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チェルシーの独走ゴールから二年。ガビ・マルティネリが語るキャリア、自分のプレイ

ハイライトリールを観ながら……

(2019プリシーズンのコロラド・ラピッズ戦を観ながら)こんなふうにたくさんのランやダッシュがある。ときどき選手はそうしたランを観て、それがベストオプションじゃないなと思って、別のところにパスをする。でも、そこにいなければいけないんだ。そしてワンチャンスをつかんだら、得点しなくちゃいけない。

ぼくらは選手同士でもよく話す。セドリック・ソアレスと話して、彼にどこにパスを出してほしいか伝えたり、彼がどこに出したほうがいいと思っているのか訊いたりもする。ぼくらにはいい相互理解があると思う。

(2021年ニューカッスル戦を観ながら。左サイドからオバメヤンのゴールをアシスト)これは、ぼくがオーバのことをわかっていたから。彼はゴールへの嗅覚がある。正しいボールを送れば、彼は得点する。つまり選手の理解。

ぼくは彼とラカから多くを学んでいる。彼はぼくに信じられないくらいよくしてくれた。ぼくやエミールみたいな選手に、すごく謙虚に教えてくれた。10年前は彼らもぼくらのところにいたからだろうし、彼らふたりともぼくにはいつもすごく優しくしてくれた。

(ターニングポイントとなった2020年12月のチェルシー戦)チェルシー戦はチームにとってグレイトな試合だった。ぼくらは、自分たちをピッチに送り出すマネジャーに自信をつけてもらう必要があるとわかっていた。もしぼくらがうまくやれれば、それからもぼくらがプレイするとわかっていた。だから、自分たち次第だった。

(2021年クリスタル・パレス戦、マンU戦を観ながら)ぼくはいつもボールが来るものだと思ってる。ぼくが得点できると。このときは、ぼくとマーティンだけに見えていたんだ。それが起きると。

マーティンとのプレイはやりやすい。彼はこんなのをトレイニングで毎日やってる。

マーティンはアンビリーバボーな選手。ぼくは彼のローンが終わっても戻ってきてほしかったし、みんなも彼のサインにはすごく喜んだ。(マンUでの)このゴールは、ぼくがマーティンはいつもそこにいるとトレイニングで知っていた。彼はいつも云ってる「キミがワイドに行くときは、ぼくがボックスのセンターに行くから」と。

(PLデビューとなった2019年WHU戦を観ながら。コラシナツとの左サイドの連携でゴール)ここでぼくはデクラン・ライスのうしろにいて、いいフィニッシュだった。これがぼくのPLで最初のゴール。いとこのViniもそこにいたんだ。試合のあとは、家族みんながぼくにテキストしてきて、おめでとうを云われた。彼らはぼくがチャンスをミスしたり、悪い試合だったときでもそうするんだけどね。父さんは、いつも電話してきて、ぼくが試合でやったことをわからせようとしてくる。

いまでは父さんもぼくにやさしいけど、子どものころはキツかった。ぼくがいい試合をやらなかったとき。彼は云うんだ「おまえにはポテンシャルがあるんだから成長しないと」。いつもやさしくだけど。

ぼくがプレイを始めたころは、自分がフットボーラーになるなんて思わなかった。好きなことをやっているだけ。でも14才のとき思い始めた。「これがほんとにやっていけるんだ。ほんとにフットボーラーになれるんだ」。

(2021年11月のニューカッスル戦を観ながら。トミヤスのアシストでゴール)マネジャーはぼくらにああいうランをしてもらいたがってるし、それはやりやすい。あれをやると相手のフルバックとセンターバックはマークしづらいから。ゴールの前まで侵入していくのは、ワイドでボールを受けるときよりもゴールしやすい。

ニューカッスルの試合ではぼくはベンチからだった。みんなが「出たい、出たい」みたいになっていて、でも1分でも45分でも90分でも、ベストが出せるように準備ができていなければならない。あれはヴォリーをコントロールして、とてもナイスなゴールだった。ゴールとキーパーを同時に観ていた。

(2021年12月のWHU戦を観ながら。ラカゼットのアシストでゴール)マネジャーはNo.9にミドフィールドに落ちていくことを要求するから、No.9はほとんどNo.10のようになる。それで、ぼくとブカヨは裏へのランができる。(そのCFの役割はできる?)(うなづく)。

(そのつぎのリーズ戦を観ながら。2ゴール)ぼくがそこでゴールしたのは、走って守備に戻ろうかと思っていたときだったんだ。翌日のMTGでは、Albert Stuivenbergに「キミはグレイトなゴールをしたが、フルバックをマークしていたはずだった」と云われて、「すみません!」て云ったんだ。

もっともタフだった相手

(もっともタフだったチームと選手?)100%シティがもっとも難しいチーム。(個人では)FAカップでプレイしたノッティンガム・フォレストのDjed Spenceがもっともタフだった。とても強く、ボール扱いが上手で、落ち着いていてクイック。彼はとてもいい選手だと驚いた。

