ようやくUELのグループステイジが終わり、アーセナルはみごとに目標達成した。そして今度はPLに集中する期間に。ここからワールドカップブレイクまで、2週間で3試合。
どうにか、トップを守りたい。
今回の相手はチェルシー、場所はスタンフォード・ブリッジ。
彼らが20年前にロシアの富豪に買収されてビッグクラブの仲間入りをしてからこれまで、長らくこのロンドンのライヴァルには苦手な意識もあったアーセナルながら、近年はだいぶ風向きが変わってきた。
アーセナルはチェルシーにPLの直近4試合中3試合に勝っていて、それ以前のPL17試合ではたったの2勝しかできていなかったというのだから、関係変化のきざしはかなりある。また、SB(※Stamford Bridgeの略です)では直近2試合で連勝中。3連勝となれば、1974年以来初めてという。
今シーズンは、USでのプリシーズンフレンドリーでもアーセナルは彼らに4-0で勝っている。
さらに、今回はお互いのチーム状況もある。
彼らは9月に新マネジャーを迎えたばかりであり、いまはチームが安定する前のまさに過渡期の真っ最中。ケガでキープレイヤーも欠いているなど、苦しい時期にいる。
いっぽうでアルテタのアーセナルは、ようやくマネジャーがみずからのやりかたを浸透させ、若いチームで経験を積んで、いま成功への道を歩み始めたところ。少し俯瞰めに観ただけでも、だいぶ状況が違う。
そんなお互いのここしばらくの状況がありながら、アーセナルはエースのゴール不足がつづいていて、Zurich相手にホームで苦戦してしまうなど、ごく直近の状況を観ればそこまでシンプルな構図でもない。
日曜ランチタイムのこの試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「オーバはとても危険」
EL Zurichの試合後プレス会見が、やけにチェルシーの話題が多いとおもったら、あの会見はこの試合の試合前プレス会見も兼ねていたようだ。アーセナルFCは時間を区切って、それぞれのテーマでプレスに対応したらしい。
ある程度は、AFCのサイトのトランスクリプトに含まれていて、このブログでも翻訳(Zurichのレヴュー)したが、ボスコメントの残りのパートは会見動画でご確認あれ。
つまり、チェルシーのプリマッチプレスコンファレンスはないということかな? もしこのあと試合までにそれをやるようなら、ここに追記するかもしれない。
アルテタ、ジャカ、パーティがそれぞれ月間アウォードにノミネイト
アルテタといえば、10月のPL MOTM(Manager of the Month)にノミネイトされていた。8月の受賞で今回も。その話題も会見で出たはずだった。
それと、ジャカがPOTM(Player of the Month)、パーティのNLDでのあのゴールがGOTM(Goal of the Month)にノミネイト。
先月のみんなの活躍で、なんだかお祭り騒ぎである。
モハメド・エルネニーの試合前コメント「もうビッグエゴはないし、みんなミケルにビビってる」
EL Zurichで、長期離脱からいきなりスタートして、なかなかのパフォーマンスを披露したモー・エルネニー。
これも厳密にはZurichの試合後である。『Evening Standard』より。
エルネニー:(オバメヤンの「アルテタはビッグキャラクター、ビッグプレイヤーに対処できない」発言)いまは、みんなが自分たちのことを観るようになっている。なぜなら、みんなミケルがチームキャプテンにやったことを観ているから。ほかの選手はどうなるんだ?って。
あれが示したのは、もう遊んでいられないということであり、チームとうまくやらねばならないということであり、チームと団結していくということ。そのほかはありえない。ぼくらは、ミケルの決断には賛成した。だって彼はぼくらのボスであり、彼のチーム対するヴィジョンには賛成しなきゃならないから。
ぼくらはもうビッグエゴは許されない。それがいまのぼくらのドレッシングルームだ。
みんながみんなに愛情を持ち、お互いのためにワークする。それがスクワッドをとても強くしているもの。もうチームにはエゴもないし。
(あの決断でチームがひとつになった?)そう思う。いまはみんなビビってるからね!
みんなが自分のポジションがどうなるか怖がっている。オバメヤンにあんなことが起きたのだから。もちろん、もしそれがチームキャプテンじゃなくても、小さなミステイクでも、同じ問題になるだろう。誰もそんな問題はいらない。
(ワールドカップまであと3試合)ぼくらにはいいチームがあるとわかっている。いいスタッフがいるし、ミケルはぼくらをほんとに強いチームだと感じさせてくれている。今年は、なにか特別なことができると毎日信じるだけさ。
いまのスクワッドはほんとに強いし、みんながハードにプッシュしている。アーセナルはビッグクラブだとみんなわかっているし、クラブを実際にふさわしい場所にいかせる必要がある。そのためにぼくらはプレイしている。
Stamford Bridgeでやるべきことはわかっている。タイトルを狙っているのだから。もちろん全力でやるつもり。
モーがこんなふうに思っているのなら、ミケルがオーバを退団させる決断をした理由のひとつは達成しているんじゃないかと思う。
つまり、アレはどんな選手でも問題を起こせば、平等に罰せられるという「non-negotiable」をチーム全体に見せるためだったのだろう。もっとくだけて云えば、規律の厳しさを示し、ボスとしてチーム全体に「なめられない」ことが重要だった。若いコーチだからとくに。ウーナイ末期の前例もあるしな。
それが、ちゃんと成功しているならよかったよかった。
エルネニーは、ワールドカップに行けなかったアレクシス・サンチェスをダイレクトに(笑い)からかってしまったり(アレは4年前か)、今回も質問に応えただけとはいえ「オーバ退団でチームがひとつになった」「もうエゴはない」と云ってしまった。無邪気というか、怖いもの知らずというか、大物だな。