ガブリエル・マガラエシュのロングインタヴュー「ぼくがフットボールに集中するために父ががんばってくれた」
サリーバのインタヴューがアップされた翌日にアップ。ガブリエル・マガラエシュこと、ガブリエルこと、ビッグカビのロングインタヴュー。
Long read: Gabriel’s dreams for club, and country
ガブリエル:ぼくは、ここに来てからの2年で、とてもたくさんのことを学んできた。ぼくが加入したとき、アーセナルのベストじゃない状況もわかっていた。しかし、初めてこのジャージを着てからは、大きな野心がある。
アーセナルでトロフィを勝ち取りたいんだ。そしてクラブにぼくの爪痕を残す。ここはぼくが愛するクラブであり、家族が愛するクラブ。たしかに大きな野心がある。
(父親の指導。フットボールと教育)ぼくの家族の重要性はことばではいい表せない。ありがたいことに、ぼくはかなりいい教育を受けた。両親はぼくをよく育ててくれた。もしうまくいかないときがあっても、家族はつねにぼくのそばにいてくれる。うまくいったときも、そこにいる。
フットボール以外でのぼくのインスピレイションは、間違いなく父だ。いまぼくがここにいるのは、父さんがハードに戦ってくれたおかげ。彼はいつも早起きして、仕事へ行く。ぼくにはいつもフットボールをさせたがった。いつもぼくにいいことをしようとするひとだった。
(いつからフットボールを始めた?)子どものころは、いつも友だちとストリートでフットボールをやっていた。毎日。Palmeirasを応援する子と、Corinthiansを応援する子がたくさんいて、よくPalmeiras対Corinthiansのマネをしたっけ。みんな絶対勝ちたがっていた。
フットボールは子どものころからずっと大好き。神さまのおかげ。ぼくはなんとかフットボールをつづけることができて、家族はその重要な一部。父さんは、ぼくが必要ならいつでもそこにいてくれた。ぼくが今日ここにいるのは、神さまと家族のおかげだ。
つねに難しさというのはある。当然だ。でももし選手になりたいのなら、そうしたタフなときをいくつもくぐり抜けていかなきゃいけない。ぼくの場合、それが若いときに起きた。そうしたすべてのことは、ぼくには成長曲線であり、強さを与えてくれる。いまは、神さまのおかげもあって、ぼくは当時やってきたことを笑顔で振り返ることができる。すべて価値があったのだと。
(ブラジリアンセリエBのAvai FCでキャリアを開始)Copa Sao Pauloに出場したとき、ぼくはAvaiにプロ選手として加入した。デビュー戦ではヘッダーでゴールも決めた。あれは、ぼくにとっては決定的な瞬間だった。
そのあとは、うまくいって、すごく早くものごとが動き始めた。1年後には、South American Under-20 Championshipでプレイしていた。そのあとLilleへ売られたんだ。
ぼくの人生はとても目まぐるしい。神さまのおかげで、いまや世界でベストのクラブのひとつにいる。
(アーセナルからのオファー)アーセナルのことはずっとビッグクラブだと知っていたよ。ほかのクラブからのオファーもあったんだけど、ぼくの考えはアーセナルだった。どれほどビッグクラブかもわかっていたし、その目標も野心も。交渉は最初からポジティヴで、ここに来るのは楽しみだった。
当時ぼくは父さんとエイジェントと相談していた。ほかのオファーもあったときで、かなり悩んでいた。でも、アーセナルが興味を持ってるとわかったら、エドゥから電話が来て、ぼくは迷わなかった。
(アーセナルデビューから3ヶ月連続のPOTM)ピッチに出ていくと、サポーターの愛情を感じる。彼らはピッチ上の選手たちをいつも応援してくれる。それがいいときばかりじゃなくても。もし選手がペナルティを与えてしまったり、ボールを奪われたりしても、もっとも重要なことは集中をつづけることだ。
今シーズンのフラムで、ぼく自身それを経験した。いいプレイをしていたのに、ぼくがボールを失って失点してしまい、つい落ち込みそうになった。しかし、問題はミステイクをやったあとのリアクションとバウンスバック。神さまのおかげで、ぼくは集中を維持できて、最後には自分がゴールすることでひっくり返すことができた。
ぼくはいつだって勝ちたい漢さ。試合前はいつも気合を入れて、やる気マンマンになる。毎試合でそういう気持ちが腹の底にある。それがふつうだし、ポジティヴなことでもある。サポーターがそれを助けてくれる。
(セレソン招集もいまだプレイはなし。セレソンデビューは大きな目標)まさに。ナショナルチームに招集されるのは、人生のなかでも大きなステップだ。ぼくも、もう一度それを体験したい。アーセナルでハードワークしていれば、機会もあるだろうと思う。
ナショナルチームでプレイするということは、その国をレペゼンしているという感覚がある。国中のひとたちから観られている。それよりすばらしい気分はないと思う。どんなブラジル人選手も、間違いなくナショナルチームのシャツを着ることを夢見ている。
子どものころから、ネイマールがプレイするのを観てきた。ぼくらは同じポジションじゃないけど、彼は間違いなくぼくのアイドル。いまでも大ファン。
まだ彼といっしょにプレイしたことはない。でも、ナショナルチームスクワッドでは、トレイニングもいっしょにやって、彼と時間を過ごした。ぼくは、大のネイマールファン。いずれ彼といっしょにプレイできるようになりたいし、彼にはぼくのヘッダーでのゴールをお膳立てしてほしい!
