試合の論点
クリスタル・パレス vs アーセナルのトーキングポインツ。
なぜかいきなり悪くなったアーセナル。原因?
試合後のアルテタが「多くのことが同時にうまくいかなかった」と述べていて、まったくそのとおりに思えた。
チームパフォーマンスは全体的に劣悪に見えたが、とくにオーデガードとパーティがふたり同時にひどかった。アウトフィールドの選手では、フースコやSofaScoreでもこのふたりが両チームあわせてもワーストレイティング。最近のアーセナルでは、このふたりがベストなのに。そのおかげで、アーセナルの最近の流れとはまったく逆の、ボールを持ってもまるで効果的になれない、非常に停滞感あふれる試合になった。
前半のアーセナルのショッツはわずか3で、最初のショットまで27分もかかったのだ。
オーデガードは動きが鈍いのか、ボールに触る回数がいつもよりあきらかにすくなく、ピッチにいるのかいないのかわからない。彼がもっとボールに関与してくれないと、チーム全体のパフォーマンスに影響が出ることが、あらためてが浮き彫りになった。
そして、パーティはなぜにあのような悪いパスを繰り返したのか。まるで、自己評価4/10のパーティが戻ってきたみたいだった。
なぜふたり同時? 謎である。
また、そこはパレスの規律ある組織を褒めるべきかもしれないが、アーセナルはハイプレスもまったくハマらず。インテンシティもまとまりもないし、タイミングも遅く、つねに後手後手。ハイプレスは、ハマらないと選手も徒労感が募っていき、やる気が減少していくもの。まったくの悪循環だった。
ヴィエラは、アーセナルのハイプレス対策をやったのだとすると、かなり成功しただろう。予習をかなりしていたのかもしれない。いっぽうで彼らのプレスはメリハリが効き、危険な匂いがプンプンしていて、ラムズデイルが危なっかしく見えたシーンも何度かあった。
あとは、アーセナルはとにかくジュエルの負けが目立った。とくに前半は、アーセナルのジュエル勝率38%ということで、ボールの奪い合いにことごとく負けていたようにすら感じたものだ。あれでは苦しい。選手たちもピッチ上で、自分たちの劣勢を感じていただろう。
アルテタはパレスのフィジカリティにも言及している。たしかにそういう印象はあった。ザハやMatetaのようなパレスのフロントはボールを放り込まれても、それをキープし展開する強さがあって、アーセナルのDFは、彼らのそういった身体をつかったプレイに終始苦労しているように見えた。また、ギャラガーのような決して身体的にとても恵まれているというわけでもない選手すら、非常にインテンスでアグレッシヴなプレイでアーセナルのDFにつねに困難をもたらしていた。
このアーセナルのいきなりの不調の理由はなにか。アルテタはよくわからないみたいだ。だが、起きたことには必ず理由がある。
ひとつ考えられるのは、IB期間の過ごし方。意外に疲労がたまっていたのかもしれない。
とくに精彩を欠いたオーデガードもパーティもNTで中心選手としてプレイしている。逆にいえばスタートの11人のなかでは、ラカゼットとヌーノが比較的リラックスしたIBを過ごしただけで、彼ら以外はNTに参加していたか、あるいはケガ/病気の処置で2週間を過ごした。だから、フィットネス理由は考えられる。
この週末は、ホームで惨敗したチェルシーもNTでプレイする選手の多さによる影響が指摘されていた。もっとも、われらのようなヨーロッパのないチームが、そんな程度でフィットネスを欠いてほしくはないのだが。。
しかしそれが理由ならば、いずれ時間が解決するだろうから、さほど深刻ではないように思える。幸いにもわれわれには時間はあるのだから、つぎの試合まで筋肉をゆっくり整えればよし。
より心配な問題は、心理的なプレッシャーのほうだろう。アルテタは否定しているが、いま彼らにプレッシャーはあるかないかで云えば、当然あるに決まってる。
若いスクワッドにとっては、これほど大きな期待=プレッシャーを背負うのはほとんど未知の経験だろうし、それに対処するのが簡単なはずもなく。ソーシャルメディアの時代に生きる彼らには、世間の反応もダイレクトである分、影響も受けやすい。
自分たちがいいプレイをしているときは、プレッシャーを忘れることはできる。しかし、ひとたび悪いパフォーマンスになって、いつもアツくサポートしてくれるファンのことを思い出すと、今度は彼らを失望させたくないという気持ちがプレッシャーになる。ネガティヴな気持ちがプレイに反映されてうまくいかず、それでまたネガティヴな気持ちになって……という悪循環。