シティが相手なら、96分間走る準備ができていなければならない。彼らはすごくいい。でもあれを自分たちもチームでやらないといけない。あれは、肉体的にも精神的にも疲れる。消耗する。でも、ボールを奪い返し、攻撃でいい決断をしなければならない。もしそこで負ければ、彼らが5分間もボールをキープする。ボールにプレッシャーを与えなければ。かんたんにボールを持ちつづける。シティとプレイするなら、自分の相手をマークする準備ができていなければならないし、ボールを持ったらプレイしないと。試合全体で全員が正しいことをする必要がある。

以上

 

こういう記事のときは、ぼくは訳しながら、読むひとが読みやすいようにオリジナルにない小見出しをつけていくんだけど、思いのほか話題がいろいろな方向に飛んでいて、まとめにくかった。※ふつうに全体を記事として読めばもちろんなんの問題もない

なんとか読みやすくできればと思って、話題の順番をだいぶ変えた箇所もある。いずれにせよ読みにくかったらごめんなさい。

 

マルティネリのロングインタヴュー、どうでしたかね?

マンUのトライアルもそうだけど、「13才のときにぼくのエイジェントが……」って、そんなころから彼に代理人がいたということは、やっぱりすごいエリートだったということか。スーパー中学生(急に安っぽくなった笑)。マット・ターナーが自分の雑草っぷりを語っていたインタヴューを思い出すと、同じクラブに行き着いたとしても、選手によって道のりはだいぶ違うものだなと。思わずにいられない。

このインタヴューは英語でやりとりしているということで、個人的には彼の英語習得の進歩っぷりにもびっくり。てっきり通訳がいたのかと思った。

あと、サカとESR、オーデガード、オーバにラカゼット、ベンジャミンとラムズデイルへの言及がきて、同郷のビッグガビのことが全然出てこないのが気になってしまった。いっしょにオリンピックスクワッドの候補にもなっていたし、いちばん仲良しでもおかしくなさそうだが。

マルティネリのアウェアネスとワークレイト

アーセナルファンにとって、ガビ・マルティネリといえば、なにより<ハードワーカー>というイメジが強いと思う。

アタッカーである彼が、ゴール脅威になるだけでなく、毎試合のように守備の局面で相手からボールを奪う姿にぼくらはいつも熱狂している。

最近はアルテタがよくファンとのつながりやきずなについて口にするが、あれほど選手の情熱と、スタンドの情熱が交換される瞬間もないと思う。なんなら、ゴールよりも。なぜなら、ぼくらは選手の「がんばり」にひどく感動してしまうのだから。

この記事のなかで、マルティネリのそうした努力という名のがんばりを裏付けるデータも紹介されている。

グラフィックをよく観ると「同じポジションのライヴァルとの比較」になっているので、単純なリーグランキングではなさそうだが、それでも彼がこの分野で非常に優秀な事実は揺るがないだろう。

P90のインターセプションズ(EPLの同ポジションのライヴァルとの比較)
P90のファイナルサードでのポゼッション勝(EPLの同ポジションのライヴァルとの比較)

なるほど、試合のなかでマルティネリが、かなりしばしばボールを奪うと感じるわけだ。錯覚じゃあなかった。

「がんばり」と書いたけど、それだけではここまで優秀なスタッツにはならないはずで、やっぱり攻撃同様、守備もまたセンスなんだろうと思う。

身内びいきというわけではないが、これらの数字を達成するのに、シティのような超支配的にプレイするチームの一員であるスターリングより、まだまだ未完成なアーセナルにいるマルティネリのほうがよほど価値が高いはず。尊い。

 

これからも、ガビ・マルティネリの活躍に大注目ですな。アタッカーの構成が変わるだろう来シーズンも、いまからすごく楽しみである。

 

さいごに、この記事でも引用されているユルゲン・クロップの発言で締めよう。

マルティネリについてユルゲン・クロップ(2019、2021カラバオカップ)

世紀のタレント(talent of the century)。

マルティネーリ。みんな彼の名前を記憶しておくべきだ。際立った選手だった。マルティネリ少年。約束しよう、われわれは将来彼について話すことになるだろう。大きなケガがなければ、マルティネリにはしっかりしたキャリアがあるはずだ。

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “チェルシーの独走ゴールから二年。ガビ・マルティネリが語るキャリア、自分のプレイ

  1. ありがとうございます。
    いいインタビューですね。
    クロップはみる目ありますね。あげねぇけど。

  2. 自然と応援したくなる選手ですよね!

    人柄なのかプレースタイルなのか天性のカリスマ性かわからないですが、何よりも価値がある事だと思います。

  3. 大きな怪我も乗り越えて、今まさに飛躍しようとしてますね。否が応でも今後に期待しちゃいます。

  4. あーフットサルだったのか!知らなかった。道理でものすごく狭いスペースでも苦にしないわけだ。

    それで中央をやれるのか?記者が聞きたくなる気持ちも分かる気がする。ラカのところでもっとダイレクトな脅威を与えられないか?質問者はグーナーじゃかなろうかw。僕はその判断は分からないが、間違いないのはあんなストライカーがウイングにいたらDFはメタクソしんどい。CFならともかくウイングに完全にスペースを与えないなんて、どうやったってできっこない。

    得点してもちゃんと「でもあの時マーク外してたよな」ってツッコむコーチがいるのもいいことだと思う。それでも本能でゴールに突進するFWがいて、その相克の中でチームが強くなるんじゃないかなあと。

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