マルティネリのフォルス9? ターナー?
ジェズース、エンケティア、トロサールと9候補がみんないなくなってしまって、結局この試合はマルティネリがCFに入った。
彼のひさしぶりの中央でのプレイはどうだったか。
もちろんいいプレイもあった。後半のあの独走なんて、彼らしくてとてもよかった。あのゴールが入っていれば最高だったのに。
ただ、ぼくは正直、この試合に限って云えば彼のフォルス9適性は微妙に観えた。
以前から界隈で云われていることではあるが、彼はああいうプレイスタイルで、意外にタイトなエリアでのクロースコントロールが得意ではないという。
だから、フォルス9としてビルドアップで深く落ちてきたときに、ボールが収まらずあまり効果的になれない。あのような場面でNo.9にやってほしいのは、ボールを持てば相手選手が四方から殺到するような密集地帯のなかで、なぜかボールが収まって、うまい具合に空いたエリアへパスを展開すること。相手はそれをやられるとすごくイヤなわけだ。そこは、現在のアーセナルのオプションならジェズースがもっとも上手で、トロサールもかなりうまい。エンケティアもまあうまくやる。彼はそのポジションでの慣れもあるかもしれない。
ネリがミドフィールドでフォルス9ロールがうまくやれないなら、今回は彼をLWにしてESRを9で入れたほうがフロントラインとしてはよかったんじゃないかと、とくに前半は試合を観ながら思っていた。ESRがライン間の狭いエリアで得意のハーフターンでボールを受けて、みたいなプレイをしてくれたら、もっと攻撃がうまく回ったんじゃないかとか。
今後マルティネリがフォルス9ロールにもっと適応していくのか、あるいはアルテタが別のオプションを検討するのか。注目していよう。もう重要な試合ばかりで、それが練習できる機会もあまりないのが残念。
それとマッティ・ターナー。彼が、試合後に一部からわりとしんらつな評価をされているのを観かけて、ちょっと気の毒になった。
彼はボール扱いもそれほど上手じゃないし、クロスの対応もよくない。成長が期待できるほど若くないしで、純粋なスポーツ目的の獲得ではなく(アメリカ人の獲得を望んでいた)いかにもKSE案件だったというような。
I have never really understood the Turner signing. Taking up an overseas player spot. Not good with his feet. Not that great with crosses. Not a young player who might develop. Maybe some sort of Kroenke tax dodge.
— Orbinho (@Orbinho) March 9, 2023
まあ彼がアーセナルに来た経緯にはそういう側面があったのは否定できないにせよ、ぼくはこの試合の彼はそこまで悪かったとは思わない。いやすごく良かったわけではもちろんないけども。いいセイヴもいくつかあったし。バックからのプレイにあまり慣れていないGKにしては、気の利いたパスもあった。
そもそも現実問題として、優秀なGKをサブとして置いておくのは非常に難しいというのもある。だからどのクラブもセカンドGKは、だいたい旬を過ぎたヴェテランかこれからの若手なわけで。総合的に考えれば、ターナーはベストとは云わないまでも、そこまで悪いオプションではないだろう。
ただ、今回のコーナーからの失点のようなプレイはさすがに致命的にマズいので、アルテタが今後彼をどうするかは、それも観ておくべきところかもしれない。
カップコンペティションをセカンドGKでプレイしていても、セミファイナルのようなもっとラウンドが進めばファーストGKが登場するというのは、ふつうにある。
あるいはアルテタがそれよりももっと早く決断をするかどうか。判断を誤ると命取りになりかねない。それが守備の選手であり、GK。
ファビオ・ヴィエラの未来は明るい?
ポルトガルのチームと対戦ということで、この試合でも注目もされていたヴィエラ。ホームサポーターからもたくさんブーイングされていた。
今回の彼のパフォーマンスはどうだったか。コーナーからサリバのゴールでアシスト1を記録した。まだ12試合しかスタートしていない。
Most assists for Arsenal across all competitions this season:
◎ 9 – Bukayo Saka
◉ 6 – Fábio Vieira
◎ 6 – Martin Ødegaard
◎ 6 – Gabriel JesusThis is just his 12th start of the season. 💪#UEL pic.twitter.com/km8kYhLssl
— Squawka Live (@Squawka_Live) March 9, 2023
全体的には、なかなかよいパフォーマンスだったと云えるのではなかろうか。惜しいふたつのショッツもあった。
今回は右8にそのまま入ったため、試合後にはオーデガードとの比較で語られるのを多く目にしている。彼の未熟な部分として指摘されがちなのは、やはりフィジカリティか。とくにPLは彼のような小柄な選手にとっては、もっとタフな環境になる。
オーデガードがアーセナルに来たときと、現在のヴィエラの違いについてフェアに云えば、このふたりがかなり違うのは、プレイタイムだ。アルテタも試合後にわざわざヴィエラにはもっとプレイ時間が与えられるにふさわしかったと言及しているほど。たしかに彼にはもっともっと機会を与えて、もっとチームとプレイさせる時間を増やしたいという気はする。ここまでは十分な時間が与えられていない。
オーデガードが、アーセナルに来てからチームや環境に適応するのにそれなりに時間がかかったのも事実であり(彼はそうとうに順調に適応した部類だろうが)、プレイスタイルは違えど、ヴィエラが今後オーデガードの足跡をたどり、彼のような存在感をチームで発揮していけるのか。
それは、もうちょっと様子を観ていく必要はありそうだ。かなり期待はしている。
そのためにも、彼がコンスタントにプレイできるELにできるだけ長く生き残らないと。
試合については以上。
さて、つぎの試合は日曜のPLフルハム(A)。
こっちはELと違って超本番。絶対にスリップできず。
トロサールがIB以降にならないと復帰できないという報道があって、ジェズースが戻るまではNo.9問題を引きずりそうな予感がある。
ではまたマッチプレヴューエントリで。
COYGです。
右のウイングにエドワーズ欲しいと思いませんでした?