いまこのタイミングで4位にいたことが、逆にプレッシャーになってしまった面もあるかもしれない。ライヴァルより消化試合も少なく、比較的有利なポジションにいたことで、トップ4に現実味が出てしまったことがかえってプレッシャーになったとすれば不幸なことだった。
今回の内容と結果が仮にそういったプレッシャーとは無縁だったとしても、それは今後シーズンが進めば進むほどつよくなるはずで、おそらくチームがその影響を完全に免れることはない。こうして悪い結果があったときは、とくに今後はプレッシャーを感じるはずである。
とはいえ、考え過ぎもまたよくない。プレッシャーの問題というのは、要するにこころの問題だから。必要以上に悩むことは害でしかない。
ジェイミー・キャラガーは、この試合結果について「アーセナルはパニックになる必要はない」と述べていたという。たしかにそう。この週末の結果でToTとGDで順位こそ入れ替わっているが、こちらにはまだ未消化試合がある。オーデガードが試合後に語っていたことも正論だろう。これまでどおり、Keep calmでやっていければ問題ないはず。
したがって、今回のこの試合のことはさっさと忘れるべきである。パレスはかなり強かったので、苦戦するのも必然だった。反省は必要だが、重く受け止めすぎることはない。若いチームが不安定なのは当たり前。今週末ホームで勝って悪い流れをリセットすればよい。
そして今後、あと9試合で悪い時期もあるだろうことを考えると、チームはシーズン終了まで、試合でのパフォーマンスだけでなく、選手たちの心理的なマネジメントにも注力していく必要がありそうだ。もし悪いことがあっても、どうポジティヴな雰囲気をチームで維持していくか。悪い空気に飲まれないか。流されないか。リーダーシップのみせどころである。
スクワッドデプスがシリアスな懸念に
……と、努めてポジティヴであろうとしながらも、いま直面しつつある非情な現実に目を背けてもいられない状況になってきた。
このシーズン後半に、このチームが潜在的に抱えていたスクワッドデプスというビッグリスク。
潜在的もなにも、冬のウィンドウを終えた時点で、選手のIN/OUTで人数の収支が合っていなかったのだから、選手不足に陥るリスクは明白だったのだが、チームがいいフォームでいるあいだは、われらはなんとなくこのスクワッドでどうにかなるんじゃないかと思いこんでいた。知らずにリスクを忘れようとしていた。
だが、KTが手術で長期アウト、トミヤスも復帰が不透明、さらにパーティの離脱もありえるとなると、とたんにスクワッドデプスが重大な懸念になってしまった。もしかしたら、シーズンに影響するくらい。この試合にKTがいなかった影響もやはりあっただろう。
レギュラースターターズから、トミヤスが抜けたときはかなり心配したが、そのあいだはセドリックがなんとか代役をこなしてくれた。しかし、それにくわえてKTのカヴァでNT、パーティのカヴァでサンビ・ロコンガ/エルネニーがスタートとなれば、トップ4を狙ううえで、チーム力への影響はもう無視できないものになる。
そして、今後さらにレギュラー選手になにかトラブルが起きればどうなるか。そのようなこともまったく想定できないことではない。なぜならアーセナルなのだから。そういう意味では、これまでが順調すぎた。
これはもうホラー。これからなにが起きるかわからなくて怖い。
ケガ人続出で突然失速。あとは坂道を転がり落ちるように……なんてことにならなきゃいいが。そういうシーズンは、アーセナルではわりとあるあるなんじゃないか。
相手にリードを許したとき、なかなかカムバックできないアーセナル
先日、最近アーセナルの進歩というテーマでブログに書いたときにもすこし触れたように、アーセナルは敗けポジションからのポインツが、リーグのなかでもかなり少ないという事実がある。つまり、それは精神的な弱さのあらわれではないかと。だからそれは、チームが成長していくうえで、重要な課題のひとつとなっている。
今回は、アウェイでリードされたことで、その悪い評判を覆すいい機会でもあったが、結局またそれを逃してしまった。
Arsenal haven’t come back to win from two goals down since beating Spurs 5-2 in February 2012
