ロシアのウクライナ侵攻から一年ということで、ジンチェンコがキャプテンに。いまも厳しい生活を強いられているウクライナのファンのためにも勝ちたい試合だった。
そして内容はどうだったかというと。これが、ひさしぶりに、PLでもこういう試合がまだあるんだなと感じるような試合であり。
このレスターは、ここ数年でアーセナルが対戦してきたどの英国チームよりもアグレッションがないように観えた。イングランドだけでなく、近年トップリーグでこんなゆるくプレイするチームはないんじゃないか。
結果は1-0なので楽勝といえば云いすぎだろうが、アウェイチームがほとんどの時間で試合をコントロールしたのは事実で、アーセナルが敗けるにまったく値しない試合だった。
そういうわけで、今回もまたアウェイで3ポインツ&クリンシート。お仕事完了でトップを維持した。
われらの今シーズンここまでのアウェイ記録(W10)は、早くも昨シーズン全体のアウェイ記録を超えた。ホームで2しかないクリンシーツもアウェイでは7。不思議。
試合を振り返ろう。
Martinelli gives Arsenal narrow win at Leicester
アルテタの試合後コメント「最初から最後までコントロールした」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプトより。
アルテタ:(ジンチェンコがキャプテン)素晴らしいことだ。なぜならそれは選手たちの発案だったから。昨日マーティンがわたしのところへ来て、みんながそうしたいと伝えてきた。
だから今日は彼のために勝ちたかった。彼の愛するひとたち、すべてのウクライナの人々のために。今日われわれが国として示したファイティングスピリット、一体感で世界をインスパイヤしたんじゃないかな。
今日われわれがすこしでも彼らに幸せをもたらすことができるのなら、それはアレックスがチームにとってどういう存在かの反映であり、いい機会だった。彼らに勝利を捧げることができたことをとてもうれしく思う。
われわれにはとても力強いパフォーマンスがあった。ステディアムでこれまでこのチームがやってきたことをやる。選手たちを大いに称賛する。なぜなら簡単ではないのだから。
わたしはまったく何もやられなかったと思うよ。最後にターゲットを外したショットがひとつあっただけ。こちらが最初から最後まで試合を支配した。
われわれはたくさんのチャンスをつくり、いくつかのビッグチャンスもあり。もっと楽に勝てるよう、もっとチャンスをつくるべきですらあった。試合が自分たちがやるステイジになったときに、どうするか? われわれはそれにかなりの落ち着きと、成熟をもって対処していた。ほかにはなにも起きなかった。
試合後のプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトより。
(今シーズンのわれわれのアウェイ記録のカギとなるもの…………)
アルテタ:今日チームがやったパフォーマンスは、非常に非常に難しいものだったと思う。われわれが試合の最初から最後まで支配したと思うし、難しい10分かそれくらいの時間はあって、相手にボールを渡しすぎて多少コントロールを失ったこともあった。だが概ね、われわれのプレイがあり、スペイスや相手のプレッシングへの理解があり、ファイナルサードへ侵入してのポジションは素晴らしかった。
われわれにすこし欠いたのは、もっとゴールするための、もっと大きなチャンスをつくるためのファイナルパス。
認められなかったゴールの決断では、われわれはそれを超えてはいなかったと思う。受け入れるのが難しい。だが、その後もとても集中を維持して、覚悟もあった。
守備の面でも、われわれは素晴らしかったと思う。試合全体でホームのレスターにショットをひとつしか許さなかったのだから。それをやるのは簡単じゃない。選手たちはとてもよくやった。
(ブカヨ・サカはペナルティをもらうべきだった?……)
わからない。その映像は観ていない。もう終わったことだ。あまりそういったことばかりについて話したくない。われわれはアストン・ヴィラとレスターというこのアウェイ2試合に勝ったのだから、完全にハッピー。われわれのプレイからしても、われわれが試合に勝つのにふさわしかった。ここからはつぎだ。エヴァトン。
(レアンドロ・トロサールのパフォーマンス?……)
彼はとてもよくやっていた。彼はとてもよかったと思う。彼は、ビッグチャンスになりうる多くの状況にからんだし、認められなかったが素晴らしいゴールもあった。ガビのゴールにもからんだ。あの彼に送ったパス。彼は狭いスペイス、タイトなスペイスでとてもうまい。彼のクリエイティヴィティでオープンにできる。わたしは彼に非常に満足している。
(トロサールはあのポジションでまたプレイする?……)
われわれにはガビを9でプレイさせ、レオを左に置くオプションもある。試合がどうなっていくかを観なければならかったし、レスターがなにをやりたいかも。必要があれば、ミドフィールドに変えるオプションも持っておきたかった。彼の貢献はとてもよかったと思う。
(このふたつのアウェイ試合で達成したこと……)
当然とても重要だ。それがより信念を生み、選手たちのなかに、クラブの周辺や外部にもそれが生まれる。わたしは選手たちならそれができると完全に信頼している。それは基本に戻ることであり、試合の邪魔になるディーテイルであり、われわれが得た以上のものがある。
この2試合では、とくに今日、そういったことがとてもよくなっていた。
(クリンシートの重要性……)
