試合はもうご覧になりましたか。
勝ったはいいが、またしても既視感あふれる展開に……。というよりむしろ悪化しているような。
あれだけ同じ過ちは繰り返さない、過去から学ぶと確認しあいながら、むしろ増えてしまった個人エラーズ(※この試合で相手ショッツにつながったエラーが3)。どうなってんだろ。何か理由を探すべき問題のように思えてきた。いまや最大の敵は自分たち自身になっている。コントかな?
とはいえ、結果は快勝。アウェイでこの結果は来週のセカンドレグに向けて大きなアドヴァンテッジになった。
この少し奇妙な試合を振り返ろう。
Odegaard helps Arsenal to commanding lead
アルテタの試合後コメント「意思決定の区別が必要」
BT Sportのカメラに応えた試合後インタヴュー。『BBC Sport』より。
アルテタ:とてもいい試合の始め方だった。とても支配し、たくさんのチャンスをつくった。
そしてわれわれはバックからプレイしようとしたところで、相手にゴールを与えてしまった。しかしそこからリアクトし、さらに2得点。概ねポジティヴな結果だ。しかし、われわれはそうした失点になるようなエラーズはやめねばならない。それでは維持できない。
いまハーフタイムであり、このあとも何でもが起きうる。セカンドレグでは0-0で始まる。完全に集中し試合に勝つためにトライする。
試合後プレスカンファレンスでのコメント。オフィシャルサイトより。
(チームの進捗……)
アルテタ:しばらく前から云っていたことだが、ものごとがわかるようになってきた。なぜなら、わたしは1年前から内部で何が起きているかプロセスを知っている。この差はとても大きく、結果にもとても満足している。得点、試合のビッグモウメンツでどうプレイしたか。
しかし、同時に自分たち自身にとてもはっきり、正直にいなければならないのは、われわれは相手に3ゴールズを与えてしまったようなものだということ。彼らはそのうちの1点を決めた。このレヴェルでは当然罰せられる。
だから、つぎのレヴェルに行くには、われわれはああいうことを止めて、もっと容赦なしにならねばならない。あんなふうに支配的にいいプレイをするなら、あとは試合を殺すだけだ。
(これらのエラーズで自身のアプローチへの自信が揺らぐ?……)
ノー。ただいつプレイしなきゃいけないかということだけ。その選手にボールを預けなければならないとき、そのときに違いはあるのか…… いまなのか、あるいは2秒後か、2秒前なのか。それが相手にプレスやインターセプトのチャンスを与える。そこが違いになる。意思決定を区別すること、いつそれをやらねばならないのかが、つぎのアクションで成功するか失敗するかを左右する。
しかし、それはそのプレイを止めるだとか、チームをそうプレイさせないとかそういうことではない。それをやるのはいつなのか理解しなければならない。それが決定的になる。完全にコントロールしていた試合のなかで危険なことはしていない、そしてそれがチームを危険モードに陥れてしまう。相手に与えてしまうからだ。試合のなかでどれだけやったか。どれだけチャンスを無駄にしたか。それは不必要だ。
しかし、あの失点からあとのリアクションがあったのも事実。それにおそらくはわれわれはもっと得点もできた。それは観ていてグレイトだった。
(ケガ理由のサブはあった?……)
ノー。すべては戦術的な決断。試合のなかで何かを変えたかった。
(最悪の敵は自分たち自身と云っているひとたちになにか云うことは?……)
イェア。それは間違いでもない。失点もつくられたチャンスも自分たちがつくったものだ。とてもポジティヴなのは、それが止めたときにはわれわれがより力強くなるからだ。しかし現実は、それをただちに止めねばならない。そうじゃなきゃいつでもポインツを失うことになるから。
しかしそれはわたしの責任だ。われわれは選手たちに、わたしのやりたいようにプレイさせている。つまりリスクとリウォードについての理解なのだ。以前にも云っているようにボールをどうプレイするか。われわれはそれを改善せねばならない。そうすれば、それによる緊張と危険が生まれない。相手に不必要な信念を与えないこと。
(そのせいで毎試合でサイドラインでは緊迫した空気になる?……)
そう! でもそういうものだ。こういうプロセスを経なければならないとき、この状況を受け入れる準備をするか、やり過ごさねばならない。わたしにはその準備はできている。だが、つねにリスクとリウォードがどこにあるかは理解しておくことだ。もしリウォードが大きくないのなら、リスクを取るべきではない。
