「ダイレクト to コンシューマ=OTT」を検討する背景にTV収入の頭打ち
そもそも巨大なインフラ投資や、TV収入という既存の巨額ビジネスをないがしろにするといった、ビッグリスクをかけてまでNetflixスタイルサーヴィスを検討するかといえば、これまでPLの隆盛を支えてきたTV放映権収入というビジネスに陰りが見え始めているという背景がある。
Total PL TV rights for 2019-22 cycle rose 8% (£0.7 bln) from £8.5 bln to £9.2 bln. UK domestic rights actually dropped 7% (£0.4 bln) from £5.4 bln to £5.0 bln, but this decrease was more than offset by overseas rights increasing by 34% (£1.1 bln) from £3.1 bln to £4.2 bln. pic.twitter.com/pUIRGoW2EV
— Swiss Ramble (@SwissRamble) July 8, 2019
去年夏のSwiss Ramble Senseiのツイート。
TV収入は、19-22のサイクルにおいて海外はまだ成長中だが国内では微減に転じており、陰りが見えているということ。
ずっと成長をつづけてきた海外からのTV収入もいずれは国内のように頭打ちになっていくだろうことは想像できる。新興国市場だって無限に広がるわけではないのだから。いつかは成熟するに決まっている。
プロスポーツにおけるOTT(Over The Top)の事例
この世界の先行事例として、NBA、NFL、MLB、フォーミュラワン等が、すでにダイレクト to コンシューマのサーヴィスを持っている。
またUEFAも最近ストリーミングのプロダクトをロンチした。
どのサーヴィスも既存のメディアライツがビジネスのメインでサーヴィスはまだ限定的だが、PLが現在やっているよりはもっと踏み込んだものとなっているという。
またスペインのラ・リーガが運営している「La Liga Sports TV」が、国内バスケ、フットサル、ハンドボールといったニッチスポーツを中継するストリーミングサーヴィスで成功を収めているという事例もある(2年で会員60万人)。
一方その頃、日本では読売ジャイアンツがすったもんだの末、DAZNに放映権を売っていた。。
まとめ:エンタメのコンテンツホルダーがOTTに向かうのは自明のこと
この『The Athletic』の記事は結びで、PLに限らず、この10年であらゆるエンタテインメント業界のライツホルダーたちがOTTに向かっているという識者の声を紹介している。
コンテンツディストリビューターを介さず、自前でコンテンツを配信するほうが、いろいろな意味でよほど魅力があるということだろう。コンテンツが強大ならなおさらこの傾向は強いはずだ。
なるほどディズニーみたいな企業がそれを始めるみたいな話もたしかにあったような。ほかにも映画関係でもそういう話はちらほらあったような。
とくにプロスポーツのようなファンとクラブで特別なつながりがあるようなジャンルでは、もしファンと直接つながることができればそれは大きな価値になる。
いままさに「サブスク」サーヴィスにおいて各事業者が乱立していている状況は、ユーザにとってはあまり好ましくないことだが、一方で熱心なファンであればあるほどその独自サーヴィスは歓迎できることだろうと思う。
もしPLが近い将来にこのサーヴィスを開始して、たとえばいまのDAZN Japanよりもいいサーヴィスを提供してくれるのなら個人的には大歓迎である。
フットボールファンとして安価でライヴも録画も観られるDAZNにはだいぶ感謝をしているが、音声を選択できないのだけはほんとうにいただけない。コメンタリ(実況/解説)は観戦体験のかなり重要なところにあるので、その満足度が低いとサーヴィス全体の満足度が低くならざるを得ないのだ。オリジナルの英語コメンタリを選べれば云うことはないのだが、それが何か問題あるなら、せめて無音声(ステディアムノイズのみ)を実装してくれないかと。ぼくはべつに英語が理解できるとかそういう意味ではなくて(まあ云うほど聞き取れていませんし)、クオリティの低い日本語コメンタリならないほうがまだマシという、それだけのことである。
- PLのすべての試合のライヴ中継&見逃し配信アリ(1週間)。
- インタヴューや舞台裏などPLプロダクションの独自コンテンツ。
- プレミアム会員は一般会員に加えて過去の試合アーカイヴがすべて閲覧可能(見逃し配信は無期限)。
- 音声は1日本語、2オリジナル(英語)、3コメンタリなし(現場音のみ)を選択可能。
- 月額1800円(プレミアム会員は2500円)
どうよ? 月額1800円はリアルじゃない? 映画1本ぶん。そしてなぜかグローバルで日本だけやけに高いという(笑い)。
おわり
正に最先端コンテンツですね。
DAZN でもかなり満足なんですがね。
プレミアの全試合とゆうことは、各カップ戦なんかもカバーされるのでしょうけど、ヨーロッパの大会は別なんでしょうね。だとしたら今のままでいいのかなと思います。ただ新コンテンツが始まればDAZN もいろいろありそうですね。
英語実況は試合をめちゃくちゃ盛り上げるので聴ける設定が欲しいです
日本語だと粕谷さんのイラつくコメントしか聞けないので
愚かなプレイが、永遠に世界中からチェックされるというのは良いこと。レフリーも若がえざるを得なくなる。サッカーにとっては良い事。サポーターにとっては地獄だろう。
延々と大音量で実況し、絶叫し、訳の分からないことをまくしたてる地上波の実況アナや、
解説とは思えないノータリンM木Y太郎ら。
それと、芸能人応援団バカ騒ぎに辟易としています。
それに比べると、スカパーやDAZNの無駄話の多い、冷静な実況は好きですよ。
粕谷氏については・・・
今の放送だと試合後に中継がすぐ切れてしまうのが少し残念なので、
(例えばテタさんが選手を労ってる途中で切れたりすると、もうちょっと観ていたかったなと思ってしまいます)
そこら辺もファンサービスしてくれるようになると良いなぁと思います。(私だけかな…)
1リーグあたり500円くらいにならないと今の複数コンテンツを2000円以下で楽しんでる層はコストが上がっちゃいますね...
DAZNが来てからまたサッカーを観るようになった自分としては今の形で満足してます。
実況・解説に関しては叫んでるわけでもないのでそれほど不満はありませんが、英語バージョンもあると良いというのは同意です。