日本時間今夜25:30（2/26の1:30）、イングランドの国立競技場、ウェンブリー・ステイディアムにて行われるカラバオカップ（EFLリーグカップ）決勝は、今季絶不調アーセナルと今季絶好調マンシティの対戦。下馬評ではシティが有利、アーセナルの劣勢を予想され、ヴェンゲルもわれわれはアンダードッグであると認めるほど。

アーセナルはウェンブリーでの好成績を自信に、ビッグクラブ（笑）の意地をかけて試合に挑む。一方シティはまずはグアルディオラ体制でのイングランドでの初タイトルを目指し、ほぼ決定しているEPLのタイトルに華を添えたい。

試合予想としては、直近のフォームやチームの実力などといったものよりも、タイトルへの本気度が雌雄を決すカップファイナルらしい戦いになると思う。いやそうなってほしい。アーセナルの選手たちには期待を裏切り続けているファンのためにもいっそうの奮起を求めたい。負けたら承知しないんだからあ！（※モブの声）

17/18EFL(Carabao Cup) アーセナル vs マンシティ（ファイナル）予想スターティン

4-3-3

GK　オスピナ

DF　モンレアル、ムスタフィ、コシエルニ、ベレリン

MF　ウィルシャー、ジャカ、ラムジー

FW　イウォビ、オバメヤン、エジル

中盤でエルネニーじゃなくジャックを使うというのが、ボスの積極性である。もし逆ならちょっとがっかりだ。

ラムジーもエジルもフィットしているっぽい。ミキタリアンはマンUですでにカラバオカップに出ていたようでこっちは出られないんだな。まあ彼はELであまりに低調で心配だったので、ちょっと頭を冷やしたほうがいいかもしれない。

もっとも同じようにジャックもELでのパフォーマンスは周囲をひどく心配させるものだった。彼もスタートが予想されるが、気合を入れ直さないとロイ・キーンの「過大評価コメント」にお墨付きを与えかねない。

3CB（3-4-3）も考えたけど、そうすると左のWBにいまかなり信頼度の低いコラシナツかELで前半交代となったAMNを使わなければならなくなる。シティ相手にそれは得策ではないだろう。

またシティは基本フォーメーションが4-3-3ということで、マッチアップを考慮するとこちらも4-3-3のほうがリスクが低いと判断されるはずである。

マッチアップ

このティング予想は、WhoScored.comの予想と同じなので、シティの予想スタートと合わせてグラフィックで確認してみよう。

こうして見ると、グアルディオラは3トップの左右にサネ、スターリングとスピードのあるウインガータイプの選手を入れていて、ゲームメイクはCMのシルヴァとブライネに任せるというラインナップになっている。

一方アーセナルは3トップというよりはオバメヤンのワントップに、背後にゲームメイカータイプのイウォビとエジルを配置、オバメヤン以外の前目の選手は中盤を含め全員がパッサーという布陣に。うーんこれでいいんだろうかアーセナル。サネやスターリングに気を取られて逆に中盤を支配される姿が目に見えるようじゃないか。

アーセナルの課題はもちろんディフェンスだが、守備から攻撃に変わったときにどのように攻撃を組み立てていくのか、どうやってシティのプレスをかいくぐるのか。もちろん自陣での軽いプレイはご法度だが、パスに窮して五分のロングボールを蹴らされてばかりでは試合にならないのはいうまでもない。

この布陣では、積極的に前に出ていくだろうラムジーが攻守のキモになるだろう。この試合がどうなるか、彼の出来にかかっているといっても過言ではない。

キーマンは「ウェンブリー・スペシャリスト」アーロン・ラムジー

ウェンブリーで8戦8勝。それがおれたちのアーロン。ふたつのFAカップ決勝、そして2014年のコミュニティ・シールドでシティを破ったときもゴールを上げている。

ラムジー：日曜はまたファイナルが来る。ぼくがほんとうに期待しているものなんだ。ウェンブリーにまた戻ってこれた。毎年何かを示したいものだよ。それをやってみせるチャンスなんだ。グレイトなチームとの試合だってことはわかってる。でも彼らにも弱点はあるし、わたしたちのゲームプランどおりにうまくやれば勝つことはできるはず。ぼくに期待してもらっていいよ。できればたくさん得点したいね。

キミに任せたぞ。

プレッシャーが大きいのはアーセナルでは？

この試合、SKY SPORTSがプレビューのまとめみたいな記事を出していて、網羅的に試合前の話題が確認できる。

Carabao Cup final on Sky Sports: Arsenal v Man City ultimate preview

すでに述べたようにいつものプレビューのようなフォームやチームの実力、選手個人のスタッツ比較なんかは今回のカップファイナルではあんまり意味もないと思っていて（だって全部負けているし）、いくつかのポイントに絞って紹介したい。