(うれしくなさそうな物言い……)
わたしはもっともっと無慈悲になりたい。チームとして相手にはビタ一文与えたくない。相手は自分たち自身でチャンスもつくれるし問題も起こせるくらいにはいい。オーガニゼイションとストラクチャを変えられるし、このコンペティションで戦える個人クオリティもある。だから相手には何も与えたくない。
何をやろうが、自分たちでそれを得なければならない。だからわたしは相手がわれわれ同様そうせねばならないことを望む。
結果には満足している。しかしわたしは95分を通して、自分たちが試合をどうコントロールしたかについては満足していない。そここそわれわれが進歩せねばならないところだ。
(トマス・パーティを下げた理由?……)
わたしが彼を変えたかったから。誰かほかの選手に変えてほかのやり方を探ろうとした。なかでプレイするような(playing inside)シェイプに変えようとした。
(エルネニーの3点目はどれだけ決定的だった?……)
わからない。この勝負はまだもう一試合あるし、このレヴェルの相手だ。なんだって起きる。だからわれわれは0-0から始まるエミレーツで勝つためにかなり準備しなければならない。そうなれば勝ち抜けだ。
モーもそうだし、ほかのサブズについても、わたしはまったくもってうれしい。なぜならわたしは彼らがどれだけプレイしたがっていたか知っているし、彼らがこのコンペティションのキーになるから。成功したいのなら、サブズにインパクトを出してもらう必要がある。彼らはまたそれをやってくれた。
モーのことがとくにうれしいのは、彼がラウンディ(※コーチのスティーヴ・ラウンド)と一緒に距離のあるシューティングを特訓していたから。彼は今夜そのご褒美を得た。チームにとってもとても重要だ。
(チームのキャラクターを示した……)
イエス。それは多くの試合でもすでに起きていることだし、それを習慣にしないと。どんな状況でもリアクトできるなら、がっかりがあっても、何が起ころうとも関係なくなるから。個人でも集団でも、反発できるということ、チームとしてどんな状況にも対応できると知ることが必要だ。チームにとってはとても勇気づけられることだ。
(マーティン・オーデガードのゴールは待ち続けていたものだった?……)
彼にはあれができるし、彼はアレでノッていく必要がある。エミールもそうだし、ウィリアンもそう。彼らはことを起こすために、試合に勝たせるためにそこにいる。試合の勝利を決めるのはボックスの近くであり、彼らはああいった状況から攻撃により勇気を持たねばならない。リスクを取り、ショッツを打つ。そしてドリブルできるチャンスをつくる。それが彼らのクオリティだから。
願わくば、あれでマーティンに自信がつくといい。われわれはボックスの外からふたつのワンダフォーな得点をした。それもまた得点の取り方だ。それが決定的になるのさ。
以上。
オーデガードについてアルテタ「彼にはゴールを決めるよう求めていた」
Arsenal.comの試合後のインタヴュー。オフィシャルサイトより。
アルテタ:彼(MØ)はチームをよく助けている。彼はボールに大きな連続性をもたらしてくれるから。
彼はスペイスを見つける賢さがある。彼はたくさんの相手を引きつける。われわれは彼にボックスまで入っていき、ゴールすることを求めている。
今日彼はブリリアントなゴールを取ってくれた。彼の貢献はチームにとってとても重要だった。
(ウィリアンについて)彼は今夜もとてもよかったと思う。わたしは彼にいくらか継続させたかった。彼はそれにふさわしいから。とてもよくトレイニングしている。さらなるアシストもあった。
それとエルネニー。彼はボックスからのショッツはラウンディと練習していた。サブズにもとても満足している。
よかよか。
マーティン・オーデガードのコメント「チームスピリットを見せた」
やべえやつで1得点。試合後インタヴュー。オフィシャルサイトより。
MØ:グレイトなモウメントだった。ぼくはスコアシートに載りたくて載りたくて震えていたし、まだゴールはひとつも取っていなかった。だから(ゴールは)ぼくにはとてもいいモウメントだった。試合のなかでもアウェイで決めたことは決定的だった。HTにリードして入っていけた。個人的にビッグモウメントでチームにもそうだったろう。