以上。
パパさんも息子がこんなに成功して、自分をたたえてくれるとは、さぞかしうれしかろう。thank God。
ところで、ファンのあいだでは、アーセナルの冬の補強エリアとして、ガブリエルしかいないLCB(左足CB)について挙げられることもあるが、実際はどうだろう。
もちろん余裕があればバックアップはほしいが、レギュラーはガブリエルでいまのところ安泰だし、そこで問題なくプレイできるトミヤスもいる。また先日のELでは、ホールディングがそこでプレイした。ボールを持っているときは、3CBのシェイプになっていることも多く、そこまで左足にこだわらなければ、緊急に対応が必要というようなポジションではなさそうではある。
この冬は、もっと補強が必要なエリアもあるし。
ただ、来年夏はLCBは重要なターゲットエリアにはなりそう。CLがあれば、当然いまよりもっとデプスは求められる。トミヤスは、DFならどこでもプレイできるということは、LCBでのプレイが求められたときに別のポジションでプレイしている可能性だってある。
もうひとつ懸念は、ガブリエル自身がほかのビッグクラブの移籍ターゲットになりかねないことか。これまで、ユヴェントスなどの噂があった。
もちろん彼だけでなく、サリバもほかの選手も同じように、活躍すればするほどビッグクラブの目に止まる。今後、もしガブリエルがセレソンに定着するようなことがあれば、ビッグクラブはほっておかないだろう。
サリバは、ここで新契約を結べばひとまず安心できるが、ガブリエルはどうだろう。彼の現行契約は2025までなので、心配するのは、さすがにまだ早いかな。
22-23アーセナルの守備の進歩
さて、ここでガブリエルとサリバのコンビを中心とした、アーセナルの守備が今シーズンどれほど進歩したかについて書きたい。
……のだが、ここにはごく基本的な情報しかない。残念。くわしい分析みたいなものは、いずれそういうネタを見つけたときに共有しよう。
ここまでの簡単な守備のスタッツとして、プレミアリーグでの失点(Goal against)とxGA(xGAgainst=被xG)。いまのところ、リーグリーダーでもあり、もちろん悪くない数字。
- GA(10)リーグ2位
- xGA(10.19)リーグ3位
PLのここまでの10試合で失点10ということは、ちょうど1.0 per gameになる。シーズン38試合で、38失点のペイス。xGAが38.38、まあ似たようなもの。
ちなみに、アーセナルの直近5シーズンの各総失点(xGA)は、以下のようになっている。
- 17/18: 51(48.75)
- 18/19: 51(57.30)
- 19/20: 48(57.25)
- 20/21: 39(43.23)
- 21/22: 48(48.39)
この5年間の平均失点が47.4だから、今年が38ならだいぶいい。平均xGAも5年平均50.98から今年が38.38なら、10ポインツ以上下がることに。
ただ、これはアーセナルのこの劣悪だった5年間とくらべればそうだというだけで、ヴェンゲルさん時代には98/99(17)や、03/04(26)、07/08(31)のような、かなり失点の少ないシーズンもある。シーズン失点が17って、2試合に1点も失点してない。どんだけ。
アーセナルは、ここしばらくホームでクリンシートがキープできていなかったり、失点を防ぐという意味ではまだ最高ではない。※アウェイに限れば、今シーズンの7試合のうち(PLとUEL)クリンシートが5つ。
だが、そのうち最高になるかもしれない。
21才と24才のプライムイヤーズは、もちろんこれから来るのだから。伸びしろしかない。
おわり