試合の論点
ウォルヴズ vs アーセナルのトーキングポインツ。
アーセナルはブレイクでリセットできていたのか?
前半を観ているかぎりでは、あまりそういう印象はなかった。まあ、そんなに急に変われたら苦労しないか。
むしろ身体はやや重そうで、ドゥバイでハードなトレイニングをやって疲労しているのかと思ったくらい。集中力の問題なのか、パスの連携が噛み合わないこともしばしばで、テンポよくボールが前進させられず。長いブレイクでリフレッシュしたというよりは、本気試合からしばらく離れていたブランクを感じる時間のほうが長かったように感じた。
ボールを持っていないときの守備は概ね安定していたが、問題は攻撃。序盤は全然チャンスがつくれないので、観ていてイライラしてしまった。
いっぽうでウォルヴズのほうは、狭いエリアをパスで崩すいいリンクアップがあり、ビルドアップがとてもオーガナイズされた印象を持った。彼らのボスも述べていたように、たしかにテンポもあったように思える。肝心なところでミスをやるので効率が良くなく、ゴール脅威もそれほどなかったが、すくなくともアーセナルよりは全体がオーガナイズされていたように見えた。
だから、アーセナルが得点したときは、あのまま試合が終わっていれば、若干ウォルヴズにはアンフェアな試合になりそうに思えたものだった。とはいえ、結局ああなって、ああなって、スコアはそのままで試合は終わったのだけど。
アーセナルは何が問題だったのだろう。せっかくの休みでしっかり充電されたはずなのに。
サカとマルティネリは相変わらずシャープだったし、ガビとホワイトもソリッドだった。そうなると、やはりCMのふたりだろうか。物足りなかったのは。ジャカとパーティは、ふたりとも前半にカードをもらったりとあまりいい場面がなく、せっかくふたりのシニアCMが揃ってスタートしたのに、試合への影響力は期待したほどはなかった。
こうしたしぶとい勝利で経験値をため、また実戦の感覚を戻していき、これからフォームが上がっていくのかどうか。
現時点では、まだ確実に調子が上向いているようには見えなかった。ひきつづき、最低限の結果を出しつつ、パフォーマンスレヴェルが上がっていくのを待つしかない。
今回は、ひとり減った状況もあるし、内容も完璧には遠かったので、それでも3ポインツを持ち帰ることができたのはほんとうにでかい。強いチームは、悪いときも結果を出すものだ。
奇妙な連続カード。つづくレッドカードとファウル下手問題
パーティとジャカがイエロウカードをもらって、前半からいやな予感はあった。が、まさかそこまでカードとは無縁に思われたマルティネリがやるとは。しかも、あんな誰も観たことがないようなやりかたで。
実際ああいうひとつのアクションのなかでカードを2枚出すというのは、前例があるんだろうか。アルテタがPLに18年いて(選手時代も含めてだろう)初めて観たと述べているし、ぼくもああいうのは、以前に観た記憶がない。
日本でやったワールドカップのときの、あの悪徳レフェリー誰だっけ。韓国を勝たせまくったひと。名前が思い出せないけど、ああいうレフェリー仕草。
あれは、ひとつづつ分けて考えれば、たしかに両方カードでもおかしくないかもしれないが、多くの場合ではああいうことがあっても、カードはひとつしか出さないのが、おそらくはふつうなのだろう。
BT Sportsの中継でリオ・ファーディナンドはこれについて、1枚めはカードだが2枚めはありえないとして「レフェリーは新聞に載りたかったんじゃないか」とコメント。同じくマーティン・キーオンも、あまり観たことがないし「It doesn’t feel sporting.」と述べた。
そのような前例のないことをレフェリーがやるのは、やはりとても珍しいはず。なぜそのような珍しいことを、マイケル・オリヴァーはよりによってアーセナルの試合でやったのか。
カードをもらいまくっているアーセナルのマネジャーが、日々、自分たちのチームがとくに不公平に扱われていると感じていれば、それに抗議したくなるのも当然である。アルテタは、PGMOL(レフェリーの団体)に抗議するんだろうか。
ちなみに、パーティは直近3つのファウルすべてに、カードが出ているらしい。
プレス会見でも「アーセナルはレフェリーの標的になっている?」という質問が出ているように、今回のようなことがあると(つづくと)、そこも疑われなければならない。
もっとも、ジャカが相手のシャツを引っ張るようなとんでもなく愚かしい、はっきりカードに値するファウルもあるので、完全に潔白ともいえないのがめんどくさくはある。あれは擁護できない。最近のチームが、カードにどれだけ苦しまされているか全員わかっている状況で、彼はよくあんなファウルができたものだと逆に感心する。