— Orbinho (@Orbinho) April 4, 2022
アーセナルが0-2をひっくり返した試合は、2012年のNLD(H 5-2)が最後。10年前。
The last time Arsenal came back from 0-2 down to win away from home was against Bolton in 2008
— Orbinho (@Orbinho) April 4, 2022
そして、アウェイで0-2をひっくり返せたのは2008年が最後。おどろきの14年前。
90分のなかで悪い流れを覆した結果である「逆転勝利」というのは、いまのアーセナルがもっともたいせつにしていることのひとつである、レジリエンスそのもの。最近アルテタからも選手からも繰り返し述べられている単語だ。
一度リードされても追いつける、あるいは逆転できるるレジリエンスを身に着けたとき、それがチームとしてほんものの強さ、精神的な強さを獲得したときなんだろう。
このチームは、まだそこには達していない。
この試合については以上。
夜明けは近いと思ってましたが、やはり。
ただではシーズン終わらしてくれない。
それがおれたちのアーセナル劇場。
誰も絶対けがしないし調子もおとさないって決まってれば、11人だけでいいですが、そんなわけもなく。
とくにティアニーやトーマスはこれまでのこともあり、絶対にバックアップが必要なポジション。とくに2人の実力を考えれば、かなりのスペックも必要。トミヤスも。
どんなにいい選手でもケガばかりだと意味もないし。
そしてペペ、なぜいま病気なのよ。
ハラハラドキドキの終盤戦ですね。でもこんな気持ちになれるのはこれまでチームが頑張ってきて、この時期にトップ4を狙える位置にいるチームの特権ですよ。
思う存分、ドキドキしましょう。COYG
1月に層を厚くするための補強をしなかったギャンブルがここに来て悪い方向に
残り9試合凌げるか
ぼくには、得点シーン以外のパレスが良かったようには思えないけれど、ここまでほとんどの選手の調子が悪ければ仕方ない。それでもタヴァレスはもう少し長く使ってあげないと次の試合も使うなら、どんどん自信がなくなっていくだけだと思う。アルテタ、タヴァレスにだけ決断早くないか。
ロコンガの高パフォーマンス(相対的にそう見えた可能性もあるが)が唯一のポジティブポイント。1試合限りじゃないことを祈ります。
3位にいたのにそうでもない相手に3連敗してそれでも可能性あったのに下位相手にひどい試合してCL逃したエメリ一年目みたいなことにはしないでほしい‥切実に
いやあ~やられた試合でしたね。
特に前半は相手のやりたいようにやらせすぎた。。
パーティ、ウーデゴールのコンディションもだし、あと久々タヴァレスとESRが噛み合わないこと。。
あと久々に相手ワントップにやられまくったガブリエル。。うーん、悪い点ばっかでてたなあーと。
ティアニー今季残りoutということでタヴァレスでいくのか、それともジャカでいくのか。。
トミヤスoutの際、ベンジャミンをスライドさせよう派だった見る目がない自分にソアレスが良質なパフォーマンス見せたみたいに、
左、、この際トミヤス復帰したらソアレス、トミヤスで左右やっちゃえば?派の私をタヴァレスの進化で黙らせて欲しいですね!
日程連戦キツキツ、スカッドスカスカ、勝ち点欧州ギリギリ、これぞPLのエンタメ!終盤戦、、
とりあえずこれ以上の怪我人だけ出ませんように!
チームを牽引してた2人が同時に悪かったらまあ。。。こうなりますわな。パーティは鼠径部?太腿?
代役候補のロコンガはまあまあ良かったと思う。積極的なパスを出すようになってたし、パススピードもあった。ただ1ボランチでやるほどボールを引き出すのが上手いとも思えないので、ジャカが少し下がったほうがいいかも。タバレスも4-3-3で使うと前に出るのを躊躇してる感じがするので、やっぱりジャカが少し下がったほうがいいかも。。。いやあ、これはスリリングだw。
あれだけ何もかも上手く行かなくても、最後まで絶対に下を向かなかったウーデゴーアは偉いと思う。あれでできないんなら本当にできないんだと思う。ウーデゴーアも人間だってだけで。しかしベンチの選手はそういうスタメンの背中をずっと見続けてきたはずで、必ず影響を受けると思う。あくまでも強気に戦ってほしい。