試合の論点
アーセナル vs マンチェスター・シティのトーキングポインツ。ツッコミどころがありすぎる。
アレックス・ルナーソンにまつわる疑問
Arsenal’s Runar Runarsson is the first goalkeeper from a PL team to make two errors leading to opposition goals in a single competitive match in 2020-21.
— Squawka Football (@Squawka) December 22, 2020
この試合で失点につながるエラーをふたつもしてしまった(ひとつはFKのファンブル、もうひとつはよくわからない?)GKアレックス・ルナーソンは、今回戦犯のように批判され、自身のtwitterアカウントを削除してしまったという。なんてこった。
これは書いておきたいが、そういうメッセージを匿名で彼に直接ぶつけることをためらわない奴らの卑劣さ。ファンのストレスは理解できるが、それを本人にぶつけて何になるというのか。反射的にもそういう行動に出てしまう幼すぎる思考回路にはほんとうに辟易する。クラブやチームは彼のメンタルヘルスを守ることに全力を尽くさねばならない。この大切な時期に無駄な仕事を増やしやがってバカちんどもが。
こういうことが起きてしまうから若い選手を使うときは慎重にならなきゃいけないというのは十分教訓になるとは思う。
で、結果的にこういうことになってしまい、そもそもルナーソンをこの「ビッグゲイム」で抜擢したアルテタらの判断が正しかったのか問われるわけだ。
彼は最近のプレイした試合からつづけてのこの試合のパフォーマンスで、まだトップレヴェルで要求されるレヴェルにないということがわかってしまったわけだが、この1試合のパフォーマンスよりも、それがいまこうして露呈してしまったことのほうが彼の成長にとってはよほどインパクトが大きいだろうと思う。本人が一番ショックを受けているはず。
そもそも彼を獲得した当時を振り返れば、ルナーソンは、アーセナルが彼を取ることがわかったときもフランス方面からは、首をひねられてしまうようなGKだった。
もしかしたら以前このブログでも紹介したかもだが、@Orbinhoが蒸し返していたGFFNの9月のtweet。彼はポジショニング、空中能力、配球に難ありで、アーセナルが彼の獲得に動くのは奇妙だと云っている。
FEATURE | Rúnar Alex Rúnarsson – Arsenal’s bizarre €2m bet from Dijon – found to be totally lacking in Ligue 1 in terms of positioning, aerial ability & distribution https://t.co/iy1TzHjcGQ pic.twitter.com/udMylprsrA
— Get French Football News (@GFFN) September 18, 2020
だがここで大きな 疑問は、彼の能力とかそういったことではもちろんない。サードGKと見られていた彼がいつの間にか、セカンドの立場にいるということだ。ファーストを休ませるために、彼のような未完成な選手に頼らねばならなかったということだ。
実際、夏のウィンドウがクローズしたとき、クラブはエミ・マルティネスの後任を取ることはできず、もしレノがケガでもしたときは、いったいどうなってしまうのかと心配されていたわけだが、いまそのことがあらためて非常にシリアスな問題として突きつけられている。
もしこれからレノがケガなどで離脱することになれば、ルナーソン、あるいはルナーソンよりもさらに評価の低いマット・メイシーがPLでプレイするのだ。アーセナルのレヴェルのビッグクラブで、果たしてこういうことは起きていいのだろうか?? 去年のエミマルを思い返せば、セカンドGKの重要性は云うに及ばず、いまレノになにかあったらと想像するだけで背筋が凍るような状況である。
そしてもちろん気の毒なのはルナーソンだ。彼は今年の夏にイングランドに来たばかりで、こんなふうにさらされるべきではなかった。もしかしたらアーセナルのレヴェルのクラブが取るべきですらなかったのかもしれない。だが、それとて彼の責任ではない。
Riyad Mahrez on his goal: “I was surprised about the positioning of the keeper, he was so close to the post…”
[via @footballdaily]pic.twitter.com/xebP0FdO9a
