今季FAカップは早くもビッグチームとの対戦。
成績不振のモウリーニョからマネージャーを引き継いだスールシャールで好フォームを維持するマンチェスター・ユナイテッドが、エミレイツステイディアムを訪れる。
アーセナルとマンUはPLでもトップ4入りを直接争うライヴァルで、それぞれ並行してELとCLという重要なカップコンペティションを戦っている。今回はお互いにとくにけが人が出るとキツい状況で戦うFAカップとなる。
それぞれどのようにこのコンペティションの重要度を位置づけしているか、まずはどんなスクオッドで試合に臨むかが注目される。
ボスの試合前コメント
おとといに行われた試合前のプレスカンファレンスより。
(スールシャールのユナイテッドはどんなチームなんでしょう……)
エメリ:グッドアフタヌーン。違うチームだね。同じ選手だがいまではビッグパフォーマンスを出すようになった。前回の彼らの試合を観ていたが、どの選手の自信にあふれていて、とてもデンジャラスだ。わたしたちにとってそれがいいことなのは、このコンペティションのなかでビッグテストになるからだ。
マンチェスター・ユナイテッドとわれわれはFAカップのファイナルを20回も戦っている。こちらの13勝、彼らの12勝だ。このコンペティションにとって一番の試合になる。
金曜に期待できるのは、自分たちのステイディアムでサポーターの前でプレイするからだ。わたしたちは彼らの前でとても気持ちよくプレイできるし、金曜日には90分新しいアトモスフィアをクリエイトしたい。サポーターとともにね。
(ローラン・コシエルニのパフォーマンス……)
この前の試合、コシエルニがかつてのやっていたようなビッグパフォーマンスを観たね。けがのあとには、このレヴェルでプレイするため、自信やフィジカルをつけるためにいくつか試合が必要だった。この2試合、ウェストハムとチェルシーで観たものは、けがのあとで観たかったパフォーマンスだったと思う。
(エミリアーノ・サラについて……)
最初に聞いたときは困惑した。ひどいよ。われわれは彼の家族、ナント、カーディフのサポーターたちとともにある。もし彼の生存を見つけ出すわずかでもチャンスがあるのなら、ニュースを待ちたい。それにしてもこの事故について知ったときはまいった。
(彼はどんな選手なのでしょう……)
彼はデュエルでどんなボールにも食らいついてファイトするストライカーで、そして謙虚な選手だった。彼はビッグパフォーマンスを出せる選手で、今年は彼のキャリアにおいてベストなときだった。カーディフとサインしたのでわたしは彼と戦いたかった。もし彼が生きていれば。
(移籍について……)
クラブは引き続き動いているよ。まあ難しいけれど、わたしはいまの選手たちと取り組んでいるし、ロブ・ホールディングやウェルベック、ヘクター・ベレリンのようなけが人が出ているので何人かとはサインが必要、可能と思う。
しかしわたしたちはいまの選手たちとプレイできるし、あなたたちにもサポーターたちにもメッセージは同じだ。ほしいのはひとりかふたりのグッドパフォーマンスでわれわれを助けてくれる選手だけ。クラブは動いているよ。彼らはわたしたちの意向を知っている。
(デニス・スアレスがバルセロナのスクワッドから外れています……)
選手個人については話したくない。わたしが知っているのはクラブがいろいろな選手たちについて取り組んでいるということ。
(どんな選手を探している……)
まずはクオリティがあり、そのクオリティでチームを助けてくれること。もし誰か来るとしたら、右か左のウインガー、あるいはセンターバック。しかしいまディノス・マヴロパノスがけがから復帰したので、わたしは彼がつぎの試合には使えると思う。
(スヴェン・ミズリンタットの退社が1月のプランに影響……)
わたしが彼と働いた時間はとても短いが、いい仕事だったし彼はとてもよかった。彼はジャーマニーとここで大きな経験を持っていると思う。クラブにとってそれはひとつのイシューでクラブはそれについて取り組んでいる。わたしが云えることは、彼と働いた経験はポジティヴでグッドだ。
(あなたたちふたりの間に諍いがあった……)
ノー。
(モンチについて……)
いまわたしが云えることは、彼はローマで働いているということだけ。わたしは彼とセヴィーリャで3年と半年の間一緒だった。それはとてもよかったよ。わたしたちの関係はいいが、これはクラブの問題でクラブの責任の問題だ。彼はいいひとでいいプロフェッショナルだとしか云えないね。
(早い指名をすることが重要……)