セットプレイヤー、スロッピーなゴール、個人エラー。それは試合のなかでやらかすこともあるフットボールの一部だ。しかし、われわれが失点していない、チャンスをつくらせていないという事実は、非常に重要だ。安定して試合に勝ちたいのなら。
(ここまでジョルジーニョとトロサールがチームにもたらしているインパクトについて……)
そのふたりには、すでにこのリーグでの経験がある。それは、われわれのプレイにもとてもフィットしていて、ふたりとも要求されるいろいろな状況への理解ができる賢さがある。われわれは、彼らにあることを実行するように要求しており、彼らにはそれを要求されるレヴェルでやるパーソナリティがある。
(1月の獲得におけるクラブの移籍戦略について……)
とても満足している。なぜなら、われわれは自分たちがやりたいこと、できないことがとてもはっきりしているから。そしてわれわれは適応せねばならなかった。このウィンドウではそれができなければならない。自分たちを憐れむことなく。
オーナーからボードの全員、とくにエドゥが、やるべきことを実行するようとてもとても努力していたと思う。そして、われわれは自分たちが望むオプションを得ることができた。
(ヴィラ・パークで勝つまでにチームが戻る必要のあったベイシックとディーテイルについて?……)
とくにエヴァトンのような相手に、あの失点のしかたがあり、あのセットピースはかなり避けることができたものだ。ときに、波はビーチからかなり離れたところで生まれるだろう? そして、そのあとでは、それから起きることを避けるには遅すぎる。
われわれはそうした面で進歩の必要があった。そして今日のチームは、それをとてもとてもよくやっていたと思う。
(先週休んでからのマルティネリのパフォーマンスについて……)
彼には非常に重要だった。ときどき、誰かにより熱意とエナジーを持って戻ってきてもらうために、息抜きを与えることは必要だ。彼は、勝利をもたらす素晴らしいゴールで貢献してくれた。
彼の契約(延長)もあり、喜ばしいことだ。なぜなら、われわれはそのことにしばらくのあいだ取り組んでいて、ベスト選手たちをキープしたいから。彼は、われわれがクラブとして行っていることにコミットしているのだ。
(マルティネリがピッチでモチベーションを失っていることはない……)
われわれはガビにそれを失うことはない。もしあるとすれば、わたしの懸念は、彼があまりにやられすぎてスロウダウンを強いられることがあることくらい。彼の調子は素晴らしい。
以上
ガビ・マルティネリの試合後コメント「レオからグレイトなボールが来た」
貴重なG1。持ってる。ゴール直後に痛がるのは、いかにもウソじゃないという感じがしてよけいに痛々しい。AFCオフィシャルサイトより。
(試合について……)
マルティネリ:タフな試合だった。でもやりとげた。3ポインツがもっとも重要なこと。
(試合をコントロールしていた……)
このリーグのほとんどの試合でも、ぼくらはそうしていると思う。ぼくらはつづけていく必要があるし、ファイナルサードでは我慢づよくいる必要もある。今日はそれをやれて、ゴールも取れたし勝つこともできた。
(ゴールについて……)
いいゴールだった。美しいゴール。レオからグレイトなボールが来て、ぼくはネットに入れるだけだった。いいゴールだったよ。
(そのあとはケガをした?……)
なんでもないよ。大丈夫!
(クリンシートについて……)
とてもとても重要。今週はガファにそれを云われていたんだ。クリンシートが必要だと。そして今日はそれをやった。すごくうれしい。
(マンシティにプレッシャーを与えている……)
そう思う。でも、ぼくらは自分たちのことを考えないと。自分たちの試合を勝つこと。それがぼくらにコントロールできることだし、ポインツを取るために全力でやる必要がある。
(エヴァトンの試合について……)
そうだね。またやっていくさ。彼らともうひと試合。今度はホームでがんばります。
マルティネリは、今回も観ていて正直、自信を失っているのか、たびたび訪れる1 v 1の機会でもあまりチャレンジしようとしないことが心配だった。以前の誰も止められないみたいな時期とは、あきらかに違う。やや後ろ向きなプレイ姿勢。あのときはあのときで、彼があまり周囲の選手にパスを出したがらないアレクシスしぐさが不満ではあったが。
なんてことを考えていたら後半すぐズドン。なんかこの展開は既視感ある。
ブレンダン・ロジャースの試合後コメント「あまりにも受け身だった」
さすがに危機感のレスターのボス。ポストマッチ会見。『Leicester Mercury』より。
ロジャース:あきらかに彼らのほうがよかった。彼らはうまくボールをキープしていた。守備の面では、われわれも彼らのチャンスを制限していた。
ファーストハーフ、われわれは守備の面で受け身すぎた。驚いたほどだ。いつもやっているように、われわれの考えはとてもアグレッシヴに行くこと。だが、われわれは受け身すぎた。何度かブレイクの機会もあったが、クイックさが足りなかったり、技術的なスピードが十分じゃなかった。
失点後もわれわれは試合に残ったが、彼らはリーグのトップにいるのは理由がある。彼らはそれを示したと思う。
(なぜチームは受け身だった?)リーグリーダーとの試合で、ピッチの上ではいつもとすこし違っていたのかもしれない。
スコアボードでは惜しい試合だが、フットボールと技術的クオリティでは、彼らはわれわれとはレヴェルが違っていた。際立ったチームだ。
トロサールは降りてくるタイミングがうまいのでもう少し周りが使ってあげてほしいですね。もっと活躍できたと思う。それにしてもレスターは何も言うことがないチームになってしまって悲しい。