— Man City Xtra (@City_Xtra) December 22, 2020
GKコーチの推薦でやってきたこと(コーチがリクルートを主導することはそもそもビッグクラブとしてアリなのか)、セカンドGKを取らずそのポジションを放置したこと、サードの彼にいらぬプレシャーを負わせていること。どれもクラブのマネジメントに疑問を呈さずにはいられない。
アルテタのダブルスタンダード。サリバとルナーソン
それと、もうひとつ疑問は、ウィリアム・サリバがこの試合に加わらなかったこと。それが試合後にはとても大きな議論になっていた。
ぼくは彼がいきなりここでプレイするだろう可能性の低さのあまりプレヴューエントリでもすっかりスルーしていたが、彼はこの試合でプレイしてもおかしくはなかった。というか、試合の重要性を考えれば、むしろプレイすべき試合だった。
先日のU-23の試合でも、試合終盤に2枚のイエロウカードで退場になってしまったが、ソクラティスのとなりで、ファーストチームでも十分プレイできると思わせるパフォーマンスを見せたとユースエキスパートのJorge Birdも云っていたくらいだし、アルテタ自身もつい先日「ここ数ヶ月でかなりインプルーヴメントがある」と認めていた。そういったことを考慮すれば、彼がこの絶好のチャンスにチームに加わらなかったことは不自然ですらある。
ちなみにプレス会見のトランスクリプトを見ればわかるとおり、アルテタはこの試合でベンチにも入らなかったサリバのチーム参加について問われ、「彼はスクワッドに入っていなかった(プレイする資格がなかった)」と説明した。だが、それはおかしいそうである。EFLコンペティションのレギュレイションではPLでプレイ資格のあるもの(サリバ含む)がプレイできるということ。つまり、この試合で彼をチームに入れない選択をしたのだとしたら、それは資格がないからではないのだ。アルテタの説明は説明になっていない。
アルテタはサリバについて、これまで彼をファーストチームでプレイさせていない理由をいろいろなかたちで述べているが、だんだんどれもあまり説得力を持たなくなってきたように思える。どうしても彼をいまファーストチームでプレイさせたくないという強い気持ちがあることだけは、疑いがないが。
ここでふと思うのは、今回スタートして大惨事のルナーソンと、自宅でテレビ観戦を余儀なくされているサリバの違いはなにかということだ。
Straight up: If Arteta thinks Saliba is not ready then why tf would you start that keeper? Same situation surely?!
A lot of his decisions are strange. This one, Ozil for footballing reasons, Sokratis..
— Sati Clare (@Sati_Clare) December 22, 2020
もしアルテタがサリバについて、まだ彼がファーストチームでプレイする準備ができていないというのなら、今回のルナーソンは果たしてどうだったのか。彼はアルテタが云うところの「準備」ができていたのか。
ぼくには彼こそ、そうは観えなかった。それとも、ふたりの選手で重要度が違うとでも云うのか。ひとりはリスクをかけていいし、ひとりはかけられない。そんなことをチームのボスが考えているのなら噴飯ものである。
こういうのをいわゆるダブルスタンダードというんじゃないか。あるときはYES。あるときはNO。そこには明確な基準がない。あるいは隠れた動機がある。
サリバがアルテタから準備不足と評価されていることに関しては、ファンのあいだでも以前はよく「アルテタの判断は正しいはず、なぜならば彼が誰よりも近く選手を見ているから」というロジックを見かけたものだが、ほんとうにそうなのか怪しく感じ始めている。
これに限らず、最近はアルテタのじつは首尾一貫性があまりなかったところが、ますます指摘されるようになってきていて、非常に悪い傾向だと思う。
勝つ勝たない以前に、このクラブは何かがおかしい。言えないこともあるだろうからアルテタの言葉を全てそのまま鵜呑みにはしないにしても、選手の獲得けら選手の扱い、負傷時の対応までもどんどん首を傾げる所が多くなっている事がとても心配です。
ムスタフィは噂のバルサが獲ったら面白いのに。ついでにコラシナツもセットで(笑)
泣いた。
もちろん全然状況は違うけど、今季のバルサは積極的に若手を使ってる。
結果は伴っていなくても(PL15位のチームのファンに言われたくは無いだろうけど)先を見据えた、革新に着手している事は見て取れる。
アルテタも革新を期待されて抜擢されたんじゃ無かろうか?