そういえば、今回59分にネヴェスがけっこうラフなタックルをやっていて、あれがジャカならスタンドが思いっきり湧いてレッドカードが出たかもしれないとも思った。アーセナルのファンとしては、やはり不公平は感じる。
このアーセナルのディシプリン問題については、ちょっと前に『The Athletic』が特集記事を書いていた。アーセナルはタックルがすくないしアグレッシヴ守備を全然やらないのに、カードだけは突出して多いと。
ちゃんとその記事を読んでいないので、どういう内容だったかは詳しくはおぼえていないが、アーセナルが不公平な扱いを受けているかもしれないという側面はあるとして、もうひとつ、やっぱりファウル自体が下手くそという側面もあるんじゃないかと思う。ファウルを繰り返しても、なかなかカードをもらわない選手というのはいる。
タクティカルファウルを上手にやる選手というのは、やはり頭がクールだし、賢い。ずる賢い。そういうところは教訓として、アーセナルの選手たちももっと学習すべきなんだろう。ジャカはもう無理としても(いや無理でしょ)、ほかの若い選手たちには、学んでほしい。アルテタは「文化に根ざすから」とそれを教える難しさを訴えていたが、諦めないでほしい。
I’m upset because it’s difficult to accept that as a red card. But I am proud the team fought to keep the result and the win 💪 pic.twitter.com/F5dm3adahc
— Gabriel Martinelli (@gabimartinelli) February 10, 2022
ありがとうロブホ
10人で防戦一方のなか、19分でクリアランスが9。まさに壁。
Rob Holding
– 19 minutes
– Nine clearances (no one else made more than six)
– 3/3 duels won
– One interception, one shot blockedA lot of tempting options in the defence but he’s man of the match for me pic.twitter.com/Kefl5sebOY
— James Benge (@jamesbenge) February 10, 2022
いまのチームのなかでは、もっとも在籍期間の長いひとりでありながら、スクワッドプレイヤーとして不満も云わず(それはしらんけど)。必要なときに、必要な仕事をしっかりとしてくれる漢。
いつだったかのFAカップファイナルのメルテザッカーを思い出したよね。シーズン中はほとんどプレイしていなかったにも関わらず、最後の最後で登場し、ビッグパフォーマンスでチームを救う。自分が試合でプレイしていないあいだも、来るべき日に備えて準備を怠らなかった。プロフェッショナルのかがみ。
もし、アーセナルが今年トップ4フィニッシュできたら、この試合のホールディングを思い出さなきゃいけないかもしれない。
その他試合について
- つぎの試合はマルティネリがサスペンション。ESRの出番か。ぺぺも観たい
- ESRは10人になっていた時間で孤軍奮闘。何度かボールを持って単独で上がるもサポートなし。何度かため息を誘ったが、彼を責めるのはちとかわいそう。あの役をやらせるなら、それこそマルティネリやサカが適役だった
- ルイスと激突して重症だったラウール・ヒメネスが元気そうでよかった。彼はトップでボールキープするし、ヘッダーは強いし、アーセナルのFWより優秀に見えた
- KTが何度かロングスロウ。あまり可能性は感じなかった。計画していたっぽいが、今後もやるんだろうか
- ラカゼットは交代後になにやらアルテタと口論? 試合後には抱き合っていたので問題なさげ
- ラムズデイルFC。ビッグセイヴでまたチームを救った
- エンケティアよりぺぺが観たかった
- たまにはぺぺが観たい
- サカのナツメグ
この試合については以上。
そういえば、ネヴェスが「アーセナルが試合後タイトルを取ったみたいに喜んでいた」という試合後のコメントが話題になっていた。「アーセナルのあんなセレブレイションはこの10年観たことがない」とも。
これに対してチャールズ・ワッツ。
Clearly Ruben hasn’t watched the celebrations after pretty much every away win this season. https://t.co/a1XvKFbx00
— Charles Watts (@charles_watts) February 10, 2022
今シーズンのアーセナルのアウェイ勝利のあとはずっとあんな感じだから、彼が観ていないだけ。ナイスアンサー。
Three 𝗶𝗺𝗽𝗼𝗿𝘁𝗮𝗻𝘁 points.
