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AFCチーフスカウトのスヴェン・ミズリンタットが退社か

驚いたの驚かないのって。チェフのリタイヤの何倍も驚いた。

昨日の夜の時点で、バイエルンがミズリンタットにオファーというニュースを目にして、アハハそんなバカな。どこから出てきたんだそんな与太話は。バカも休み休み云いたまえのび太くん。大山のぶ代ヴォイスで思っていたのに。

今朝起きると、ミズリンタット退社のニュースが一斉に報じられていたのだった。

ESPNがミズリンタット退社のニュースを伝えたのちに、TelegraphやGuardian、SKY Sportsをはじめ各社が報道、だいぶ遅れてBBCデイヴィッド・オーンステインもこれらのニュースの信憑性を裏付けるかのように報じた。

Sven Mislintat: Arsenal head of recruitment’s future in doubt

もちろんまだ正式に決まったことはないはずだが、現在のスヴェン・ミズリンタットの置かれている状況や、なぜ彼が現在のアーセナルでの立場が危うくなっているか要点を解説している。

この記事をざっくり紹介しよう。



以下、箇条書きにて。なお見出しは訳者によるもの。

「スヴェン・ミズリンタット:アーセナルのヘッド・オブ・リクルートメントの将来に暗雲」by BBC

  • アーセナルはESPNで伝えられたスヴェン・ミズリンタットが退団するのではないかという報道についてコメントを拒否した
  • ガナーズがテクニカルディレクターを登用しようとしたときには、ミズリンタットは本命と見られていた
  • しかしそれは46才のジャーマンにはなりそうにない。そしてそれが彼の退職を引き起こす要因になる可能性がある
  • 今後数々の可能性も考えられるが、議論に使える時間はあまりない
  • いずれにせよ、情報筋によればクラブにとってこの激動の時期に最近では最大の退職になると考えられている

スヴェン・ミズリンタットとアーセナル

  • 彼は2017年にBVBからガナーズにジョイン
  • CEOアイヴァン・ガジディスのクラブ再構築プロジェクトにおけるキーマンだった
  • 彼は元バルセロナのエグゼクティヴだったラウル・サンレヒ(ヘッド・オブ・フットボール・リレイションズに就任)につづいた
  • それ以来、ミズリンタットはアーセナルがサインした8人のすべての契約に関わった。クラブレコード(2018に56Mポンド)のPEAもそのひとり
  • 彼はまた去年の夏にAWの後継者となるウナイ・エメリをヘッドコーチに任命する際にもキーパートを務めた

ミズリンタットとサンレヒの関係

  • しかし9月にガジディスのACミラン行きが発表されると、ミズリンタットの影響力は減り始めた
  • そしてサンレヒはヘッド・オブ・フットボールに、ヴィナイ・ヴェンカテシャンがチーフ・コマーシャル・オフィサーからマネイジング・ディレクターにステップアップ
  • いまではサンレヒとヴェンカテシャンがふたりでリーダーとなり(ミズリンタットのポジションは変更なし)、ジャーマンが退社するのではと気づくひともいた
  • サンレヒは(※フットボールディレクター/テクニカルディレクターの)候補者として、エメリがよく知っている人物かあるいはアーセナルとゆかりの深い人物、元ガナーズMFのエドゥのような、を探していると考えられている
  • そこにミズリンタットとの決定的な決裂があるわけではないが

冬の移籍市場で溝?

  • アーセナルの1月の補強予算がないこともまた問題になっている
  • この冬アーセナルはローンでしか補強ができないが、そんな状況でもサンレヒ・ミズリンタット・エメリの3人は、以前にやっていたような効果的な連携ができていない
  • たとえば、バルセロナMFのデニス・スアレスへの興味においてはサンレヒとエメリで主導されていて、ミズリンタットはミズリンタットで自分のターゲットがいるのに、ボードのなかでの進捗は限られている
  • 情報筋が指摘しているところによれば、サンレヒのアプローチは彼自身の大きなネットワークを使ったリクルートに向かっているのに対し、ミズリンタットはよりアナリティクス・ベイスのアプローチを志向している