まず今回不利を予想されているアーセナルはもう失うものがないという見方があるが、両クラブのいまいる状況を比べてみれば、このタイトルの重要度が高いのは明らかにアーセナルだ。

シティはリーグタイトルがほぼ決まっているし、はっきりいって今季はCL優勝も本気で狙えるチームだと思う。グアルディオラはより多くのタイトルを期待されているはずだけれど、もし、例えばこの試合でレギュラーメンバーに深刻な怪我人が出るとわかっていたら、彼らはアーセナルに平気で勝利を譲るだろう。シティにとってプレミアリーグやチャンピオンズの重要度に比べればカラバオカップのそれは比べものにならないくらい低い。

翻ってアーセナルはといえば、たしかにまだEL優勝の目も残っているが、リーグはもちろんFAカップのタイトルもすでに消えた。ヴェンゲルにとって今季何か目に見える実績を残さなければならないというプレッシャーは、グアルディオラのカラバオカップに対するものとはまったく比べ物にならない。

つまり、アーセナルは最強のチームとの対戦に加えて、またひとつタイトルを失うというプレッシャーとも戦わねばならないことになる。

Carabao Cup crucial to Arsene Wenger’s Arsenal stay, says Charlie Nicholas

OBのチャーリー・ニコラスもヴェンゲルにはシティよりもプレッシャーがかかると指摘。ELとともにタイトルを逃すようなら、今季無冠のヴェンゲルが迎える夏は厳しいものになる。

ヴェンゲルは強者にめっぽう弱い

いまさら指摘するまでもなさそうだが、改めてAWの戦績を確認すると。

Arsenal’s decline against big rivals ahead of Carabao Cup final with Manchester City

今季EPLの対トップ6対戦成績。ヴェンゲルはダントツ最下位でたった25％の勝率しかない。ある程度リーグ順位の通りなのでとくに驚きはないが、チェルシー（コンテ）などはリーグ順位よりもトップ6の勝率順位は上だ。これを上位に強いと見るか下位相手に取りこぼしていると見るかは意見の別れるところである。いずれにせよ、上位に勝てるチームが強いということは概ね当たっているといえる。

続いて、97/98シーズンからのアーセナルのリーグポジションと対トップ6の獲得ポイント。対トップ6の獲得ポイントは漸減といった感じながら、こうしてみると、リーグ順位はほぼ3つの期間で分けられそうだ。

ヴェンゲル・アーセナルはマンUと2強でタイトルを争った第一期が03/04シーズンまで。オイリーなクラブが台頭しトップ4争いに巻き込まれた第二期が05/06から15/16まで。そして16/17以降はトップ4に入ることができなくなった停滞期に突入、それが第三期といえそうだ。ヴェンゲル監督の任期はもう長くない。改めてそう思う。

なお15/16の2位はご存知のとおり、EPLの歴史のなかでは各トップクラブの変革期のなかレスター・シティが奇跡の優勝を果たしたイレギュラーなシーズンとして考えられている。15/16シーズンのタイトルがヴェンゲル・アーセナルにとってもラストチャンスだっといわれるゆえんである。

ということで、たとえウェンブリーであろうとも、客観的にはいまのヴェンゲルがグアルディオラのチームに勝てるチャンスはかなり低いと思われている。

マンシティについて

デルフという選手がFAカップの試合でレッドカードで退場となり、この試合はサスペンション。たしか彼はLBに入っていたはずで、長期離脱のメンディのサブだったので、LBにはZinchenkoとかいう3番手の選手？が出て来る。

その他は基本的にベストメンバーである。アグエロがいるんだから、怪我のジェズースが出るかどうかというのはまあわれわれにとってはどうでもよい。

アグエロはFAカップの敗戦後に乱闘事件に巻き込まれて、FAから出場停止を課されるのではという憶測もあったが、結局お咎めなしとなりこの試合には当然出場が予想される。

試合結果予想

WhoScored.com　1-2でシティ勝利。

SKY SPORTS　1-2でシティ勝利。

おれもシティ勝利にベット。

カップ戦らしい勝利ってのは、つまりふだん起こらないことが起こるってことだからね。それはまあそう簡単には起こらないものだ。恥ずかしくない試合をしてくれればそれでよしとするよ。

※追記　この試合のあと中三日でEPLシティ戦（H）があるの忘れてた。カラバオカップとかどうでもいいからプレミアリーグで勝とうぜ。COYG

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