ドン引き&カウンターを狙うウォルヴズ相手に、アーセナルはけっしていい内容ではなかったが、それでもアウェイでお仕事完了。クリンシート。
いくらボールを持っても、なかなかゴールできずイライラするような試合展開は、先月からずっとつづく最近のわれらっぽい感じではあった。だから試合にちゃんと勝てて、ホッとしてしまった。
そして、なんとこの試合前、マンシティがブレントフォードに敗けるという波乱が起きた。シティのホームで。これには驚き。
したがってアーセナルは、プレイする前からすでテーブルトップを決めていたという。さらにここで3ポインツを得た結果、シティに5ポインツクリア。しかも、ここから長いワールドカップブレイクに入るため、クリスマスもトップ。ずっとトップ。末永くトップ。アーセナルのファンには、かなり早いクリスマスのギフトになってしまうという心温まる物語。ありがてえ。
試合を振り返ろう。
Odegaard double sends Arsenal five points clear
アルテタの試合後コメント「ワールドカップブレイクがカギになる」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプトより。
アルテタ:ワールドカップ前のビッグゲイムだった。話題になっていたし、個人にもナショナルチームの周辺にも雑音もあった。だから、これを準備するのはトリッキーだった。しかし、わたしには選手たちが精神的に準備できていたように思う。
フィジカリーには、完全にすべてを出した。チェルシーとはまたとても違う試合だったが、あらためて示した。成熟と何をすべきかの理解。そして3ポインツ。
(ハーフタイムのトーク?)われわれは我慢しなければならなかった。試合のスピードをちょっと上げて、あるエリアではもっと勇気を持たねばならなかった。そして、同時に相手のふたりのフロント選手たちもコントロールせねばならなかった。彼らはランをやる準備万端で、オープンスペイスでは信じがたいほどいい。
しかし、後ろを観ながらプレイはできない。だからわれわれは前へ行った。ゴールはあと1-2点は取れていたかもしれない。またクリンシートで試合に勝てたことはとてもうれしい。
(テーブルトップのクリスマスプレゼント)きっとファンも楽しめるだろう。彼らはいま起きていることの一部であると感じるべき。なぜなら、彼らにはとんでもないパワー、クラブを変え、クラブ全体に団結をもたらした。選手たちも喜んでいる。
わたしも数日休みを取るつもり。そのあとは準備をせねば。この期間がカギになるから。(ワールドカップ後は)要求されるし、チャンレンジングになる。われわれは、それに備える必要がある。
試合後のプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプト。
(14試合を終えて5ポインツクリア。これはヤバい……)
アルテタ:われわれがいる場所はすごいところ。このときを楽しんでいる。そして大きなブレイクがある。われわれは、自分たちが行っていることについて反芻する必要がある。そして、ワールドカップのあとどうなるかに、準備万端でなければならない。
われわれの目的は、チームとして毎日プレイをよくしていくこと。それをピッチでやることのできるツールを持つこと。あのような選手やスタッフといっしょにワークできることはすごいことだと云える。
(この勢いがあるときに休みに入ってしまうことの悔しさ……)
チームがそういうときにあるとき、プレイをつづけたいのは当然。しかし、それは不可能。われわれはこのときを、ワールドカップに参加しない選手たちと最大限に利用しなければならない。彼らはしばらくオフになるが、それも彼らにふさわしいもの。
あとのみんなは、ワールドカップでプレイするという子どものころからの夢を叶えることになる。それ以上のものはない。
(オーデガードがワールドカップに行かないことは、リスタートでは大きな違いになる……)
わからない。もちろん、彼はその前にもふたつの代表試合がある。そのあとには、彼をできるだけいいかたちで準備させていくつもり。
しかし、それもわからないことだ。リズムに乗って、競えていることのほうがよいこともある。だから、ここに残る選手たちも競っていくことが必要になる。(ブレイク後の)ウェストハムで十分なフィットネスでプレイできるように。われわれはそのように準備をしていく。
(オーデガードをキャプテンに任命したこと……)
大きな決断だった。彼は彼のやりかたでリーダーであり、キャラクターでリーダーであり、すばらしい人物・フットボーラーでもある。彼の年齢でそれをやっているのは、簡単なことではない。彼がチームにいてくれてほんとうにうれしい。
(今シーズンはオーデガードにもゴール……)
それがほしかったもの。アタッキングMFなら、試合に勝ち、アシストだけでなくゴールもほしい。彼はそのメンタリティを変えた。彼はたくさん練習しているし、ベストになりたがっている。ほかの若い選手たちと同じように、彼の限界がどこにあるのかわれわれにもわからない。
これこそ、われわれが望んだものだ。このいいときを楽しんで、彼らがよくないときはサポートをしていく。
(グラニト・ジャカの交代……)
彼は大丈夫。グラニトは気分が優れなかった。自分から「交代が必要」と云ってきた。彼とほかの何人かの選手に、おなかの問題(tummy issue)があった。だがもちろんファーストハーフで3-4人も変えることはできない。
だが、そのような状況にも適応できてなんとか試合に勝てたのはよかった。
(われわれのシーズンここまでについて……)
それをやるには一週間くらいは必要。もちろん、われわれがいまいる場所にいるなんて誰も想像しなかった。勝たねばならない試合の量だってあった。