This is what it means ❤️ pic.twitter.com/JkR3WI8pRW
— Arsenal (@Arsenal) February 10, 2022
これだよこれ。
すごい集中力。これガチガチに守るチーム作ったらどえらく強いんじゃなかろうかw。
マイケルオリバーを擁護するわけじゃないけど、この試合は前半からずっとああいうファウルは取ってる。個別に見てイエローが不当かと言えば2つともそうは言えないと思う。まあ僕もああいうレッドは見たことないけど。
それと、ソアレスさんすいませんでした!(w)。特に高い位置ではいい仕事してたと思う。守備でポデンセ相手に苦労してたとはいえ、あれだけやってくれれば文句なし。一つにはウルブズのサイド攻撃が足元勝負で来る(ヒメネスがサイドに流れず空中戦がない・2トップにしてこない)と読み切った上での起用だったろうから、半分はアルテタの手柄かも。
久しぶりの実戦でかなりギクシャクしてたけど、ここから上げて行ければ。もう一つ行きましょう。COYG!
ジャカが割りかし高い位置を取る役割をやっていたけど、だったらスミス郎でよくないか、思いました。あと、なんでウーデゴール変えたの?とかなんでラカゼット変えたの?とか、ンケティア途中から出てきてなんであんな適当な守備すんのとか、いろいろあるけれど、ウルブズが大したことなくてよかったですね。
お疲れ様です!
本当に勝って良かった。それに尽きますが小言をいくつか。
マルティネッリの件はマイケルオリバーの判断も仕方ないかなと思います。ゲームのバランスを考えてジャッジのさじ加減を調整するのは白黒つけがたいジャッジだけに限るべきで、あれはどちらも黒かなぁと。アドレナリンが出まくってたんでしょうね。。
セドリックは及第点だったとは思いますが、やはりトミが居たら、、と思ってしまいました。ビルドアップの貢献とか前で潰す守備とか対人の強さとか。中央でヒメネスにだいぶ収められてましたが、トミが居たらまた違ったんじゃないかなぁとか思ったり。かなり贔屓目で見てるとは思いますが。笑
次のゲームまで1週間以上あるのは本当にありがたいですね。トミ早く帰ってきて!マジで!COYG!
僕も読み間違いました!
サイドが比較的プレッシャー弱めってことで相手への対応としてなのか、それともトレーニングでの結果なのかわからんけど、ソアレスなかなかのパフォーマンス!
そしてスタメンじゃなかったホールディングが切り札としての活躍!
うーん、サッカーは面白い!
そしてマルティネリの件、これもホント興味深い。
個別に見ればどちらも悪質で妥当なイエローだが、試合をコントロールするって意味では果たしてどうなのか?っていう話
まあマルティネリは猛省なの間違いないですね。特に1発目。
やっぱパーティ+ジャカがベストペアだし、あとラムズデールは神!
勝てて良かった〜〜ホント
守備陣がいつも通りよく奮闘してくれました。ラムズデールとCBの2人、そしてホールディングが素晴らしかった!相手はキレキレのドリブルの後のラストパスの精度の低さに安堵のため息。
マルティネッリは相手の堅さに試合中ずっと窮屈そうで、エネルギーをちょっとぶつけてしまったんでしょう。オリバーはまだマシな部類だと個人的に思ってます。こっちのゴールは取り消さなかったですし。
次はスミスロウが先発で、これはこれで楽しみです。ぺぺ先発もあるかな。
ラカゼット、次こそは決めてくれ!
久々の勝利ですね。
チームはよくがんばってくれました。
ケガがない前提なら、このチームでも充分ナノでしょうね。
ディフェンスブロックはトミヤスがもどれば磐石、7,8,10,35で形成するアタック陣も個性があってすばらしい。問題はトップとパーティのコンビ。
キーマンはペペとロコンガですね。
ほんとは今夜、ロンドンダービーだったんですね。
チェルシーがクラブワールドなんちゃらで流れたとゆう。
ウルブスはすぐにスパーズ戦。勝つでしょう。
他のチームも中2日くらいで試合ですね。
われわれはこの日程にも助けてもらって4位を磐石に かためてもらいたい。
COYG
相手の拙攻に助けられたような格好でしたが、勝ち点3は3。
久しぶりの実戦でアウェーでドバイ帰りで、と色々な要素があって身体重そうでしたね。
マルティネリのアレはビックリしましたが、まぁいずれも審判によっては黄色出すかな、ってものだったのでそこまで異論はないですが、他のアーセナル以外だったら赤にはならなさそうというのも納得できるのがミソ。
アルテタならびにアーセナルとして抗議はした方が良いでしょう。
ただ、次戦ではハナからESRかぺぺが観れる確率が高いのが逆に嬉しく複雑な気持ちです。