試合の論点
アストン・ヴィラ vs アーセナルのトーキングポインツ。
👊 Victorious at Villa
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— Arsenal (@Arsenal) February 18, 2023
理想のバウンスバック。アーセナルがPLタイトル争いに戻る
終わってみれば、いまのアーセナルのチームが置かれた状況からしても、ほんとうに理想的な試合だったなと。苦しんだところも含めてまるごと全部。
前半の停滞したパフォーマンス、あまりにもイージーな失点、決めるべきゴールを決められないフラストレイション。そのどれもが最後にはドラマのお膳立てになってしまった。この興奮を体験するには、むしろ、そういうものも必要だったという。オーデガードやエンケティアのあれこれがもし先に決まっていたら、あの得難いカタルシスはなかったんだから。
まあ、もちろんそうしたひとつひとつはまったく褒められないんだが、うやむやになるほど最後が強烈だった。
アーセナルが追加タイムでウィナーをぶっこむのを最後に観たのはいつだろう? ほとんどのひとはもうあきらめかけていたと思うのだよね。92分のあの瞬間まで。また2ポインツ失うのかと絶望的な気分だった。またDAZ~Nとした月曜を迎えるのかと。ホイッスルを待たずに帰途についた、現場のアーセナルサポーターだっていたかもしれん。ここでさらにポインツを落とすのを観るのはほんとに辛いだろうから。わかるよ。
それがなあ。
そして、もちろん最後のアレ。勝つだけでなく、勝利にみごとな華を添えた。
エミマルがエメリの制止を振りほどいて(笑い)ゴールを空けてくれたおかげもあり。あのゴールのなにが素晴らしいかって、もちろんリトルガビが決めたことだ。
彼は最近はあきらかに調子を落としていて、ついに今回はひさしぶりにスターティングからも外されてしまった。それには、彼なりに屈辱や悔しさもあったはず。そんな彼になんというプレゼント。残り20分で出てきてエナジー満タンだった彼をつかまえられる選手はもうあの時間にはピッチにひとりもいなかった。
試合に勝っただけじゃなく、勝ち方も素晴らしかった。
この勝利が、タイトルを目指す若きチームに今後どれほどポジティヴな効果をもたらすか。考えただけでワクワクするではありませんか。
これで今回のチームは、また特別な経験値をつんだと思う。こんな気持ちが高揚する勝ち方はなかなかないのだから。あきらめなければ、信じつづければ、ご褒美があると学んだ。これは強力な刷り込みだ。
後述するように、このあとのほかの試合の結果もまた、アーセナルがこの試合で得た結果の大きさをさらにブーストすることになった。
🔙🔛🔝!
— Renato (@rehnato) February 18, 2023
ここでドラゴンボールネタがわからないとは、われながらツラい。。この3人でヴィエラが年長というのがウケる。
前半の停滞っぷりときっかけの重要性
ああいう試合の終わりでほとんどうやむやになっているのはたしかなんだが、あの前半、あるいは後半60分のゴールまでの時間も忘れちゃいけないと思う。前半は困惑するほどひどかった。
まず5分に失点。びっくりした。
ジンチェンコがらしくなくボールを奪われて、パス1本でワトキンスとサリバが1 v 1に。ボックスであんなふうにかわされてショット&ゴール。トップDFは、あの1 v 1でゴールを決められちゃあいけません。よりによって、サリバがやったのでショックだった。シティでは、なかなかうまくやっていたものの、彼もシーズン前半の完璧に近いパフォーマンスにくらべて、とくにワールドカップ以降では、フォームがやや落ちているとしか云いようがない。今回もそれを印象づけた。
その10分後には、サカがファインゴールで1点を返したのはナイス。
だが、さらにその15分後には、またイージーすぎる失点。あれはなんなん?