ぼくらは失点以外はとてもよくやっていたと思う。ソリッドだった。試合を支配し、たくさんのチャンスをつくった。でもいくつかイージーボールを相手に与えてしまった。そこは取り組む必要のあるところだろう。でもそれ以外はグレイトな試合だったと思う。3-1勝利にふさわしいよ。
いまのチームが持つキャラクターを見せたと思う。ベンチからの選手たちが試合を変え、得点した。それがチームスピリットだと思うし、チームのクオリティだと思う。みんながプレイする準備ができていた。ビッグチームの勝利だった。
このひと、この試合のあと(発表のタイミングは偶然だろうけど)、ノルウェイNTのキャプテン指名が発表されていた。
Martin Ødegaard er utnevnt som ny kaptein for Norge 🇳🇴💪#sterkeresammen pic.twitter.com/W9p5Yom8B5
— Fotballandslaget (@nff_landslag) March 12, 2021
22才で。すごいことだ。
彼はプレッシングをリードする試合中の存在感といい、リーダーシップがかなりあるタイプなんだなと。
ぼくは彼のプレイを観るたびにどんどん彼のことを理解するようになっている気がしているが、同じボールを持ちたがるNo.10タイプでも(ESRはボールを持ちたがらないNo.10タイプ)、エジルとは試合へのアプローチが全然違う。
ペドロ・マルティンスのコメント「われわれが本命ではなくなった」
試合後のオリンピアコスのボスコメント。UEFAサイトより。
マルティンス:われわれの最後サブは、バのケガがチームのバランスに影響を与えていたから。
今回はエンヴィヤがディフェンスに入って、より警戒をするようなスタートになってしまい、最初の20-25分はいいパフォーマンスではなかった。だが得点のチャンスは得ていた。
アーセナルの2点目が決定的だった。もちろんこの状況ではわれわれが勝ち抜けの本命ではない。しかしセカンドレグではチャンスを追っていく。ベストで戦う。
パパ・ソクラティスのコメント「セカンドゴールで勝負あり」
元ガナー。同じくUEFAサイトより。
ソクラティス:とても強いチームとの対戦だった。ぼくらのスタートはよくなかったが、試合が進むにつれよくなった。ファーストハーフの終わり際には同点にするビッグチャンスを無駄にした。インターヴァルのあとはパフォーマンスは改善した。プレッシャーを与えた。しかしセカンドゴールが勝負を決めてしまった。
ぼくはまだ巻き返せると信じている。まだ90分残っているし、自分たちのベストを示すよ。
彼はがんばったと思う。
自分に勝つ。
何より難しいミッション。
でもそれをクリアするとビッグクラブ。
勝ちましょう。
パーティとジャカは本当に分離したほうがいいかも。
プレー(判断)スピードが違いすぎて、ジャカに合わせるとパーティの良さが出ないし、パーティに合わせるとジャカがついてこれない感じがする。
逆に言えばあれだけプレースピードが遅いジャカが中心になってるのは、現状このチームでどれだけジャカのキックの比重が重いかだと思う。
例えばパーティをアンカーに置いた4-3-3でやる場合、それまでジャカがキックで解決してた事でも、IHとFWのパス&ムーブで代替するのは大変だと思う。
それこそ、判断ミスしてたら務まらない。
そういう意味において、今やってる「正しく判断する」という取り組みはこのチームの未来でもあると思う。誰がプレーするかではなく、出る選手が当たり前のように正しく判断できるチーム。
見たいですナ。
ハイライトでしか見てないですが自陣でのミスはがっかりしますね。
バックからプレイするリウォードの得方がまだ定着してないような。そして基本的な手順ということは決まっているかもだけど、それが相手のプレスの仕方(深さやかける人数や位置)によって変化させる必要があるはずだけど、それが定着してないというか決まってない対応できてない、想定してないイレギュラーな相手の変化に対応できないみたいなそんな印象も受けさせますね。
それもアルテタのいう判断という部分なのかもしれないですけど。まぁこの試合フルで見てないのであれですが。
ウィリアンはハイライトでも攻撃のポジショニングが良くなっているのが見て取れました。バーンリー戦で気になった部分がすぐ修正されたのは個人的にポジティブです。てかバーンリー戦もでしたけどティアニーよりウィリアンのが低い位置で守備している場面が散見されるのがちと気にも。ティアニーの戻りが以前より遅いことがある?まぁウィリアンの守備貢献も高いで済ませればいいのかな。
ミスの部分の修正もされるといいですね。