃんと検証すべきなのだ。どのゴールも彼らのクオリティからすれば不思議なゴールではない。しかし普段はなぜか決められない。
彼らのメンタルについては、このブログの以前のエントリでもそれ以前にも何度も指摘しているように、とにかく不安定である。そんなに気持ち次第で結果が出せるというのならですね、試合前に催眠術をかければいいんですよ。優勝できるぞ。
ボスも「サイコロジカル・ファクター」について何度も指摘している。そのくせに、それにどう対処すればいいのか全然わからないみたいだ。アーセナルは異業種のコンサルとかつけたらどうか。
ボスのハーフタイムでのみことば
アーセナルが前後半で違う顔を見せたことでハーフタイムでボスがチームに何を語ったかが注目されている。
Arsene Wenger reveals what he told Arsenal stars at half-time during Liverpool draw
ヴェンゲル:わたしは選手たちにたったの1点差じゃないかと伝えたよ。われわれには流れを変えるチャンスが十分にあるとね。前半のわれわれは十分じゃなかった。失うものなんてないんだ。やっちゃいなってね。
もっとも、前半早々に追加点を許しているわけで、このハーフタイムのチームトークがすべてを変えたということではなさそうだけど。
絶対に失点したくないところでやっぱり失点
大逆転のタイミングが早すぎるなという悪い予感はした。あと30分守れるか。結局10分ちょっと追いつかれてしまった。これを防ぎきれないのもやっぱりメンタルの問題で説明できるのではないかとぼくは思う。守ることに関しては、本当に下手くそなチームである。
もしこの試合に勝っていたらと想像すると、この失点を許した影響はいろんな意味で大きい。
この試合で2ポイントを失ったことはもちろん痛手だし、せっかく「強者にも勝てる」という120%の自信を得て終われたところを、「強者にも(運が良ければ)勝てるかも」みたいに自信レベルががっくりと下げた状態で終わってしまった。
勝ちが勝ちを呼ぶみたいなことをいうけれど、なかなか波に乗ることができないアーセナル。リヴァプールのような相手に勝って大きい波に乗る千載一遇のチャンスをまた逃してしまった。
良かった選手について
この試合ではふたりについて指摘したい。
まずチェフ。同点に追いつかれてしまったフィルミーノのシュートセーブは残念だったけど、ビッグセーブを何度かやった。ビルドアップでセーフティにロングボールを選択しことごとく相手に渡していた以外は非常によかったと思う。
そして、AMN(エインズリー・メイトランド・ナイルズ)。サラーと対峙するということで心配していたが、一対一も落ち着いて対応し、ビルドアップではパスも正確。アーセナルのファーストチームでも十分にやれることを証明してしまった。すごい。あのパフォーマンスをやられてはコラシナツの立場がない。AMNの起用に関しては若干の物議を醸していたが、ボスの期待に応えたかたちだ。モンレアルがCBでプレイすることが多くなっているいま、トップレベルの試合でコラシナツに加えてAMNにも左サイドを任せられることがわかったのは大きい。
SKY SPORTの中継で、向こうの試合にしては珍しく試合後に選手をピッチに呼んでインタビューが行われたようだ。ジャックとミルナー。手前はギャリー・ネヴィル。
キャラガーを交えてボスのインタビューも。やっぱり現地TVはいいなあ。SKY SPORTSの中継が日本でもそのまま観れたらいいのに。
以上。
EFLリーグカップ(カラバオカップ)の相手はチェルシー
EFL Cup semi-final draw: Chelsea to face Arsenal
マンシティはブリストル・シティと。チェルシーとシティに勝てば優勝か。最後までサブ同士の戦いになるとすると、われらにもチャンスはあるかもしれない。
さて次の試合は年末らしく、またミッドウィーク夜試合。12/28(日本時間29日早朝)のクリスタルパレス、アウェイ。1月の移籍が注目されるザハとの対戦。ザハは取ってほしい選手だなあ。そのあとすぐ大晦日にWBA。プレミアリーグは忙しいったらない。