あの場面は誰の過失なのかいまいちわからないが、いずれにせよ安易すぎる。FBの裏をとられカットバックと、ふつうに守備が崩されている。アーセナルは、この試合までアウェイのクリンシーツはリーグトップで、そんなチームがあんなに簡単にふたつも失点するとは。シーズン後半になってから、とくに守備の脆弱さが目立つようになったのはなぜだろう。あんなに固かったのに。
いっぽう、われらがボールを持ったら持ったで、どうにも観ていてフラストレイションがたまった。
前半はとくに、最近の数試合の悪い流れをそのまま引きずったような印象で、あまりにも予測可能な攻撃パターンと、さらに今回はパスの出し手が、出す先を迷うようなシーンが散見されて、チームでどうにもギアが噛み合わない。悪い流れが選手たちのなかにまだ淀んでいるというのか。
76分は時間的にはもう吹っ切れていたはずだが、あそこのオーデガードのちょっと考えられないようなミスも、彼の脳内に一瞬シティの試合がよぎったんじゃないかと思われた。あの試合はシュートすべきところで逡巡したりとラストアクションの意思決定に問題ありだったから、ここは思い切ってワンタッチでいってしまったのだろうが、あそこはむしろ一回貯めても十分チャンスだったように観える。
↓これを外したんだから
エメリは、ニューカッスルやエヴァトンのアーセナル戦を意識したようなミッドブロックでハイラインをやってきた。カメラが引くと、裏へのランをしかけようとしている選手はいるのに、今回もバックの選手が長めのボールで裏のスペイスを使おうとする意図はあまり観えず。根気強くブロックを崩そうとしているといえば聞こえはよいが、狭いスペイスの攻略にはやはり手こずっていたように観えた。
そんななか、60分のショートコーナーからジンチェンコのファインゴール。あそこはセットピースであり、ブロックへの対応とは関係ないところ。後半プッシュをつづけて、ついに決めた。
この試合全体を観れば、やはりあそこで同点にしたことは、その後チームがエナジーを回復する大きなきっかけになったなと。あのあとは、かなり圧を強めたし、そのおかげで2-2の同点になってからはお互いにエンドトゥエンドみたいな、オープンな戦いになったが、それにもエナジーで応じた。アルテタは、中二日の身体的疲労を心配していたようだが、チームは最後まで気力でプレイしていただろう。
ぼくはここしばらく、結果が出ずに苦しんでいるチームを観ていて、「きっかけ」がいかに重要かについてよく考えていて、このジンチェンコのゴールこそ、この試合の成功のきっかけだったと感じた。当たり前のことを云うようだけど。そんなきっかけをずっと待っていた。
ケチャップのふたみたいに、ゴールが決まればゴールが呼ばれる。もっと大きな絵図として観れば、勝利が勝利を呼ぶのと相似だ。結局は、そのサイクルにうまく乗るのがトップチームなんだろう。トップフォームのチームが簡単そうに勝っていくのは、そうしてつねに切れ目なくエナジーを循環させているから。みたいな。要はメンタリティの問題。
ところで、ジョルジーニョのゴールが決まったときに(※もうジョルジのゴールでいいだろ)、アルテタがまっさきに向かったのが、メンタルコーチのCarlos Cuestaだったという話があって、なるほどと思ったものだった。チームとして選手たちのメンタリティ向上に、それなりに力を入れて取り組んできたんだろうとは想像できるから。彼はたしかAll or Nothing: Arsenalでも、たびたび登場していたように記憶している。まだ27才とかなり若いコーチながら、舞台裏ではいまのチームにとても貢献しているのかもしれない。
きっかけはゴールならなんでもよかった。ポゼッション志向のチームだと案外わすれがちだが、相手のブロックを崩すことが目的じゃない。それはジョルジーニョのゴール(※エミマルのOG)も同じだった。
あそこで、ああいうかたちで決めたジンチェンコの気持ちの強さ。感じたよね。決めたあとも、セレブレイションなんかいいから早く戻れと。チームがやるべきことを行動で示した。