でもとても早くリクルートしたとして、間違いを犯すかもしれない。わたしにとってよりよいことに思えるのは、落ち着いてわたしたちが望むような仕事ができる最適な人材を探し出すことだ。クラブはそれをいまやっていると思うよ。それはわたしの問題じゃない。こうも云える。もしクラブが誰かスポーティング・ディレクターとサインすることを決めたとする。そうしたらわたしはそれに賛成するよ。
(コシエルニがユナイテッドはよりフリーダムだと……)
わからない。
(チェルシー相手にクリンシート……)
イエス。とても重要なことだった。それはどの試合にもあるチームのチャレンジだ。しかしウェストハム戦のほうがディフェンシヴにはよかったと思う。1失点したがたくさんのチャンスはつくらせなかった。この2試合で守備面は向上したと思う。
マンチェスター・ユナイテッド戦でビッグでグレイトな選手たちと戦うが、わたしたちは同じようにやる。守備では強くなれるし、わたしは守備の選手だけじゃなく選手全員が守る必要があると思う。攻撃の選手だってチームを助けることができる。チェルシー戦では、どの選手もハードに攻撃していいスピリットで守備をした。プレスをかけたが、それを金曜にできると思うし、われわれの目標はマンチェスター・ユナイテッド相手のクリンシートだ。
(ヘクターと彼の決意……)
彼のけがにはみんなが落胆している。今年は大きなけが人が出ていてとても難しい。ヘクター、ホールディング、ウェルベック。しかしフットボールとはそういったものだ。フットボールにおける日常としてけがの対処をしていく必要がある。
ヘクター・ベレリンはとても大人で彼はこのけがをフットボール選手ならあり得るものとして受け取っていると思う。そしてもう彼は以前より強くなって復帰できるよう準備を始めている。
移籍についてはエメリから新しい情報は出ていない。相変わらずひとりかふたりの選手をローンで獲得したいと考えているようだ。
エミリアーノ・サラの事故について
この会見でも触れられているが、今週フットボール世界を驚かせたのが、エミリアーノ・サラという選手が乗った飛行機が失踪したという件。
アーセナル公式もアーセナルの選手もツイッターでサラの安否を気遣うツイートをしていたが、どうも昨日飛行機の捜索は打ち切られたようで生存は絶望と見られている。
飛行機に乗る前に、当人は「乗るのが怖い」と友人たちにメッセージを送っていたということで、そんなオカルトなエピソードも話題になっていたが、いずれにせよ楽しい話題ではない。
彼はアーセナルが来週火曜(日本では水曜早朝)に戦うカーディフの選手で、カーディフのファンがredditのr/Gunnersで試合の28分の時点でsilence/applauseを一緒にやってほしいと呼びかけていた。
おそらくアーセナル公式も試合前に何らかの呼びかけはすることだろう。
飛行機はマジ怖いよ。
けが人情報
公式Team Newsより。
ヘクター・ベレリン、ロブ・ホールディング、ウェルベックがアウト。
ヘンリク・ミキタリアンは今週にフルトレイニングに復帰予定。
考えてみりゃ、今回元ユナイテッドがふたりともアウトなんだな。
予想ファースト11
冒頭にも書いたように、今回は両チームにとって人選が難しい試合だ。
どこまで主力を出すか、お互いに伝統的なライヴァリーだけでなく相手が現時点でかなり近い位置にいる直接のライヴァルだと考えると、フルパワーで臨むということも当然考えられるが、何人かのレギュラー選手を温存してもおかしくはない。
ちなみにつぎのPLの試合は中3日で、それぞれカーディフ、バーンリーとホームで戦うことになっている。
当ブログの予想スターティング。
4-3-1-2 (ダイヤモンド4-4-2)
オバメヤン、ラカゼット
ラムジー
ゲンドゥージ。ジャカ、トレイラ
コラシナツ、コシエルニ、ソクラティス、AMN
チェフ
と云いながらも、ぼくはアーセナルはほとんどフルパワーのレギュラーを予想した。フォーメイションはチェルシー戦でかなり効いたダイヤモンド4-4-2。あそこからの流れを変えたくない。
エメリのコメントからマヴロパノスがスタートで使われると予想する向きもあるが、さすがにそれはちょっと怖いのでやめてほしい。逆にスタートから出てくるようなら相当に調子がいいということだ。
それとムスタフィについて、彼をこの試合で出さないようなら、確実にエメリのなかで彼のペッキングオーダーが下がったと云えるのではないか。
エジルについては、もちろんスタートする可能性はあると思うが、だったらダイヤモンド4-4-2は使えないし、2トップももちろん使えないだろう。彼を使うことは犠牲も多い。よってスタートから使うことはないと予想した。
ちなみにフースコでは、マンUも4-3-1-2とダイヤモンド4-4-2に近いフォーメイションが予想されている。アーセナルはエジル仕様のチームだ。
マンチェスター・ユナイテッドについて
