スラヴィア・プラーグについて
SKスラヴィア・プラハ。
チェコの国内リーグでは、現在2位のチームに14ポインツ差をつけてダントツのトップ。25試合でW20 D5 L0と無敗である。現在37試合無敗を継続中とのこと。
ヨーロッパでは、CL予選で敗退したあとはELにまわりグループステイジ後は、R32でレスター、R16でレンジャーズを相手に勝ち抜けてきた。侮れないチーム。
フォーム
国内リーグとELを合わせて、このチームが最後に敗けたのは去年12/10のELレヴァークーゼン(A)。その前は10/22のEL、Hapoel Beer Sheva(A)、その前は9/30のCL予選、FC Midtjylland(A)。今シーズンはすべてのコンペティションで、この3試合しか敗けがない。すべてアウェイ。
すべてのコンペティション直近6試合は、W4 D2 L0。ちょうど先週末は国内リーグでポインツを落としている(ドロウ)。
国内で極端に支配的なチームというだけでなく、ヨーロッパでレヴァークーゼン、ニース、レスター、レンジャーズといったチームを相手にしながら、ここまで勝ち上がってきている。
ELレスター・シティに勝利
ELのR32で対戦したのがレスター。われらにとってはもっともベンチマークになりそうな相手。そんな彼らを相手にホームで0-0、アウェイで2-0勝利という結果。
その試合でプレイしたレスターのチームを見ても、彼らが本気じゃなかったなんてことはなさそうである。スタッツもわりと拮抗している。
本気のレスターを相手にホーム・アウェイで上回るというのは、わりとすごい。アーセナルは、今シーズンPLで彼らにはW1 D1の敗けなしだったが、それでも彼らのクオリティは知っている。
チームニュース
GKが勝負のカギを握っているかもしれない。
レイシズムを許すクラブ?
彼らのレンジャーズ戦は世間的にも大きな注目を浴びたが、その理由は、もちろんグレン・カマラに対する人種差別的暴言。
しかもBLMだとかがこれだけ騒がれている時流のなかでやるか、という。
こういうヨーロピアンなコンペティションは、どんなクラブにとってもある種のPRの場でもある。とくに、今回のようなマイナーリーグのチームにとって、UEFAのコンペティションに出たり、世界的に人気のあるビッグクラブと対戦することで注目を集めることができる。いいプレイや魅力的なプレイを見せれば、それだけで大きな宣伝になる。大金をもらえたうえにクラブの宣伝にもなるのだから、みんな出たがるはずだ。
そしてまた逆もしかり。ひとびとの注目を浴びているなかで、こうした不祥事が起きれば、不健全なクラブとして広く知られることになる。クラブ全体がイメージダウンの被害を被る。たとえ一選手の行動だったとしても。
今回は、ピッチ上での暴言だけでなく、その後には彼らのサポーターズグループ?がソーシャルメディアでド直球のレイシャルアビューズをやっていたのは、さすがに理解の範囲を超えた。もちろんリンクはしないが、少し調べれば出てくるだろう。びっくりするよ。
今回の一連のことで、スラヴィア・プラーグというクラブは世界中のフットボールファンからそういうクラブだと色眼鏡で見られるだろう。ていうかもう見られている。彼らのtweetsに対するリプライを見るとわりと地獄感ある。
百害あって一利なし。
マイケル・コックスによるスカウティング
ELでもやってくれるとはありがてえ。
<スラヴィア・プラーグについて>
スラヴィア・プラーグはタイトルの本命ではないかもしれない。だが、彼らの近年のヨーロピアン記録を見るに、サプライズを起こせる力があるチームだ。
2シーズン前には、CLでバルセロナとインテル相手にポイントを勝ち取った。ELに落ちる前にはセヴィーヤを倒している。それから、チェルシーを敗退すれすれまで追い込んでいる。今シーズンのELでは、すでにレスターとレンジャーズを敗退させた。
<デインジャーマン>
Abdallah Sima。間違いなく彼らのリアルスター。彼はおもに、アウトワイドでドリブルの脅威になれる右フランクからスタートしていて、裏抜けするスピードもある。また、アップフロントで起用されることもある。
よりペナルティボックスストライカーのJan Kuchtaがラインをリードすることが多いが。
なんかやられそうな雰囲気マンマンだな。。
Arseblogのスラヴィア・プラーグ分析「リーズ・ユナイテッドに似ている」
ちょっと珍しいような気もするが、Arseblogが、試合前に試合分析エントリをアップしていた。
スラヴィア・プラーグのスタイルオブプレイのところだけ、ちょっち紹介しよう。
スラヴィアのプレイは、2017年から彼らのコーチであるJindrich Trpisovskyに云わせれば、“Total football”である。
それはつまりハイオクフットボールであり、全員が守り攻撃するということ。試合全体で走りまくる。彼らは昨シーズンのCLグループステイジでは、走行距離が最長だった。PLのチームで云えば、リーズにとても似通っている。
とてもフィジカルで、高さも強さも十分にある。またとくにアタッキングサードでファウルを奪う。あまり戦いたくないチーム。
相手ハーフの幅全体でハイプレスをやり、またたいていはかなりディフェンシヴラインが高い。とてもコンパクトでコーチの云う “small pitch”をやろうとしている。
またいつもバックからビルドを試み、かなり攻撃マインドのフルバックスがオーヴァーラッピングしてダウンザラインでプレイする。そしてしばしばMFからのセカンドランナーズがカットバックからフィニッシュ。
セットピーセズでもかなりヤバい。ルーマニアンのプレイメイカーであるNicolae Stanciuは、フリーキックからも得点できる。レンジャーズでも決めた。
訳しながらだんだん不安になってきた(笑い)。
これは難しいところかなあ。。。
僕は3バックもアリかなあと思う。ESRとウーデゴーアがベストでないなら。
先日のエントリーで、「バランスの悪いチームからベストを引き出す」話が出てたけど、3バックはその意味では理にかなってたと思う。
低い位置でボールを回すからプレス耐性は高いし、ウイングの位置が高いからサイドに持ち出したら一気に勝負に行けた。
ここ数試合を見てると、このチームは90分間速い判断を持続できた事が一度もない。どころか、スイッチの切れた時間帯が2月以降どんどん長くなってる。
僕にはこのチームには(必死にやろうとはしてるが)その能力がないように見える。この条件下でもあるし
またシーズンも終盤で、もうチームを育ててる時間はない。
僕は結果を出すことを最優先して、チームに課すハードルを少し下げるべきだと思う。
例えば3バックのような。
非常にブサイクではあるけど、やるなら僕は支持する。