ジンチェンコといえば、ここ数試合は、無理めなシュートを試みる機会が増えていて、あれはやめてほしいと思っていたファンも多かったと思う。彼はそのフィニッシュする役割でもないし、そのクオリティも大してよくなかったから。彼のアツい性格ゆえなんだろうとは思っていた。
でも、それがあのゴールに至る伏線になっていたとは。よくできた物語だよ。
サカを守れ
以前からずっとそうだからいまさらながら、いい加減、サカをどうにかしないと。
毎試合で相手にやられっぱなしで、今回もそう。あんなふうにブーツがぬげるほどでも、おとがめなしとは。いい加減にしてくれと相手に抗議すれば、本人がカードをもらう始末。
後半はあきらかに痛そうにしていて、走るのも辛そうだった。もしRWにまともなバックアップがいたら、後半から変えたいくらいだっただろう。でも変えられなかった。
毎試合でこの調子だと、シーズン最後までもつようにはとても思えない。
いまサカが不在だと、どうするのだろうか。この試合でサカを変えなかった(変えられなかった)ことが、事態の深刻さを物語っているように思える。
いちおう、RWのオプションはあるにせよ、サカ以上のクオリティは望めないのはあきらか。
パーティの不在はジョルジーニョが期待以上にカヴァしているが、痛そうに足をひきずりながらプレイしているサカを観て、彼のカヴァは今後に向けては大きな不安材料のひとつということを実感した。
Bukayo Saka’s game by numbers vs Aston Villa:
83 touches
10 duels won (most)
6 shots
4 tackles made
3 dribbles complete
2 shots on target
1 goal
0.33 xGSublime. 🌶 pic.twitter.com/iHnqyw62rS
— Squawka (@Squawka) February 18, 2023
その他試合について
いろいろありすぎて、これだけ。
They wrote us off but we’re Stayin’ Alive. pic.twitter.com/0EEZePYMVM
— Poz (@PoznanInMyPants) February 18, 2023
この試合については以上である!
レオはティアニーも組ませたらいいと思うんですが、かたくなにティアニー使わないのなんなん、とあえて勝った今に言いたい笑
これぞアーセナル。これぞウーナイ。
ジンチェンコのゴールもきっかけに違いないですが、ラムズデールのビッグセーブもすばらしかった。
エディもあとちょっとってのが遠かったですね。
気になったのは、ジャカですね。ポジションブーストが終わってしまったのか、なんかチグハグな原因になってるよおに見えます。
次はスタートからビエラとかスミスローみたい。
最終ラインもビッグガビ以外は、ちょっと失点の原因になっちゃっているんですよね。ティアニー、スミスロウ、トロサールはすごく相性よさそうで見てみたい。あとサカも休ませてリースがでたらまた得点しちゃうとか。いずれにせよ、ジョルジーニョが計算できるのが、本当に心強いですね。彼の縦パス、大好きです。
同じことをおっしゃってる方がいますが、トロサールはマジでティアニーの方が相性いいと思うし、ティアニーをいい加減見たいですね。
ジンチェンコはゴールを決めましたが、偽SBにこだわりすぎて失点増えてきてる気がしますね。
やっぱエメリはマルチネスを上がらせる指示を出していないようで。
そりゃそうだと思いますが、ちょっと揉めそうな感じですね。
とりあえず今後はヴィラも頑張って欲しいですが、
劇的勝利でガナーズも再浮上するでしょうか。
トロサール先発マルティネッリベンチは割といい感じと思います。
ジンチェンコは最近ロスト多いですね
チーム状況が最近悪かったのでイライラしてるように見える
精度低いミドルも多かったし
エメリはジャカがファンと揉めたときもですが、肝心なときに選手を守ってくれないイメージがあります。公式に言わなくてもいいのに。
アーセナルはここから上手くローテーションして最後まで頑張ってほしい。