現在すべてのコンペティションで7連勝中。一時アーセナルと8ポインツあったPLでのポイント差はなくなった。モウ様がいなくなってから好調すぎて笑える。一時は退団濃厚といわれていたマルシャルもポグバも契約延長するかもしれないってんだから、どんだけ。
けが人はスモーリング、ロホ、フェライーニ。ルーク・ショウが病気明けでダウト。
スールシャールのコメント
スールシャール:わたしの現役時代、それはそれは激しいライヴァリーがあった。
わたしたちはいつだって一番近いライヴァルだった。彼らがダブルを取り、われわれがトレブルを取った。試合はただもうファンタスティックだったよ。
わたしたちにはグレイトなチームがあり、彼らにはとてもいいチームがあった。ふたつのチームでタックルが飛び交っていた。そこにはファンタスティックな試合があったよ。
エリック・バイーとフアン・マタ。アーセナルのターゲットふたり
今週、アーセナルがバイーについてマンUに獲得可能か問い合わせをして、けんもほろろに断られたというニュースがあった。
もちろん、アーセナルの問い合わせは「ローンで」獲得可能かということだから、マンUがこれを断るのも無理はない。
それに現時点で直接かつ最大のライヴァルであるアーセナルを利するような行動をマンUがわざわざ取るとも思えない。
バイーの契約は残り18ヶ月(来シーズンいっぱい)というので、夏になればこれがどうなるかはわからない。
一方で、今日またアーセナルのマタへの興味が各所で報道されていた。
マタの契約は残り6ヶ月となり、夏にフリーエイジェントになる。現金化するなら今月しかないが、本人の希望があればともかく、バイーの件と同様わざわざライヴァルに譲るとも思えない。
マタはスペイン復帰の噂もある。
それにしてもエメリが欲しがるのはことごとく元自分が率いたチームの選手。徹底しているなあ。
アレクシス・サンチェスについて
サンチェスとミキタリアンのスワップからちょうど1年。スールシャールは、サンチェスについてこの試合のチームに含まれるとコメントしている。
そして以下の印象深いコメントも各所で取り上げられていた。
スールシャール:彼は観衆が敵に回るような状況は大好きだと思うよ。それは彼に気合いを入れさせるだけだね。
ほほう。これは見ものだね。彼のマンUに移籍してからのスタッツをおさらいしておこう。
- 17/18シーズン(後半のみ)PL12試合でG2 A3
- 18/19シーズン(ここまで)PL11試合G1 A3
1年で3得点とかくっそ笑える。
一説には500kポンドの週給(ボーナス込)と云われているこいつが。ちなみにアーセナルでの16/17シーズンは、PL38試合でG24 A11。
マンUの関係者は知らぬ間にいとこを掴まされたと思っているに違いない。
まあでも、そういう意味では彼の攻撃でのほんとうの有能さはアーセナルのファンが一番良く知っているかもしれない。なんならマンUのファンよりも。
もし出てきたら盛大なブーイングをお願いしたいね。
デインジャーマンはポグバ
マイケル・コックス:新時代での最大の受益者はポール・ポグバだ。スールシャールの下でより自由な役割を与えられている。彼の定位置である左CMから前へ行き、ペナルティボックスまで入っていき得点機をつくる。彼のパスレンジもとても素晴らしい。
試合結果予想
BBC Sports (Lawro’s prediction) 2-1
SKY Sports (Paul Merson) N/A
WhoScored.com 1-2
割れてる。
BBC Sports(マーク・ロウレンソン):アーセナルの守備が大してよくないことはみんなが知っているし、ベレリンのけがは彼らにとって大打撃だ。しかし、彼らのホームでの記録はとてもとてもよい。
ユナイテッドはオレ・グンナー・スールシャールの下で個人でもチームでもとても素晴らしいが、連勝はいつか必ず終わるものだ。
ちなみにLowro’s PredictionのゲストふたりはともマンUの勝利を予想している。
試合のみどころ
エメリがコメントしていたように、アーセナルがチェルシー戦につづいて守備の改善や進歩を見せるかどうか。
アーセナルは守備が安定しさえすれば、いまの戦力でもかなり強い相手と戦えるとぼくは思う。
FAカップでつぎのラウンドに進出することも重要だが、何よりビッグチームに勝って自信を深めることが重要だ。ホームとはいえ、チェルシーとマンUのようなチームに連勝するなら、チームの自信レヴェルはかなり深まるに違いない。それはシーズン後半~終盤という大切な時期にこそ必要なものだ。
試合のキックオフは、日本時間明日1/26(土)早朝4:55。
これはライヴで観ないと。。COYG