若手を使うのが、絶対的正義て事でも無いけど、チグハグなのは感じていたところ。
もう一度読み返して、泣きます。
メリクリ
アルテタ、これだけ期待していたのに、蓋を開けたら“若手を使わないエメリ”だったとは…
本当は上層部に何か言われてるのだろうと、思っていたが、それすらも最近はこちらが勝手にアルテタを高く見積もっていて、アルテタ本人が決めている事なのではないか?と思うようになってきました。
何もかもがエメリ末期のデジャヴ………
chanさんのブログは同じ試合結果でも切り込むポイントが色々あって読んでいて、救われます。
救われますね。
とてもウイットに富んだ表現で、感じるモヤモヤを言語化されていて心の拠り所にさせて貰っています。
ま、勝ってた時の方が格段楽しく読めましたけどね!(チェンさんのせいでは無い)
“若手を使わないエメリ”。。。
“ベンゲルとペップのハイブリッド”では無かったのか。。。
COYG
素人ですが、メディカルの判断については非常に難しいからしょうがないかなと思います。
機器を使えるならともかく、触診だけで怪我の程度なんかはっきりわかるはずない。本人が出来るといえば、まずは行かせるのが当然でしょう。脳震とうみたいに交代枠使えるならともかく、さらにPLは交代枠3人のうちのひとつを使わないといけないわけですし。
ただ、今回のガビのケースではHT中にもう少し詳しい経過観察できたでしょうから、トーマスとは違うケースでしょうけども。
ガブリエルが通用してるというか、うちでNo.1のCBなのに、リーグアンで同格とみられてたサリバが通用しない理由がわからんのだよなあ。せめてムスタフィよりはまともなプレイしてくれるじゃないかと思う
いやはや、レビューお疲れ様です。
バログンはこの起用方法が続くなら移籍でしょうね。
下であれだけ結果出したのに上ではアピールの機会も碌に与えられないんじゃ致し方なし。
レギュラーが突出した成績残してる訳でもないのに。
カップ戦でスタメン張れないんだったらどこで使ってもらえるんだか…。
僕はとにかく若手出せって思ってる訳ではないんですけど、あまりにも聖域が多すぎる。
年齢が上になる程結果が全てでは。
それでも何やかんや土曜日は頑張って観るんですけども。
COYG
ルイスのときもすぐ交代しなかったっすね。
フットボール観戦の初心者が今シーズンのアーセナルを見ても、きっとファンにはならないだろうな。
いつからこうなっちゃったのか。
キーパーからボールをつなぐのも理由があったはずなののに、もう1年になるし選手もあまりかわってないのに、なんでうまくできないのでしょう。
どうなることがうまくできたことになるかは、見ててよくわかりませんけど、ゴールとゆうよりシュートも打てないのだから、悲しすぎです。
いつも悲しすぎ。
マルティネッリと周りの温度差がやばかったですね。彼には申し訳ない気持ちになってくる。
ESR、バロガン、ネルソン、マルティネッリ、パーティ…アーセナルの未来が壊れていく…これでサカとウィロックになにかあれば目も当てられない。単刀直入に言って、アルテタはもはやマネージメント出来てないし、ここは一旦交代でしょう。
ベンゲルイズムの有望なユースが久しぶりに沢山出てきてるのに全く使わない現状はウンザリですな
アーセナルにしては、10代の選手を大枚はたいて獲得したのに、
2年もトップチームで試しもしないなんて・・・
3・4年我慢しますから、ヤング グナー達の未来を感じさせて欲しいです。
今日も頑張って応援しますから。
COYG
サリバに関していえばアルデタが欲して獲得した選手ではないので使われなくても仕方ないんじゃないですかね
それでも責任を追及するならアルテタではなく獲得に関与した人間を責めるべきだと思う