しかし、わたしは自分たちのプレイのやりかた、ともに生きるやりかたにより集中していく。ドレッシングルームとコルニー周辺の雰囲気、ステディアムでファンと生み出しているもの、クラブのメンバー全員のあいだにある関係、それはよりパワフルになっている。そして、わたしの仕事は、毎試合でいいプレイをすることで、それに集中している。
(このチームとやれそうなことはあなたの想像を越えてきた?……)
イエス。だが、それは1日づつだ。試合ごとですらない。わたしの理解は、日課をどうこなしていくか、毎日そうしたことをよくやっていくコミットがあり、どの選手もチームをよくするために貢献していくこと。それもわたしのほしいものだ。
(チームホテルで食中毒があった?……)
たぶん試合前の食事だったと思う。わたしもわからないが。ドクターが解決しようとしている。彼らも気分がよくなかったから。
(あなたもチームもマンシティの試合は観ていた?……)
イエス。バスに乗っていた。みんなでいっしょに観ていたよ。ほかの試合のときと同じように。
(トーニーがシティにゴールしたあとのチームのリアクションは?……)
ご想像のとおり(ニヤリ)。
(ほかのチームのことで気を散らされることがある?……)
それがこのリーグだろう。そしてそれが美しさ。シーズンの2試合めからもうそうなり始める。なぜなら競争が激しいから。相手チームをよく観ることになる。それはどのチームもやっていることだと思う。わたしが別のチームにいたときだって、いつだってそうしていた。選手だろうがコーチだろうが、自然なことだ。
しかし、そのあとは自分たちのことに集中せねばならなくなる。自分たちのパフォーマンスと試合での勝利に。今週、それはとてもトリッキーだと感じた。なぜなら、ワールドカップと選手個人のことで騒がれていたから。選手たちはやるべきことをやった。
以上。
バスのなかで大騒ぎ。すこし前に“All or Nothing: Arsenal”のシーズン2の噂もあったが、もし撮影中ならさぞかしいい絵が撮れただろうに。
不思議なジャカの交代。ぽんぽんいたい?
前半すぐのジャカの交代については、どこか痛めた様子もなく、あのときは突然なにが起きたのかよくわからず。しばらくプレイしたあとに下がったのは、不思議な光景だった。TVコメンタリのコメントから、ハーフタイムでは病気説(illness)がささやかれていた。突然の病気ってなんだよっていう。心配してしまった。
アルテタのコメントからすると結局、食中毒だったようだ。おなかが痛くなっちゃった。トイレを我慢してたなら、グラニトには不調を訴えてから退くまで地獄の15分だったな。ラザニアかな?
ジャカだけでなくほかにもそうした選手(とドクター?)がいたというのだから、大事故にならなくてほんとうによかった。
ちなみに会見でアルテタがこれについて「tummy issue」というワードを使っていて、それがファンにウケていた。“tummy”というのは、辞書で調べると子どもと話すときに使うような幼児語だそうで、おなかのこと。日本語にするなら「ぽんぽん」みたいな。アルテタ家には小さな子どもたちがいるから、つい出てしまったのかもしれない。ほほえましい。
マーティン・オーデガードの試合後コメント「ボックスに入っていくのが上手になった」
G2でキャプテン大活躍。試合後のインタヴュー。AFCオフィシャルサイトより。
MØ:ぼくも、いまやああいうエリアに入っていくのがうまくなってきたと思う。よりボックスを攻撃している。どちらのゴールも美しいゴールではなかったかもしれないが、ぼくは正しい場所にいたことが役に立った。ゴールでチームを助けられるのはいつでもうれしい。
これは、いいブレイクへの入り方。試合前にぼくらは力強くフィニッシュしたいと話していた。このいいフィーリングを持ってブレイクに入る。ぼくらは、さらに強くなって、さらによくなって戻ってこないと。でもいまもかなりいい。
(バック5相手にゴールできず苦しんだ)それは試合前にも話していて、ハーフタイムにも。5人バックのチームと対戦するのは難しいし、我慢をすることが必要だった。結局それをやって、ゴールがとれたのだと思う。
タフな試合だった。今日は深く掘らなきゃならなかった。ファーストハーフはちょっとスロウで、チャンスをつくることに苦しんだ。彼らはよく守ったし、カウンターはつねに危険だということはわかっていた。だから、難しい試合だった。
セカンドハーフではいくつかのことを変更して、試合をちょっとスピードアップさせた。ぼくらにはそのクオリティがあるし、いつだってクリエイトできる。だが、勝利のためにいいことをやった。
キャプテン!
Steve Davisの試合後コメント「あれはペナルティであり、レッドカードすらありえた」
ウォルヴズの暫定ボス。なにやら不満があるようで。『Sky Sports』より。
Davis:われわれは0-0で満足だった。ファーストハーフのあの決断は、われわれのほうにくるべきだった。彼はオンサイドであり、あれはファウル。そして彼はラストマンであり、だからあれは得点機会だったし、レッドカードもありえた。あれがキツかったのは、あのときわれわれにとりとても重要なときだったから。
あれで守備メンタリティだって変わる。VARが使われたのかもさだかじゃないが、あったって使わないんじゃ意味ない。彼らはVARが必要なのかどうか決めねばならない。必要なら、使わないと。
なんのことを云っているのか、もう忘れかけてた。サリバのあれか。でもあれは事前にオフサイド判定のアクションがあったのでは?
まあ、いいじゃないか。済んだことをいつまでもグダグダと(ハナホジ)。
もっとも、ここに限らず、今回はレフStuart Attwellが、めずらしくアーセナルびいきに思えたという感じはあったけども。おかげでホームスタンドもヒートアップしちゃってたな。あれでレフにもさらに公平にジャッジする圧力がかかっただろう。ゆかいゆかい。
この暫定ボスのSteve Davis氏は、ここでお役御免で、Lopeteguiへ。お疲れさまだ。