ミズリンタットは仕事に支障をきたしている

  • アーセナルでの最初の1年の終わりに向けて、ミズリンタットは将来の立場の保証を求めているが、その保証はされそうにない
  • それがとくに問題なのは、彼の獲得にはしばしば長期間の計画とグラウンドワークがあるからで、それが過去にはとても効果があったのに、いまでは不可能に近くなった
  • 関係者のなかには彼を気難しい性格だと見る向きもある。彼のドルトムントでの時間は結局ほろ苦いものになった
  • そしてアーセナルにおいても、高く尊重されているものの、仕事でますます孤立を深めているように見える

以上。

公式発表以上に信頼されている(笑い)オーンステインのリポートだから、ここに書かれていることはほぼ間違いないいまのアーセナルの状況なのだろう。

船頭多くして船山に登るとはよく云ったものだ。

ぼくはこれまでのサンレヒのインタヴューなどから、てっきりアーセナルは民主的にものごとを決めたり、実情を知りもしないのにまるで賢者たちが率いているような錯覚を起こしていた。それがヴェンゲル・ガジディス体制へのカウンターの時代なのだと。

ところがそんなことではなかったようだ。

オーニーはやんわりと書いているが、リクルートにおいてサンレヒはミズリンタットを尊重せずに、自分の意向でやろうとしていると。チーフスカウトがいるのに、それは横暴じゃないか。

redditにミズリンタットのBVB時代からのスカウトの実績をまとめた表がアップしているひとがいたが、フメルス、カガワ、レヴァンドフスキ、ロイスにバメやんにデンベレ、サンチョにいたるまで、このリストを見るだけでもとんでもない慧眼だとわかる。まるでマジック。

スヴェン・ミズリンタットこそ、すべてのクラブが、クラブ経営者が獲得を夢見るスカウトマンだろう。

先日のFFPの話しではないが、金を持っているクラブだってその金を無限に使えるわけではない。バイエルンはすでに噂があるが、PSGやRM、ユーヴェのようなクラブが彼を獲得したがっても全然驚かない。

そしてもちろんアーセナルのようなクラブにとっても彼のような人材はより重要で、その意味合いはまたリッチクラブのそれとは異なる。

アーセナルの理想のモデルは、BVBでありモナコだ。彼らの成功のキーになっているのはもちろん選手リクルートで、そのBVBから直接リクルート部長をぶっこ抜いたのだから、よくやったとしか云いようがなかった。

が、いま自ら彼をこうして退職に追い込もうとしてるなんて、ナンセンスここに極まれり。まさしく噴飯ものである。口いっぱいに頬張った白米をブー!って吐き出したい。

いったいいまクラブはどうなっているんだ?

もちろん、まだどうなるかはわからないが、もしほんとうにAFCが彼を手放すようなことがあれば、アーセナルのファンにとっては悪夢でしかないだろう。

ぼくたちが信じようとしていたプロセスはどこへ向かっているんだ?

ミズリンタット2017年12月の発言:アーセナルではわたしができるベストを尽くしたい。このチャレンジにワクワクしているし、アーセナルで、ロンドンで、10年か12年か、とにかく家族とともに我が家のようにずっと暮らしている未来が容易に想像できるね。

以上

合わせて読みたい

スヴェン・ミズリンタットのロング・インタヴュー



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5 Comments on “AFCチーフスカウトのスヴェン・ミズリンタットが退社か

  1. なるべくお金をかけず良い若手を見つけて、上位陣に負けないチーム作りをするにはミスリンタートはアーセナルにとって絶対に欠かせないピースだったと思うんですけどね。
    この退団が事実なら本当に残念。
    ガジディスが抜けた時は何とも思わなかったけど、彼が残っていればミスリンタートの退団もなかったかも。

  2. テクニカルディレクター制は効率的に見えて上手くいってるクラブが少ないのは、監督フロントと対立しやすい点がある
    ミスリンタートは最大でも20m程度の移籍金が限界で、新進気鋭の監督(どんな選手を押し付けられても使うしかない)がいるようなクラブ適任なのかも
    いくら実力があっても無名の香川真司を連れてこられたら「コイツは誰なんだ、どう使えばいい、俺は実績のある選手が欲しいんだ。5mでアジアから妙な選手を連れてくるなら、50mでワールドクラス連れてこい」と監督もフロントもファンも思うだろうし

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